奨励金とは?メリットや知っておきたい注意点をわかりやすく解説!


奨励金とは?メリットや知っておきたい注意点をわかりやすく解説!

本記事では、持株会の奨励金について解説します。奨励金のメリット・デメリットを従業員と会社側に分けてわかりやすく解説していますので、持株会における奨励金の重要性が理解できるでしょう。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

本記事では、持株会の奨励金について解説します。奨励金のメリット・デメリットを従業員と会社側に分けてわかりやすく解説しているので、奨励金の重要性が理解できるようになるでしょう。

会社における奨励金とは?

会社の奨励金と言えば、従業員の行動や業績に対して支払われる以下のような奨励金が連想されるでしょう。

  • 永年勤続表彰金
  • 目標達成金


しかし、忘れてはならないのが、持株会の奨励金です。持株会の奨励金とは、自社株の購入時に、一定割合で購入金額に上乗せしてくれる金額を指します。

上乗せ割合は会社平均で8%で、5%もしくは10%が一般的です。毎月5,000円の自社株を購入すると仮定すれば、上乗せが5%の場合実質5,250円分の自社株が手に入れられます。

奨励金は会社の持株会で得られる恩恵の一つ

持ち株会とは、従業員の自社株購入を支援する仕組みです。積立購入を申し込めば、会社が給与などから毎月一定額の自社株を買い付けてくれます。上場企業の約9割が実施しているので、入社時に持株会への参加を勧められた方もいらっしゃるでしょう。

持株会への参加は従業員のみが得られる奨励金です。奨励金があれば通常よりも多くの持ち株を得られますので、自社株購入を検討するなら、利用しない手はないでしょう。

【奨励金以外にも!】持株会が従業員にもたらすメリット


持株会への参加で従業員が得られるメリットは奨励金だけではありません。持株会が従業員にもたらす主なメリットは、以下の3つです。

  • 奨励金
  • 無理なく自社株を保有できる
  • 会社に貢献しながら自己資産を増やせる


持株会のもたらすメリットをよく理解すれば、自発的に参加を考える従業員の方も多くなってくるでしょう。

1:奨励金

持株会なら、端数となる小数点以下の株数も購入できます。奨励金が5%で、毎月5,000円ずつ積立投資していたとしましょう。この月の株価は1,000円です。

この月に購入できるのは5,000円に加えて5%分の奨励金250円が加算された5,250円ですが、株価が1,000円だと、購入できる株数は「5250÷1000=5.25株」となり、端数が発生します。通常なら0.25株分は購入できませんが、持株会なら購入可能です。小数点以下の株数が購入可能なので、お得に自社株を保有できるメリットが生まれます。

2:無理なく自社株を保有できる

お得に無理なく自社株を保有できる点も、持株会のメリットです。最低積立額は1,000円、また1,000円単位で買い付け額を加増できる会社が一般的なため、自分の懐具合に合わせて無理なく自社株保有を増やしていけます。

また、以下のように購入・管理に手間がかからない点もメリットです。

  • 積立費用は給与やボーナスから天引き
  • 保有株は持株会の理事長口座で管理
  • 配当金は、持ち株数に応じて割り当て
  • 配当金は自動的に再投資に回される

3:会社に貢献しながら自己資産を増やせる

自社株を保有すれば、従業員には経営に参加しているという意識が芽生えます。会社への貢献意欲が向上し、自己成長にも好影響を及ぼすでしょう。自己成長しながら、自己資産を増やせる一挙両得の好結果が期待できるのは大きなメリットです。

また、入社時から自己の資産形成を始められるので、自己の金融リテラシーを向上させることもできます。これは将来を見据えたお金の使い方を学ぶためにも、いい機会になるでしょう。

持株会が会社にもたらすメリット

持株会がメリットをもたらすのは従業員だけではありません。持株会を設置した会社にも、以下のメリットがあります。

  • 経営の安定
  • 福利厚生の充実
  • 事業の相続対策に最適


上場企業の9割が持株会を設けているのも、これらのメリットを見据えてのことかもしれません。実際に、近年は奨励金の上乗せ割合を引き上げ、持株会への参加率を図る会社も増加傾向にあります。

1:経営の安定

会社にとって、従業員が株式を持つことは経営の安定につながります。少し前まで日本では、取引先同士が相互の自社株を保有し合う「持ち合い株」が多くの会社間で利用されていました。取引先同士が自社株を持ち合うことで取り引きを強化し、安定株主の獲得を目的にしていたのです。

しかし、近年ではリスクが取り沙汰され、持ち合い株は減少しました。そのため、長期的に自社株を保有してもらえる従業員を安定株主とみなすようになったのです。

2:福利厚生の充実

持株会は福利厚生の充実度を上げるメリットがあります。優秀な人材を獲得・維持するためには、福利厚生の充実は欠かせません。今や福利厚生の充実は、会社を選ぶ際の必須条件の1つです。

持株会の以下のメリットは、従業員にとって魅力的な条件となるでしょう。

  • 奨励金でより多くの自社株が得られる
  • 単元未満の自社株を購入できる
  • 効率的に背徳金が獲得できる
  • 入社直後から資産形成を始められる
  • 入社直後から金融リテラシーを養える

奨励金の活用だけにとどまらない、企業のあらゆる情報を分析・活用

従業員の会社への満足度は、持株会の奨励金だけでは不十分です。働きがいをもって仕事に取り組むためにも、従業員満足度を上げる人材活用が求められるでしょう。

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3:事業の相続対策に最適

持株会は事業の相続対策にもメリットがあります。会社の株価が高くなる点は、株主にとってメリットです。

しかし、会社にとっては良いことばかりではありません。事業継承や相続問題が起こった際は株式取得に必要な金額が高額になり過ぎ、現金支払いが厳しい事態が起こり得ます。

この場合、オーナー保有の株式を経営に影響がない範囲で持株会に株式の一部を譲渡・贈与すれば、相続財産となる株式を減らすことが可能です。

従業員が知っておきたい持株会のデメリット⇒従業員に共有しておきたい


持株会にもデメリットはあります。持株会に参加する際、従業員に押さえておいてもらいたいデメリットは以下の3つです。

  • 株主優待は不可
  • キャピタルゲインを得にくい
  • 依存度が高くなる可能性


持株会での株式運用は通常の株式投資と異なる点があるため、知らずにいると驚くことにもなりかねません。そのためデメリットを理解した上で、持株会の積立投資を始めるようにしましょう。

株主優待は不可

持株会の株式投資では、株主優待は受けられません。株主優待とは、株式を発行している企業が一定数以上の株式を保有する株主に対して、商品やサービスなどを提供する制度です。主に株式を発行する企業が、自社の活動や特色を株主に対してアピールするために実施しています。

株式購入の際には株主優待を目的としている人も多いので、持株会に参加する際は注意が必要です。

(主な企業の株主優待)

  • イオン:株主優待カード
  • すかいらーくホールディングス:自社グループレストラン2,000円分優待カード
  • 全国保証:3,000円分のQUOカード


キャピタルゲインを得にくい

会社規定のスパンやタイミングで株式購入するため、キャピタルゲインが得にくい点もデメリットです。キャピタルゲインとは、購入した株式が値上がりすることで売却時に得られる利益を指します。

通常の株式投資なら、好きなときに株式の売買が可能です。株価を見ながらキャピタルゲインを狙った株式の購入や売却ができます。

しかし、持株会では任意のタイミングで株式の購入や売却はできません。キャピタルゲインを狙った通常投資を希望するなら、持株会は不向きでしょう。

依存度が高くなる可能性

持株会での株式購入は効率的に購入できる点と自社株式であるという安心感から、依存度が高くなる可能性があります。次第に積立額を上げていく人も出てくるでしょう。

しかし、安易な安心感は後々仇となる危険性があります。当然ですが、会社業績が悪くなると株価は下落しますし、万が一倒産しようものなら職をなくした上に、投資した金額も失ってしまうことになるでしょう。

リスクヘッジの観点から言えば、持株会だけに依存する投資は重大な危険性をはらみます。資産運用を考えるなら、持株会以外の投資がおすすめです。

企業は知っておきたい持株会のデメリット

持株会を設置する企業にも、従業員と同様にデメリットがあります。企業に知っておいてもらいたいデメリットは、以下の2つです。

  • インサイダー取引の可能性
  • 業績が悪くても配当が必要


持株会の設置を検討する場合は、これら2つのデメリットについて十分に検討する必要があるでしょう。

インサイダー取引の可能性

一番の懸念事項は、インサイダー取引となる可能性です。従業員が持株会から自社株を毎月決まった方法で定額買付するのであれば、インサイダー取引の適用除外になります(1回あたりの買付額は100万円未満)。

インサイダー取引とは、組織にいる人が内部情報を知った上で、株価変動による利益獲得を目的として情報公開前に株式売買する行為です。インサイダー取引と判断されれば、不正取引として罰則の対象になります。

業績が悪くても配当が必要

注意したいのは、企業業績が悪くなったときです。業績が順調で配当を出せているときは何の問題もなく、従業員と企業共にメリットがある施策となるでしょう。しかし、業績悪化で配当が出せなくなったときに無配当になれば、従業員からの信頼は一気に低下し、モチベーションの低下など様々な悪影響を及ぼします。

具体的な奨励金の算出イメージを解説

持株会の奨励金制度がどれくらいお得なのかを、具体的なイメージを元に紹介します。奨励金制度とは、持株会を介した株式買付時に、一定の金額分を上乗せしてくれる制度です。

この制度のおかげで持株会での株式買付は。通常よりもお得に株式を獲得できます。上乗せ分は買付金額の5〜10%ほどが一般的で、割合が高いほど、従業員が得られるメリットは高くなる仕組みです。

実際に上乗せ10%で株価1,000円の場合、10,000円で何株購入できるのかを計算してみましょう。

購入金額10,000円+奨励金(10,000円×10%=1,000円)÷株価1,000円=11株

通常なら10,000円で購入できる株数は10株ですが、奨励金があれば1株余分に取得できることになります。

まとめ

奨励金は従業員と会社にとって共にメリットを生む制度です。まったくデメリットが無いわけではありませんが、福利厚生の充実のためにも会社は設置を検討すべきでしょう。

しかし、従業員の満足度の促進には、奨励金だけでは物足りません。そこでおすすめしたいのがタレントパレットです。タレントパレットはあらゆる人事システムを活用でき、その分析結果から人事問題の解決に根拠のある施策が実施できます。まずは資料請求して、導入を検討してみませんか。

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