ヒューマンスキルとは?高め方やメリット、注意点について解説


ヒューマンスキルとは?高め方やメリット、注意点について解説

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

ヒューマンスキルとは、円滑な人間関係を築くスキルのことです。一見ビジネスシーンとは関係なさそうなヒューマンスキルですが、このスキルを身につければ、チームの円滑な運用や顧客との関係性構築に非常に有利になるケースも多いといえます。

しかし、業務を円滑に行うためにもヒューマンスキルを向上させたいと思ったとしてもどのように取り組んでいいのかわからないケースもあるのではないでしょうか。

本記事では、ヒューマンスキルの概要と注目される理由、ヒューマンスキルの高め方や身につける場合の注意点を解説します。社内での評価制度についても言及していますので、ぜひ参考にしてください。

ヒューマンスキルとは

ヒューマンスキルとは、円滑な対人関係を築くために必要とされるスキルです。チームメンバーや顧客の気持ちを理解し、起こった物事や事実を正確に相手へ伝える技術を含んでいます。

アメリカのハーバード大学教授であるロバート・カッツによって提唱された理論で、ヒューマンスキルには次の8つの構成要素が必要です。

  • ネゴシエーション能力
  • ヒアリング能力
  • リーダーシップ能力
  • プレゼンテーション能力
  • コーチング能力
  • コミュニケーション能力
  • ファシリテーション能力
  • 向上心


ビジネスマンとして基本となるものもあれば、トップビジネスマンが持つとされている高度な要素まで多岐に渡ります。ビジネススキルを習得して自身の可能性を高めることも必要ですが、チームや顧客との円滑な人間関係構築のためにもヒューマンスキルの習得は必要不可欠と言えるでしょう。

ヒューマンスキルは簡単にいえば、人間関係と業務の生産性をより良好にするためのスキルです。身に付けると、部下のマネジメント、チーム内のトラブル防止、顧客との関係を良好にするなどの様々な効果が生じます。具体的にどのようなスキルをヒューマンスキルというのか、詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。

「ヒューマンスキル一覧」については、こちらの記事をご確認ください。

ビジネススキルとの違い

ビジネススキルとは、自らの仕事を行う上で必要な知識や技術、能力を総称した名称です。ヒューマンスキルよりも対象となる範囲が広い点が特徴といえます。

ヒューマンスキルとの違いとしては、ビジネススキルはヒューマンスキルを含んだ理論であるという点です。ヒューマンスキルと以下2つのスキルを含めて、提唱者の名前から取ってカッツ理論とも呼ばれています。

  • テクニカルスキル
  • 情報収集や分析など、必要となる基本的な技術・知識を身につける能力
  • コンセプチュアルスキル
  • ロジカルシンキングを始めとした考え方、及び、状況や情報を分析して発生している物事の本質を捉える能力


ヒューマンスキルはビジネススキルのひとつであり、働く人の立ち位置などに関わらず必要とされる能力であるといえるでしょう。

ヒューマンスキルが注目される理由



ヒューマンスキルが注目されている理由は、次の2つが大きなものとされています。

  • 価値観の多様化が進んでいるため
  • 環境変化への柔軟な対応が求められているため


コミュニケーションを前提として、マネジメントを行う場合、多様的な価値観・働き方に対応する必要があるため、ヒューマンスキルが求められているといえるでしょう。ここでは、よりヒューマンスキルが注目される理由についてみていきます。

ヒューマンスキルにはヒアリング力や交渉力など様々な力が含まれます。その中の1つがリーダーシップです。リーダーシップは管理職だけでなく、役職を持たない従業員であっても、目標達成や成果をあげるためには欠かせない力といえるでしょう。リーダーシップについて詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。

「リーダーシップ」については、こちらの記事をご確認ください。

ビジネス環境の変化に対応するため

大小問わず環境の変化が起きた際に、柔軟な対応を行うためにもヒューマンスキルが重要です。たとえば、2020年の新型コロナウイルス感染拡大による働き方の変化では、社内のコミュニケーションの取り方や仕事のやり方が大きく変化しました。

そして、時代の変化に合わせて、柔軟に対応できる人材を育てていくためにも、ヒューマンスキルが必要だと言われるように変化しています。

今後も変化していくであろう働き方・コミュニケーションの取り方に対し、コロナウイルス感染症が落ち着きを見せつつある現在も引き続き環境の変化が起こる可能性が示唆されています。そのため、企業経営の目線でも変化に対応できる人材を育成するためにヒューマンスキルは欠かせない能力だといえるでしょう。

また、AIの登場による環境の変化も影響しています。AIやロボットの進歩は、それまで人間が行ってきた仕事を代替することも可能になりつつあり、業務を進める際に必須と言われていたテクニカルスキルの重要性は低くなってしまいました。

一方で、どのような環境でも通用すると言われているヒューマンスキルは、AIやロボットには真似できない能力です。これらの理由から、今まで以上にヒューマンスキルが重視されるようになったといえます。

多様性に対応するため

企業のグローバル化やダイバーシティ&インクルージョンが積極的に推進されている現代において、円滑な人間関係を構築するヒューマンスキルは、特に必要とされているスキルです。

様々な価値観を持った人と一緒に仕事を行うという前提は、今も昔も変わりません。そのうえで、価値観を受け止められるヒューマンスキルを高められなければ、良い環境を構築することはできないでしょう。

多様性への対応は、社内での役職に関わらず全ての人材に求められます。とくに、マネジメント層で重視されることが多いのは実状です。しかし、経営に関わるトップマネジメント層や中間管理職のミドルマネジメント層だけではなく、現場を指揮する監督にあたるローワーマネジメント層でも同様です。

人材育成の一環としてヒューマンスキルを身につけさせるのであれば、管理職だけではなく全従業員に対して実施するのが望ましいといえるでしょう。

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ヒューマンスキルの高め方

ここでは3つのヒューマンスキルを高める方法について紹介します。社内の人材育成における参考にしてみましょう。実際に、研修やインプット・アウトプットの機会を企業として設けることが大事だといえます。

社員研修

社員研修を通じてヒューマンスキルを高めることができます。社内で講師を探す、外部から講師を招くことも可能です。

ただし、ヒューマンスキルを高める社内研修で最も難しい点は、教育する側が諦めてしまうことが多いということも知っておきましょう。部下やチームメンバーに対して、性格を理由に諦めてしまったり、実務向きではないという理由から別の仕事ばかり任せたりしている場合、ヒューマンスキルを高めることができなくなってしまうためです。

また、教育を受ける側も自分に問題があっても自覚していないというケースも珍しくありません。どの立場でも、簡単に身につくものではないという点を前提として社内での社員研修を実施するようにしましょう。

関連記事:研修の効果を高めるには?効果を最大限に引き出すコツや測定方法を解説

インプット・アウトプット

ヒューマンスキルは、座学を通じて知識を身につけるだけでは、スキルとはいえません。。とくに、上司は部下のヒューマンスキルを身につけるためにも、インプットした知識やスキルをアウトプットできる場を設けるようにしましょう。

アウトプットできるシーンが多いほど、座学などでインプットしたヒューマンスキルを身につけやすくなります。繰り返すことで効率的にヒューマンスキルが身につきやすくなるでしょう。

重要なのは、インプットとアウトプットの機会を継続的に設けることです。日々の業務の中でインプットした内容をアウトプットするチャンスは必ずあるでしょう。上司はそのタイミングで部下に役割を与え、アウトプットを促し、適正なフィードバックにつなげれば従業員のモチベーションアップも期待できます。

1on1面談

定期的な1on1面談の実施もヒューマンスキルを高めるには有効な方法です。部下やチームメンバーの現状を確認し、その都度記録しておくことで、ヒューマンスキルの習得状況を確認しやすくできます。

また、残している記録からどのような変化が起きているのか、直近の課題は何なのかが見えてくるため、次の手を打ちやすくなるというメリットもあるでしょう。面談を受けている部下やチームメンバーも、残されている記録を確認することで自らの課題を明確にできます。

記録として残しておく情報は、面談の内容だけではありません。面談を行った上司が感じる雰囲気の変化なども合わせて記録に残しておきましょう。そうした場合、部下が気がついていないポイントからアドバイスを行うことも可能となります。

フィードバックを行うためにも重要な記録となるため、日付や考え方の変化などもしっかりと書き残しておきましょう。

ヒューマンスキルのメリット



ヒューマンスキルを身につけると、多くのメリットを享受できます。職場や顧客との関係が良好になることに加え、長い目で見た場合、社内全体の生産性向上につながる可能性もあるためです。

ここでは、なぜヒューマンスキルの習得によってメリットが生まれるのかについて詳しくみていきましょう。

職場環境が良好になる

従業員のヒューマンスキルが高まれば、職場の人間関係が良好になり、職場環境全体が良くなります。結果として、質の高いコミュニケーションを取れるようになるため、従業員同士の信頼関係を強固なものにできる可能性があるのです。

また、コミュニケーションが円滑にできるようになることで、職場に対する不満を感じて退職するという事例が少なくなる可能性もあります。

顧客・取引先との関係が良好になる

ヒューマンスキルによって顧客や取引先とのコミュニケーションが円滑になり、関係が良好になるのもメリットの1つです。社内の人間関係と同じく、対顧客や対取引先に対しても高いレベルでのコミュニケーションが取れるようになるため、環境が良好になりやすくなります。

たとえば、営業部門においては、顧客との関係構築の結果次第で成果に直結するケースも少なくありません。また、それ以外の部門でもヒューマンスキルを高めることで、取引先との関係性を改善できる可能性も考えられます。従業員全体のヒューマンスキルを高めることで、対社内・対社外のどちらにも多大な恩恵があると想定されるでしょう。

生産性の向上につながる

ヒューマンスキルが高いメンバー同士が集まると、企業全体の生産性が向上する可能性が高まります。実際、ヒューマンスキルは人と人とのコミュニケーションの質を大きく左右するものです。

円滑なコミュニケーションができる従業員同士であれば、業務に関する連絡事項もスムーズに伝達できるため、生産性の向上につながるといえるでしょう。

また、ヒューマンスキルの高いリーダーのもとに集まったチームメンバーや部下は、質の高い知識やスキルを獲得できるため、基礎能力の向上が期待可能です。その結果、チーム・部署全体の生産性が高まり、社内全体に波及することで企業全体の生産性向上に貢献できるようになります。

関連記事:人材育成に必要なスキルって何? どうやって身につける?

ヒューマンスキルの注意点

ヒューマンスキルは、現代の多くの企業が抱えている課題をクリアできる可能性を秘めています。しかし、教育の実施や修得に関しては注意点があるため、ここではヒューマンスキルの注意点を2つ紹介していきましょう。

評価が難しい

ヒューマンスキルの大きな落とし穴として、客観的な評価が難しい点が挙げられます。ヒューマンスキルを活かすことで社内の人間関係を構築できるというメリットはあるものの、数値化して評価することは難しいといえるでしょう。

また、人材採用で対象者にヒューマンスキルがあるかどうかを確認する場合、時間などの制約の関係で見極められないというケースも珍しくありません。評価方法に関しては数値化できない項目の方が多い可能性もあるため、客観性や評価のポイントなどを決める必要があります。

習得に時間がかかる

ヒューマンスキルの習得には、本人の性格や考え方に依存する部分もあるため、時間がかかってしまうというデメリットがあります。とくに、ヒューマンスキルに関する教育を受ける側は、自分自身に問題があると認識しているケースはほとんどありません。

教育にあたる側としても、すぐに諦めてしまうのではなく、根気強く部下やチームメンバーに接していくようにしましょう。時折フィードバックを挟むことで、教育を受ける部下の方が何が足りないのかを認識させることも重要です。

関連記事:タレントマネジメントとは?意味と必要性や国内事例、実践ステップを解説

まとめ

ヒューマンスキルは、ビジネスにおいて非常に重要なものだとされています。しかし、、習得に時間がかかるなどの問題点がある点は事実です。

どのような評価基準を設けるのかは企業によって異なります。しかし、重要なのは従業員のヒューマンスキルを高めようと行動に移すことだといえるでしょう。

社会情勢の変化や顧客の多様性の違いに対応するためにも、ヒューマンスキルは重要な要素です。社内での教育が難しければ、専門の講師を依頼して社内人材のヒューマンスキル向上に注力することも必要です。

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