円滑な人事異動には挨拶が大切!適切な手段や例文、気を付けるべきポイントを解説


円滑な人事異動には挨拶が大切!適切な手段や例文、気を付けるべきポイントを解説

異動時の挨拶は、スムーズな人事異動を進めるために大切な要素です。本記事では人事異動挨拶をスムーズに行うポイントや挨拶文を解説します。新部署でも好印象を持ってもらい、今後の業務を円滑に進めていくため、ぜひ参考にしてください。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。


「人事異動の挨拶をおざなりにしている部下が気になる」「部下に異動時の挨拶マナーを徹底させたい」このような悩みを抱えていないでしょうか?


異動に伴い忘れてはいけないのが、お世話になった人や新たに配属される部署への挨拶です。しかし、人事異動は時間的余裕がないことが多いため、挨拶もおざなりになりがちではないでしょうか。


そこで本記事では、人事異動挨拶のポイントや手順、例文を解説します。


適切な内容・タイミングで挨拶を行うことで、異動後も良好な関係を保ち、スムーズに業務を進められます。社員に対し、異動時における適切な挨拶を徹底させたいなら、ぜひ最後までお読みください。


人事異動挨拶の目的は良好な人間関係を保つこと


人事異動の挨拶は、自分のためだけに行うのではありません。異動先の人と良い関係を築き、今後の業務をスムーズに進めていくために欠かせないものです。


しかし、時間的余裕があまりない、後継者や取引先との時間調整が難しいなどの理由で適当に済ませてしまう人も少なくありません。社員に挨拶を徹底させることは、結果的に業務の円滑化にもつながります。


人事異動の挨拶は、適切な内容とタイミングで行ってこそ意味があります。今後の人間関係をスムーズに進めていくために、挨拶の意味や正しい方法を知っておくことは社会人として欠かせないマナーだと言えるでしょう。


人事異動の挨拶を送る3つの相手と手段


人事異動の挨拶は、立場や相手との関係性によって手段を選ぶとスムーズに進められます。挨拶をする相手は、主に以下の3つです。


  • 現部署
  • 異動先
  • 取引先


中でも、取引先への挨拶は企業の利益に直結するため、丁寧に行うのが理想です。具体的には、以下のような手段で挨拶を行います。

  • 口頭
  • メール
  • スピーチ


挨拶する場所や相手との関係性、状況によって柔軟に対応していきます。


注意点として、異動時期は引継ぎなど通常業務以外の仕事も多く、慌ただしい中進められることがほとんどです。優先順位をつけて事前にしっかり準備すると、効率良く進められるでしょう。


人事異動の挨拶の5つのポイント


人事異動の挨拶は、相手との関係性や業務内容などによって大きく変わります。挨拶するときのポイントについて、詳しく見ていきましょう。


異動の事実と時期を伝える


人事異動は発令前に内示されることがほとんどですが、挨拶は辞令が出たタイミングで行います。内示は内々に出す非公式な通知であるため、正式な辞令が出るまで挨拶は行わないのが慣例です。


辞令が出るまでは、異動の準備や後任者への引継ぎの準備を進めていきましょう。


挨拶で正確に伝えなければならない事項は、以下の2つです。


  • 異動日
  • 異動先


引継ぎが必要など、仕事上の影響が大きい人には早めに伝えるようにし、挨拶が遅れたことで迷惑をかけないように気配りをすることが大切です。


人事異動時期について詳しく知りたい方は、別記事「人事異動時期」をあわせてご確認ください。


お世話になった人には直接挨拶する


上司や取引先など、お世話になった人にはできるだけ直接会って挨拶するのが理想です。異動になったことを伝えると同時に、これまでの感謝の気持ちを挨拶の言葉にします。


直接会って挨拶することで気持ちがより伝わり、好印象を残せるため、異動後もスムーズな関係を続けられます。特に、重要な相手や今後も変わらぬお付き合いをしたいと思う人には、直接会って挨拶すると良いでしょう。


遠方など時間的に会うのが難しい人や、都合が合わず直接挨拶できなかった場合は、電話などでも良いでしょう。会って挨拶したかったが叶わなかったことや、直接会って感謝の気持ちを伝えたかったことなどを伝えるようにしましょう。


後任者を紹介する


人事異動の挨拶で欠かせないのが、後任者の紹介です。取引先など特に重要な相手には、可能なら後任者を伴って挨拶すると良いでしょう。


相手先に好印象を残せるだけでなく、後任者もスムーズに業務を引き継げるため、その後の業務を円滑に進められます。


とはいえ、異動前は時間がないことも多く、後任者とのスケジュール調整が難航する場合もあります。したがって、予定や優先順位を決めて挨拶に行くと効率的です。


どうしても一緒に行けない場合は、後任者から改めて挨拶させることを伝えておきましょう。引き継ぎをスムーズに進めるため、連絡先などもしっかり伝えておくことも大切です。


感謝の気持ちを伝える


挨拶をするときは、これまでの感謝の気持ちを自分の言葉で伝えましょう。思い出深い出来事や、嬉しかったことなどがあれば一緒に伝えると、より気持ちが伝わりやすくなります。事務的な挨拶ではなく、気持ちを込めて具体的に感謝の言葉を伝えます。


部署が変わっても関係が続く場合など、異動後も良好な関係を保ちたい相手には、特に気持ちを込めるべきです。具体的には、お世話になったことや助けられたことなどを言葉にしておくと、気持ちが伝わりやすいです。


感謝の言葉を伝えられる機会は意外と少ないですが、言われて嫌な気分になる人は少ないため、丁寧に挨拶して相手に良い印象を残しましょう。


事前準備をしっかり行う


人事異動の挨拶は、辞令を知った時点からスタートさせます。少ない時間で必要な相手にもれなく挨拶するために、挨拶が必要な人・挨拶をしたい人のリストアップから始め、優先順位をつけて行うと効率的です。


取引先など、アポイントメントや後任者とのスケジュール調整が必要な場合もあります。挨拶文を葉書などで出す場合は、作成や印刷で時間を取られる場合があるため、早めの準備が必要です。


辞令後に慌てないためにも、内示が出た時点でできる準備を進めておくのがポイントです。


人事異動挨拶の例文とポイント


次に、具体的な人事異動の挨拶を、相手ごとに見ていきましょう。注意すべきポイントや、伝える内容についても確認していきます。


現部署での挨拶文


現部署での挨拶は、口頭で行われることがほとんどです。最終日や送別会などで挨拶することが多いため、事前に挨拶文を用意しておきましょう。


特にお世話になった人には、個別に挨拶を行うと好印象です。挨拶で伝える内容は、以下の通りです。


  • 異動日と異動先
  • 後任者の紹介
  • 新部署での抱負
  • これまでのお礼


参考までに、挨拶文の一例を紹介します。

「本日はこのような挨拶の場を設けていただきありがとうございます。この度、〇月〇日付で〇〇(新部署)に異動することになりました。〇〇(現部署)では皆様と一緒にさまざまなことに挑戦し、切磋琢磨してまいりました。かけがえのない時間を過ごせたことやたくさんの経験をさせていただいたこと、大変感謝しております。〇〇(新部署)でもここで学んだことを活かし、精進していく所存です。

今後も一緒に仕事をする機会があると思います。その際はまたご指導いただけますようお願いいたします。〇年間本当にお世話になり、ありがとうございました。」

スピーチの冒頭で、挨拶の場をいただいたことへの挨拶を一言加えるとスムーズです。思い出深い出来事について触れるなど、印象に残りやすいエピソードを加えると、気持ちのこもった良い挨拶になるでしょう。

取引先での挨拶文


取引先への挨拶は、辞令後できるだけ早めに後継者とともに行いましょう。できる限り直接お会いして、口頭で挨拶するのが理想です。どうしても無理な場合のみ、手紙やメールでの挨拶とします。


直接の挨拶が遅れる場合は、先にメールで挨拶しておくとスムーズです。具体的には、以下のような内容を伝えましょう。


  • 異動する日
  • 新部署や連絡先
  • 後任者の名前と連絡先
  • これまでのお礼と今後の抱負


参考までに、挨拶文の一例を紹介します。


「この度〇月〇日付けで、〇〇(新部署)へ異動することになりました。〇〇様には着任以来、大変お世話になりました。多くのことを勉強させていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。


今後は〇〇(後任者)が担当になります。〇〇様にご迷惑をおかけしないよう、万全の引継ぎを行いますので、私同様ご指導くださいますと幸いです。


〇〇(異動先)でもますます精進していく所存ですので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。」


後任者を同伴した場合は、挨拶のあと後任者からも挨拶を行います。連絡先が変更になる場合は、新しい連絡先も伝えておくと、取引先に安心してもらえるでしょう。


新部署での挨拶文


新部署での着任挨拶は、スピーチで行うことがほとんどです。事前に挨拶文を用意し、練習しておきましょう。


第一印象を良くするために、当日は身だしなみにも普段以上に気を使いましょう。スピーチは大きな声で、明るく笑顔で行うと好印象を残せます。


新部署での挨拶で伝えるべき内容は、以下の通りです。


  • 名前
  • 元配属先や担当していた業務の内容
  • 新部署での決意


こちらでも、挨拶文の一例を紹介しておきます。


「〇月〇日付けで配属になりました〇〇です。これまでは〇〇(元配属先)で〇〇を担当していました。こちらでは〇〇を担当させていただきます。慣れない環境で皆様にはご迷惑をおかけすることが多々あることと思います。少しでも早く慣れ、皆様のお役に立てるよう精一杯取り組みますので、どうぞよろしくお願いいたします。」


時間があれば趣味や好きなことなど、人柄がわかるエピソードを付け加えると印象に残る挨拶ができます。会社全体や部署内など、着任の挨拶をする場面によって、文章を変えると良いでしょう。


歓迎会が開催されたときは、当日の挨拶はもちろんのこと、翌日のお礼も忘れずに行うのがマナーです。


人事異動の挨拶で気を付けたいこと3選


人事異動の挨拶は一歩間違えれば好印象から悪印象に変わってしまうため、注意して行う必要があります。具体的にどんなことに気を付けるべきなのか、順に見ていきましょう。


メールでの一斉送信を避ける


どんなに忙しくても、メールでの一斉送信で異動の挨拶を行うのはできる限り避けましょう。上司や取引先、同僚など、相手によって伝えなければならないこと・伝えたい内容が異なるため、一斉送信は向いておらず、受け取った人の印象も悪くなりがちです。


また、誤送信や何らかの原因で相手が受け取れなかった場合にトラブルになりやすいため、取引先など利害関係がある場合は特に不向きです。


どうしても時間がない場合は、葉書などでの挨拶状がおすすめです。メインの文章は一律でも、手書きで一言添えるだけで気持ちが伝わる挨拶文になるため、忙しい方はぜひ活用してください。


ネガティブな内容を伝えない


異動の挨拶では、特にネガティブな内容にならないように気を付けて文面を作成しましょう。これまでの感謝や新しい場所でどんな活躍をしたいかなどを、元気に明るく伝えるのがポイントです。


挨拶でよく伝えてしまいがちなのが「やり残したことがあって残念」「〇〇を仕上げてから異動したかった」という、ネガティブな言葉です。異動に不満があると捉えられる可能性があり、人づてに上司や関係者に伝わってしまうケースもあるため、できるだけ避ける方が無難です。


特にメールや挨拶文などは何度も読み返し、ネガティブな印象を与える内容になっていないか確認してから使用するようにしましょう。


ダラダラと長い挨拶をしない


人事異動の挨拶は、時間がない中で進められることがほとんどです。直接会って話す場合や人前でスピーチする場合など、長々と話さないように気を付けましょう。


目安は現部署での挨拶で3分程度、異動先で2分程度です。合同送別会や歓迎会など、複数人がスピーチする場合は、事前に時間が決められていることも多いため、持ち時間をオーバーしないように気を付けます。


伝え足りない場合は、個人的に改めて挨拶をする機会を持つとスマートです。メールの場合も長文になったりまとまりのない文章になったりしないよう、読み返してから送るようにすると良いでしょう。


人事異動挨拶のまとめ


人事異動挨拶は、ただ異動になった事実を伝えるだけでなく、今後の円滑な業務のために欠かせないものです。辞令が出た後は何かと忙しく時間がないことが多いため、挨拶したい相手のリストアップやスケジュール調整など、事前にできることから準備を進めておきましょう。


できるだけ直接挨拶すれば好印象を残せるだけでなく、今後の人間関係もスムーズになります。気持ちのこもった挨拶をしておけば、異動先でもこれまで以上に活躍できるようになるはずです。


また、人事異動で欠かせないのが引継ぎです。タレントパレットなら人事に必要なデータが一元管理されているため、引継ぎの時間も短縮できます。業務の効率化だけでなく、異動時の負担やミスも減らせるため、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。


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