こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
「人材育成の目標の立て方がよくわからない」「目標を達成するためのフォローや管理の仕方がわからない」このような悩みを抱えていないでしょうか。
人材育成を効率的に行うためには、明確な目標設定を行い、達成に向けての進捗管理が求められます。
そこで本記事では、人材育成目標の立て方や効果的な管理方法について解説します。
目標達成率を上げれば効率良く人材を育成することができるようになり、結果的に業績の向上にもつながります。ぜひ最後までお読みください。
人材育成に目標を設定する3つの理由
人材育成の目標は、達成に向けて取り組むための指標となるものです。社員が設定した目標を上司や管理職が進捗を管理し、達成に向けてフォローを行います。
人材育成で目標を設定するのは、社員に主体的に参加してもらい、人材育成を効率良く進めていくためです。なぜ目標を設定すべきなのか、具体的な理由を見ていきましょう。
企業の方向性の明確化
人材育成を行う目的は、社員に必要なスキルアップの機会を与え、企業として成長することです。そのためには、現状の把握や経営戦略、自社が目指す方向性の確認が欠かせません。
具体的な目標を設定することで、自社の方向性とのズレが生じていないか、また経営戦略に沿った人材育成ができているかどうかを確認できます。また、企業の方向性を社員に周知でき、一丸となって取り組むことができるのもメリットです。
社員1人ひとりの成長が企業の業績向上につながることを意識づけるためにも、個々の目標設定は欠かせないと言えるでしょう。
社員のモチベーション維持
目標の設定は、社員1人ひとりの役割・目指す方向性を明らかにすることにつながります。また、企業が一方的に目標を設定するのではなく、社員自身が目標を立てることで、主体的に取り組めるようになるのもポイントです。
社員が目標を自分事として捉えられれば、必要なアクションを自主的に取れるようになります。やる気を持って取り組んでもらうためにも、目標設定は重要と言えるでしょう。
育成効果・成長過程の可視化
人材育成は、効果や成長過程を明らかにし、適切な管理を行わないと成功しません。短期的な育成だけでなく、中〜長期的に取り組むことも多いため、結果や過程が把握できないと効果的な育成につながりません。
目標を設定することで、効果や改善ポイントが明確になり、よりよい育成のためのフォローアップも行えるようになります。また、社員の成長過程が明らかになれば、管理職など育成に携わる側からも管理しやすくなるでしょう。
資格取得など結果だけにこだわらず、社員の成長の過程や度合いがわかるため、より人材育成しやすい環境が整えられるようになると言えます。
人材育成目標の3つの具体例
人材育成の目標は、業務内容によって傾向が異なります。職種別に、それぞれの具体例を確認していきましょう。
営業職の目標設定例
営業職は、目標を具体的に数値で定めやすいのが特徴です。業務の内容に合わせて、成約率やアポイント数、受注数などを目標にするほか、そのための行動も具体的に設定すると良いでしょう。
目標例 | 具体的な行動 |
月間売上高250万円 | 毎日30件架電し、週3件のアポイントを獲得する |
成約率を前期比10%UP | 毎日15分のロープレを行う |
総務の目標設定例
総務は営業職とは異なり、コスト削減や業務の改善が目標になります。経費削減や職場環境の改善など、具体的な業務内容に沿った目標を設定すると良いでしょう。ミス防止や、業務に関する資格取得などを目標にするのもおすすめです。
<目標例>
伝票などデータ入力のミスをなくす。月間のミス発生件数0を達成する
前年比-5%の経費削減に取り組む。ペーパーレス化、光熱費削減の周知を進める
管理職の目標設定例
管理職は部下の目標達成を自身の目標とし、具体的なアプローチを計画すると良いでしょう。達成に向けてのマネジメントを経営者視点で行い、チームメンバーへの具体的なフォローアップを組み入れると効果的です。
目標例 | 具体的な行動 |
チームメンバーの目標達 | 毎週のミーティング、月1度の個人面談を行う |
成率9割 | |
チームの受注率を前年比150%に引き上げる | 週3回のロープレ、週1の全体ミーティングを行う |
人材育成の目標の立て方4ステップ
人材育成の目標の立て方は大まかに4つのステップがあり、手順に沿って行うことで、企業の課題や成長に合わせた人材育成ができるようになります。
全体の目標やビジョンを確認する
個々の人材育成の目標を設定するためには、企業全体の目標や将来のビジョンを明確にしておきましょう。なぜなら、企業の方向性と個人の目標にズレが生じると適切な評価ができず、社員が不満をかかえてしまうためです。
最初に企業全体の目標を確認し、方向性のすり合わせを行ってから個人目標を設定することで、社員の帰属意識も育てられます。全体から下位に向けて、順に目標を設定すると良いでしょう。
社員の役割や責任を明確にする
企業の目標やビジョンを共有できたら、社員1人ひとりの役割や責任を明確にしましょう。組織内における自分の立ち位置や役割を再確認することで、社員として求められていることが具体的になるためです。
個々の役割を明確にすることで、組織内の偏りを把握し、不満が出ないよう調整できます。社員が人材育成に主体的に取り組めるようにし、組織全体のモチベーションを維持するためにも、1人ひとりの責任の範囲を明確にしておきましょう。
具体的な数値・内容を決める
1人ひとりの目標の方向性に沿って、具体的な数値や内容を設定し、何を達成するのかを明らかにします。目標数値の方向性は、大きく次の4つです。
- 向上(現状をよりよくしていく)
- 創出(新しいものを作る、スタートさせる)
- 維持(現状を維持し、継続していく)
- 改善(問題を改善、解消していく)
それぞれの業務内容に応じて、具体的に指標となる数値を決めていきます。部署の現状や課題、解決しなければならない問題などを把握しておくと進めやすいです。同時に達成までの期限や、どの状態を達成とするのか、評価基準も決めておきましょう。
計画に落とし込む
最後に、目標を達成していくための日々の行動を計画に落とし込んでいきます。具体的には、以下のような内容を設定していきましょう。
- 行動する日時
- 関係する人
- 実行に用いる手段やツール
計画が明確になっていれば進捗状況を確認しやすくなり、問題が起きた時にいち早く適切な指導や助言を与えられるためです。実施する本人が迷わず実行できる状態にまで、細かく計画に落とし込むと良いでしょう。
人材育成目標を決めるときの3つの注意点
人材育成を効果的に進めていくためには、どのように目標を定め、どう計画を実施していくかがポイントです。目標を決めるときに注意したいポイントについて、詳しく見ていきましょう。
具体的な数値を指標にする
目標を設定するときは、具体的かつ明確に評価できる数値を指標にします。あいまいな目標を立ててしまうと、達成できたかどうかの判別がしにくくなり、効果がわかりにくくなってしまうためです。
例えば以下のような目標は避け、具体的な数値を入れるようにします。
修正前 | 修正後 |
売り上げを伸ばすよう努力する | 売上目標を100万円に設定して取り組む |
光熱費の削減に取り組む | 前年比-5%を目標に、光熱費の削減に取り組む |
総務などのように具体的な目標が設定しづらい業務の場合は、客観的な評価ができる内容を指標にするように検討を重ねてみましょう。
短期的な目標も設定する
人材育成の際は長期的に取り組む大きな目標と、月間など短期的に取り組む小さな目標を複数設定しましょう。段階的に取り組めるようになり、成功体験を積み重ねやすくなるほか、モチベーションの維持にも役立つためです。
目標が大きい、または期間が長い時ほど、小さな目標の有無が目標達成を左右します。進捗管理やうまくいかないときの軌道修正も行いやすくなるため、結果的に大きな目標を達成しやすくなります。目標を達成するためのスモールステップを意識しながら設定し、計画に落とし込むようにしましょう。
達成可能な内容にする
目標を設定するときは、現実的でない目標や心の負担を感じるような目標は避け、やる気を持って達成に向けて取り組めるような内容にします。難易度の調整は個人差があるため難しいですが、本人のやる気やスキル・能力等をよく見て、適切なアドバイスを行いましょう。
上司から一方的な目標を提示すると、育成が一方になり、社員のモチベーションや信頼を失うことになりかねません。社員が自己に適切な目標を設定できるよう、管理職のサポート体制を整えておくと良いでしょう。
効果的な目標管理の3つのポイント
人材育成目標は、適切に設定するだけでなく、効果的な運用があってこそ達成へと導けます。目標管理を効果的に行うため、具体的なポイントを見ていきましょう。
定期的なフィードバックを行う
設定した目標の期間に合わせて、適切な時期にフィードバックを行います。特に半年や1年など育成が長期に及ぶものは複数回のフィードバックを設け、部下と一緒に振り返りを行い、必要なフォローアップを実施していきます。
毎週のミーティングなどこまめなフォローと、面談など大きな区切で行うフォローアップを組み合わせるとより効果的です。また進捗状況を適切に共有することで、軌道修正が早めに行え、モチベーションの低下を事前に防げます。
進捗が芳しくないときは臨時でフォローを行うなど、臨機応変なフォロー体制があれば、目標の達成率をさらに上げられるでしょう。
社員のキャリアを重視する
人材育成は会社のためだけに行うのではなく、社員のキャリアデザインを考慮して進めていくことが大切です。社員1人ひとりがどういう意向を持ち、どんな生き方をしたいと考えているかを把握し、尊重するようにします。
主体を社員に置くことで、意欲を持ってキャリアを描けるようになり、企業の成長につながります。
企業のための人材育成を社員に押し付けるのではなく、社員の描くキャリアデザインと企業の成長を一致させると、双方にメリットのある人材育成が進められるでしょう。
目標管理シートなどを活用する
効率良く人材育成を進めていくには、個々の目標管理や進捗状況の確認のために目標管理シートなどを使うのがおすすめです。管理する側だけでなく、本人も進捗状況を確認できるため、モチベーションの向上や行動のきっかけにつながりやすくなるためです。
育成期間に応じて、複数回の評価欄を設けられるなど、自社の育成状況に合わせてカスタマイズできるツールが良いでしょう。
人事業務の効率化、データ活用をするならタレントマネジメントシステムの導入が必須
人事業務をDX化することで、社員データの一元化・人材検索・人事評価・配置検討などの幅広い業務を効率化できるようになります。また、人材育成・最適配置・社員パフォーマンスの最大化など、組織力向上を目的とした一歩先のタレントマネジメントまで実現が可能です。
また、タレントマネジメントシステムを導入すれば、社員データを集約し人事評価のペーパーレス化や異動シミュレーション、ハイパフォーマー分析など、高度な施策が実施できます。タレントマネジメントを取り入れて、自社のリソースを最大限に活用しましょう。
人材育成の目標は設定だけでなく管理も重要!ツールを活用して効率良く進めよう
人材育成における目標は、企業の方向性や社員の意向も確認しながら、社員1人ひとりに合ったものを設定するのがポイントです。目標を設定するだけでなく、その後の進捗管理や適切なフォローアップを行うことで、効率良く人材育成を進められます。
人材育成にはコストや時間がかかるため、ツールを活用し、効果的に運用できるようにするのがおすすめです。タレントパレットなら、スキルや成長の変化をモニタリングでき、振り返りや一貫したフォローがシステム上で行えるため、長期的な管理も進めやすくなります。
社員への計画的なキャリア支援も行えるため、ぜひ導入を検討してみてください。