こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
「人事情報漏洩罰則にはどんなものがある?」
「社内から情報漏洩をするような人間を出したくない」
「情報漏洩を未然に防げるようなシステム・サービスがあれば使ってみたい」
という経営者の方は多いのではないでしょうか?
人事情報を漏洩させた場合の罰則は、故意によるものか過失によるものかによって異なってきます。しかし、罰則を気にする前に、社内で情報漏洩をさせない環境づくりが大切です。
そこで本記事では
- 人事情報とはどんなものか
- 人事情報漏洩によって引き起こされるリスク
- 人事情報漏洩罰則の概要
- 人事情報が漏洩してしまう原因
- 人事情報が漏洩しないためのポイント
について解説します。
「情報を漏洩した時の罰則も気になるけど、なんとしてでも情報漏洩を予防したい」という方のお悩みを解決できる内容になっているので、ぜひ最後までお読みください。
人事情報は社員一人ひとりに関する重要な情報
人事情報は、社員一人ひとりの重要な個人情報をいいます。日常の事業運営を支えている社員は、企業にとって大切な人材です。社員の人事情報を管理することで、適切な人材配置や評価を行いやすくなります。人事情報には以下のものがあります。
- 氏名
- 生年月日
- 性別
- 住所
- マイナンバー
- 所属部署
- 社員コード
- 社内における等級や職位
- 入社年月日
- 学歴
- 職歴
- 保有資格
- 表彰歴
このように、人事情報には社員が企業に入社してからの情報だけでなく、それまでの経歴やスキルなどのさまざまな情報が含まれているため、取り扱いには十分な注意が必要です。
人事情報漏洩によって起こりうる3つのリスク
人事情報が漏洩すると、どのようなリスクがあるのでしょうか。ここでは起こり得る3つのリスクについて解説します。
- 損害賠償を請求される
- 離職者が増加する
- 会社のイメージダウンになる
どれも企業運営にとってマイナスのことばかりなので、一つひとつのリスクについて詳しくみていきましょう。
損害賠償を請求される
まず考えられるのが、損害賠償を請求されるというリスクです。人事情報が漏洩したことによって、第三者が損害を被れば損害賠償請求訴訟を起こされる可能性があります。
情報漏洩に関わってしまった人が賠償金の支払いを命じられた場合には、大きな負債を抱えてしまうリスクを負うことにもなりかねません。
離職者が増加する
人事情報の漏洩によって、離職する人が増えるリスクがあります。人事情報が流出したことが社内に知れ渡ると、会社に対する不信感を抱く社員が出てくるかもしれません。
その結果、退職を選択する社員も現れ、企業内の優秀な人材の流出につながる恐れがあります。
会社のイメージダウンになる
情報漏洩は、企業のイメージダウンにつながりやすいです。情報が漏洩したことが外部に知れ渡ると、管理体制の甘い会社だと思われ信頼を失うリスクがあるでしょう。
そのことによって顧客離れを引き起こし、売上の減少や業績悪化による悪循環に陥る可能性もあり得ます。
事情報漏洩罰則は大きく2パターン
人事情報漏洩の罰則は、状況に応じてさまざまですが大きく2パターンが考えられます。
- 故意による場合
- 過失による場合
どちらに該当するかによって、処分が大きく異なる可能性があります。
故意による場合
故意による場合とは、情報漏洩によって会社が損害を被るかもしれないことを知りながらも、あえてそれを行った場合です。つまり、わざと情報の漏洩を行った場合に該当します。意図的に漏洩させているため、処分は重くなる可能性が高いです。
特に企業の重要な情報を漏洩し、背徳性が高い場合には懲戒解雇の対象になり得るでしょう。その場合には、以下の点が判断材料となります。
- 実際に損害が発生したかどうか
- 損害があればその程度
- 企業の運営に対する影響
また、この場合には退職金の不支給が認められるケースが多いです。過去の裁判でも、職場において「重大な違法行為」があったと認められ、退職金を支払わないことが適法とされた判例もあります。
過失による場合
過失による場合とは、不注意によって情報漏洩を行ってしまった場合をいいます。つまり、意図してではなく、うっかり漏洩してしまったケースです。これには、不注意の度合いによって重過失と軽過失があります。過失の程度や情報の機密の内容、事後対応などから判断して以下のような処分がされることが多いです。
- 減給
- 出勤停止
- 戒告
- 降格
故意による場合のように、懲戒解雇を行うのは難しいです。過失による不正な行為があった事実だけをみて、懲戒解雇とはなりません。懲戒解雇された労働者による裁判において、その解雇が不法行為であるとされた判例もあります。
参照元:厚生労働省|解雇を不法行為と構成する損害賠償請求に係る裁判例
人事情報が漏洩してしまう要因3選
ここでは、人事情報が漏洩してしまう3つの要因について解説します。
- メールの誤送信
- 機密データの無断持ち出し
- 公共の通信ネットワークの利用
情報漏洩は人の管理体制や意識によって防止できるので、要因を作り出している環境になっていないか、一つひとつ確認していきましょう。
メールの誤送信
身近に起こり得るのが、メールの誤送信による情報漏洩です。誤送信は、メールの送り先を間違えるだけで、簡単に起こり得ます。
たとえ漏洩する意図がなくても、複数の相手にメールを送る際には、他人のメールアドレスが閲覧できる状態になることがあります。これは「TO: 、CC: 、BCC:」を取り違えることなどで起こりやすいです。重要な情報のファイルを誤送信してしまうと、取り返しのつかない事態を引き起こす可能性があります。
また、送り先の間違いだけでなく、送る内容の間違いも起こり得ます。例えば「ファイルA」を送りたかったのに、別の「ファイルB」を送ってしまったという場合です。
機密データの無断持ち出し
分かりやすいのが、機密データを無断で持ち出す場合です。企業内の機密情報の適切な管理が行われていないと、データを簡単に持ち出せてしまいます。
例えば、ある社員が退職する際に企業内のデータを持ち出して、不正に流用されたケースがあります。機密情報の管理体制に不備があると、会社の信用問題にもかかわってくるため、自社のデータ管理について改めて見直してみましょう。
公共の通信ネットワークの利用
公共の通信ネットワークの利用によって、情報が漏洩する場合があります。駅やカフェ、ショッピングモールなどには、誰でも無料で使えるWi-Fiが設置されている場合が多いです。このような無料WiFiの利用によって、パソコン内にあるデータが漏洩するリスクがあります。
フリーWi-Fiの全てが危険というわけではありませんが、中には暗号化されていないものもあるため、注意が必要です。また人事情報だけでなく、顧客データやその他の機密情報がパソコン内にある場合、それらも一緒に流出してしまう恐れがあります。
人事情報を漏洩させないための5つのポイント
ここでは、人事情報漏洩を未然に防ぐための5つのポイントを解説します。
- セキュリティ対策を万全にする
- 社内ルールを策定し周知する
- 情報の一元化を行う
- チェック体制を構築する
- PDCAサイクルをまわす
どの方法についても導入は難しくないため、ぜひ積極的に取り入れてみてください。
セキュリティ対策を万全にする
まず、セキュリティ対策を万全にしましょう。セキュリティ対策の例としては以下のものがあります。
- IDやパスワードの管理を徹底
- 添付ファイルの暗号化
- 紙の機密文書は鍵で施錠された場所に保管
このような人事情報漏洩防止策を講じることは、企業コンプライアンスの観点でも重要です。
また、会社だけの取り組みだけでなく、社員一人ひとりの心がけも大事になります。例えば、ある社員が社外の環境でフリーWi-Fiを使って仕事をするだけでも、情報が漏洩する可能性があります。情報漏洩のリスクについてしっかり認識できるよう、社員教育を行い情報リテラシーを高めましょう。
社内ルールを策定し周知する
社内ルールを策定して全社員に周知しましょう。ルールを作っても、社員一人ひとりに周知しなければ意味がありません。
社内ルール策定の際には、以下の点も考慮しましょう。
- 責任者や権限者を明確にする
- 情報管理の仕組みを構築し明文化する
- 就業規則にもしっかり定めておく
就業規則は、雇用関係にある事業主と労働者の間で定めた、企業内で働く際のルールのことです。就業規則には、以下のようにさまざまな事項が定められており、労使間トラブルを防止する役割を担っています。
- 労働時間
- 服務規律
- 休日
- 賃金の支払い
- 採用・異動
- 退職・解雇
- 安全衛生・災害補償
- 表彰・制裁
労働基準法第89条の規定により、10人以上の従業員を常時雇用する使用者は、就業規則を作成した上で労働基準監督署長に届けることが義務付けられています。
情報の一元化を行う
企業内で情報の一元化を行うことも重要です。一元化とは単に情報を1カ所にまとめるだけでなく、管理方法の統一を図ることです。
管理方法を統一することで、情報の分散が起きにくく、万が一情報が漏洩しても気付きやすいです。また、人事情報の一元化をすることで部署の垣根を越えた情報共有につながり、以下のようなメリットが生まれるでしょう。
- 適切な人材配置
- 優良人材の発掘
- 労務管理の効率化
このように、情報漏洩対策以外の波及効果も見込めます。人材データの活用について詳しく知りたい方は、別記事「人材データベース」をあわせてご確認ください。
チェック体制を構築する
企業内で、お互いにチェックし合う体制の構築も重要です。人は誰しも、仕事が忙しい時や体調の優れない日などは、ミスをしやすいものです。人的エラーによる情報漏洩に対しては、チェック体制の構築が有効といえます。
メールの誤送信などは、未然にチェック体制を整えることで予防できます。機密内容のメールを送信する際には、1人ではなく複数人で確認をするなどの体制を整えましょう。また、チェック機能のあるシステムを取り入れる方法もあります。
PDCAサイクルをまわす
PDCDサイクルの導入も有効です。いくらルールや仕組みを企業内に構築しても、形骸化しては意味がありません。情報漏洩防止の取り組みをして終わりにせず、PCDAサイクルに基づいて継続的に更新していくことが大切です。
Plan、Do、Check、Actionのサイクルを回すことで、そのときの課題や足りないものが分かり、よりよい仕組みが構築されていくでしょう。
人事情報漏洩罰則のまとめ
人事情報が漏洩すると、関わった人はそれ相応の罰則を受けることになります。しかし、それだけにとどまらず、企業にとって大きな損害をもたらし、存続の危機に直面する可能性もあるでしょう。
企業が大きなリスクを負わないために、情報漏洩の防止を最優先しましょう。タレントパレットのサービスを利用すると、情報の一元化が可能です。タレントパレットの利用で得られるメリットは以下の通りです。
- 社員データの一元化により、情報を即座に確認できる
- 一元化された人事情報によって、人的資源をより有効に活用できる
- 管理方法が統一されるので、情報漏洩が起きにくい
- 企業の組織力を最大化できる
タレントパレットの利用によって、戦略的な人材の育成も可能になり、企業のさらなる業績アップが見込めるでしょう。ぜひ、タレントパレットのご利用をご検討ください。