こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
「人事業務が未経験の人を採用しても問題ないか」「キャリアチェンジを希望する転職者を採用する際にの注意点が知りたい」という方も多いのではないでしょうか。
人事業務で豊富な経験を持つ優秀な人材は需要が高く、採用が難しいのが現状です。しかし、人事へのキャリアチェンジを希望する求職者を採用しても良いか、悩んでいる方も多いでしょう。そこで本記事では、人事へのキャリアチェンジに向いている人の特徴を解説します。採用するメリット・デメリットや注意点も紹介するので、人事部の人手不足を解消したい方は、ぜひ最後までお読みください。
人事へのキャリアチェンジに向いている人の7つの特徴
人事部へのキャリアチェンジを希望する求職者がいるなら、以下のような特徴を有する方を採用するのがおすすめです。
- 秘密を守れる
- 洞察能力が高い
- 目標達成意欲が高い
- 相手の立場になって考えられる
- コミュニケーション能力が高い
- 情に流されず適切な発言や行動ができる
- 縁の下の力持ちになれる
当てはまらない人材は、人事に向いていない可能性があります。事前に適性を把握し、採用ミスマッチを未然に防ぎましょう。
秘密を守れる
人事部には、秘密が守れる人材を採用する必要があります。なぜなら、業務で社員や求職者の個人情報を取り扱うことが多いからです。プライベートで気が緩み、SNSで会社の情報を発信するような人材は採用しないことが重要です。実名に近いアカウント名でSNSを運用することも多いため、リスクヘッジのためにも可能であれば確認してみましょう。
ただし、メールの誤送信などの人的ミスで情報漏洩するリスクもあります。口が堅そうな人材を採用するだけでなく、守秘義務の大切さや情報漏洩を防ぐ方法を新入社員に学ばせる研修を設けるなどして、対策する必要があります。
洞察能力が高い
人事に向いている方は、洞察能力が高いという特徴があります。洞察能力とは、事象の本質を見抜く力です。洞察力が高いと、問題が起きたときに背景や原因を深く考察し、根本的な解決策を導き出せます。
人事担当者は、求職者の採用や社員の配置を考える際に、人材の特性を見抜く必要があります。人材によって能力に差があるので、本質を見抜いて最適解を導き出せる方を人事部に採用しましょう。面接の際に過去の経験などを求職者から聞き、洞察能力があるか確認するのがおすすめです。
目標達成意欲が高い
目標達成意欲の高い方は、人事に向いています。人事担当者は、営業職のように個人にノルマがあるわけではありません。しかし、部署で達成すべき目標はあります。例えば以下のような項目に対して、数値目標を決めて遂行します。
- 適した人材の採用
- 残業時間の削減
- 適切な人事評価
営業のように個人として評価されないとしても、目標達成のために高い意欲を持って行動できる方は人事に向いています。
相手の立場になって考えられる
相手の立場になって考えられる方は、人事にキャリアチェンジしても活躍できるでしょう。人事担当者は、社員だけでなく求職者や他企業と関わる機会が多いです。人それぞれ境遇や考え方が異なるため、良好な関係を築くには相手の立場に立って物事を考える必要があります。
相手の目線から物事を見れたり考えたりできる人材を採用できると、働きやすい職場づくりやスムーズな業務遂行が期待できます。社員同士が良好な関係を築けるかにも関わるので、面接時に確認しましょう。
コミュニケーション能力が高い
人事担当者は社内外問わず、人と関わることが多いため、コミュニケーション能力は必須のスキルです。誰とでも良い関係が築ける方は、人事に向いているでしょう。
人事担当者は、自社の採用人数を左右する存在でもあります。求職者が面接や説明会に訪れたときに、人事担当者の印象が悪ければ入社したい気持ちが変わる可能性があります。人事担当者の人柄や対応が企業のイメージになることもあるので、明るく愛想の良い方や誠実に対応できる方を採用しましょう。コミュニケーション能力は、面接で判断できます。面接時に、求職者の話し方をしっかりチェックしましょう。
情に流されず適切な発言や行動ができる
人事業務に携わる人は情に流されず、適切に発言したり行動したりする必要があります。嫌われたくないという気持ちから、業務や態度について指摘するのをためらってしまうこともあるでしょう。しかし、言いにくいことでも時には会社のために伝えないといけない場面があります。
例えば、会社の事情や社員の適性を考慮して、希望とは異なる人材配置を行うことがあります。人事担当者は社員の気持ちを理解するだけでなく、納得してもらえるように説明する必要があります。
縁の下の力持ちになれる
人事担当者は、営業職のように個人の業績が評価されることはありません。しかし、人材を管理する部署として、縁の下の力持ちになる必要があります。必要な人材を整えて研修したり、職場の環境整備をしたりするなど、会社や社員のサポートに徹することが重要です。
最前線で活躍した経験がなくても、社員の成長や成功を自分のことのように喜べる方は人事に向いているでしょう。人事に向いている人について詳しく知りたい方は、別記事「人事向いている人」をあわせてご確認ください。
キャリアチェンジ転職者を採用する5つのメリット
人事へのキャリアチェンジを希望する求職者は、未経験のため即戦力にはなりにくいでしょう。しかし、キャリアチェンジ転職者を採用すれば、以下のようなメリットが得られます。
- 成長意欲が高い人材を獲得できる
- 自社にはないスキルを持つ人材を獲得できる
- 研修を短縮できる
- 常識にとらわれない発想を取り入れられる
- 社員のモチベーションが高まる可能性がある
未経験だからといって採用しないと、機会損失が生じる可能性があります。転職者の経験が人事の業務に活かせそうか考え、採用を検討しましょう。
成長意欲が高い人材を獲得できる
人事にキャリアチェンジした転職者は、成長意欲が高い可能性があります。転職する業界の知識や経験が足りないことは、転職者も十分に理解しています。他の会社でキャリアを積んできた方は、転職により給料が下がることもあるでしょう。それでも人事を志望するということは、意欲が高いと推察されます。
成長意欲の高さは、仕事を覚えるスピードに影響します。意欲的に取り組む方は早く仕事を覚え、自社に貢献してくれる人材になるでしょう。
自社にないスキルを持つ人材を獲得できる
キャリアチェンジする転職者は、自社の社員にはないスキルや経験を有していることが多いです。転職後の業界や業種に詳しくなくても、前職での経験が活かせる可能性があります。
例えば、Webマーケティングに詳しい人材が入社すると、WebサイトやSNSを使って応募者を集めやすくなるでしょう。他にも、プログラミングスキルを持った社員が入社すると、サイト制作やエラーの解決を自社で行える可能性があります。未経験だからと無条件で不採用にするのではなく、保有スキルや前職の業務内容なども考慮しましょう。
研修を短縮できる
勤務経験のある求職者を採用すると、新入社員研修を短縮できます。新卒社員と違い社会人経験があるため、働く上での基本的な知識は身につけています。挨拶や身だしなみなど、一般的なビジネスマナーは身についている可能性が高いです。転職を希望する方の中には、電話対応や来客対応に慣れている人材もいるでしょう。
新卒社員に対してするような基本的な研修は、不要になる可能性があります。研修の負担を軽減したいなら、キャリアチェンジを希望する人材を採用しても良いでしょう。
常識にとらわれない発想を取り入れられる
キャリアチェンジを希望する方を採用すると、常識にとらわれない新しい発想を取り入れられます。経験者は、業界や職種の従来の考え方にとらわれてしまう可能性があります。人事以外の経験がある求職者を採用すれば、固定観念にとらわれない未経験ならではの考え方を業務に活かすことが可能です。
例えば、営業職の人が人事にキャリアチェンジすると、実践的な営業スキルを研修に組み込めます。営業部の社員にとっては、実りのある研修になるでしょう。また、ITに詳しい人材なら業務の効率化に役立つツールを提案してくれることもあるでしょう。今までにはない斬新な発想を取り入れたいなら、キャリアチェンジを希望する方の採用を検討するのがおすすめです。
社員のモチベーションが高まる可能性がある
異業種経験がある方が仲間に入ることで、既存社員のモチベーション向上が期待できます。異なるスキルや経験を持っている人材が入るため、会社に新たな風を吹かせられるでしょう。
新たな発想を取り入れる姿勢があるのが前提ですが、転職者が前職で培った経験やノウハウを既存社員に共有すれば、職場の活性化が図れます。転職者と既存社員の考えを組み合わせれば、より良い制度設計ができたり業務を効率化できたりと、さまざまなメリットが得られます。
また、未経験者には負けまいと、既存の社員が努力して新たなスキルを取得することも。社員のモチベーションは環境によって変動するので、他職種の経験がある方を採用して、新しい風を吹き込んでみても良いでしょう。
キャリアチェンジを採用する3つのデメリット
ここでは、人事業務を経験したことがない方を採用するデメリットを3つ紹介します。
- 短期で退職する可能性がある
- 社内風土と合わない可能性がある
- 期待よりもスキルが低い可能性がある
デメリットを知っておけば、採用する際の判断材料になります。人事へのキャリアチェンジを希望する方を採用するかは、デメリットも考慮して判断しましょう。
短期で退職する可能性がある
転職経験のある方は、短期で退職する可能性があります。特に、以前に何度も転職している経験がある方は、入社後すぐに退職するリスクが他の求職者よりも高いです。
キャリアチェンジ転職者は、未経験の業務にあたるため、知識や経験の不足を痛感することもあるでしょう。職場内でサポートが受けられないと仕事についていけず、向いていないと思って早期に退職してしまう可能性があります。退職するリスクを測るためには、面接時に以下のような質問をするのがおすすめです。
- 以前はなぜ転職したのか
- 在職期間はどれくらいか
- どのようなときに転職を考えるか
さまざまな質問をして、長期にわたって自社で仕事ができそうか確認しましょう。
社内風土と合わない可能性がある
人事へのキャリアチェンジを希望する転職者の採用を検討する際は、自社の社内風土に合いそうか見極めましょう。高いスキルを持った人材だとしても、社内風土が合わなければ短期で退職するリスクが高まります。
自分のやり方を貫き通そうとする方は「前職ではこうだったのに」と、自社のやり方を受け入れられないでしょう。前職の経験があるからこそ考えが凝り固まり、柔軟に対応できない可能性があります。早期退職されると、教育にかけた時間や費用が無駄になってしまいます。採用担当者は、履歴書を確認したり面接時に質問したりして、適性があるか考えましょう。
期待よりもスキルのレベルが低い可能性がある
採用後に、期待していたよりもスキルのレベルが低いことが判明する場合もあります。面接時に転職者が話していたことや、履歴書に書かれていた内容が実際とは異なるケースがあります。採用されたいがために、経歴を誇張する方もいます。
採用前に気づけるように、実績や保有スキルについて細かく聞いてみましょう。人事に活かせるスキルがあるなら、その場でテストするのも手段の一つです。
キャリアチェンジを採用する際の4つの注意点
採用ミスマッチが生じると、短期間で退職するリスクが高まります。人事へのキャリアチェンジを希望する人材の採用を考えているなら、以下の注意点を押さえておきましょう。
- 採用条件を明確にする
- 素早い連絡や対応を心がける
- 未経験者向けの研修を用意する
- 転職の経緯を細かく確認する
スキルの高い人材を逃さないためにも、注意点を意識して採用活動に取り組んでみてください。
採用条件を明確にする
キャリアチェンジを希望する求職者の応募を受け付けるなら、採用条件を明確にしましょう。採用条件が曖昧だと、意にそぐわない応募者が殺到するリスクがあります。
業界に精通していない未経験の人材を募集する際は、必要なスキルや勤務経験年数は要項に記載しましょう。取得していることが好ましいスキルや資格も記載しておくと、自社が求める人材を集めやすくなります。
素早い連絡や対応を心がける
企業は、できる限り素早く連絡したり対応したりしましょう。求職者は自社だけでなく、競合他社にも応募している可能性が高いです。採用の検討に時間を要して連絡が遅れると、自社に対して不安感や不信感が高まるリスクがあります。結果として、応募者が他の企業への入社を決めてしまうことも。連絡が遅くなったために、優秀な人材が他の企業への入社を決めると、自社としては大きな機会損失になるでしょう。
選考結果の通知時期や面接日時をあらかじめ定めておくと、求職者の不安を軽減できます。迅速に連絡することで、印象も良くなります。素早い連絡や対応を心がけ、優秀な人材を確保する機会を失わないようにしましょう。
未経験者向けの研修を用意する
未経験者向けの研修を実施すれば、転職してきた社員も仕事を始めやすくなります。キャリアチェンジ転職者は、社会人経験はあっても業界の知識や経験はありません。前職と仕事の内容が異なるため、困惑してしまう方もいるでしょう。
未経験者向けの研修を実施すると、業界のことや自社での仕事の進め方などを伝えられます。意欲が高い人材であれば、未経験者でもすぐに研修内容を理解して業務に取り組めるでしょう。
転職の経緯を細かく確認する
転職者を採用する際は、転職の経緯を細かく確認しておく必要があります。求職者がどのような経緯で応募してきたかは、面接で質問しないとわからないでしょう。
求職者が経緯をうまく説明できなかったり、短期間で転職を繰り返していたりするなら、注意が必要です。自社に入社したい気持ちが弱かったり、採用後にすぐ退職したりする可能性があります。面接時に詳しく聞いて、採用しても問題ないか見極めましょう。
まとめ
人事へのキャリアチェンジを希望する求職者は、未経験であっても社会人経験があり、自社にはないスキルを保有している可能性があります。また、経験のない職種にチャレンジすることから、意欲の高い人材が多いと考えられます。
ただし、入社してすぐに転職するリスクもあるので、採用前に自社が求める人材か確認しましょう。優秀な人材を獲得できれば、他の業界で得た知識を活かし、業務の効率化をサポートしてくれるケースがあります。
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