こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
少子高齢化が進む昨今、慢性的な人材不足でお困りの人事・採用担当の方もいらっしゃるのではないでしょうか。人材不足に悩む企業におすすめの採用方法が「ポテンシャル採用」です。ポテンシャル採用とは、育成することを前提に社風に合う人材を採用する方法のことをいいます。
本記事ではポテンシャル採用を行うメリットや、行う際に確認すべきポイントを解説しますので、ぜひ参考にしてください。
ポテンシャル採用とは
少子高齢化によって労働人口が減少し、さまざまな職業で人材不足が深刻化しています。
このような状況下で増えている採用方法が「ポテンシャル採用」です。ポテンシャル採用とはどのような採用方法なのか、詳しく解説します。
ポテンシャル採用の概要
ポテンシャル採用は、応募者のスキルや実務経験ではなく、将来性と潜在能力を重視する採用方法です。今後の伸びしろや成長する可能性の有無が、採用の基準となります。
自社のカラーに合う人物かつ、スキルを早い段階で身に付けられそうかを判断基準にするとよいでしょう。
ポテンシャル採用が注目されている理由
ポテンシャル採用が注目される背景には、働き手不足があります。昨今、少子高齢化によって「生産年齢人口」にあたる15〜64歳の人口が減少しています。
出典:令和4年版高齢社会白書|内閣府(2022)
内閣府発行の「令和4年版高齢社会白書」に掲載されたグラフを見ると、年を追うごとに生産年齢人口(ピンク色の部分)が減少していることがわかります。
これまでの中途採用では即戦力が求められていましたが、人材不足が深刻になり、即戦力の採用が難しくなっています。
このような背景があり、中長期的な視点で「育てるための人材」を求める、ポテンシャル採用が注目されるようになったのです。
ポテンシャル採用の年齢制限は?
ポテンシャル採用において年齢制限を設けていない企業もありますが、一般的には第二新卒から30代前半までがターゲットです。第二新卒とは、新卒で就職し2〜3年を経過した若手人材のことです。
例えば、某IT系大手企業のポテンシャル採用の対象は18〜30歳です。エンジニアのポテンシャル採用は、25〜29歳が目安となるようです。
新卒採用・中途採用・リファラル採用との違い
ポテンシャル採用と他の採用方法の違いは、以下のとおりです。
新卒採用
新卒採用では学校や学部、在学時の成績を重視します。一方でポテンシャル採用では、個人が持つ潜在能力が重視されます。
中途採用
中途採用は「キャリア採用」と呼ばれ、即戦力として活躍できる人材が求められます。それに対してポテンシャル採用では、あくまでも育てる前提で採用します。
リファラル採用
リファラル採用は、社内外の信頼できる人物からの紹介で採用する方法です。既存社員や、自社の特徴をよく理解している人物からの推薦が必要です。採用の際は、自社の基準をクリアしていることが前提です。
リファラル採用についてさらに詳しく知りたい場合は、こちらの解説記事をどうぞ。
「リファラル採用気まずい」については、こちらの記事をご確認ください。
ポテンシャル採用のメリット
ポテンシャル採用には、以下のようなメリットがあります。
多彩な人材の採用につながる
ポテンシャル採用を行うと、多彩な人材を採用することができます。
通常の採用方法でスキルや経験値が高い人材を優先して採用すると、似た人材が多くなり、偏りが生じます。また、採用基準に達していないものの、優秀な人材を逃してしまう可能性もあります。
一方でポテンシャル採用では、現時点でのスキルや経験を重視しません。スキル面で未熟でも、潜在能力が高い人材と巡り合えます。
自社にはいないタイプの人材を採用すれば、新しい商品・サービスの開発につながるかもしれません。また、企業によっては年齢層の偏りを解消できるため、社内の雰囲気が好転するというメリットもあります。
将来性のある人材を発掘できる
ポテンシャル採用を行うことで、将来性のある若手人材を発掘できます。
優秀な即戦力は多くの企業が求めているため、すぐには見つかりません。しかし、ポテンシャルの高い人材を見つけて育てれば、将来活躍してくれる可能性が高いといえます。
初期段階の育成教育が不要
新卒者に比べて教育コストがかからないことも、ポテンシャル採用のメリットです。ポテンシャル採用で入社した人材には、多少なりとも社会人経験があります。新卒採用者と比べると、ビジネスマナーや言葉遣いには問題がないでしょう。
ポテンシャル採用のデメリット
ポテンシャル採用には多くのメリットがありますが、デメリットもあります。デメリットになり得る点は、以下のとおりです。
即戦力採用に比べて育成に時間がかかる
ポテンシャル採用は即戦力を求めるものではなく、多少の教育を施すことを前提に採用します。
そのため、新卒採用ほどではありませんが、キャリア採用に比べるとコストがかかるでしょう。
あくまでもポテンシャル重視の採用であるため、必ず能力が開花するとは限りません。期待しすぎず、中長期的な視点で育成を行うことが大切です。
適性の見極めが難しい
ポテンシャル採用は、適性の見極めが難しい場合があることもデメリットです。
前職で多少の経験があって、こだわりが強いタイプは自社の雰囲気に合わないかもしれません。面接の際に、自社に馴染めそうか見極めましょう。
また、転職経験者は離職のハードルが低いため、違和感があると早期に退職することがあります。入社後の教育体制を整えて、離職防止に努めましょう。
ポテンシャル採用を成功させるポイント
ポテンシャル採用を成功させるために、重視すべきポイントを解説します。
条件を明確化しミスマッチを避ける
ポテンシャル採用を行う際は求めるスキルなど、採用時に重視する点を明確にしましょう。また、応募者の優れた部分ばかりではなく、弱点を把握することも大切です。
優秀で強みを持つ人材でも、自社に合っていなければ能力を発揮できません。ミスマッチを避けるために、自社の理念に共感できる人材を採用するとよいでしょう。
求人を行う媒体を選択する
Webや求人誌などの媒体で募集する場合は、ポテンシャル採用である旨を明記しましょう。
希望する人材の年齢層に合う媒体を選ぶこともポイントです。20代をメインとする求人であれば、SNSの活用も有効です。
若手エンジニアは、ITツールやエンジニア特化型転職エージェントで求人情報を探すこともあります。そのため、ターゲットにマッチする媒体を選ぶと、条件に合う人材が見つかりやすくなるでしょう。
教育環境や制度を整える
ポテンシャル採用を成功させるには、教育制度の整備が必要です。教育環境が整っていなければ、ポテンシャルが高い人材を採用しても期待する成長は望めません。
そこでおすすめしたいのが、社内で活用できるeラーニングや自主研修ツールの導入です。
タレントパレットのeラーニング・研修管理機能を使えば、研修コンテンツの設定や受講履歴の蓄積ができます。
また、人材育成・スキル管理機能を使用すると、次世代ポテンシャル人材の発掘や育成計画の立案も可能です。
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応募者のポテンシャルを見極めるポイント
採用の際には、応募者のポテンシャルを見極めなければなりません。新卒採用者と中途採用者について、それぞれの見極めポイントを解説します。
新卒採用者の場合
ポテンシャル採用で新卒者を採用する場合は、勉強熱心で学ぶ意欲が高い人材を選びましょう。
スキルや経験がない状態で入社するため、早期に戦力になってもらう必要があります。そのためには、学習意欲と熱意を持った人材を選ばなければなりません。
社会人としてのマナーが身に付く素地があるかどうかも、見極める際のポイントです。能力に問題がなくても、ビジネスマナーが欠けていると自社の信用が失墜しかねません。
社会人としての立ち振る舞いを身に付けられるか、しっかり見極めましょう。
中途採用者の場合
中途採用者は、素直さを重視して選ぶとよいでしょう。先輩や上司から指摘を受ける際に、素直に聞き入れられるかどうかがポイントです。
また、ストレス耐性の高さも重要です。ストレス耐性が低いと、採用しても早期に退職してしまうかもしれません。
選考時は、ストレス耐性もしっかり見極めましょう。
面接時、応募者に確認するべきポイント
ポテンシャル採用の面接において、応募者に確認するべき事項は以下のとおりです。
企業理念に合う人材か
自社の企業理念を理解し、共感できるかどうかをチェックしましょう。自社の企業理念に沿わないと、優秀な人材でも組織にフィットしない可能性が高いからです。
企業理念に共感できないとモチベーションが上がらず、能力を発揮できません。
採用後のミスマッチを防ぐため、面接時に企業理念を説明して理解できるかどうかを確認しましょう。
どのようなキャリアプランを持っているか
応募者が描いているキャリアプランも、面接時に確認しましょう。応募者のキャリアプランと企業の方向性がかけ離れていると、ミスマッチが起こります。
キャリアプランが合わなければ、すり合わせが必要です。ミスマッチを防ぐためにも、面接の時に必ず確認しましょう。
面接の時点でキャリアプランを描けていない場合は、真剣さが足りないかもしれません。採用しても、期待する能力の向上が見られない可能性が高いです。
「縁故採用」については、こちらの記事をご確認ください。
ポテンシャル採用に向いている企業や職種
ポテンシャル採用に向いている企業や、職種について解説します。
若手や未経験者を育成する意識が高い企業
育成意識が高い企業は、ポテンシャル採用に向いています。若手や未経験者の育成に積極的に取り組み、成長させられるからです。
教育体制が整備されている企業も、ポテンシャル採用に向いています。教育体制を整えることで、ポテンシャル人材のパフォーマンスを効率的に高められます。
IT系エンジニアや営業・経理
具体的な職種としては、IT系企業やエンジニアがポテンシャル採用に向いています。DXやAIなどの業界は人材不足に悩んでおり、育成できる人材を求めているからです。この傾向は、今後もしばらく続くでしょう。
また、経理や営業などの職種もポテンシャル採用に向いています。業種が違っても、それまでの経験や技術を活かせるからです。
ポテンシャル採用導入企業の事例
実際にポテンシャル採用を行っている企業の事例を紹介します。ポテンシャル採用を検討する際の参考にしてください。
STORES 株式会社
店舗のデジタル化を支援するSTORES 株式会社では、新卒・既卒を対象とするポテンシャル採用を行っています。
募集職種は、ソフトウェアエンジニアです。プロダクトの企画・設計・実装や、業務改善のための開発を行う人材を募集しています。応募時に30歳以下、入社時に18歳以上の人材が対象で、書類選考と1〜2回の面接を経て採用となります。
2022年4月1日に、初のポテンシャル採用の新入社員が入社しました。
ソフトバンク株式会社
情報通信サービスのソフトバンク株式会社では、2015年よりユニバーサル採用の一環としてポテンシャル採用を行っています。
入社時に30歳未満の新卒・既卒・就業者が対象で、入社時期は4月または10月です。
採用サイトによると「挑戦する意欲がある方には広く門戸を開き、一度就職をした方でも再度挑戦することが可能」とのことです。
株式会社丹青社
総合ディスプレイ業の株式会社丹青社では、既卒5年以内の人材を対象にポテンシャル採用を行っています。
社会人経験の有無や学部・学科は不問です。学部・学科によって職種が限定されないため、可能性が広がる採用といえるでしょう。
上半期の募集職種はプランナー、デザイナー、データアナリスト、経営管理スタッフ、営業、制作で、下半期は営業と制作職種の募集が行われます。
「常に知識・技能と感性を磨き高められる人材」と、求める人材像が明確です。
ヤフー株式会社
インターネット関連事業のヤフー株式会社では、新卒・既卒・就業者を対象とするポテンシャル採用を行っています。応募時に30歳以下かつ、18歳以上であることが条件です。
海外留学や博士号取得など、就職活動時期の多様化に合わせて柔軟な採用を行っています。
エンジニア・デザイナー・ビジネス職域が採用の対象です。
まとめ
本記事では、ポテンシャル採用について解説しました。
応募者のポテンシャルや将来性に注目して採用・教育することで人材育成が可能ですが、そのためには面接時にミスマッチを防ぐ必要があります。
タレントパレットには採用管理機能があり、ミスマッチを防止できます。応募者の適性検査結果と離職傾向が強い性格特性を照らし合わせて、ミスマッチを防ぎます。
タレントパレットは育成・管理機能も充実しており、採用段階から積み上げる人材戦略が可能です。以下のような特長があり、科学的な人事戦略を実現します。
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