グロースマインドセットの定義とは?高める方法や経営上のメリットを解説


グロースマインドセットの定義とは?高める方法や経営上のメリットを解説

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

グロースマインドセットという言葉が注目を集めています。従業員がグロースマインドセットを持つことによって企業に大きな利益をもたらす可能性があるためです。また、慢性的な人材不足が課題となっている現代において、採用した人材を貴重な戦力へ育てるために必要な考え方でもあります。

今回は、グロースマインドセットについての概要と実施するメリット、効果を高める方法や育てるために必要なポイントをみていきましょう。

グロースマインドセットの定義

グロースマインドセットとは、自分の能力は努力や経験によって高められるという考え方に基づき、人の成長を促進するものです。

マインドセットは、対象者の経験・教育・先入観で出来上がる思考パターンのことであり、思い込みや価値観が該当します。グロースマインドセットは、マインドセットの考え方に成長という概念を足したもので、別名「しなやかなマインドセット」と呼ばれることもある思考パターンです。

グロースマインドセットの反対の意味をなす言葉として「フィックスマインドセット」があります。人の能力は固定的で変わらないという考え方に基づく思考パターンで、挑戦することが少ない、すぐにあきらめるなどの特徴があるとされているものです。

あくまで考え方の1つですが、失敗を成長の糧と捉えるグロースマインドセットに企業から注目が集まっています。人材不足にあえぐ企業では、失敗をバネにして成長できるマインドを持った人材を育てたいと考えている企業が多いためです。

グロースマインドセットはスタンフォード大学のキャロル・ドゥエック氏によって提唱されたものであり、以下の5つのぶつかる壁と生まれる思考の組み合わせで成立するとされています。

  • 挑戦:喜んで受け入れる(Embraces)
  • 障害:乗り越えるまでやる(Persists)
  • 努力:努力をすれば必ず成長できる(No pain, No gain)
  • 批評:他社の批評から学ぶ(Learns from)
  • 他社の成功:他社の成功を刺激にする(Be inspired by)


壁があったとしても常に前向きな思考が生まれやすくなるため、積極的な挑戦や自主的な努力をする土壌が育つといえるでしょう。

経営上のメリット



グロースマインドセットは、個人だけではなく企業全体の成長や変革に大きな可能性を持つものです。

例えば、部下が挑戦や失敗をした際に、上司のマインドセットが醸造される場合もあり得ます。具体的には、挑戦や失敗に対する評価をどう付けるかという部分が重要です。このケースでは、今回の挑戦や失敗をもとにして今後成長すると部下を評価すれば、上司のマインドがグロースマインドセットに近づくといえるでしょう。

企業風土がフィックスマインドセットであったとしても、部下と上司がマインドセットを意識しながらコミュニケーションを取ることで、個人間だけではなく企業全体のマインドも変化する可能性があります。

すでに組織風土が出来上がっている企業に対しても効果が見込めるグロースマインドセットは、経営上大きな可能性を秘めているといっても過言ではありません。

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グロースマインドセットを高める方法/h2>

グロースマインドセットを高めるには、関わり方と分野を意識する必要があります。ここでは詳しく、その内容をみていきましょう。とくに、上司と適材適所の配置がポイントとなります。

関わり方

グロースマインドセットを高める方法として、上司と部下の関わり方は重要な要素です。成功したことを褒めるだけで終わっていたり、結果だけを見て評価をしたりするだけでは、グロースマインドセットは育ちません。成功したことに対しては一緒に喜んだり、結果ではなく過程を褒めたりすることで、グロースマインドセットを持ちやすくなるでしょう。

年齢を重ねた人物よりも、若手の方がグロースマインドセットを高めやすいという特徴があります。ある程度年齢を重ねていくと価値観や信念が固まっていき、パラダイムシフトが起きるのに時間と労力がかかるためです。

ただし、年齢を重ねた相手であってもグロースマインドセットが育たないわけではありません。パラダイムシフトが発生するほどの効果がなかったとしても変化は期待できます。

分野

人間の傾向として、得意分野はグロースマインドセットを、不得意分野はフィックスマインドセットを持っている傾向が強いものです。ただし、人は2つの考え方を併せ持っていることから、適材適所の配置を前提としてフィックスマインドが生まれない環境を整えることが大切だといえます。

誰にでも得意分野と不得意分野があることを理解し、従業員の得意分野を見極めることが重要です。フィックスマインドセットになっている分野を無理にグロースマインドセットにしようとせず、得意分野の業務を振り分けることでグロースマインドセットを持たせることでグロースマインドセットを高める方法のひとつになるでしょう。

グロースマインドセットを育てるために必要なポイント



グロースマインドセットを育てる人材育成をするには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。具体的には以下の4つです。

  • 課題を明確にする
  • 過程に注目する
  • 適材適所に配置する
  • 制度や仕組みを再構築する


企業風土によっては、取り組むのが難しい場合もあるでしょう。しかし採用した人材のグロースマインドセットを高めるためには、いずれも重要なものばかりです。それぞれの項目を詳しくみていきましょう。

課題を明確にする

課題を明確にしなければ、クローズマインドセットではなくフィックスマインドセットに変わってしまう可能性があります。例えば、グロースマインドセットでは、努力することで発生する痛みを受け入れるという考え方が根底に必要になるものです。しかし、課題が明確にならなければ結果につながらず、最終的に心が折れてしまいかねません。

まずは直面する課題の本質を明確にし、どのようなアプローチが効果的なのかを考えて上司やリーダーがサポートするようにしましょう。

過程に注目する

従業員への評価に関しては、何かに挑戦して失敗してしまった場合、結果ばかりを見るのではなく努力してきた過程に目を向けましょう。マネジメントを行うとしても、従業員の心が失敗という結果にばかり意思がいくと自信をなくしてしまい、過程に目を向けることができなくなってしまうためです。

振り返りを行いつつ、なぜ失敗してしまったのか、どこで失敗したのかを見つめ直すことで、次の取り組みに反省点を反映させることができます。失敗してすぐに取り組むのが難しい場合は、多少時間を空けてみましょう。

適材適所に配置する

人事部や人事権を持つ従業員であれば、新人社員の才能や能力を把握して、得意分野が生かせるような配置をすることがグロースマインドセットを育てるポイントとなります。才能や能力を発揮できない部署に配属されてしまうと、思ったような活躍ができず、フィックスマインドセットに傾いてしまう可能性があります。

個人の能力を十分発揮させるためには、対象となる従業員がその部署に適しているかを検討する必要があるでしょう。また、従業員の能力を明確に把握しておく必要もあります。

一度決めただけで終わらせるのではなく、定期的に人材配置を見直して人事異動などで調整すると良いかもしれません。

制度や仕組みを再構築する

人のマインドセットは、無意識のうちに働く環境や普段耳にする言葉などから影響を受けて形成されているものです。例えば、すでにある制度や仕組みがフィックスマインドセットを助長するような仕組みになっていた場合は、期待した効果が得られない可能性が高いでしょう。

特に日本では、グロースマインドセットを育む制度や仕組みになっている企業が少ない傾向にあります。場合によっては、会社の制度や仕組み、人事部、マネジメント制度までを見直して再構築していくことが必要です。

まとめ

グロースマインドセットを高める方法はいくつもあります。しかし、最も重要なのは働く環境です。適材適所な配置だけでなく、企業全体の制度や仕組みもグロースマインドセットを育てられるかどうかという重要な鍵を握っています。

場合によっては、根本的に制度・仕組みなどこれまでの労働環境を再構築しなければならないかもしれません。しかし、変化の激しい現代を生き抜くためには、グロースマインドセットが必要なのも事実だといえるでしょう。

社内の課題をより明確にする場合、人事システムの導入を検討しましょう。タレントパレットは、あらゆるシステムのデータを統合してさまざまな分析ができ、人事課題を洗い出すことができます。人材のデータ管理も可能であるため、適材適所の配置も行いやすくなるでしょう。

グロースマインドセットを高めたい、社内の環境を見直し課題を洗い出したいという場合は、タレントパレットの導入を検討してみましょう。

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