こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
組織においては、広い視野で物事を捉える「ジェネラリスト」と、専門性に特化した「スペシャリスト」の両方の存在が欠かせません。それぞれの強み・弱みを知り、違いを把握した上で、うまく組織作りを行っていく必要があります。
この記事では、ジェネラリストとスペシャリストの違いや、キャリアアップのあり方などを解説します。
ジェネラリストとは
ジェネラリスト(ゼネラリスト)とは、幅広い知識や技能、経験などを備えた人物を指す言葉です。ビジネスの領域においては、特定の分野を深く追究するのではなく、広い知見と視野によって、多くの分野の担当者らをまとめ上げる役割を担う人材を指すことが多いといえるでしょう。
スペシャリストとは
スペシャリストとは、特定の分野の専門性を高めた人物を指します。長い間の経験の積み重ねによって培われた専門性を持ち、一点突破型のスキルを備えた人材だといえるでしょう。
具体的には、医師や弁護士など高度な資格を持っている方や、高いスキルが求められるエンジニアなどがスペシャリストと呼ばれます。
ジェネラリストとスペシャリストの違い
ジェネラリストは様々な知見と広い視野を備えた万能型ですが、スペシャリストは特定の分野の専門性に特化したプロフェッショナルです。ジェネラリストを総合職とするならば、スペシャリストは専門職であるといえます。
企業においては役員やマネージャーなどをジェネラリストが担い、開発部門や経理部門はスペシャリストが担うといった形が見られます。
ジェネラリストのストロングポイント
ジェネラリストの強みとしては、主に次の3つがあげられます。
・知識が豊富で視野が広い ・客観的に物事を見ることができる ・臨機応変に対応することができる |
それぞれの点について解説します。
知識が豊富で視野が広い
ジェネラリストは何といっても、豊富な知識と視野の広さが強みです。組織の中にどれだけ優秀なスペシャリストがいたとしても、その取りまとめ役がいなければ組織はうまく回っていきません。
組織における業務が細分化している時代においてはスペシャリストが多くの場所で活躍していますが、それらを取りまとめるジェネラリストの存在価値も高まっているといえます。組織の成長を促していくためには、様々な人とやりとりが行えるジェネラリストを育成していくことが大切です。
客観的に物事を見ることができる
ジェネラリストは物事を客観的に見ることができるため、企業にとって重要な判断を任せられます。将来の幹部候補として育てていけば、組織の成長を持続させる原動力となるでしょう。
ジェネラリストは役員やマネージャーなどのポジションが向いており、社内だけでなく社外の動向なども踏まえながら最適解を見つけていく役割を担っています。冷静な姿勢で自社の状況を分析することにも長けているので、優秀なジェネラリストがいればバランス感覚の取れた経営を行っていけるでしょう。
臨機応変に対応することができる
ジェネラリストは普段から広い視野で物事を見ているため、臨機応変に対応できる力を備えています。突発的なトラブルや大きな変革が必要なタイミングでは、先頭に立って周りをまとめていける存在となれます。
組織においては、調整役や危機管理対応など、部署や部門を横断した役割を任せられるといえるでしょう。
ジェネラリストのウィークポイント
多くの強みを持つジェネラリストですが、一方で弱点となる部分も持っているといえます。どのような点を苦手としているのかを見ていきましょう。
何かの専門家ではない
ジェネラリストは多くの知識や広い視野で物事を捉える力を備えていますが、何かの専門家ではないため、特定分野の業務を緻密な部分まで任せることはできません。豊富なスキルを備えたスペシャリストの存在があってこそ、ジェネラリストの力も発揮されるという面があるでしょう。
必ず必要とされているわけではない
組織の規模が小さなうちは、ジェネラリストが必ずしも必要とされるわけではありません。リーダーがジェネラリストの役割を担えば組織を回せる状態であれば、むやみにジェネラリストをかえって混乱を招いてしまうものです。
組織の規模に応じて、ジェネラリストが必要かどうかを判断してみましょう。
何もできないのではないかという不安に襲われる
ジェネラリストはスペシャリストのように、何かの専門性を発揮できる立場ではないため、環境によっては「何もできないのではないか」といった不安に駆られることもあるでしょう。ただし、ジェネラリストはスペシャリストを束ねるプロともいえるので、決してその存在が不必要なわけではありません。
環境の変化にうまく対応できるように、継続して知識を習得し、組織においてどのような役割を求められているのかを自問自答していくことが大事です。
ジェネラリストとスペシャリストはどのような人に向いている?
ジェネラリストとスペシャリストは、それぞれ適したタイプがあります。どのような人が向いているのかを見ていきましょう。
ジェネラリストに適している人
ジェネラリストに適しているタイプとは、臨機応変に対応できる冷静さと、人と人との関係を円滑に取り持っていけるコミュニケーション能力を備えている人だといえます。物事についてこだわりがある人よりも、多様な意見に耳を傾けられる人物が適任だといえるでしょう。
また、豊富な経験や幅広い知識もジェネラリストには求められます。学生時代に部活動でキャプテンを務めていたり、イベントを主催したりした経験がある人であれば、ジェネラリストとしての力を発揮できるでしょう。何かに特化しているというよりは、あらゆることを満遍なくこなしていける人が向いています。
スペシャリリストに適している人
スペシャリストは、特定の分野で秀でた専門性を発揮するタイプの人が向いています。好奇心が旺盛で忍耐強く、専門分野に関する知識が豊富な人材が適任だといえるでしょう。
いったん始めたことをとことん追求していくタイプの人が、スペシャリストの適性があります。1つの趣味を長く続けていたり、特定のジャンルに強い興味を抱き続けていたりする人はスペシャリストとしての能力を発揮できるでしょう。
適した人材を育成するために、あらゆる人事データを統合して分析
ジェネラリストやスペシャリストを育成していくためには、それぞれの適性をよく見極めた上で時間をかけて成長のきっかけを与えていく必要があります。将来のキャリアプランなども含めて、日頃から適切なコミュニケーションを取ってみましょう。
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ジェネラリストのキャリアアップ
ジェネラリストのキャリアアップとして、管理職や人事担当者、プロジェクトマネージャーなどがあげられます。それぞれのポイントについて解説します。
管理職
様々な物事に対処していくジェネラリストは、管理職に適しているといえます。複数の分野にまたがって多くの人と関わっていける力を持っていれば、組織の成長にとって欠かせない人材となるでしょう。
人事部
ジェネラリストは日常的に人と接する場面が多くあるため、人事担当者として向いています。普段のコミュニケーションを通じて多くの人と接していれば、多様な価値観や考え方を身につけられるので、組織にとってどのような人材が必要かといった判断を下しやすいでしょう。
また、チームが円滑に機能していくように、個々の人材の特性を見極めながら人員配置を考えるのにも適しています。
プロジェクトマネージャー
新しくプロジェクトを進める場合、そのリーダーとしてジェネラリストを起用するほうが良いでしょう。人や予算、進行管理など全体の方針を決めるためには、広い視野を持ったジェネラリストでなければ、役割を果たすのが難しいといえます。
プロジェクトの成功そのものが、プロジェクトリーダーの力量にかかっているため、適した能力を備えた人材に任せるほうが良いでしょう。
スペシャリストのキャリアアップ
スペシャリストのキャリアップとしては、優れた専門性を活かし、特定の分野で着実に成果を出していくことが重要です。他社でも通じる高いスキルを身につけていれば、転職活動にも有利に働くでしょう。
ただし、ITやAI技術の進展によって従来はスペシャリストが担っていた分野でのニーズがなくなりつつある職種もあります。どの分野で活躍したいかを明確に打ち出して、地道な努力を積み重ねていくことが大切です。
ジェネラリストの育成方法
ジェネラリストはスペシャリストと違った形で育成していく必要があります。どのように育てていけばよいかを解説します。
研修する
ジェネラリストを育成するには、現場での実践重視の教育というよりは、広い視点で学んでもらうために研修を通じて体系的な学習を進めてもらうほうが良いでしょう。断片的な知識をいくら知っていても、いざというときに役立たないケースはよくあるものです。
原理・原則に基づいた学びをしっかりと身につけることで、様々な場面で臨機応変に対応できる力が養われるといえます。企業がジェネラリストに求めるのは、最終的には管理職という立場になるため、ある程度の経験を積ませたら管理職研修を行ってみましょう。
個別の研修としては、マネジメント研修やリーダーシップ研修、チームビルディング研修などがあげられます。
ジョブローテーションをする
ジェネラリストは将来的に、組織を引っ張っていく管理職の役割が期待されているので、人事における「ジョブローテーション」は重要だといえます。様々な業務を一定の周期で経験させていくことで、幅広い視野や知識を身につけられるでしょう。
また、社内のあらゆる業務を経験させることによって、組織全体の状況を把握でき、将来の幹部候補として育成していけます。ジョブローテーションを行うと短期的には業績低下の要因ともなりますが、長い目で見れば組織を担う次世代のリーダーを育成する取り組みなので、戦略的に様々な経験を積ませてあげることが大事です。
まとめ
専門性に特化したスペシャリストと、広い視野を持ったジェネラリストがうまく連携していくならば、強い組織作りを進めていけるでしょう。それぞれの特性を把握した上で、適切な人員配置を行っていくことが大事だといえます。
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