外国人労働者数の推移は?令和の外国人雇用状況を国別・業種別に解説


外国人労働者数の推移は?令和の外国人雇用状況を国別・業種別に解説

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

日本では外国人の労働者数が増加していますが、増えている国籍や業種には特徴があります。この記事では、国籍別・業種別に、外国人労働者数の推移を紹介します。外国人労働者の現状や、外国人雇用状況の推移を多角的に分析し、自社にとってのメリットを考える際にお役立てください。

どの国の外国人労働者が多いのか

外国人労働者はさまざまな国から来日します。厚生労働省が発表している『「外国人雇用状況」の届出状況』(2022年10月末)によると、国籍別では、ベトナムが最も多く、46万2,384人(外国人労働者数全体の25.4%)。次いで、中国からは38万5,848人(同21.2%)、フィリピンからは20万6,050人(同11.3%)が来日しています。

在留資格別の外国人労働者数

在留資格別では、最も多いのが「身分に基づく在留資格1」で59万5,207人(外国人労働者数全体の32.7%)。次いで、「専門的・技術的分野の在留資格2」が 47万9,949人(同 26.3%)、「技能実習」が 34万3,254人(同18.8%)です。

より専門的な技能や技術を持っている外国人労働者も数多く来日しており、日本企業の人手不足や継承者不足解消の、一翼を担っています。

業種別の外国人労働者数

外国人労働者数を産業別の割合でもチェックしてみましょう。最も多いのは「製造業」で26.6%。次いで、「サービス業(他に分類されないもの)」が16.2%、「卸売業、小売業」が13.1%の順になっています。

製造業は、以前から外国人労働者が多く働く職種でしたが、近年では、サービス業や医療福祉などの分野でも外国人労働者の増加率が高まっています。

業種別の外国人労働者・事業所数

厚労省のデータ(2022年10月末)によると、日本で働く外国人労働者の総数は182万2,725人です。前年と比べると、 9万5,504人増加しており、届出が義務化された2007年以降、増加数は過去最高を記録しています。

対前年増加率も5.5%と、コロナ禍で来日が難しくなっていた、2021年の0.2%から5.3ポイント増加しており、依然として日本で働くことを希望する外国人労働者が多くいることが読み取れます。

それでは、どの業種で外国人労働者が急増しているのでしょうか。外国人労働者の増加率を業種別に見ていきましょう。

外国人労働者事業所数の増加率・業種別ランキング



厚生労働省のデータをもとに、2018年から2022までの外国人労働者事業者数の増加率を、ランキング形式で紹介します。

1位:建設業 74.2%(前年比5.1%)
2018年に外国人労働者を雇用している事業所数は2万264でしたが、2022年は3万5,309に増加しています。

建設業は、人手不足が叫ばれて久しい業種ですが、適切な資格をもつ外国人労働者が活躍する場となっていることが分かります。

2位:卸売業、小売業 51.3%(前年比 5.7% )
外国人労働者を雇用している事業者数は、2018年は3万6,813。2022年には5万5,712に増加しています。

スーパーやコンビニエンスストアなど、商品を仕入れてお客に販売する仕事でも、外国人労働者が増えています。

3位:宿泊業、飲食サービス業 36.3%(前年比 5.4%)
2018年に外国人労働者を雇用している事業所数は3万1,453でしたが、2022年は4万2,896 に増加しています。

外国から来た観光客への対応などを担う外国人労働者は、観光地で特に重宝されています。また宿泊業は、日本で働くことを希望する外国人にも人気の職種です。

4位:情報通信業 25.5%(前年比 3.5%)
2018年に外国人労働者を雇用している事業所数は1万37でしたが、2022年は1万2,601に増加。

システムエンジニアや、システム開発など、日本人のITエンジニアが不足しており、外国人労働者へのニーズが増しています。

5位:製造業 14.6%(前年比1.3%)
2018年に外国人労働者を雇用している事業所数は4万6,254でした。2022年は5万3,026に増加しています。

外国人労働者が最も多く働いている製造業ですが、増加率も高く、今後より増えていくでしょう。

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今後の外国人労働者数の推移は?



2022年時点での外国人労働者は182万人あまりですが、2030年には209万人に達する見込みです。また、日本における2030年の労働需要は7073万人と予測されており、全労働者のおよそ3%が外国人になるともいわれています。近い将来、外国人が同僚や部下、上司という状況が普通になるかもしれません。とはいえ、人材不足問題に関して、安心はできない状況です。

JICA(国際協力機構)の研究機関が2022年3月に発表した報告書によれば、日本がさらなる経済成長を達成するためには、2040年には約674万人の外国人労働者が必要と試算されています。これは、現在のほぼ4倍です。

この報告書では、現在の受け入れ方式のままだと、2030年の不足労働者数は63万人となり、2040年にも42万人の労働者が不足すると試算されています。

対策としては、在留資格の要件を緩めるなどがありますが、それでも、日本に来る外国人は減少する見込みです。その原因は、周辺各国との賃金格差が縮まっていることです。現在すでに、諸外国との労働者の取り合い競争が始まっています。

今後も外国人労働者の来日が期待できる国とは?

就労のために来日する人材が多いベトナムにおいても、近年は日本との給与水準の差が縮まり始めています。今後も多くの外国人労働者の来日が期待できる国には、どのような特徴があるのでしょうか。

日本と給与水準の差がある国

これから経済発展をしていく国では、しばらくの間、日本と比較して給与水準が低い状態が続くでしょう。そうした国の人たちにとっては、日本は働く魅力のある国だといえます。日本では低い水準の給与であっても、母国の通貨に換算すれば、大きな収入になるためです。

反対に、国交が盛んであっても、日本との給与水準があまりない国や、大きく縮まってきている国は、将来的に来日する労働者が減っていく可能性も考えられます。経済格差や給与水準の差も調べて、外国人労働者数の推移を先読みしていきましょう。

外国への出稼ぎが一般的な国

「安定した収入=外国への出稼ぎ」という国であっても、日本への出稼ぎが第一候補とはかぎりません。「日本で働く」という選択肢を魅力に感じてもらえれば、コストを抑えつつ、優秀な人材を雇用できる可能性があるでしょう。

国や民間で、どのような交流や支援の動きがあるのかも、注意深く観察していれば、今後来日する労働者が増えそうな国に目星を付けることができるかもしれません。

若者が多い国

平均年齢が若く、労働者人口が多い国であれば、若い人材を確保するハードルが下がるでしょう。これからスキルを身に付けることで、優秀な人材になってもらえる可能性も高くなります。

一方、日本と同じように高齢化が進んでいる国は、自国の働き手がどんどん少なくなっていくため、労働者不足という現在の日本と同じような状況になるかもしれません。周辺諸国の労働人口や人口推移の特徴にも注目して、働き手の多い国に注目してみましょう。

雇用した外国人労働者を定着させるポイント

外国人を雇用するだけでなく、その後もずっと働いてもらうためには、どのようなことが大切なのでしょうか。

外国人採用後は、ビザの申請や住居の確保、行政手続きや銀行口座開設など、仕事以前にさまざまな手続きや審査があります。外国人労働者にとって、大きな壁となっていることは間違いないでしょう。

企業側ができる対策は、有益な情報を積極的に提供し、サポート体制の整備や、不安やストレスを解消する機会を増やすことです。

分からないことを尋ねやすく、必要な手続きや注意点は事前に教えてくれる――。そんな企業であれば、外国人労働者も働きやすく、仕事に集中して取り組めるでしょう。高い専門スキルを身に付けてもらい、新しいアイデアの提供もしてもらえれば、自社にとって大きなメリットになるはずです。

まとめ

2023年時点で、外国人労働者数の国籍で一番多いのはベトナムです。業種別でみると、製造業が最も多いですが、建設業やサービス業などでも、ここ数年間で著しい増加が見られています。今後、日本との賃金格差や労働環境などに変化が表れれば、来日する労働者の出身国や、働く業種にも変化が表れる可能性もあるでしょう。

タレントパレットなら、外国人労働者も含めた人材管理のサポートも可能です。人材管理やムダのない採用をしたいとお考えなら、タレントパレットへお気軽にお問い合わせください。

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