こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
ビジネスにおけるフォローアップとは、従業員の悩みの解決や、社員研修などで身につけたスキルを実務でブラッシュアップできるようにサポートすることです。
フォローアップを効果的に行うことで、社員の離職を防ぎ、人材の定着を図ることが期待できます。しかし、どのようにフォローアップを実施すればよいのか、イメージしにくいのではないでしょうか。
この記事では、フォローアップの基本や期待できる効果、具体的な方法を解説します。人材不足を解消したい人事担当者の方は、ぜひご覧ください。
フォローアップとは
人材育成のフォローアップの目的は、社員のスキル向上だけではありません。企業にとっても離職率の低下などの良い面があります。
ここでは、フォローアップの基本概念や「フォローアップ」と「フォロー」との違いについて解説します。
フォローアップの基本概念
フォローアップとは、すでに始めたことや学んだことをより深く理解し、効果を再確認するために、一定期間をおいてから繰り返し行うことを意味します。
社員研修から一定期間が経過した後に、再度同じメンバーを集めて開催する研修を「フォローアップ研修」といいます。前回の研修で学んだ内容を再び確認することで、知識の定着や実践を促します。
また、組織におけるフォローアップには、業務中の課題や悩みを都度解決することも含まれます。フォローアップを効果的に行うことで、スキルやエンゲージメントの向上を目指すことが可能です。
フォローアップとフォローの違い
「フォロー」とは、対象者ができないことを、上司が代わりに行うことです。業務の難易度が高い場合は、上司が適宜フォローすることもあるでしょう。
一方「フォローアップ」とは、対象者ができるようになるまで、上司などがサポートを行うことです。
対象者の育成や成長を促す点においては、フォローアップがより重要になります。上司などからの適切なフォローアップによって、対象者が主体的に行動できるようになるためです。
フォローアップで期待できる3つの効果
社員の仕事上の悩みや課題を解消することは、企業にとって人材育成・雇用の定着化につながります。フォローアップで期待できる効果は、長期的な視点に基づく経営戦略に欠かせません。ここでは、フォローアップで期待できる3つの効果をご紹介します。
1. 従業員のスキルアップ
研修や実際の業務を通じて問題点を洗い出し、改善につなげることで、従業員のスキルやノウハウが向上します。
仕事上の問題を上司に相談して解決を図ることや、社員研修を受けることで、社員の能力は向上するでしょう。また、企業にとっては必要な人材を育成して、目標達成することにも結びつきます。
スキルやノウハウは、一度学んだだけでは実務に活かすことは難しいでしょう。そのために、フォローアップを行って習得したスキルの精度を上げていきます。
2. 離職率の低下
入社した社員がすぐに辞めてしまうと、企業は再び採用を行わければならず、時間もコストもかかります。
特に新入社員は離職しやすいため、対策が必要です。昨今では、新卒者の離職率の高さが多くの企業で課題となっています。
新入社員の主な離職理由として、「人間関係が良くなかった」「仕事が自分に合わなかった」などが挙げられます。離職を予防するためには、企業側の丁寧なフォローアップが大切です。話しやすい雰囲気を作り、悩みを打ち明けられる環境を提供することが重要と考えられます。
3. エンゲージメントの向上
企業への愛着心(エンゲージメント)がフォローアップによって高まれば、業績発展のために社員が主体的に取り組む姿勢が生まれ、生産性の向上が期待できます。
社員が悩みや仕事上の問題をその都度上司などに相談し、解消することで、信頼関係が生まれます。企業への忠誠心も育つでしょう。
社員のエンゲージメントの低さが問題になっている企業は、早急にフォローアップを取り入れることをおすすめします。
フォローアップの対象者
フォローアップを必要とするのは、新入社員だけと考えられがちです。しかし、社員研修を受けた従業員や中途採用の従業員、異動した従業員もフォローアップの対象に含まれます。フォローアップの対象者について詳しく見ていきましょう。
新入社員
フォローアップは一般的に、新入社員に対して行われます。新入社員自身のスキルアップだけでなく、離職を予防し雇用の安定化を図るのが企業側の目的です。新入社員研修の3カ月後、6カ月後、1年後などにフォローアップ研修でサポートします。
社員研修を受講した従業員
社員研修を受講した従業員には、一定期間が経った後にフォローアップ研修を実施して、学び直しを行います。社員研修で学んだことを、どれだけ習得できているかを確認し、実務への落とし込みを評価します。その上で改善するというPDCAサイクルを作り、継続的にサポートを行うことが重要です。
中途採用の従業員
中途採用の従業員は、自社と以前の会社を比べがちになるかもしれません。企業風土や仕事の進め方などのギャップから、悩みや課題を抱えやすいと考えられます。
センシティブな問題の可能性もあるため、フォローアップには、直接の業務に関わらない採用担当者が適しているでしょう。
異動した従業員
異動した従業員は、新しいポジションで不慣れなことや悩みを抱えているかもしれません。フォローアップを実施して、無理なく業務が行えているか聞き取り、スムーズに新しい環境に慣れるように促します。
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フォローアップの具体的な方法
フォローアップの具体的な方法について解説します。社員の状況や課題に応じて方法を変えると、フォローアップが効果的に進むでしょう。
ここでは、4つの方法を解説します。
上司がフォローアップを行う
対象者と面談や日常の業務を行う中で、直属の上司が仕事上の課題などの相談に乗ります。対象者は課題や疑問点を都度聞きやすく、上司は具体的な解決策を導き出すことで信頼関係の構築もできるでしょう。
人事担当者がヒアリングする
通常の業務では、直属の上司や先輩が指示や管理を行います。しかし、直接業務に関わる上司には、悩みや不満などを言いづらいかもしれません。そのため、人事担当者が面談を行い、話しやすい環境を整えることも重要です。
ヒアリングによって、業務上の改善点や人事管理の課題などが浮き彫りになることがあります。
メンターをつける
メンター制度を導入し、先輩社員が対象者の悩みや課題をヒアリングし、実践的なアドバイスを行います。相談しやすいように、先輩社員に対しては他の部署の社員をメンターにします。
フォローアップ研修を行う
フォローアップ研修を行うと、企業理念の浸透やスキルアップ、社員同士の連帯感の構築が期待できます。
新入社員には、入社後の不安解消の効果が見込めるでしょう。中堅社員や管理職の研修後にもフォローアップ研修を実施することで、より効果的に生産性を高められます。
「フォローアップ研修」については、こちらの記事をご確認ください。
フォローアップを実施するタイミング
フォローアップのタイミングは、企業ごとに設定できます。
社員研修とフォローアップ研修は、一緒に計画されることもあります。この場合、研修の3カ月、6カ月、1年後にフォローアップ研修を実施するのが基本です。
加えて新入社員であれば、フォローアップはその都度日常的に行うのが効果的です。
日常的なフォローアップ
新入社員が抱える仕事の悩みは、都度解決するのがよいでしょう。業務の遂行方法など、入社したばかりでわからないことを、その都度解決することで新入社員が早くスキルアップできるからです。
先輩社員がメンターにつく際は、新入社員が相談したいときに実施するのが一般的でしょう。上司によるフォローアップは、入社後1カ月間など、終業時刻前に時間を取って行うケースもあります。
3カ月後に実施するフォローアップ研修
社員研修から一定期間が経過した後にフォローアップ研修をセットで行うと、実際の業務へ反映されているかどうかが振り返りやすいでしょう。3カ月間の目標達成状況を発表することなどが、基本的な研修内容です。
新入社員が対象であれば、業務の遂行方法の再確認や悩みの解消なども目的に含まれます。
6カ月後に実施するフォローアップ研修
前回の研修から6カ月経つと、学んだことを活かして成果が見え始める一方で、課題が明確になってくる頃でもあります。良い点や問題点を振り返り、次の目標設定につなげます。
6カ月後のフォローアップは、入社後の慣れから来る中だるみにも効果的です。入社1年目の社員のモチベーションを維持できるように、目標や課題を再確認したり、スキルアップを目的としたフォローアップ研修を実施するとよいでしょう。
1年後に実施するフォローアップ研修
研修から1年後のフォローアップでは、年間を通して業務で実践した振り返りが重要です。1年経過する間に、新しい業務も加わるなど変化が生じているケースがあるため、今後に向けての目標設定の場にもなります。
新入社員は入社から1年経つと、業務も一通り覚えるため、先輩社員としてのスキルアップが期待されるでしょう。これまでの振り返りだけでなく、先輩社員としてのマインドを学ぶ機会としても効果的です。
フォローアップに活用できるツールの紹介
フォローアップは社員の採用時から始まります。スムーズにフォローアップできれば、社員の安定的な雇用につながります。
ここでは、フォローアップを効果的に実施するためのシステムをご紹介します。
ATS(採用管理システム)
ATS(採用管理システム)とは、応募経路や選考プロセスなどを一元管理して、採用業務を効率化するシステムです。
ATSを導入すれば、入社前から求職者への効果的なフォローアップが期待できます。企業と求職者のミスマッチが起きないように、情報を擦り合わせることにより、入社後も社員がモチベーションを保ちやすくなるでしょう。
勤怠管理システム
勤怠管理システムは、出退勤時間の記録から残業の状況、シフト作成など勤怠管理全般を支援するためのツールです。
社員のモチベーション低下の原因として長時間労働が挙げられますが、勤怠管理システムによって、長時間働いている社員に警告を出すなど、業務上の問題改善につなげることが可能です。
タレントマネジメントシステム
タレントマネジメントシステムとは、従業員一人一人の個人情報や異動状況、評価などをデータ化し、一元管理するシステムです。
目標設定や評価基準が不明確になっていると、社員のモチベーションが下がります。タレントパレットのようなタレントマネジメントシステムで、社員のスキルの見える化や、目標の管理、評価、離職の可能性などの分析ができ、フォローアップの強化が目指せます。
フォローアップを効果的に行う3つのコツ
フォローアップを効率よく行うことで、従業員のスキルやエンゲージメントの向上が期待でき、結果として企業全体の生産性向上につながるでしょう。
ここでは、効果的にフォローアップを行うコツを3つご紹介します。
1. PDCAを回して対象者のモチベーションを上げる
対象者が主体的に仕事に取り組めるように、やる気を高める環境をつくることが重要です。そのためには、PDCAサイクルの仕組みを使ってフォローアップを行うとよいでしょう。
対象者本人が成長するために、目標や計画を策定し、現場で実践します。振り返りを行った上で対象者を評価し、課題への改善案を考えて次に活かすことの繰り返しです。
これら一連のサイクルを、対象者がスムーズに行えるようにフォローアップします。PDCAサイクルを対象者本人が習得し、仕事に反映させることで、対象者は自身の業績について客観的に評価できるでしょう。
対象者は自身の成長を感じやすくなり、モチベーションの向上が期待できます。
2. 対象者が話しやすい雰囲気をつくる
対象者が仕事上の悩みや課題を相談しやすいように、コミュニケーションを取ります。挨拶やちょっとした会話などで日頃から信頼関係を築いておくと、相手が悩みを相談しやすいでしょう。
3. フォローアップ後は対象者にアンケートを行う
フォローアップを実施した後は、対象者に満足した点や不満点などを聞くことで、どのような支援が実際に求められているかがわかります。
特に研修の実施後には、アンケートで研修内容についての意見を聞いたり、理解度を測ったりすることが重要です。アンケート結果を踏まえてフォローアップ研修の内容をブラッシュアップすれば、従業員と企業にとって有効な研修になるでしょう。
まとめ
フォローアップの基本や期待できる効果、適切なタイミングや具体的な方法について解説しました。
フォローアップは、新入社員や研修を受けた従業員のスキルの向上だけでなく、企業にとって離職の予防や生産性向上のためにも注目されています。効果的にフォローアップを実施するには、対象者が自分でPDCAサイクルを回せるようにサポートすることが重要です。
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