エンゲージメント研修とは
エンゲージメント研修とは、社員のエンゲージメントを高めるための研修です。本来、エンゲージメントには誓約や契約などの意味合いがあります。一方、ビジネスでのエンゲージメントとは「この企業に貢献したい」「この企業に愛着を感じる」などの気持ちです。
エンゲージメントの高い社員は仕事に対するモチベーションも高く、優れたパフォーマンスを発揮する可能性があります。
エンゲージメント研修を実施するメリット
エンゲージメント研修を実施すると、企業力の向上や顧客満足度の向上などが見込めます。研修を実施するメリットを解説します。
1.企業力の向上
エンゲージメント研修により社員のエンゲージメントが高まると、仕事への意気込みが湧いてきます。意気込みの高まりは、生産性の向上につながります。エンゲージメント研修により、企業力を向上させましょう。
2.顧客満足度の向上
企業力の向上により仕事の質が高まると、顧客満足度が向上します。例えばサービス業の場合は、商品やサービスの質・提供するスピード・接客態度などが改善する結果、顧客満足度の向上につながります。
3.離職率の低下
エンゲージメント研修には、離職率を低下させる効果もあります。研修を受けた社員は、この企業で働き続けたい、貢献し続けたいという気持ちを抱くようになるためです。
また、エンゲージメントが向上した社員は、課題に対して前向きに考えるようになっています。「仕事の課題は成長のチャンスである」と受け止めるようになった社員は、転職のリスクが低いと考えられます。
エンゲージメント研修の注意点
エンゲージメント研修の注意点を解説します。研修の目的を明確にして、ターゲットに合わせた研修を計画しましょう。
1.研修の目的を明確にする
エンゲージメント研修のテーマを決める前に、研修の目的を明確にする必要があります。具体的な目的が定まっていなければ、研修の目標やテーマ、具体的なプランを決められません。ターゲットが将来どのように成長してほしいかを考え、目的をかなえるために段階的に研修の目標を決めましょう。
2.研修のレベルを役職に合わせる
研修のレベルは、役職に合わせて設定しなければなりません。ターゲットのレベルや立場に合っていない研修は、エンゲージメントを低下させる恐れがあります。研修のレベルは、高すぎても低すぎても不適切です。例えば、主任や係長クラスの社員に基礎的なビジネススキルの研修をしても、時間のムダになる可能性があります。
エンゲージメント研修の4つのテーマ例
エンゲージメント研修で選ばれやすいテーマを挙げ、選ばれる理由に触れつつ解説します。
1.経営理念やビジョンに対する理解促進
経営理念やビジョンに関するテーマを選ぶ理由は、企業の存在価値や働く意義を伝えるためです。経営理念やビジョンに共感できると、社員のエンゲージメントは向上します。また、経営理念やビジョンが浸透すると、社員は何をすればよいかを的確に考えられます。主体性のある社員を育てられると、企業力の向上につながるでしょう。
2.マネジメント手法の習得
マネジメント手法の習得も、テーマに選ばれやすい傾向があります。マネジメントに長けた上司がいると、エンゲージメントを高めやすい環境が整うためです。個々のエンゲージメントを高めるだけではなく、組織の風土を整えることもエンゲージメント研修の役割といえます。
マネジメント手法として、部下とのかかわり方や、部下の主体性を発揮させる方法を学んでもらいましょう。他にも、他部門との連携など組織を機能させるためのスキル、経営に関するスキルなどもマネジメント手法の一環です。
3.業務に必要な知識やスキルの習得
業務に必要な知識やスキルの習得をテーマに選ぶ理由は、実践的な知識やスキルを社員に身につけさせるためです。知識やスキルが充実している社員は、業務を円滑にこなせます。達成感や組織への貢献感を味わうと、エンゲージメントが向上すると期待できるでしょう。
また、仕事で成果を挙げた喜びから、社員が自己研鑽に励むようになるかもしれません。「知識やスキルの充実」と「エンゲージメントの向上」を繰り返す状況になれば、社員や企業にとって好循環が生まれます。
4.人間関係の構築
人間関係にかかわるテーマも、研修に選ばれがちです。職場の人間関係が原因で、エンゲージメントが低下している社員は少なくありません。ハラスメント研修やチームビルディング研修などを通じて、社員に人間関係を構築してもらいましょう。
ハラスメント研修とは、どのような行動がハラスメントに該当するかを学ぶ研修です。ハラスメントは職場の雰囲気だけではなく、企業イメージを悪化させます。研修により周囲への配慮を促しましょう。また、チームビルディング研修とは、スポーツ・ゲーム・合宿などの活動を通じてチームの絆を強める研修です。
エンゲージメント研修が重視される理由
エンゲージメント研修が重視される理由として、社員のエンゲージメントの低さが挙げられます。アメリカで世論調査・コンサルティングを行っているギャラップ社は、世界と比較すると、日本企業では社員のエンゲージメントが極めて低いと報告しました。
上述したように、社員のエンゲージメントを引き上げると、企業力の向上など多くのメリットが見込めます。企業を成長・存続させるため、多くの企業がエンゲージメント研修を重視している傾向です。
エンゲージメント研修の開催方法
エンゲージメント研修は、外部委託と内製の2種類の方法で開催されます。それぞれの開催方法のメリットと注意点に触れつつ解説します。
外部委託する
外部委託でエンゲージメント研修を開催すると、準備にかかる社内負担を軽減できます。社内にはない新しい技術やスキルを社内に取り入れられる点も、外部委託のメリットです。
エンゲージメント研修を外部委託する際は、ターゲットのレベルや立場に応じてサービスを選びましょう。研修内容をカスタマイズできるサービスを選ぶと、ターゲットのレベルや立場に合わせた研修を開催できます。
外部委託が向いているエンゲージメント研修のテーマには、マネジメント手法の習得や、業務に必要な知識やスキルの習得などが挙げられます。
内製する
エンゲージメント研修を内製すると、思い描いたとおりの研修を開催できる可能性があります。また、経営者など重要な立場の人が講師を務める研修は、顔合わせの場としても機能します。
エンゲージメント研修を内製する際は、準備に手間がかかる点に注意しましょう。負担が大きすぎると、通常の業務に影響する恐れがあります。なお、内製が向いているエンゲージメント研修のテーマには、経営理念やビジョンに対する理解促進や、人間関係の構築などが挙げられます。
有意義なエンゲージメント研修を開催するコツ
アンケート調査や社員へのヒアリングなどで組織の現状を把握すると、社員にとって有意義なエンゲージメント研修を開催できます。現状を把握すると、エンゲージメントを改良すべき部分が分かるためです。
タレントパレットは、社員のエンゲージメントの見える化に役立ちます。タレントパレットは、スマートフォンやパソコンから回答できるアンケートで社員の声を収集可能です。得られたデータをテキストマイニング技術で分析すると、エンゲージメントの見える化ができます。
エンゲージメント研修を計画する手順
エンゲージメント研修を計画する手順を解説します。研修の目標やテーマを決めてから、詳細な開催方法の検討に着手しましょう。
1.目標を決める
まずは、成長後の社員の姿をイメージして段階的な目標を考えます。目標を決めないと研修のテーマを決められません。また、組織の状況やエンゲージメントを改良すべき部分を把握してから、目標を決めましょう。決定した目標は社員に共有してください。目標が分かっていた方が、社員は熱心にエンゲージメント研修に参加すると期待できます。
2.テーマ(目的)を決める
エンゲージメント研修のテーマは、限られた時間で無理なくできるボリュームを意識しましょう。駆け足で多くのテーマを取り上げても、学びが薄くなる可能性があります。学んでほしいテーマが複数あれば、研修の回数を増やして対応しましょう。
3.開催方法を決める
上述した外部委託と内製について、エンゲージメント研修の開催方法を選びます。eラーニングやオンライン研修の予定があれば、通信環境や機材の準備も行います。
eラーニングとは、映像やスライドを使った学習プログラムです。時間と場所を選ばず学習できる点がメリットです。オンライン研修は、講師と参加者がコミュニケーションを取りながら進めます。オンライン研修は参加者が質問しやすく、グループワークのようにプログラムに幅を持たせられます。
4.費用面を含め効果を確認する
エンゲージメント研修を実施した後は、アンケート(エンゲージメントサーベイ)や課題などで研修の効果を確認しましょう。内容や費用対効果に課題が見つかれば、次の研修に反映させます。準備やコストの負担が大きいままエンゲージメント研修を続けても、社員が不満を持つ可能性があります。
まとめ
エンゲージメント研修は、社員のエンゲージメントを高め、企業力や顧客満足度を向上させます。エンゲージメント研修を計画する際は、研修の目的を明確にしてから詳細を決めましょう。なお、社員のエンゲージメントの見える化には、タレントパレットが役立ちます。
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