ビジネスにおけるエンパワーメントとは?意味や使い方、能力を引き出すポイントを解説


ビジネスにおけるエンパワーメントとは?意味や使い方、能力を引き出すポイントを解説

エンパワーメントを実践すれば、従業員の潜在能力を引き出すだけでなく、組織を活性化できるようになります。

今回は、エンパワーメントの基本的な意味や使い方、能力を引き出していくためのポイントを紹介します。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

競合他社に負けない強い組織づくりを行うには、従業員個人の才能やチームとしての力を引き出していくことが大事です。エンパワーメントを実践すれば、従業員の潜在能力を引き出すだけでなく、組織として活性化させられるでしょう。


この記事では、エンパワーメントの基本的な意味や使い方、能力を引き出していくためのポイントを解説します。


エンパワーメントの基礎知識

エンパワーメントを正しく用いるには、まず基本的な意味を押さえておく必要があります。企業や組織における意味や人事領域における意味をそれぞれ見ていきましょう。


エンパワーメントの意味

エンパワーメントとは、個人や集団が本来備えている潜在能力を引き出すことを指します。日本語では、「権限移譲」や「能力開花」などと訳されています。


組織の自律性の向上や従業員が持っている力の発揮、意思決定の迅速化などの効果を期待できます。エンパワーメントという言葉自体はビジネスのみならず、教育や市民活動などさまざまな場面で使われています。


企業や組織におけるエンパワーメント

企業や組織においてエンパワーメントという言葉は、権限移譲などの意味を持ちます。経営層ではなく現場、上司ではなく部下に対して業務遂行や意思決定の権限を与えるものです。


これによって、個人や集団の能力を引き出し、本来備えている才能の開花を促すことにつなげていけます。迅速な意思決定や自律性の高い組織づくりを進めていくことが可能になるのです。


人事領域におけるエンパワーメント

人事領域におけるエンパワーメントは、個人や組織の能力を引き出し、人材育成や効率的な人員配置を行う意味で使われます。自社が抱える人材の能力を最大限生かしていくことによって、足腰の強い組織づくりを進めていくために役立てられるはずです。


人材の適性をよく見極めた上で、与える業務や人員配置を考えていきましょう。現場の声も聞きながら組織を活性化させ、生産性を向上させる取り組みにつなげていくのが大事です。


エンパワーメントが注目される理由とは?


エンパワーメントが注目される理由として、次の5つの点があげられます。


・スピーディーな経営判断が必要とされるため

・次世代リーダーの育成が必要とされるため

・中途採用者を早期に適応させる必要があるため

・現場に判断を委ねることで、組織のコミュニケーションが円滑になるため

・若手人材の育成を促すため


それぞれのポイントを詳しく解説します。


1.スピーディーな経営判断が必要とされるため

エンパワーメントが注目される理由として、消費者行動やライフスタイルが変化したことによって、組織としてそれらの変化に対応する必要があるからです。スピーディーな経営判断が求められており、経営計画や事業方針の変更にも素早く対応できる人材や組織づくりが課題となっているため、エンパワーメントを用いられるようになってきています。


2.次世代リーダーの育成が必要とされるため

エンパワーメントには権限移譲という意味がありますが、実力のある従業員には業務を任せていかなければ、成長する機会を失ってしまうでしょう。次世代のリーダーとなる人材を育成するために、エンパワーメントが注目されている部分があるのです。

関連記事:リーダーシップとは?概要や必要なスキル、具体的な高め方も解説

3.中途採用者を早期に適応させる必要があるため

中途採用者は即戦力として期待されますが、そのままの状態ではうまく力を発揮できない場合もあります。自社の方針に沿って、個々の従業員の能力を引き出してあげる取り組みが必要であり、エンパワーメントを取り入れれば、中途採用者を早期に現場に適応させられるでしょう。


4.現場に判断を委ねることで、組織のコミュニケーションが円滑になるため

上司が指示を出してばかりいては、いわゆる指示待ち人間ばかりが増えかねません。個々の従業員の能力を見極めた上で、一部の業務について権限を委譲していくのも大切だといえます。


現場の判断で決めてもらう流れを作れば、モチベーションのアップにつなげられるでしょう。また、組織内のコミュニケーションも活発になるはずです。


5.若手人材の育成を促すため

エンパワーメントを実践すれば、若手人材の育成にもつながります。特に年功序列の人事評価を行っている企業であれば、どれほど優秀な従業員であっても権限が与えられずに、うまく力を発揮できません。


そのため、エンパワーメントを用いて権限を委譲させ、若手人材が活躍できる機会を生み出してあげましょう。若手の従業員が生き生きと仕事に取り組むことで、組織の活性化にもつながるはずです。

関連記事:人材育成マネジメントを成功させるための7つのポイント|企業の導入事例も紹介

あらゆる人事データを統合して分析

エンパワーメントを用いることで、個々の従業員の力を発揮させるだけでなく、組織全体としての活性化を促せます。しかし、適切に実施していくためには、従業員の能力の見極めや人員配置が欠かせません。


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エンパワーメントを高めるために行いたい4つのこと

エンパワーメントを高めるためには、次の4つのことを意識して取り組む必要があります。各ポイントについて、詳しく解説します。


エンパワーメントを高めるための4つのポイント

・従業員の責任を明確化すること

・従業員が自己決定できる余地のある仕事を与えること

・仕事の意義や成果の突出した達成を共有すること

・適切な報酬制度を設定すること


1.従業員の責任を明確化すること

エンパワーメントでは、一部の権限を従業員に移譲するため、責任の所在を明らかにしておく必要があります。ただし、最初から大きな責任のある業務を任せてしまってはプレッシャーを感じ、従業員は本来の能力を発揮できなくなる恐れがあります。


まずは比較的小さな業務から権限移譲を行い、達成状況を見ながら徐々に権限を増やしていくようにしましょう。業務に対する責任を少しずつ持たせるようにアプローチしていくのが大事です。


2.従業員が自己決定できる余地のある仕事を与えること

いくら権限を委譲させても、細かな指示を出していては従業員が自己決定できる余地がなくなってしまいます。従業員の自律性を促すためにも、定められた範囲の業務についてはきちんと任せ、結果が出てからフィードバックを行うといった手順を踏んでみましょう。


「信頼して任せてもらえている」という実感が従業員に湧いてくれば、自律的な行動を取ってくれるはずです。


3.仕事の意義や成果の突出した達成を共有すること

エンパワーメントを高めていくには、組織内での情報共有がスムーズに行われるように気を配る必要があります。一部の情報しか共有されていなければ、従業員の不満が高まる原因にもなるでしょう。


結果として従業員のモチベーションが低下してしまっては、せっかくの取り組みも思うような成果につながらないといえます。情報共有を行う範囲をきちんと定めた上で、公開できる情報はどんどん共有していきましょう。


4.適切な報酬制度を設定すること

十分な成果を出しているにもかかわらず、適切な評価を得られなければ、従業員のモチベーションは低下する恐れがあります。エンパワーメントを用いるときは、人事評価制度の見直しも同時に行うのが大切です。


加えて、定期的な面談を実施したり、フィードバックを行ったりすれば従業員のモチベーションを保てるようになるでしょう。また、適切な評価を受けられる従業員がいれば、他の従業員にとってモチベーションを高めるきっかけになるでしょう。


エンパワーメントのメリット5つ


エンパワーメントを高めていけば、企業にとって様々なメリットを得られます。主なメリットとして、次の5つがあげられます。


エンパワーメントの5つのメリット

・業務のスピードや効率性が向上する

・顧客満足度が向上する

・従業員のモチベーションが向上して、離職率が減少する

・問題解決や意思決定能力が向上する

・団結力が向上し、チームワークが良くなる


各メリットについて解説します。


1.業務のスピードや効率性が向上する

エンパワーメントを用いれば、業務のスピードや効率を高められます。従業員に権限を委譲することによって、意思決定が迅速になり、組織としてよりスピーディーに対応できるようになります。


権限移譲を行っておけば、上司が不在のときでも現場の従業員は自ら判断できるため、滞りなく業務に取り組んでいけます。任せられた従業員も自ら考えて行動する機会が多くなるので、人材の成長を促せるでしょう。


2.顧客満足度が向上する

エンパワーメントを導入すれば、顧客満足度の向上にも良い影響を与えます。上司の判断を待っているだけでは、顧客対応に遅れが生じてしまう場合もあるでしょう。


現場の従業員で判断ができるような体制を整えておけば、迅速な対応が可能になり、結果として顧客満足度の向上に結びつくのです。


3.従業員のモチベーションが向上して、離職率が減少する

上司から与えられた業務を取り組むだけでなく、従業員自身の裁量で決められる部分が増えれば、モチベーションの向上につながっていきます。やりがいを持って仕事に取り組めるようになり、離職率も低下していくはずです。


働きやすい職場環境を整える上で、エンパワーメントは役立つものなので積極的に取り入れてみましょう。


関連記事:離職率の改善のためにできることは?離職の原因や改善する方法を解説

4.問題解決や意思決定能力が向上する

エンパワーメントを取り入れれば、従業員の問題解決能力や意思決定能力が高まります。不測のトラブルが発生しても、現場の従業員で対応する力がつき、早期に問題を収束させられるでしょう。


自律的な行動がとれる従業員が増えていけば、組織として迅速に対応できるようになるはずです。


5.団結力が向上し、チームワークが良くなる

自ら考える従業員が増えれば、従業員同士の連携が強化され、チームワークも良くなるでしょう。チームとしての団結力が増すことによって、さらに高いパフォーマンスを発揮できます。


チームの一員としての責任感が芽生えていけば、一人ひとりの従業員の能力を発揮しやすくなるでしょう。


まとめ

エンパワーメントは「権限移譲」や「能力開花」といわれるものであり、個々の従業員の才能を引き出したり、チームとしての力を発揮させたりするために用いるものです。効果的に取り組んでいくには、人材の見極めや適切な配置が重要になります。


そこで活用できるのが、「タレントマネジメントシステム」です。タレントマネジメントシステムとは、人材の能力やスキルを最大限に発揮してもらうために、人材データを集約・一元管理して、高度な意思決定を可能にするシステムをいいます。


それぞれの人材のスキルや保有資格、経歴などのデータをもとに、計画的な人材育成や高度な配置戦略を練るために活用できます。タレントマネジメントシステムである『タレントパレット』は、データに基づいた科学的な人事を実現するためのシステムです。


あらゆる人事データを蓄積・統合することにより、精度の高い分析を行い、人事や経営課題について根拠のある施策を打ち出せるようになるのが強みです。「人員配置で悩みを抱えている」「個々の従業員の能力の見極めが難しい」という方は、ぜひタレントパレットをご活用ください。


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