こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
「自治体におけるDX化のポイントは?」「成功事例を参考にして進めたい」「職員の理解を得て進めるにはどうしたら良いか」という方は多いのではないでしょうか。
政府の推進もあり、自治体のDX化は不可欠なものとなっています。しかし、政府によるデジタル社会のビジョンの提示に対して職員は消極的な状況です。また課題は多く、DX化を推進する部署ができても上手く進んでいないのではないでしょうか。
本記事では、自治体DXが進められない根本的な問題やシステム導入の必要性について、解説します。
DX化を進め業務の効率化を図りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
自治体DXとは
自治体DXとは、デジタル技術を用いて自治体の行政サービスや職員の業務効率を変えていくことです。少子高齢化により、職員1人当たりの業務量が増加し、さらに行政サービスに対するニーズも増加しているため、必要とされています。
また、コロナ禍で情報システムが自治体毎に異なっていることで、他の自治体との情報交換に時間がかかることなどの多くの問題点が見つかっています。現状、政府が取り組むべき事項や内容をまとめた手順書を公表したり、さまざまな支援を用意したりしている状況です。
自治体DXの先進事例からわかる成功のポイント
自治体DXの成功には、職員の育成が必須です。なぜなら、一部のICTに詳しい人たちだけでは、政府の掲げるビジョン「誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化」を達成できないためです。
先進事例によると、自治体DXは一部の職員が実施したものではなく、周りの自治体や外部の力を借りて多くの人たちの協力を得て行われています。多くの人が関わることになるため、職員の理解は必要でしょう。
さらに、自治体DXの手順書を踏まえれば、結局は職員の育成は必須です。であれば、最初からデジタル人材の育成を実施すれば、DXについて理解を深める手助けとなります。
自治体DXの先進事例8選
「自治体DX推進手順書参考事例集」は大きく4つに分類され、さらに「推進体制の整備」と「DX取組の実行」は3つに分けられます。事例集に記載されている内容は、実施した自治体名とポイントとなる部分や概要、図、自治体のURLなどです。
DXの認識共有・機運醸成 | |
全体方針の決定 | |
推進体制の整備 | 組織体制 |
DX推進のための自治体職員の育成 | |
DX推進のための人材確保 | |
DXの取組の実行 | デジタル技術を活用した業務改善等 |
行政手続のオンライン化 | |
デジタルデバイド対策 |
参照:自治体DX推進手順書参考事例集|総務省
DXの認識共有・機運醸成
事例:大阪府豊中市|とよなかデジタル・ガバメント宣言。
デジタル技術を活用し、【暮らしとサービス】【学びと教育】【仕事と働き方】のあり方を根本から変革していく方針を示した『とよなかデジタル・ガバメント宣言』を8月に発表しています。
参照:とよなかデジタル・ガバメント宣言・戦略|豊中市ホームページ
全体方針の決定
事例:千葉県松戸市|行政デジタル化ビジョン。
国の動向を踏まえ、本市のめざすべき姿や基本的な考え方を示すための「ガイドライン」となる「松戸市行政デジタル化ビジョン」を策定しています。
組織体制
事例:福島県磐梯町|全庁一丸でデジタル変革をおこすための体制整備。
副町長の直下に、全庁および横断的なDX推進担当の組織を設置しています。CDO(Chief Digital Officer = 最高デジタル責任者)、CDO補佐官および地域プロジェクトマネージャーなどに外部の人材を積極的に任用しています。
DX推進のための自治体職員の育成
事例:栃木県|市町を巻き込んだDX推進に向けた職員研修。
首長に対するトップセミナーや、全職員を対象にした役職に応じた研修を実施しました。県が市町に研修教材を提供するなど、職員の人材育成を支援しています。
参照:DXの推進に向けた職員研修の実施方針|栃木県ホームページ
DX推進のための人材確保
事例:大阪府|市町村DX支援業務を包括的に実施。
「市町村DX推進に係る市町村アドバイザー業務」を、民間事業者に外部委託しました。府が市町村に対して、デジタル人材の確保をサポートしています。
デジタル技術を活用した業務改善など
事例:神奈川県平塚市|プレミアム商品券の電子化による業務経費の削減。
プレミアム商品券の電子化によって、事務経費の大幅な縮減および業務の効率化を実現しました。また、消費行動がデータ化され、データの分析も容易になりました。
行政手続のオンライン化
事例:広島県呉市|学童保育関係手続のオンライン化。
手続きのオンライン化には、業務フローの大幅な見直しを伴うため、スモールスタートで取り組みました。学童保育の入会や変更などのオンライン化を実施し、令和3年4月の開始以降、ほぼすべての保護者がオンライン申請を利用しています。
参照:スマホですまそっ!子育てオンライン申請|呉市ホームページ
デジタルデバイド対策
事例:群馬県太田市|地域におけるデジタル活用支援。
市内NPO法人に委託し、住民のスマートフォンやパソコンについての相談を実施しています。
自治体DXの先進事例は手順書で調べられる
自治体DXの先行事例は、各自治体のホームページなど調べるか、政府より公開されている「自治体DX推進手順書」で確認可能です。手順書は以下の4つで構成されており、事例をメインに取り扱っているのは「自治体DX推進手順書参考事例集」になります。
- 自治体DX全体手順書
- 自治体情報システムの標準化・共通化に関わる手順書
- 自治体の行政手続のオンライン化に係る手順書
- 自治体DX推進手順書参考事例集
自治体DX推進手順書について詳しく知りたい方は、別記事「自治体DX推進手順書」をあわせてご確認ください。
自治体DXにおける3つの課題と解決策
事例があることから、DX化を成功させている自治体はあります。一方で上手く進んでいない、さらには未着手の自治体もある状況です。
政府が自治体DXを推進するきっかけになったのはコロナ感染拡大ですが、感染拡大以前もDX化の必要性は囁かれていました。しかし、以下の3つの理由により上手く進められていませんでした。
- アナログ文化が根強い
- DXに対する理解不足
- デジタル人材の不足
自治体DXは一般企業と違い、自治体ごとのシステムが統一化されていない、デジタルに強い職員が少ないなどの問題があります。政府によって推進されていますが、自治体の職員や住民は納得しておらず、消極的な雰囲気です。
アナログ文化が根強い
DX化によって、アナログな業務は手順などを変える必要が出てきています。しかし、紙を使うアナログ文化は根強いため、目的に関係なく業務手順を変えてまでDX化する必要がないと声を上げる社員や職員はいます。
また、提供するサービスは変わらずに手続きの方法が変われば、顧客や住民から不満が生まれる可能性を考えDX化に対して消極的になります。アナログ文化が根強くなるのは、デジタルに触れる機会が乏しく利便性を実感しづらい点があるため、少しづつ業務に取り入れていくことが有効です。
DXに対する理解不足
より良いサービスの提供や、業務効率の向上を考えるなら、新しい技術を取り入れることが重要です。しかし、DXに対する理解がなく、DX化の必要性について疑問を持つ社員や職員は少なくありません。
理解を得るために、DX化がなぜ良いのか、DX化によってどのようなことが可能になるのかを教育する必要があります。しかし、利便性のみを前面に出すと、ITリテラシーやセキュリティに対しての意識が追い付かないため注意しましょう。
デジタル人材の不足
DX化をリードして進められるデジタル人材は、不可欠です。専門的な知識が必要となるデジタル人材は、一般企業でも確保が追いついていないため、自治体はさらに採用が難しい状況となっています。また、人材育成についても、自治体はより環境を整えることが難しいです。
自治体に関しては政府からの支援もあるため、外部からデジタル人材を用意することも可能です。しかし、職員がDX化に納得してないと上手く進められないため、デジタル人材の育成は必須となります。
自治体DX化には人材管理システムがおすすめ
自治体DXの推進において、最初に取り掛かるべき問題は全職員のDXについての理解を得ることとなります。自治体はアナログ文化が根強く、デジタルなものに抵抗や違和感を持つため、DXの有用性を説くよりも実際にデジタル技術に触れさせることが有効です。
新しいものを取り入れる流れを作るための第一歩は、人材管理システムです。既に人事管理システムが導入されていても、職員の管理だけでなく人材育成にも効率的であり、実際に利用すればその利便性を実感できるでしょう。
自治体DX先進事例のまとめ
政府からの支援もあって、DX化を成功させている自治体がある一方で、未着手の自治体もあります。
他の自治体DXの先進事例を参考にしても、上手く進められないのであれば、職員がデジタル技術に触れる機会を与えることが有効です。
職員の理解を深めるための教育や人材管理をサポートする目的から、人材管理システムの導入が効果的であり、タレントパレットがおすすめです。