こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
職務遂行能力は、保有しているスキルや知識などの能力を活かして、業務をやり遂げる能力を指す言葉です。短期的な業績を左右するだけでなく、中長期的な企業の成長にもかかせません。
しかし、どのようなポイントを見極めれば職務遂行能力があるのか、どのように人材育成を行えば身に着けられるのか把握していないケースもあるのではないでしょうか。
この記事では、職務遂行能力がどのような能力なのかにふれたうえで、スキルの見極め方や身に付けてもらう方法などを詳しく解説していきます。
職務遂行能力とは
職務遂行能力とは、与えられた業務を最後までやり遂げる力のことです。責任感などのメンタル面や持っているスキル・資格、身に付けた経験などを上手に活用できるかどうかがポイントになります。
具体的な能力としては、次のようなものが挙げられます。
・商品についての知識や保有している技能(スキル)
・企画力やマネジメント能力
・集中力
企業として、職務遂行能力を見定めるポイントは 以下のようにまとめられます。
・知識や技能を適切に使えるか
・上司から与えられた業務に合わせて、企画力やマネジメント力が発揮できるかどうか
・それらにどれだけ集中して取り組めるかどうか
・ 行動力や実行力、コミュニケーションなどを駆使して主体的に動くことができるか
・ 依頼内容に対してゴールを明確に策定し進められるか
職務遂行能力が高い人材は、リスクマネジメントもでき、多少のイレギュラーやミスがあったとしても、リカバリーする能力も高いといえるでしょう。そのため、上司や会社から与えられた業務を最後までやり遂げてくれる可能性が高いと判断できます。
また、職務遂行能力が高い従業員は、業務を完了させていくなかでスキルや知識を獲得する意欲が高いため、成長もしていくと期待可能です。将来的には、会社にとってより貴重で優秀な人材になってくれるといえるでしょう。
職務遂行能力は、人によってレベルが異なります。しかし、今後の教育でも高めることが可能であるため、 低いと感じた場合は教育の機会を増加させるなどといった取り組みも大切です。
職務遂行能力を見極めるポイント
ここからは、職務遂行能力があるのかどうかを見極めるポイントについてみていきましょう。知識だけでなく、コミュニケーション能力や管理能力など本人の適正も加味する必要があります。
サービスや商品に関する知識量
商品やサービスに関する知識は職務遂行能力の基礎となるものです。業種によって多少違いはあるものの、自社で扱う商品やサービスについての知識が豊富であれば、顧客対応の幅が広がります。例えば、次のような質問項目によって知識量をチェック可能です。
・どのような知識を保有しているのか
・応用としてどのようなパターンでも答えられるのか
・知識の不安点などが言葉に出ていないか
職務遂行能力は、単なる知識の量だけでなく、応用力も重要です。さまざまな顧客を想定したうえで、顧客目線で説明できるか、留意すべき点などに言及できるかなど、自ら多くのパターンを想定する力が必要だといえるでしょう。
業界や市場の理解
自社が業界や市場のなかでどのような立場で、どのような方向性を持っているのかを理解しているかどうかも職務遂行能力を左右します。競合他社の動き、市場の変化や顧客のニーズなどの情報をキャッチして分析し、適切な対策をとれる人材は職務遂行能力が高いといえるでしょう。
上司が現場での裁量をある程度任せるケースでは、業界の情報や市場の理解が特に重要です。顧客対応においても、自社の情報や立ち位置によって対応が変わるケースもあるため、 業界や市場での職務遂行能力の理解は大切なポイントだといえるでしょう。
分析力と判断力
職務遂行能力には、持っている知識だけでなく、顧客や状況に合わせて、今必要とされているものや不足しているものを分析する力も必要です。
具体的には、次のような能力が求められます。
・物事をシンプルに考える
・本質を見極める
・幅広い仮説を立て、的確な行動をとる判断力
例えば、商品をおすすめする場合は、企業や家族の状況やニーズを聞きながら提案するといった場合は分析力と判断力が大切です。
企画力やマネジメント力
単なる思い付きや一時的な効率化のアイデアだけでなく、根拠に基づいた企画やマネジメントの能力があるかどうかもポイントです。企画においては、イメージだけで話すのではなく、数字などの根拠に基づいて話せるかどうか、結果の推定ができるかどうかなども評価のポイントといえます。
企画やマネジメントで見込んだ結果が達成できる根拠などを筋道立てて説明できる能力があれば、目標をイメージしやすくなるため、与えられた職務を最後までやり遂げる確率が高くなります。また、イレギュラーなことがあっても対応できる可能性も高いでしょう。
注意点として、プロジェクト全体の企画やマネジメントをするには、ある程度の経験や実績が必要になります。仮に経験が浅い場合は、現場で取り組む小さな企画を任せてフォローに徹するなどの取り組みで、従業員が保有している企画力やマネジメント力を見定める機会を設けてみましょう。
コミュニケーション力
どれだけ優れた能力を持っていた場合でも、仕事はチームプレーや他部署との連携、同僚との協力ができなければ成り立ちません。リーダーや上司、部下、どのような立場であれ、自分の役割や仕事内容を説明でき、相手の話にも耳を傾けることが職務遂行能力に不可欠です。
コミュニケーション能力の高い従業員は、周りの人間のモチベーションを維持・向上させる影響力も持っており、周りの協力を得やすいでしょう。また、コミュニケーションが高ければあらゆる立場の声をまとめ、自分の案として提案するといった動きも可能となります。
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高い職務遂行能力を持つ従業員がいるメリット
ここからは、職務遂行能力が高い従業員がいることで、どのようなメリットが期待できるのかをみていきましょう。職務遂行能力はこれまでの経験もあるものの、研修や教育によっても高められます。
企業や従業員の成長につながる
高い職務遂行能力を持つ従業員は、業績のアップや企業の成長にも貢献するだけでなく周りで働くほかの従業員にもよい影響を与えます。職務遂行能力が高い従業員は、仕事をテキパキこなし、必要なフォローやリスクマネジメントも行い、必要なサポートは迷わず求めるでしょう。
そのため、周りの従業員に対してもいい影響を与え、 コミュニケーションをとることによって職場の雰囲気の改善にも役立ちます。場合によっては、職場全体の職務遂行能力が高まることにも期待できるでしょう。
加えて、高い職務遂行能力を持つ従業員本人も成功体験を重ねやすく、さらなる成長が見込めます。成功体験のストックは、本人だけでなく会社の財産にもなるため、ひとつのプロジェクト成功にとどまらない、会社として大きなメリットを得られるはずです。
生産性が向上する
高い職務遂行能力を持つ従業員がいれば、上長のマネジメントによる結果が得やすく、短期的・長期的な生産性の向上が見込めます。適切な判断力や応用力も兼ね備えていると想定されるた、多少のトラブルも含めて状況に合わせた対応が可能だといえるでしょう。
また、職場全体で職務遂行能力が高まれば、新しいアイデアの創生が期待できる場合もあり、既存の枠にとらわれない方法で生産性を高めるチャンスが訪れる可能性も期待できます。
組織活性化や離職率低下に寄与する
高い職務遂行能力を持つ従業員が増えれば、お互いに刺激し合って、組織の活性化が期待できます。コミュニケーション能力も高いため、「質のよい仕事をどう効率的にこなしていくか」という目標で一致しやすいでしょう。チームワークも高まりやすく、パフォーマンスの向上や、定着率の向上・離職率の低下といった効果も期待できます。
また、コミュニケーション能力に付随して提案力も高いことから、上長と協力しつつ、社内のコミュニケーションの仕組み作りやこれまでの業務フローの改善なども期待できるでしょう。
職務遂行能力を育てる方法
最後に、職務遂行能力の高い従業員を会社として育成していく方法について見ていきましょう。 知識だけでなく、社内での成功体験や仕組みも把握する必要があるため、場合によっては教育体制を見直す必要もあります。
自社商品やサービスの勉強会を実施する
自社商品・サービスの知識を深める勉強会の実施は、1つの職務遂行能力の育成方法だといえます。例えば、顧客への対応力の幅を広げ、顧客満足度の向上を目標に掲げてみましょう。場合によっては、所属課の従業員だけでなく、商品やサービスを熟知している開発部門に講師を依頼し、商品の特徴をより詳しく説明してもらう方法も検討できます。
新たな視点で経営資源(リソース)について考える機会を作れば、参加する従業員のモチベーションアップや今後の成長にもつながるでしょう。
複数の部署を経験してもらう
長期間同じ部署で働いている場合、練度の上昇が期待できます。しかし、その人がいなければ 業務が成り立たなくなる属人化が進み、視野が狭くなる可能性もあります。
そのため、長期的な視点から一定期間で人事異動を行い、複数の部署を経験する機会を作って、視野を広げてもらう方法も効果的です。さまざまな部署での経験を積んでいくことで、以前取り組んだ問題や課題に新しいアイデアで挑戦してくれる可能性も期待できます。
ただし、本人のそれまでのスキルや適正を見つつ、人材を配置していく必要があるといえるでしょう。目的を伝えていても、急な人事異動によって従業員のモチベーションを下げてしまったり、退職に追い込んだりしてしまう可能性もあります。そのため、本人の意向を反映したうえで実施しましょう。
成功体験を積み上げてもらう
職務遂行能力を高めるためには 成功体験を積み上げてもらうことも大切です。多くの従業員は、「成功よりも失敗をしたくない」気持ちのほうが強いといえます。失敗を恐れる気持ちは、真面目に取り組む動機にもなるものです。しかし、失敗したときにモチベーションが大きく下がる危険性もあります。
職務遂行能力の向上には、高いモチベーション維持が不可欠です。従業員それぞれの個性や特性を見極めながら、成功体験を積み上げられるように調整していきましょう。例えば、小さいプロジェクトのリーダーや人と協力しなければクリアできない職務課題を出すなどの方法があります。
マネジメントの方法として、フォローを行いつつ、失敗経験よりも成功体験を増やすことを意識するとよいでしょう。
まとめ
職務遂行能力は、短期的な業績を左右するだけでなく、共に働く従業員にも影響があるため、企業の成長も左右する能力です。コミュニケーション能力や 商品知識などによって職務遂行能力の有無を確認することが可能です。
また、 経験やスキルなど元々の職務遂行能力の高さはある程度決まっているものの、職務遂行能力は教育によって高められます。 そのため、経験が浅い従業員であっても職務遂行能力の伸びしろを見極めていくことが大切です。
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「課題別活用シーン」については、こちらのページをご確認ください。
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