DESC法とは?メリットやデメリット、活用例について解説


DESC法とは?メリットやデメリット、活用例について解説

DESC法とは、客観的な言葉で相手にアプローチするための手法です。様々なコミュニケーションの場で役立ちますが、使い方が分からない方もいるでしょう。ここでは、DESC法の意味やメリット・デメリット、活用例について解説します。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

DESC法とは、感情的にならずに客観的な言葉で、相手にアプローチするための手法の一つです。対話の質を高める効果があり、ビジネスシーンや個人間の対話など、様々なコミュニケーションの場で役立ちますが、使い方が分からない方もいるでしょう。

ここでは、DESC法とは何か、活用する際のメリットやデメリット、活用例について解説していきます。

DESC法とは?


DESC法は、相手の想いを尊重して、物事の事実や意見を伝える会話手法の一つです。

これは以下の4つの頭文字から表しています。

  • Describe:描写する
  • Explain:説明する
  • Specify:提案する
  • Choose:選択する


ここでは、DESC法の概要やDESC法に関連するコミュニケーションスタイルについて解説します。

DESC法の概要

DESC法では、「Describe」「Explain」「Specify」「Choose」を会話の手順として用いるのが特徴です。

DESC法を用いれば、双方にとって納得のいく結論へ円滑に導けます。DESC法は、ビジネスシーンに限らず、個人間の対話でも活用可能です。具体的な状況やデータに基づき説明や提案を行うことで、相手との共通理解や協力を得る効果があります。

コミュニケーションスタイルの種類

自身の主張をするコミュニケーションには3つの型があります。

  • アグレッシブ型
  • ノンアグレッシブ型
  • アサーティブ型


アグレッシブ型は、自己主張が強く、他人を攻撃的に批判する傾向が強いのが特徴です。自身の意見や要求を押し通すために、他人の感情や意見を軽視しがちだといわれています。アグレッシブ型の人は、主張が強いため意見は通りやすいですが、他人との良好な関係性を築くのが難しい傾向があるでしょう。

ノンアグレッシブ型は、自己主張が少なく、他人の意見や要求に従いやすいのが特徴です。自分の感情や意見を表現することが苦手で、相手を尊重しすぎるため、受け身の姿勢になります。ノンアグレッシブ型の人は、他人との衝突は避けられますが、主張する機会が少ないためストレスを感じやすいでしょう。

アサーティブ型は、自己主張がありながらも、他人の意見や感情を尊重し、適切なコミュニケーションを築くことを重視します。アサーティブ型は、アグレッシブ型とノンアグレッシブ型のよい面を両立させたコミュニケーションスタイルです。DESC法は、このアサーティブ型に当てはまります。

DESC法と類似した2つの手法

DESC法と類似した相手に伝える手法で、ビジネスシーンで使われるのが、SDS法とPREP法の2つです。どちらも相手に分かりやすく伝えるための手法で、それぞれの特性を活かし、シチュエーションに合わせ使い分けることができます。

ここでは、SDS法とPREP法について詳しく解説します。

SDS法

SDS法は、「Summary(要点)」「Details(詳細)」「Summary(要点)」の3つのステップで話を進めるのが特徴です。

まず、要点をまとめて共有し、全体像を把握します。次に、詳細な情報や具体的なアイデアを掘り下げながら議論を深めます。最後に、再び要点をまとめるコミュニケーションの方法です。

SDS法は、意見の整理に役立つ手法として、プレゼンテーションやスピーチなどでも効果的に活用されています。

PREP法

PREP法では、「Point(結論)」「Reason(理由)」「Example(実例・具体例)」「Point(結論)」の4つのステップで話を進めるのが特徴です。

まず、結論や主張を明確にまとめ、次に、その結論を支持する理由や根拠を提供します。具体的な実例や具体的な事例を用いて説得力を高め、最後に再び結論を強調し、ポイントをまとめます。

PREP法は、意見やアイデアを明確かつ論理的に伝えるための手法であり、プレゼンテーションやディスカッション、就活などのコミュニケーションシーンで効果的に活用されるコミュニケーションの方法です。

DESC法の4つの意味


DESC法は、3種類のコミュニケーションスタイルのうち、アサーティブ型のコミュニケーションに分類されます。ビジネスシーンにおいて良好なコミュニケーションを取るには、DESC法を意識することが大切です。

ここでは、DESC法の手順の意味について詳しく解説します。

Describe(描写する)

「Describe(描写する)」のステップでは、解決すべき課題に対して、客観的に現状や相手の行動を描写し、事実のみを伝えます。

主観的な意見や感情を入れると、相手に伝わりにくくなるため、客観的な情報に焦点を当てることが大切です。

Explain(説明する)

「Explain(説明する)」のステップでは、D(Describe)で述べた客観的事実に基づき、自分の主観的な気持ちや意見を述べます。

Explainだけでなく「Express(表現する)」や「Empathize(共感する)」などの要素も含まれるのが特徴です。これにより、相手に対して感情や意見を伝えることや、相手との共感を示せるようになります。

Specify(提案する)

「Specify(具体化する)」のステップでは、相手に解決策を提案したり、求める行動を依頼したりします。依頼や提案は、相手が理解しやすく実行可能なものである必要があります。

相手には、命令したり責めたりするのではなく、具体的で現実的な内容を丁寧に伝えることが重要です。

Choose(選択する)

「Choose(選択する)」のステップでは、選択肢や代替案を提示します。

相手に提示する選択肢や代替案は、具体的で理解しやすく、相手にとってメリットやデメリットが明確になるように伝えることが重要です。また、こちらが提示する選択肢や提案は。すべて受け入れられない可能性も考慮しておく必要があります。

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DESC法のメリット・デメリット


DESC法を用いるコミュニケーションは、ビジネスシーンだけでなく個人間の対話でも活用できますが、メリット・デメリットの両方があります。メリット・デメリットのどちらも把握し、実際に活用する場面で上手く役立てられるようにしておくことが大切です。

ここでは、DESC法のメリットとデメリットを詳しく解説します。

DESC法を用いるメリット

DESC法のメリットは、相手を納得させながら自分の意見を効果的に伝えられる点です。順序立てて話を進めていくため、話す側も意見を整理しやすく、聞く側にも伝わりやすくなります。DESC法を用いれば建設的に話し合いが進められるでしょう。

また、DESC法は相手の感情や意見に配慮し、相手に断る権利も与えるため、信頼関係の構築が可能です。次回以降の話し合いも、お互いがよい印象を持った状態で始められるでしょう。

DESC法を用いるデメリット

DESC法は、自身の意見を強く押し通せない点がデメリットともいえます。強く主張したい案があっても、あくまで提案として伝えます。自身の意見が明らかに正しく、相手が間違っている場合には適さないでしょう。

また、相手から自身の提案を断られる可能性を考慮して、複数の選択肢を用意しておく必要があるのもデメリットの一つです。複数の選択肢を用意するのに時間がかかるため、通常の話し合いの準備より負担になる可能性があります。

さらに、最終的な判断を相手に任せる点も、場合によってはデメリットになるでしょう。自身の意見に反対をされ続け、議論が前に進まないとより負担やストレス、時間がかかってしまいます。

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DESC法を用いる際の注意点

DESC法は、相手の意見を尊重しながら自分の意見を伝える場面には適しています。しかし、特に重要な意見を伝える場面や、明らかに誤りがある場面では、使い方に注意が必要です。

ここでは、DESC法を用いる際の注意点について詳しく解説します。

感情的になりすぎないようにする

DESC法では、相手の意見を尊重し、積極的に聴く姿勢が大切です。DESC法では双方向のコミュニケーションが重視されるため、相手の意見を真剣に受け止めることが求められます。

あくまで相手は選べる立場にあるという認識が大切です。自身の主張を感情的に表現すれば、相手には伝わりづらく、また相手も同じように感情的になってしまう可能性もあります。

相手に伝える内容の中に一部自身の感情を入れて話すことを意識するとよいでしょう。

納得してもらえるとは限らないことを理解する

DESC法を用いたとしても、すべての場面で相手に納得してもらえるとは限りません。DESC法は相手に納得感を与えやすい手法の一つですが、納得してもらえない場合もあることを踏まえた上で対話する必要があります。

相手に納得してもらえない場合は、別のアプローチを検討して相手の理解を求めていくことも選択肢の一つでしょう。

DESC法という手法に頼りすぎず、話し合いの目的を理解して進めることが大切です。相手が思いどおりに動くわけではないことを理解し、どうすれば納得してもらえるかを常に考えましょう。

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DESC法の活用例


ここでは、DESC法の意味や注意点を理解しても、実際に活用するイメージができない方もいるでしょう。

ここでは、様々なシーンにおけるDESC法の活用例を紹介します。活用例を見ながら、ビジネスシーンやそれ以外の場面でも、自身が活用する場合を想像してみてください。

活用例1:クライアントとの価格交渉

DESC法が活用可能なビジネスシーンの一つがクライアントとの価格交渉の場面です。自身の意見を主張しつつ、クライアントも納得できるような結果にできれば、今後のクライアントとの関係も良好なものになるでしょう。

まず、「Describe(描写する)」として、相手が希望した価格では取引が難しいことと、取引したい価格を伝えます。次に、「Explain(説明する)」として、自身の主観や気持ちとして、相手とは今後も良好な関係で取引を続けたいことを伝えましょう。

自身の気持ちを伝えた上で、「Specify(提案する)」として、相手の意見を尊重しつつ自身の主張も通せるような、取引価格を再度提案します。最後に、相手に選択してもらい、提案が受け入れられなかった場合は、上司に確認する旨を伝える流れです。

双方の意見を尊重し、合意に近づくための建設的な議論を進めることができるでしょう。

活用例2:意見が違うメンバーからの同意

意見の違いがあるメンバーからの同意を得る場合にも、DESC法は有効です。

例えば、新しい施策を決めるミーティングにおいて、自身が提案する新施策に反対を述べるメンバーに対して活用します。

はじめに、「Describe(描写する)」として、現状の組織内の課題という客観的な事実を説明します。次に、「Explain(説明する)」として述べるのが「反対メンバーの意見に対する理解」「理解を示した上での自身の主張」です。相手に理解を示す様子を見せることで、相手に納得感を持ってもらえることにつながるでしょう。

さらに、「Specify(提案する)」として、反対メンバーの意見を考慮し、新施策導入前のテストの検討などを提案します。提案が受け入れられなければ、新施策に関して再検討する旨を伝えます。

活用例3:プレゼンテーションの構成

DESC法は、プレゼンテーションでも有効に活用可能です。

プレゼンテーションの種類は、価値提案型や問題解決型など様々です。DESC法は主に、問題解決型のプレゼンテーションで活用できます。

Describe(描写)」において伝えるのは、問題の提起ではなく重要な事実です。例えば「自社ではこういった点で他者に後れを取っている」ではなく、「市場ではこういった需要があり、他社は需要に応えるために自社にはない新施策を打ち出している」と伝えます。

そうすることで、プレゼンテーションの重要部分になる「Specify(提案する)」に対して、より相手に対して納得感を与えられるでしょう。

まとめ

DESC法は、相手にアプローチするための手法の一つです。自身の意見を主張しつつ、相手も尊重しながら納得感を与えるというメリットがあります。

ビジネスにおいては、適切な場面で手法に頼りすぎずにDESC法を活用することが大切です。DESC法を正しく理解し、活用することで、自社の従業員のコミュニケーションスキルを高められるでしょう。

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