こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
候補者の経歴詐称を見抜けたり、人柄を把握できたりするリファレンスチェックは、ミスマッチを防ぐうえで有効な施策です。
しかし、リファレンスチェックを行うには、候補者と協力者の同意が必要です。
したがって、リファレンスチェックを頼んでも断られてしまうと、本施策を実行できません。
そのため「リファレンスチェックを頼めない」と悩まれる方もいらっしゃるでしょう。
そこで本項では、リファレンスチェックが頼めないケースを理由と共に解説します。
リファレンスチェックが頼めなかった際の対処法や注意点なども理解できる内容になっているため、ぜひ最後までお読みください。
リファレンスチェックが頼めない3つのケースを理由と共に紹介
リファレンスチェックが頼めないケースを次の3つ紹介します。
- 候補者が拒否して頼めない
- 候補者が依頼した人が拒否して頼めない
- 候補者の勤め先自体に頼めない
理由と共に解説しているため、参考にしてください。
候補者が拒否して頼めない
候補者が拒否する理由として挙げられるのは、次の3つです。
- 転職活動を伏せている
- 経歴や職歴で虚偽の申告をしている
- リファレンスチェックを依頼できる方がいない
それぞれ解説します。
転職活動を伏せている
候補者は、現職に伏せて転職活動を行なっているケースが多いです。理由には、現職への不満や人間関係を築けていないケースなどが考えられます。
ただし、人間関係が築けていないからといって、自社(採用担当の会社)でも上司や同僚とうまくやっていけないとは限りません。
そのため、これらが理由で転職活動を伏せている場合は、履歴書や面接などで得た情報を採用の判断材料のメインにするのも1つの手段です。
転職活動を伏せている理由は必ずしも自社にとってネガティブな内容とは限らないため、候補者の背景を考慮して選考を進める能力が採用担当者に求められます。
経歴や職歴で虚偽の申告をしている
リファレンスチェックを断る理由が明確に聴取できない場合は、経歴や職歴で虚偽の申告をしている可能性が考えられます。
たとえば「現職に調査されるのは恥ずかしくて嫌です」などと、にごした理由を説明されるケースです。
拒否した理由を正確に伺えない場合でなおかつ、リファレンスチェックを採用の判断材料のメインにしている会社は、不採用を検討せざるを得ないかもしれません。
リファレンスチェックを依頼できる方がいない
リファレンスチェックは、直近の会社の上司や同僚に依頼するのが基本です。したがって、円満退職していない場合や前職の会社が倒産している場合は、候補者がリファレンスチェックに協力できない可能性があります。
また、ハラスメント行為により退職した場合は、前職の社員と関わりを持ちたくないと考えるのが無難です。
会社が倒産していたりハラスメント行為により退職したりなどの場合は、リファレンスチェック以外の情報で選考を進める必要があります。
円満退職でない場合は、理由に応じて、選考を進めるか否か検討しましょう。
候補者が依頼した方が拒否して頼めない
次の4つの理由に該当する場合は、候補者がリファレンスチェックに協力的でも、依頼先が拒否する可能性があります。
- 候補者の退職を認めていない
- リファレンスチェックの対応を面倒と感じている
- 忙しくて時間が取れない
- 候補者のキャリアに関わる重要な役割を担いたくない
それぞれの理由を解説します。
候補者の退職を認めていない
候補者が優秀だったり人手不足だったりする場合は、退職を認めていないケースがあります。この場合は、候補者の現職へリファレンスチェックを頼めない可能性があります。
しかし、この理由はあくまで会社都合です。候補者の転職意欲を尊重し、リファレンスチェック以外の情報を採用の判断材料として、選考を前向きに進める必要があります。
また、選考で必ずリファレンスチェックが必要なのであれば、前職の社員に協力してもらうのも1つの手段です。
ただし、前職を辞めてから時間が経っている場合は、正確な情報を得られない可能性があります。
リファレンスチェックの対応を面倒と感じている
社員の中には、日々の業務を前向きにこなしていない方もいます。加えて、リファレンスチェックに協力しても報酬は発生しません。
協力者からするとリファレンスチェックの回答は、採用担当者および候補者への善意ともいえるため、日々の業務が面倒に感じている方は非協力的な姿勢を取る可能性が十分に考えられます。
しかし、リファレンスチェックは候補者の内定を左右する重要な要素です。
候補者の転職意欲とリファレンスチェックの重要性を説明して、協力してもらえないか打診しましょう。
忙しくて時間が取れない
会社が繁忙期だと、ほとんどの社員が忙しくなります。したがって、リファレンスチェックに協力する時間を確保できない可能性があります。
その場合は、リファレンスチェックを行う時期をずらすか、回答してもらう手段を変える必要があります。たとえば、メールです。
リファレンスチェックはメールでも行えるため、繁忙期であればとくに、協力者に負担をかけない配慮が必要です。
候補者のキャリアに関わる重要な役割を担いたくない
リファレンスチェックへの協力は、候補者のキャリアを左右する事柄に関わることを意味します。したがって「自分の回答次第で候補者が不合格になるかも」と考える方は、荷が重く感じてしまい、リファレンスチェックに協力してくれない可能性があります。
しかし、候補者の魅力を人に伝えたいと考えている方は、リファレンスチェックへの協力を前向きに検討してくれるはずです。
そのため、一人に断られたからといって諦めるのではなく、他の社員へ依頼するなど柔軟に対応しましょう。
候補者の勤め先自体に頼めない
候補者の勤め先自体にリファレンスチェックを頼めない理由で考えられるのは、次の2つです。
- 候補者をよく知る人物が退職している
- リファレンスチェックの協力が個人情報保護法に触れると思っている
それぞれ解説します。
候補者をよく知る人物が退職している
候補者をよく知る人物が退職や転勤している場合は、リファレンスチェックを頼めないケースがあります。もし頼めたとしても、候補者をよく知らない人物からの回答は、信憑性が低いと考えるのが無難です。
したがって、リファレンスチェックを行う目的が「候補者の人柄のような書面では測れない情報聴取」なら、本施策を行う意味は薄れます。
候補者をよく知る人物がいない場合は、リファレンスチェックの実施を控えるか検討するのも1つです。
リファレンスチェックの協力が個人情報保護法に触れると思っている
リファレンスチェックは候補者の職歴や経歴、前職での人間関係などの情報を取り扱います。当然、これらは個人情報です。
リファレンスチェックを認知していない会社によっては、候補者からの同意を得ていても、第三者に個人情報を提供できないと思っている可能性が考えられます。したがって、個人情報保護法の観点から、本施策を断られるケースがあるでしょう。
しかし、候補者から同意を得ているかつ、業務に必要な範囲で個人情報を取り扱う分に違法性はありません。候補者からの同意を得てリファレンスチェックを行うのは、公正な手段ということを会社に説明して、協力を促してもらうのがおすすめです。
ただし、リファレンスチェックの誤った運用は法律に触れる恐れがあります。本施策が違法になるケースを詳しく知りたい方は、別記事「リファレンスチェック違法」を合わせてご覧ください。
リファレンスチェックを頼めない際の3つの対処法
リファレンスチェックを頼めない際の対処法は、次の3つです。
- 候補者に理由を確認する
- 別の担当者に回答してもらう
- ワークサンプルテストを導入する
それぞれ解説します。
候補者に理由を確認する
リファレンスチェックを断られた場合、まずは理由を確認して適切な対処法を取ります。転職活動を伏せていたり社内での人間関係が上手くいっていなかったりする場合は、前職へリファレンスチェックを頼むのも1つです。
万が一、候補者から理由を聴取できない場合は「選考で必ずリファレンスチェックが必要」の旨を伝えましょう。それでも断る理由を聴取できない場合は、経歴・職歴詐称の可能性を考慮して、不採用にせざるを得ないかもしれません。
適切な対処法を見つけるには、リファレンスチェックを断る理由を深ぼることが大切です。
別の担当者に回答してもらう
リファレンスチェックは、候補者の直属の上司に依頼するのが好ましいです。なぜなら、候補者をよく知り、なおかつ評価を行う立場であるのが直属の上司だからです。
しかし、候補者の状況によっては、直属の上司に頼めません。この場合は、次の順番で回答者を選定するのがおすすめです。
- 同部署の上司
- 同僚
- 前職の上司
- 前職の同僚
上から順番に、回答の精度が高い傾向にあります。選考で必ずリファレンスチェックが必要の会社は、上記を参考に協力者を選定していくといいでしょう。
また、候補者の状況に合わせたリファレンスチェックの依頼者を知りたい方は、別記事「リファレンスチェック誰に頼む」を合わせてご覧ください。
ワークサンプルテストを導入する
ワークサンプルテストとは、一言でいえば「各企業が独自で行う適性テスト」です。よく導入されている方法は、実務に近い環境に一定期間、候補者に身を置いてもらうケースです。
具体的には、実践ベースで課題に取り組んだり現社員とコミュニケーションを測ったりして、自社に適した人材かを洗い出します。
実用性が高く、世界規模でインターネットサービスを展開している「Google LLC」も、ワークサンプルテストを実施しています。
またリファレンスチェックとは異なり、第三者の協力を必要としないため、選考プロセスを外部に干渉されないのも特徴です。
しかし、ワークサンプルテストを実施するにあたり「候補者の担当」という名目で、人員を割く必要があります。そのため、一時的に社内の生産性が低下する恐れがあります。
候補者と採用企業の状況に応じて、ワークサンプルテストを実施するかリファレンスチェックを行うか見極める必要があります。
リファレンスチェックに関する2つの注意点
リファレンスチェックを行う際の注意点は、次の2つです。
- リファレンスチェックは強要しない
- リファレンスチェック後に内定を取り消すのは原則禁止
上記に該当すると、法律に触れる可能性があります。正しく運用するためにも、リファレンスチェックの注意点をおさえておきましょう。
リファレンスチェックは強要しない
リファレンスチェックに同意を得るよう強要するのはNGです。なぜなら、刑法第223条により、義務のない行動を押し付けると強要罪に触れる可能性があるからです。
「生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。」
引用:刑法 第223条第1項(強要) - とある法律判例の全文検索
リファレンスチェックは候補者からの同意が必要な以上、義務ではありません。したがって、半ば強制的に「リファレンスチェックに協力してもらますよ?」などと面接官の立場を利用して威圧的に頼むと、強要罪に触れる可能性があります。
そのため、リファレンスチェックを頑なに断られた場合は、思うように選考を進められません。ミスマッチを防ぐことに重点を置いている企業からすると、リファレンスチェックを頼めないのは痛手でしょう。
そこで「ミスマッチを防ぎたい」と考えられる方には、タレントパレットの導入がおすすめです。タレントパレットでは、400万件を超える検査結果を用いた、独自の適性検査を用意しています。「社交性」「協調性」「環境順応性」などを含む、8つの観点で適性検査を実施できます。
具体的な活用方法は次のとおりです。
- 事前に社内メンバで適性検査を実施しておく
- 結果をまとめる
- 候補者に適性検査を受けてもらう
- 社内メンバと候補者の結果を照らし合わせる
社内メンバとの類似点が多いほど、ミスマッチ防止になります。リファレンスチェックを行わずともミスマッチ防止に注力されたい方は、ぜひタレントパレットをご検討ください。
リファレンスチェック後に内定を取り消すのは原則禁止
リファレンスチェックで得た「人柄」「コミュニケーション能力の有無」などの情報で内定を取り消すと、労働契約法に触れる恐れがあります。なぜなら、労働契約法には、次のように定められているからです。
「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」
引用:8-4 解雇権の濫用法理(労契法 16 条) - 労務安全情報センター
ただし、経歴詐称や会社に損失が出る恐れのある情報が発覚した場合には、リファレンスチェック後でも内定を取り消せる可能性があります。
いずれにせよ、リファレンスチェックを行うタイミングは、内定前がおすすめです。選考の初期段階で行ったり求人媒体にリファレンスチェックを導入している旨の記述をしたりなど、事前の取り組みが正当性を高めます。
人事業務の効率化、データ活用をするならタレントマネジメントシステムの導入が必須
人事業務をDX化することで、社員データの一元化・人材検索・人事評価・配置検討などの幅広い業務を効率化できるようになります。また、人材育成・最適配置・社員パフォーマンスの最大化など、組織力向上を目的とした一歩先のタレントマネジメントまで実現が可能です。
また、タレントマネジメントシステムを導入すれば、社員データを集約し人事評価のペーパーレス化や異動シミュレーション、ハイパフォーマー分析など、高度な施策が実施できます。タレントマネジメントを取り入れて、自社のリソースを最大限に活用しましょう。
リファレンスチェックを頼めない場合は「タレントパレット」の導入がおすすめ
リファレンスチェックを採用の判断材料の1つとしている会社からすると、できれば協力してもらいはずです。
しかし、リファレンスチェックを頼むには、候補者と協力者の同意が必要です。したがって、候補者に本施策を断られると、実施できません。リファレンスチェックが断られる可能性を考慮すると、タレントパレットを導入しておくのがおすすめです。
タレントパレットでは、現社員の性格や能力、行動特徴をグラフで数値化できます。これらの情報を候補者と照らし合わせれば、活躍できる人材か否かを選考段階で判断しやすくなります。
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