こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
企業の成長のためには、優秀な人材の確保や計画的な育成が必要です。
本記事では、採用業務や育成業務の効率化を実現するための、業務改善のアイデアを紹介します。
業務改善とは
業務改善とは、業務の内容やプロセスを見直し、ムダをなくすことによって、業務の効率化を図ることです。
業務フローに「ムリ・ムダ・ムラ」があると、業務の効率が低下するため、業務改善が必要なのです。
「ムリ・ムダ・ムラ」の説明は以下のとおりです。
・ムリ:従業員が実践不可能なスケジュールや作業量を課している
・ムダ:余計な動作や作業がある
・ムラ:時期や担当者によって、成果のクオリティにばらつきがある
業務改善に取り組むと、作業の効率が上がり、コスト削減にもなります。時間や予算に余裕が生まれ、人材育成に割ける時間が増えるため、従業員の満足度も上がります。
業務改善と業務効率化との違い
混同されやすい業務改善と業務効率化の違いについて説明します。
業務改善は、業務のムダやムラをなくすための手段です。それに対し、業務効率化は業務改善を実施した結果、達成できる中間目的のことです。
つまり「業務改善」を実施することにより、結果として「業務効率化」を達成できるのです。
業務改善を行う4つのメリット
業務改善を行うメリットは大きく4つあります。
作業効率が上がる
「ムリ・ムダ・ムラ」な作業を洗い出し改善すると、作業効率が上がります。
理由は、不要な業務にかけていた人出や時間を省き、必要とされる業務に割り当てられるからです。
従業員の満足度が上がる
業務改善の結果として、労働時間が短縮されるだけでなく、従業員が働きやすい環境の整備にもつながります。
その結果、不満が解消され、従業員の満足度が上がります。離職が少なくなり、社員定着率の向上にもつながるでしょう。
コストを削減できる
不要な業務を削減することにより、作業時間や人件費の削減になることも業務改善のメリットです。結果的に業務や経営に余裕ができるので、浮いたコストを他の事業や業務に回せます。
人材育成に時間をかけられる
各業務の効率が上がり、業務にかける時間を短縮できます。結果として、人材育成にかける時間が確保できます。育成を強化すると従業員の能力が上がるため、一段と業務の効率化が進み、好循環が生まれるのです。
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業務改善の手順
ここでは業務改善を行うにあたって、手順をわかりやすく説明します。
手順は以下の7ステップです。
1.業務内容を理解する
現状の業務に何があるか把握します。担当部署・担当者、作業にかかる工数や必要なスキルなど、全て洗い出しましょう。
2.課題を明確化する
次に、課題や問題点を把握します。
例えば、以下のような問題点が発生していないか確認します。
・複数人が重複して行っている作業がないか
・時間がかかりすぎている業務がないか
・ムダが発生していないか
誰がどのような業務を行っていて、どのくらいの時間がかかっているか把握するためには、業務をマニュアル化するのも効果的です。
業務の効率化を図れるだけでなく、担当者以外にできない業務を減らすのにも役立ちます。
3.業務改善の方法を選択
「手順2.」で取り上げた課題に対し、適切な方法を検討し、選択します。「ツールを利用する」「ムダな業務を省く」など、最適なものを選びましょう。
もし複数の選択肢がある場合は、手間や時間がかからないものから取り組みます。
4.計画を立てる
方法が決まったら、いつから取り組むのか最適な計画を立てます。
例えば、作業工程を見直して、実施する順番を変更するだけでも、業務の効率化を図れる場合もあります。コストをかけずにすぐ取り組める課題や、逆に長期的な計画が必要な課題もあります。
実現に向けて、それぞれの課題に合った計画を立てましょう。
5.業務改善アイデアの実施
計画に沿って業務改善のアイデアを実施します。
注意点として、必要な業務を削ってしまうと、かえって業務効率が下がる場合もあります。思いつきで行動するのではなく、計画的にアイデアの実施に取り組みましょう。
6.結果を確認し評価する
業務改善のアイデアを実施後、効果を検証し評価します。想定通りの成果が出せた場合は、具体的な数値で表せられると、組織内のメンバーにも説明しやすくなります。
7.手順3〜6を繰り返す
検証の結果、効果が見られなければ、他の方法を試してみます。これを繰り返す、PDCAサイクルを回すことが重要です。
※PDCA:Plan(計画)Do(実行)Check(評価)Action(改善)
改善が見られるまで3〜6を繰り返しましょう。
業務改善のアイデア
次に業務改善のアイデアを具体的に紹介します。方法は数多くありますが、業務内容や組織に合ったものを選択しましょう。合わないものを選択すると、効果が現れないだけでなく、従業員の反発を買い、生産性が下がるリスクもあるからです。
業務のムダを省く
最初に着手する方法は、ムダな業務がないか確認し、省くことです。手間もコストもかかりません。例えば、会議にかかる時間や頻度は適正か、必須でない書類作成は省けないかなど考えてみましょう。
業務の優先順位を決める
どの業務から改善するか、優先順位を決めます。なぜなら、一度に複数の業務に着手すると、どれも中途半端になったり、効果が見えにくくなったりなどのデメリットが生じるからです。
時間ごとに取り組む作業を決め、一つずつ改善策を実施しましょう。
マニュアルを作成する
業務のやり方やルールをマニュアル化します。
理由は、業務プロセスが明確になり、作業をスムーズに進められるので、業務の効率が上がるからです。
メリットは以下のとおりです。
・業務について教える時間を短縮できる
・業務品質のムラをなくせる
・マニュアルを共有し、チーム全体のスキルアップを図る
作成時のポイントとして、読み手に見やすく作成するとスムーズに理解できます。また、あらかじめ管理責任者や修正対応のルールなどを明確にしましょう。
業務のプロセスや手順が更新されたら、マニュアルもすぐに修正できる体制を整えるためです。
フローチャートを作成する
フローチャートを作成し、業務の流れを明記します。業務マニュアルと同時に作成すると良いでしょう。流れと業務内容も把握できていると作業効率の向上につながるためです。
データベースを活用する
今までに会社に蓄積されてきたデータベースを活用できないか考えてみましょう。自社が培った細かな情報やノウハウが網羅されているため、過去に起こった事例やその対応方法も学べ、効率よく対処できることが期待されます。
文書を電子化する
会議資料や業務マニュアルなどは、文書化することで印刷やコピーなどの手間が省略できます。情報共有の効率化にもなり、また検索時間を短縮することも可能です。企業間の契約書についてもクラウド上で締結できるサービスもあります。
繰り返しの作業は自動化する
担当者が不在でも業務が停滞しないように、簡単に処理できる仕組みをつくると良いです。さらに、人為的なミスを防止でき、作業の精度も上がります。
例えば、エクセル、ワード、メールなどにマクロを利用すると業務効率が上がります。
担当者を変更する
それぞれの得意分野を確認し、人員配置を見直します。その業務が得意な人に割り当てると効率や作業精度が向上するメリットがあります。
アウトソーシングを利用する
業務のうち、外部の専門業者にアウトソーシングするべき業務がないか検討します。なぜなら、従業員が最も人員やコストを割くべき業務に集中して取り組めるからです。例えば、データ入力や整理、テレアポなど難しい技術や知識が不要な業務が適しています。
ヘルプデスクをbot化する
ヘルプデスクをbot化すると、業務の効率化を図れます。botとは社員や顧客からの問い合わせに対して自動的に回答するシステムです。担当者は同じ質問に対応しなくて済むので、通常業務に集中できます。
Web面接を導入する
採用面接をWeb面接に切り替えるのも効果的です。来社が難しい遠方の求職者にも面接に参加できるようになるので、優秀な人材を見逃さないというメリットがあります。
さらに、企業も採用事務にかかる手間やコストを抑えられます。
アイデアを組み合わせる
複数のアイデア・事例を組み合わせることで、より大きな効果を期待できます。例えば、「業務マニュアル」を「フローチャート」と組み合わせると作業全体の効率化が図れます。
業務改善のアイデア実施時のポイントと注意点
業務改善のアイデア実施時のポイントと注意点について解説します。
QCDを意識する
QCDは「品質(Quality)」「コスト(Cost)」「納期(Delivery)」の頭文字をとったものです。元々製造業において必要不可欠な要素ですが、製造業以外にも活用できる考え方で、3つをバランス良く管理すると、効果を上げられます。
業務担当者に配慮しながら進める
ムダな業務や重複する業務を省いた結果、仕事がなくなる人もいます。担当者に事前に説明し、納得したうえで業務改善を進めましょう。理由は、担当者のモチベーションの低下を防ぐためです。
必要な業務を削っていないか確認する
「ムダ」な業務を削減しようとして、必要な業務まで削っていないか確認します。事前に業務フローをつくり、不要かどうかを考えます。必要な業務を削ってしまうと、逆に業務効率が下がる場合もあるので注意が必要です。
一度に多くのアイデアを実行しない
全てのアイデアや事例を取り入れようとすると中途半端な結果となるからです。取り入れたいアイデアや事例に優先順位を付けて実施し、検証と評価を行いながら、一つずつ確実に進めましょう。
ムリな目標を設定しない
達成できる目標を設定することが大事です。なぜなら、現実的でない目標設定をすると、改善案を実行するうえで、従業員のモチベーション低下につながる恐れもあるからです。
業務改善に役立つツール
現状課題を把握・使用目的の整理を行ったうえでのツール活用が大切です。
オンラインストレージサービス
オンラインストレージサービスは、サーバー上にファイルをアップロードし保存できるサービスのこと。複数のデバイスで同期し、他の人と共有できるため、それまで情報共有に割いていた時間を短縮できます。
「Google Drive」や「Dropbox」などがあります。無料で利用できますが、容量が大きい場合は有料版がおすすめです。
タスク・プロジェクト管理サービス
タスクやプロジェクトの進捗を可視化・管理できるサービスのこと。「Backlog」や「Trello」などがあります。担当者・期限を明確にして、タスクの抜け漏れをなくせます。
RPA
「Robotic Process Automation」RPAは、PC上で人が行っていた作業をロボットにより自動化できる業務効率化ツールのこと。手順とルールが決まっている定型業務に適しているので、人事の業務にも活用できます。例えば勤務管理システムで残業時間を集計し、メールの自動送信が可能です。
コミュニケーション/チャットツール
迅速なコミュニケーションが可能になり、業務の効率が上がります。「Slack」や「Chatwork」などがあります。
オンライン会議サービス
オンライン会議やセミナーを行えるツールを利用します。「Zoom」や「Google Meet」「Teams」など。メリットは、遠方から会議に参加できるため、今まで研修にかけていた費用や移動時間などの削減ができます。
クラウド型マニュアルサービス
情報共有が簡単に行えるため、従業員の業務習得にばらつきがなくなり、業務の品質が安定します。フォーマットやテンプレートが用意されているので、簡単に質の良いマニュアルを作成できるのがメリットです。またインストール型に比べ、アップデートがしやすいという利点もあります。
まとめ
業務改善の実施手順やアイデア、注意点について解説しました。
業務改善のアイデアを実践するときは、業務内容や組織によって適切な方法を選択する必要があります。
仮に必要な業務を削ってしまったり、組織に合わない改善策を進めたりすると、かえって業務効率が落ちる場合があります。
業務改善の手順通りに進め、検証と評価を繰り返しながら、自社に適した改善策を見つけるようにしましょう。
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