こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
働き方改革や、コロナ禍の影響で勤怠管理がしづらくなり、勤怠管理システムを導入する企業が増加しました。全体的な業務効率改善も図れるとあって、注目している担当者も多いはずです。
今回は、勤怠管理システムの主な機能や、メリット・デメリットに加え、自社に最適な製品の選び方を解説します。失敗例や注意点も併せてご紹介するので、参考にしてください。
勤怠管理システムとは
勤怠管理システムとは、出退勤時間の打刻や残業、各種休日申請、シフト作成など、勤怠管理に関する業務全般をサポートしてくれるデジタルシステムです。多様で柔軟な働き方が推し進められる昨今、勤怠管理のデジタル化に乗り出す企業が増えて注目を集めています。
以前は、システムやサーバーを社内で構築して運用する「オンプレミス型」の勤怠管理システムが主流でした。しかし最近は、導入コストが低くバージョンアップへの対応もしやすい「クラウド型」のサービスが増えています。
勤怠管理システムの主な機能
勤怠管理システムの機能は、製品によって多種多様です。しかし、多くの製品に共通して搭載されている標準的な機能があります。ここでは、勤怠管理システムの基本的な機能をひとつずつ解説します。
打刻機としてタイムカードの役割を果たす
勤怠管理システムには、さまざまな方法で打刻できる機能が搭載されています。従来、従業員の勤怠状況は、手書きやエクセル、タイムカードで管理するのが一般的でした。しかしアナログな勤怠管理では、集計作業にミスが出たり、不正打刻などの問題が発生したりとトラブルが絶えないものです。
勤怠管理システムには
- スマホ・PCからの入力
- 生体認証
- ICカード
など、デジタルデバイスを活用したさまざまな方法でワンタッチで打刻できる機能があり、手軽かつ正確な勤怠管理が実現します。人的ミスの防止、業務効率化が期待できるでしょう。
休暇取得申請・残業申請など各種申請が可能
書類の提出による申請フローを採用している場合、手作業での入力ミスや書類の紛失などの心配があるでしょう。
多くの勤怠管理システムには、勤務希望の提出、有給、残業などの各種申請機能が搭載されているため、各種申請をデジタル化させることが可能。スムーズかつ正確に、従業員の勤務状況を把握・管理できます。
勤怠情報の集計機能
勤務時間をリアルタイムで集計し、データとして管理できる自動集計機能をもった勤怠管理システムもあります。勤務形態や雇用形態が異なる場合でも、わかりやすくデータを反映してくれるのが魅力です。勤怠情報の集計データを活用するメリットは、以下の通りです。
- 残業や休日労働を把握し、働きすぎを未然に防げる
- 給与計算の工数削減につながる
- 部署やプロジェクトごとの実働時間を把握し、経営戦略に活かせる
給与システムと連携できる勤怠管理システムもあり、ミスや手間の大幅削減にも繋がるでしょう。
シフトを自動で作成できる
シフト制を採用している企業や、アルバイトのシフト作成に手間がかかっている企業にも、勤怠管理システムが役立ちます。
誰をどの時間に配置するか、月に何日休みが必要かといったシフト作成機能を実装している製品なら、シフト作成にかかる労力を大幅に削減できるでしょう。
個人のスキル、休日希望などを考慮しながらシフト表を埋めていく手間から解放され、より重要な業務に時間を避けます。
勤怠管理システムを導入するメリット
勤怠管理システムを導入することで会社全体としてどのようなメリットがあるのか解説します。自社の課題や効率化に効果を発揮できそうかどうか考えてみてください。
全体的な業務効率の改善
勤怠管理システムを導入することで、勤怠管理業務における工数を削減できます。日々の出退勤の打刻、残業状況の把握、各種申請といった勤怠管理をデジタル化することで、アナログ管理よりもスピード感がアップします。
入力の記録が残り、人的ミスも減るため、細かいトラブルに時間を取られることが少なくなるでしょう。その結果、全体的な業務効率の改善が期待できるのです。
人件費の削減
人事・労務の業務は煩雑で多岐にわたります。本来であれば、採用や人材の配置など企業の業績に関わる業務により時間を割きたいところでしょう。しかし、従業員の出退勤の管理、給与計算など事務的な作業に追われることも珍しくありません。
勤怠管理システムを導入すれば、手間と労力のかかる作業を機械が代行してくれるため、大幅な業務効率化に成功し、人件費削減につながるでしょう。
法令順守の徹底
従業員の残業や有給取得状況をリアルタイムで確認できる勤怠管理システムなら、気づかずに労働基準法等の法律を犯してしまうリスクを軽減できます。従業員の勤務状況を正確に把握できれば、過重労働を防止することにも繋がるでしょう。
コンプライアンス順守や、従業員の健康を守る意味でも、勤怠管理システムは重要な役割を果たすのです。
データを経営に活用
これまで、アナログで記録されてきた勤怠情報は、給与計算のみにしか用いられてきませんでした。勤怠管理システムを導入すれば、従業員の勤怠情報は経営戦略のための大切なデータとなります。
情報を自動でグラフや表に反映して可視化できたり、分析機能が使えたりするサービスも多く出ています。
- 特定の部署・従業員への労働負担の偏りの発見
- 人員配置の見直し
- プロジェクトごとの適正人数の見直し
など、データを人事戦略に活用できます。
勤怠管理システムを導入するデメリット
勤怠管理システムの導入にはメリットが多い一方、デメリットがないわけではありません。自社の今の状況で導入価値があるかどうか、デメリットも考慮しながら検討してください。
コストがかかる
勤怠管理システムの利用には、料金がかかります。価格は製品によって大きく差があり、一概にいえません。月額利用料を支払うタイプや、サーバー構築費用を最初に支払うタイプなど、料金体系はさまざまです。
また、システムを導入することで業務効率化は期待できるものの、それが売上に直結するわけではありません。費用対効果がわかりにくいという点は、デメリットといえるでしょう。
導入の負荷が高い
システムを導入したからといって、すぐに社内で安定して稼働できるとは限らないでしょう。勤怠管理システムの社内への浸透までには、一定の時間がかかります。
タイムカードを打刻する方法に慣れていた従業員には、新しいシステムの操作方法やルールを説明し、理解してもらわなければなりません。はじめのうちは使い慣れず、トラブルやミスが発生し、対応に時間をとられることも少なくないでしょう。規模が大きい会社ほど、導入やシステム変更の負荷は高いといえます。
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勤怠管理システムの選び方の基本
勤怠管理システムは数多くの製品があり、自社に適したサービスを見つけるのは簡単ではありません。ここでは、勤怠管理システムを選ぶ際に押さえておきたい基本の考え方を紹介します。
業務効率化させたい範囲を検討する
勤怠管理だけを効率化できればいいのか、給与計算や振込・仕分けなどほかの業務まで広げるのかなど、勤怠管理システムを選ぶ際は、業務効率化させたい範囲の検討が必須です。
より広い範囲をカバーしたいなら、事務作業まで効率化できるハイクオリティな製品を選ばなければなりません。既存システムとの連携も視野に入れながら、導入前によく考えることが大切です。
スムーズに定着できるかを想定する
勤怠管理システムは、機能が充実していればいいというわけではありません。導入したものの、従業員に使い方が定着しない、既存システムとの相性が悪いなどの問題が発生すれば本末転倒です。導入後、社内でスムーズに定着するかまでイメージしてから選ぶ意識が大切です。
企業規模に応じたシステムを選ぶ
勤怠管理システムは、中小企業向け、大企業向けなど、各製品で得意とする領域が異なります。企業規模を意識せず製品を選んでしまうと、必要な機能が不足したり、反対にオーバースペックとなり無駄なコストがかかったりします。企業規模ごとのシステムの選び方を確認しておきましょう。
中小企業向けの勤怠管理システム
中小企業の場合、就業規則はそれほど複雑になりません。標準的な機能が搭載されており、導入実績が豊富な製品から選んで問題ないでしょう。
多機能すぎても、使いにくかったりコストが高くなったりとデメリットがあります。「自社に必要な機能は何か」を見極め、自社にちょうどよいスペックの製品を選ぶ意識が大切です。
大企業向けの勤怠管理システム
企業規模が大きくなるほど、勤務形態が特殊になり、申請・承認フローも複雑化する傾向にあります。シンプルな勤怠管理システムでは対応しきれない場合もあるので、カスタマイズ制が高い製品を選ぶことをおすすめします。
専門のコンサルタントがつき、自社の要望をシステムに取り入れてくれるサービスも便利です。
自社に最適なシステムを選ぶ基準と注意点
上記の考え方を抑えたうえで、自社に最適な製品を選ぶ基準と注意点を、失敗例をふまえながらより細かく見ていきます。
業界特殊性に対応できるか
複雑なシフト制を採用している業界(派遣、建設、介護など)の働き方に、対応できない製品もあります。三交代制や、正社員とパートタイム勤務の混在がある企業が勤怠管理システムを選ぶ際は、自社の従業員の勤怠に対応できる柔軟性があるかどうか見極めましょう。
多くの製品に無料トライアルが設けられているので、期間中にうまく稼働するかどうか確認してください。
打刻方法は自社に合っているか
勤怠管理システムの打刻方法は、主に8種類あります。
- ブラウザから打刻
- スマホから打刻
- PCのログイン・ログオフによる打刻
- チャット・SNS打刻
- GPS打刻
- 指紋認証
- 顔認証
自社の従業員の働き方に合った打刻機能がそろっているか、事前に確認しましょう。
既存システムと連携できるか
給与計算ソフト、人事労務ソフトなど、すでに自社に根付いたシステムがあるなら、それらと連携できるかどうかも重要な選定要素のひとつです。効率化させたい範囲を勤怠管理以外にも広げたい場合、連携ができなければシステムを再検討する必要があり、二度手間になってしまいます。
管理画面は従業員が使いやすいか
管理画面が複雑で使いづらさがある場合、従業員の不満や社内でうまく機能しないなど問題が発生する恐れがあります。多機能になるほど便利になるものの、直感的な操作が困難になることを念頭においておきましょう。
無料トライアルがある製品も多いので、積極的に利用して運用フローを確認するのがおすすめです。
必要な機能と料金が見合っているか
勤怠管理システムは、基本的に機能が豊富になるほど価格が高くなります。多機能であるほどいいわけではなく、自社の課題を解決できる機能をもち、見合う価格かどうか検討することが大切です。過剰な性能・機能に無駄なコストをかけないようにしましょう。
一般的に、クラウド型の製品は初期費用を抑えやすくなっています。少ない導入リスクで検討したい企業には、クラウド型のシステムを選択するのがおすすめです。
同業での実績やサポート体制があるか
製品の実績を確認する際は、同業種や同じような企業規模でのデータを見るのがポイントです。利用する際のイメージもつきやすいですし、どれくらい効果を見込めるか把握できます。
また、担当者や従業員がITツールの利用に慣れていない場合、サポート体制が充実した製品を選ぶのがいいでしょう。いつでも相談できる体制が整っていると安心です。
まとめ
勤怠管理システムは、勤怠管理に関する業務全般をサポートしてくれるデジタルシステムです。従来の勤怠管理に比べて、正確でミスが少なく、業務全体の効率改善を期待できます。製品によって、機能や価格はさまざまです。事前の入念な検討が、導入後にうまくシステムを稼働させる鍵となります。
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