ATSとは?採用管理システムが必要な理由や選ぶポイント・メリットなど解説


ATSとは?採用管理システムが必要な理由や選ぶポイント・メリットなど解説

ATS(Applicant Tracking System)は、応募者受付から内定まで、採用の選考プロセスを一元管理し、採用業務の効率化を図るためのシステムです。ATSの活用により、採用工程の透明化やデータ分析などが可能となり、戦略的な採用活動が実現します本記事では、ATSについて、その概要や導入費用、主な業務、メリットや効果などのポイントを軸に詳しく解説します。ATSの活用による人事・採用の課題解決について興味がある企業の担当者は、ぜひ参考にしてください。

ATS(採用管理システム)とは

ATS(Applicant Tracking System)は、直訳すれば「応募者追跡システム」で、一般的には「採用管理システム」や「採用支援システム」などと呼ばれています。


ATSでは、求人募集や応募受付、応募者との連絡、面接の日程調整、進捗管理など、採用にかかわる幅広い業務を統合的に管理できます。それまで求人媒体ごとに個別のシステムを利用して採用活動を行っていた場合、1つのシステムに作業を集約できるので、余分な手間と時間を削減し、採用業務の効率化と採用力強化を図ることが可能です。


ATSでは、採用関連の情報を一元管理し、自社で蓄積した選考情報を分析する機能も提供しています。システムの画面上で、採用状況に関するさまざまな情報を一括で閲覧・管理できることも大きなメリットです。


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ATSの導入目的


ATS(採用管理システム)は、募集ツールや選考プロセスの複雑化に対応し、効率的な選考進行と情報管理・共有を実現するために開発されました。ATSを使用することで、応募書類や選考状況の確認、評価データの管理、面接日程の調整などの細かい作業が一元化され、関係者間での情報共有がスムーズかつリアルタイムで行えます。


た、採用活動で蓄積されたデータの分析が容易になり、効果的なPDCAサイクルを実行できるようになるため、企業としての採用力向上を目指すことも可能です。



ATSの導入費用

気になるATSの導入費用ですが、日本国内で提供されているクラウド型システムについては、月額費用が数万円のものから十数万円のものまで幅広い価格帯のサービスがそろっています。そのため、採用業務の実態に見合う費用なのかどうか、コストパフォーマンスを慎重に評価することが必要です。


多くのシステムでは、無料の試用期間を提供しています。この無料トライアルを利用して初期コストを抑えつつ、実際のシステムの機能やメニュー、操作性などを試すことが可能です。導入前に、実際に自社に合うシステムかどうか、実際に操作しながら詳細に検討することがおすすめです。


ATS(採用管理システム)が注目されている理由

ATSが注目されている理由として、企業の間ではダイレクトリクルーティングやSNS、リファラルといった多様な採用手法を導入している最近のトレンドが挙げられます。従来の方法ではアプローチできなかった転職潜在層にもリーチすることが可能になりました。


多様な採用チャンネルを活用することで、より広い層の候補者に接触できるようになった一方、結果として情報管理が煩雑になるという課題が生じています。この課題に対処するべく、ATSの導入が進み、複数の採用手法を一元管理することで、より効率的な採用活動が実現しています。


ATS(採用管理システム)でできることの具体例

ATSの活用を通じて、採用活動におけるさまざまな業務を効率的に実施・管理できるようになります。具体的な例として、主に「求人管理」「情報管理」「選考管理」の3つのポイントに分けて解説します。


求人管理

ATSの使用を通じて、複数の求人を簡単に作成し、必要に応じて募集内容に適宜変更を加えながら、効率的に集客することが可能です。自社の採用ページと共に、求人サイトや人材派遣会社、転職エージェントなど外部の求人媒体を連携させて、募集状況を一元管理することもできます。


便利な求人管理機能により、求人ごとに応募状況を効率的に追跡し、何らかの動きがあれば対応・共有するなど、リアルタイムな管理が可能になります。


情報管理

ATSでは、応募者ごとに、自社の求人ページや外部の求人媒体で登録された個人データ、履歴書・職務経歴書を含む応募書類など、個人情報を一括して管理できます。


ATSには専門家により高度なセキュリティ対策が施されているので、安全な環境下で個人情報の取り扱いを適切に行うことができる点も魅力です。社員ごとにアクセス可能な応募者データの権限を制限し、個人情報の取り扱いに一層の安全性を高めることも可能です。


選考管理

ATSの活用により、各応募者の選考進捗を詳細に追跡し、面接の評価などを人事や採用の担当者と共有するなど、選考プロセスでの情報を一元的に管理することができます。


エントリーから書類選考、一次面接、最終面接まで、選考プロセスの各ステップでの状況をリアルタイムで確認し、応募者とのメッセージのやり取りもATSで一括して行えます。当然ですが、内定後の通知や連絡もATSから送信可能です。以上を通じて、採用プロセス全体の透明性と効率が向上します。


ATS(採用管理システム)のメリット・効果

人事・採用の現場では、ATSの導入を通じてさまざまなメリットや効果を享受できます。主なメリットとして、採用候補者の一元管理、情報更新の効率化、選考情報のスムーズな共有の3点に絞って詳しく解説します。


採用候補者の一元管理ができる

企業が活用できる求人媒体は、自社の採用ページから求人サイトや求人検索エンジン、ダイレクトリクルーティング、求人情報誌や新聞広告といった紙媒体など、多岐にわたります。ATSでは、これら複数の求人媒体に登録された応募情報を一元的に管理できるので、候補者情報のデータベースが構築可能です。


データベースがあれば、人事・採用担当者全体での応募者情報の共有が容易に行えるとともに、進捗状況が可視化されるため、応募者の動きに応じて最適なタイミングで迅速かつ効果的なアプローチが実現します。


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情報更新の効率化に貢献する


ATSでは、各求人媒体から集められた応募者情報が自動的に登録・更新されるため、手動でのデータ入力の手間が省けるのが大きなメリットです。従来のExcelでの管理による手作業と異なり、入力や操作、管理上のミスも軽減できます。


材派遣会社や転職エージェントなどが管理している情報も含め、画面に表示された情報一覧から迅速に情報更新ができます。働き方に合わせて、社内および社外でのデータ管理がスムーズに行えます。



選考情報の社内共有がスムーズになる

ATSでは、社員ごとに応募者の個人データにどこまでアクセスできるのか、ユーザー権限を管理者側で設定可能です。そのため、各応募者の個人情報や選考情報を、社内で安全かつ効率的に共有できます。


書類選考の合否や面接の日程調整、内定通知など、採用担当者からのフィードバックも含め、選考に関する応募者とのすべてのやり取りを簡単にシステムに登録して管理できるため、情報の一貫性が保たれます。


ATS(採用管理システム)のデメリット

ATSの導入で得られるのはメリットだけではなく、デメリットも存在します。主なデメリットとして、適切なシステムを選定できない可能性と、システムを上手に活用できない可能性の2点を挙げて解説します。


適切なシステムを選定できない可能性がある

現状は多種多様なATSが市場にリリースされており、それぞれ価格や機能、強みなどが異なります。もし自社のニーズや使い勝手に合わないシステムを選んでしまった場合、せっかくの機能を使いこなせないため思うような導入の効果が得られず、コストと手間が無駄になる可能性があります。


先述のとおり、無料トライアルを活用するなどして、自社の採用プロセスや求める要件にマッチしたシステムかどうかを慎重に吟味することが重要です。


システムを上手く活用できない可能性がある

せっかくATSを導入しても、すべての人事・採用関係者がシステムを使いこなせるとは限りません。適切に利用しなければ、ATSの効果は半減します。ATS導入にはそれなりの費用がかかるので、大きな損失です。


たとえば、一部の面接官がシステムを活用せずにその場かぎりの情報で面接を進めてしまったり、面接結果をシステムに入力し忘れたりすると、情報が分散してしまい、システム導入の目的が損なわれる可能性があります。そのため、全員がシステムを活用できるよう、教育やサポートなどのバックアップ体制を構築することが必要です。


ATS(採用管理システム)の種類

ATSは大きく分けて、クラウド型とオンプレミス型の2種類があり、管理形態や初期費用など、それぞれ特徴や強みが異なります。それぞれの概要を解説します。


クラウド型

ATSには、インターネット上でシステムを管理できる「クラウド型」があります。ソフトを動かすためのサーバーの確保や手動でのインストールが不要なため、今はオンプレミス型よりもクラウド型が主流になっています。


クラウド型は一般的に初期費用が低く抑えられるため、特に初期投資を削減したい企業に適した選択肢です。


クラウド型は専門家により高度なセキュリティ対策が講じられており、日々最新の状態に更新されています。個人情報の取り扱いにおける安全性を追求するなら、クラウド型がおすすめです。


オンプレミス型

オンプレミス型は、手動でソフトをインストール・設定して活用するタイプです。自社で専用のサーバーを確保するとともに、インストールや設定もすべて自社で行う必要があるため、運用にはITスキルを持った人員を確保するか、外部の専門家に依頼する必要があります。


データはすべて社内で管理するため、情報漏洩のリスクは軽減できるものの、サーバーのセキュリティ対策も社内で講じる必要があります。専門スキルをもつ社員がいない場合は、安全性の担保に問題が生じるのが難点です。


ATS(採用管理システム)を選ぶ際のポイント

現在はさまざまなATSが提供されている分、どれが自社のニーズに適したサービスかを見極める際には、ある程度の事前知識が必要です。ATSを選ぶ際に押さえておくべきポイントを5つ解説します。


自社のニーズに適しているか

ATSはそれぞれ特徴や強みが異なるとともに、企業ごとに採用業務で抱える課題やニーズも異なります。そのため、ATSの選定時には、自社の特定のニーズや課題に対応できるシステムを選ぶことが重要です。


採用業務でのニーズや課題として、たとえば、候補者管理の効率化、複数エージェントや求人媒体の一元管理、応募者データの戦略的活用、応募者数の増加などが挙げられます。自社が直面している具体的な課題が何かを見極めるとともに、その課題解消に適したシステムを選ぶようにしましょう。


直感的に使いやすいか

ATSは新卒採用や中途採用、パート・アルバイト採用など、さまざまな採用業務にかかわる多くの社員によって利用されます。そのため、誰でも直感的に使いやすいインターフェースを備えた製品を選ぶことが重要です。


操作が複雑すぎる、搭載している機能が多いなどの特徴を持ったシステムは、社内でも使える人員が限られ、結局フル活用されないまま、導入コストと手間が無駄になるリスクがあります。操作性が高く、初心者でも容易に使えるシステムを選ぶことが、作業効率の向上とミスの発生防止につながります。


セキュリティ対策は万全か

ATSでは、住所や経歴など、候補者に関するさまざまな個人情報を扱います。個人情報の流出は企業の信用やイメージを大きく損なうため、専門家の手により、最新のセキュリティ対策が充分に施されているATSを選ぶことが不可欠です。


データの漏洩を防ぐために、不正アクセス対策が施され、日々更新されている必要があります。また、人事や採用担当者など多数の社員がATS上で情報の閲覧と更新を行うため、不正ログインが生じた場合のアカウントロック機能や、アクセス権限の厳格な制限設定ができる機能などを備えたシステムを選ぶべきです。


導入後のサポート体制はあるか

ATS導入後のサポート体制が整っているかどうかも、導入前にしっかり確認しておきたいポイントです。


例として、オンライン動画や操作マニュアルなど操作方法を学べる学習教材が提供されている、不明点が生じたときやエラーなどが発生した場合に問い合わせできる窓口があるなど、導入後のサポート体制の充実度はシステムの使い勝手に大きく影響します。


どのようなサポートが提供されているか、どの範囲までが無料なのか、どういった問い合わせ内容が有効なのかなど、事前に調査しておきましょう。


他のサービスとの連携はできるか

採用業務で使用している既存のサービスとの連携ができるかどうかも、ATS選定における大事なポイントです。たとえば、SNSツールやスケジュール管理ツール、メール、オンライン会議ツールなどとの連携の可能性をチェックし、作業効率の向上が見込めるシステムを選ぶことがおすすめです。


すでに利用しているツールとのシームレスな連携が可能であれば、たとえば日程調整など、それまでツールごとに独立して行っていた業務をATS上で集約できるので、さらなる効率化を図ることが可能です。


ATSの導入において注意したいこと

ATS導入時に注意しておきたいこととして、まず自社の採用上の課題を明確化したうえで、その解決を目的としてシステムの選定を行うべきです。


次に、導入そのものが目的化しないよう注意しましょう。導入後は速やかに、応募者の個人情報や選考状況など、すべての採用関連情報をATSに集約し、採用プロセスを効率化するために関係者全員で活用を徹底する必要があります。


また、効果的なATS活用に向けて、社内での適切な仕組みづくりと、現場へのサポート体制の確立も不可欠です。


まとめ

ATSの導入を通じて、採用候補者の一元管理、応募者情報の自動更新、選考情報の円滑な社内共有などのメリットが得られます。ATS導入を検討している際は、自社のニーズに適しているか、直観的に使いやすい操作性か、セキュリティ対策は万全かなどのポイントを軸に選択することが重要です。


今ではさまざまなATSが提供されていますが、特におすすめなのが、「タレントパレット」です。新卒採用から中途採用まで、すべての採用管理を1つのシステムで集約し、採用業務の作業工数を削減しつつ、業務効率化を実現できます。採用業務で課題を抱えている企業の皆様はぜひ、詳しい情報をご確認ください。


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