こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
「人的資源管理ってよく聞くけどどんな管理手法だろう?」
「社員や企業にとってどんなメリットがあるの?」
「社員をうまく管理できるツールはないだろうか」
と考えている方は多いのではないでしょうか?
人的資源管理は、社員を単なる労働力としてみるのではなく企業運営にとっての重要な資源とみる管理手法です。社員は、それぞれ個性がある生身の人間であり、得意分野や不得意分野があります。
企業側はそれらを正確に理解し、適材適所へ配置することで、個々人がパフォーマンスを発揮できるようになるでしょう。そのためには、人的資源管理の概要だけではなく、その背景や周辺知識、人事制度や評価制度などについても理解する必要があります。
そこで本記事では
- 人的資源管理とは何か
- 人的資源管理が注目されるようになった背景
- 人的資源管理の代表的なモデル
- 人的資源管理のメリット
- 人的資源管理による人事制度や評価制度
- 人的資源管理の導入事例
などについて解説します。
「個人の社員のパフォーマンスを上げて、組織全体の活性化させたい」という方のお悩みを解決できる内容なので、ぜひ最後までお読みください。
人的資源とは
人的資源とは、経営資源の4要素である「ヒト・モノ・カネ・情報」のうち、「ヒト」を指す用語です。企業の経営活動には4つの経営資源が不可欠であり、特に「ヒト」は、他の3つの資源の原動力として重要視されています。
経営資源における「ヒト」とは社員を指しますが、存在そのものだけではなく、社員がもつ能力やスキルによってもたらされる、経済的な価値も含まれます。
人的資源管理(HRM)とは
人的資源管理「Human Resource Management(ヒューマン・リソース・マネジメント)」は、人材を労働力としてみるのではなく、企業の重要な資源と捉えて管理・運用を行うことを意味します。
人的資源管理が注目されるようになった背景
人的資源管理が注目され始めたのは、1990年代です。大量生産や大量消費を目的にしていた1960年代まで、人材は労働力やコストと考えられていました。
1990年代以降に終身雇用制度が崩壊し始めて、グローバル化が急速に進んだことで、個人を重視した人的資源管理を導入する企業が増えました。
人的資源管理は、人的資本理論と人間関係論などの行動学をもとに、新たに生み出された概念といわれています。
慶応義塾大学 岩本隆教授が人的資本経営の実践ポイントを解説
人的資源管理における「人的資源」の3つの捉え方
人的資源管理においては、人的資源である「ヒト」について、以下の3つの視点があります。
- 人的資源は大きな資産である
- 人的資源は生身の人間である
- 人的資源を管理する絶対的な方法ない
ヒトを管理するためには、これらの3つのポイントを意識することが重要です。
人的資源は大きな資産である
経営学者で知られるピーター・ドラッカーは「人的資源こそが企業の潜在能力を最大化させる資源である」と提唱しました。
人的資源は大きな資産であるものの、管理方法によって経営が変わってしまうと考えられています。
人的資源は生身の人間である
人的資源は生身の人間(ヒト)であるため、喜怒哀楽の感情や意思を持っています。感情や意思を無視すれば、反発を受けるでしょう。
ヒトはモノ・カネ・情報にはない自律性を持つため、管理者の手腕が問われます。
人的資源を管理する絶対的な手法はない
人的資源管理には「これをすれば100%うまくいく」といった管理手法はありません。管理方法に正解がないからこそ、多種多様なアイデアを活かす余力があり、無限の可能性を秘めています。
タレントマネジメントシステムの必要性とは?導入までの流れと選定方法
人的資源管理と似ている用語との違い
人材は、経営資源の4つにあるヒト・モノ・カネ・情報の中のひとつです。ヒトは人的資源とも呼ばれ、企業経営において重要視されています。
ここでは、人的資源管理と以下の関連用語との違いを解説します。
- 人的資源開発(HRD)
- 人事労務管理(PM)
- 人的資源活用(HRU)
- 組織行動学(組織行動論)
ヒトのさまざまな管理方法を比較することで、人的資源管理に対する理解が深まるでしょう。
人的資源開発(HRD)との違い
人的資源開発(HRD)は「Human Resource Development」の略語で、企業の経営目標を達成するために、生産性を高め人的資源であるヒトを育成することを指します。
狭義では社員教育やOJT、OFF-JTなどを指し、広義では個人だけにとどまらず、組織開発も含まれます。
人的資源管理が人材のパフォーマンス向上を目指すのに対して、人的資源開発は個人や組織全体のスキル・知識などの能力開発に特化しています。
人事労務管理(PM)との違い
人事労務管理(PM)は「Personnel Management」の略語で、人材を労働力やコストとして捉えるのが大きな特徴です。人材を管理することで利益の最大化を目指します。
人的資源管理と人事労務管理は、どちらも人材を管理する点では同じですが、人事労務管理は労働力の適正化や、会社と従業員の間の利害調整をするのが主な目的です。
人的資源活用(HRU)との違い
人的資源活用「Human Resource Utilization(ヒューマン・リソース・ユーティリゼーション)」とは、人材を適切に配置・育成することです。人的資源活用は、人材が活躍できる環境の整備を重視しています。
人的資源管理は人材を管理するための方法ですが、人的資源活用は人材を育成する方法や、具体的なテクニックなどを指します。
組織行動学(組織行動論)との違い
人的資源管理と組織行動学(組織行動論)には、目標の実現のために、ヒトや組織を動かすという共通点があります。ただし、人的資源管理は、人や組織を動かすための制度や仕組みを整備するためのものです。
組織行動論は個人の内面にフォーカスしており、他者への影響を把握したり、自身のミッションを認識したりすることを重視しています。
人的資源管理の目的・役割とは
企業において、人的資源管理はどのような目的で実施されるのでしょうか。ここでは、人的資源管理の目的や役割について解説します。
人材の有効活用を促す
近年、多くの企業が抱える課題として挙げられているのが、少子高齢化に伴う人材不足です。労働人口の減少が止まらないのであれば、限られた人材で生産性やパフォーマンスを高めていかなければなりません。
人的資源管理の導入・実施により、採用・配置・教育・評価などの仕組みを整えることで、人材の有効活用が促されます。
企業や組織の目標を達成する
企業・組織の目標達成や業績向上のためには、人的資源が不可欠です。前述した4つの経営資源においては、「ヒト」が「モノ・カネ・情報」を管理・運用しているからです。優れた設備や商材、豊富な情報、潤沢な資金があっても、それらを最大限に利用できる人材がいなければ、無駄になってしまうでしょう。人材を有効活用し、能力やスキルを高めていくことが、企業・組織の成功につながります。
人的資源管理に求められる4つの視点
1 経営的な短期目標 | 成果により経営戦略を達成し、企業に貢献する |
2 経営的な長期目標 | 経営戦略の構築に向けた能力を高める |
3 個人的な短期目標 | 公平かつ情報開示に基づいた評価と処遇を提供する |
4 個人的な長期目標 | キャリアアップによる人間としての発達や成長を支援する |
人的資源管理の代表的な5つのモデル
人的資源管理には、いくつかの代表的なモデルがあります。
- AMO理論
- PIRKモデル
- ミシガンモデル
- ハーバードモデル
- タレントマネジメント
複数のモデルについて概要だけでも知っておくことで、適切なモデルに当てはめて考えられるでしょう。それぞれのモデルについて、サクッと解説します。
AMO理論
AMO理論とは、業績(Performance)は、以下の3つの要素からなる変数であると考える理論です。
- A(能力):個人の持っているスキルや知識のこと
- M(モチベーション):仕事に対する熱意ややる気のこと
- O(機会):職場環境や配置のこと
方程式で表すと業績は、P=f(A, M, O)です。つまり、AMO理論によれば業績Pは1つの要素だけではなく、個人の持つ3つの要素によって決まります。
これは、仕事に対する満足度や会社に対する信頼にも直結します。
PIRKモデル
PIRKモデルは、以下の4つの要素にアプローチすることで、社員の会社への帰属意識を高め、転職の抑止や離職率低下に繋げることができるとする理論です。
- P(power):権限を移譲すること
- I(information):情報共有を図ること
- R(reward):公平な報酬を与えること
- K(knowledge):社員に帰属する知識のこと
これらの要素によって、社員の公正知覚や情動的組織コミットメントが高まるとされています。
ミシガンモデル
ミシガンモデルは、ミシガン大学が中心となって行われた研究に基づく概念であり、戦略的経営を以下の3つの視点から定義付けています。
- 使命と戦略
- 組織構造
- HRM
また、ミシガンモデルは、経営戦略にHRMの基本機能である、以下4つのマッチングを重視しているのが特徴です。
- 採用
- 人材評価
- 報酬
- 人材開発
これらの4機能を循環させて、個人だけではなく組織全体のパフォーマンス向上を目指すことが重要であると考えられています。
ハーバードモデル
ハーバードモデルは、会社が社員を一方的に管理するのではなく、協調的な労使関係を築きながら社員の能力やモチベーションを最大限に引き出そうとする考えです。
「社員あってこそ会社組織が成り立っている」という考えがベースにあるため、組織全体の生産性や品質の向上、競争力の強化につながりやすいといえます。
ハーバードモデルの構成要素は、以下の4つです。
- 社員の影響
- 人的資源のフロー
- 報酬システム
- 職務システム
同時期に発表されたミシガンモデルに比べると、社員の心理的側面に着目したり、幅広いHRM領域を捉えていたりするのが特徴です。
タレントマネジメント
タレントマネジメントとは、経営目標の達成のために、社員の素質や才能を見極めて活かしていく仕組みです。
人事戦略そのものであるといわれているタレントマネジメントは、労働力不足やグローバル競争、働き方改革、技術革新といった、環境の変化への対応策として重要視されている取り組みです。
目指す目標や課題は企業によって異なるため、人事戦略も異なってきます。タレントマネジメントについても、企業ごとに異なるものであるため「これさえやれば大丈夫」といったものはありません。
タレントマネジメントシステムのひとつであるタレントパレットは、社員ごとに蓄積された人材データを掛けあわせた分析が可能です。多角的な視点から人材データの見える化を実現したことで、企業独自の人事戦略や分析が可能になりました。
より効率的に人材を活かしていきたい方は、ぜひタレントパレットの導入をご検討ください。
人的資源管理の代表的なモデルの課題・問題点
ミシガンモデルとハーバードモデルには、課題や問題点があります。ここでは、両者の課題と問題点について解説します。
ミシガンモデルの課題・問題点
ミシガンモデルの最優先事項は企業戦略です。人的資源管理において重要視されている、個人の問題が軽視される傾向にあることから、個人の能力を適切に把握できない可能性があります。
ハーバードモデルの課題・問題点
ハーバードモデルにおいて労働者は、企業ではなく社会的な資産とするという前提があります。社会との一貫性と調和を大切にすることが重要であるとする一方で、社員をモノのようにみる傾向があります。
タレントマネジメントによる人的資源管理のメリット3選
タレントマネジメントによる人的資源管理には、以下のようなメリットがあります。
- 個人や組織全体の能力が上がる
- 自社に合った採用基準を確立できる
- 社員のエンゲージメントが向上し、離職率が低下する
タレントマネジメントの導入は、社員だけではなく企業にとっても、多くのメリットがあります。タレントマネジメントによって個人の能力が向上し組織全体の活性化すると、社員のエンゲージメント向上にもつながるでしょう。
また、外部からの優秀な人材を確保するための採用基準も確立できます。このような好循環が組織内で起きることで、人材における新陳代謝の促進が期待できます。以下で3つのポイントについて詳しく解説します。
個人や組織全体の能力が上がる
タレントマネジメントの導入で、個人や組織全体の能力向上が期待できます。タレントマネジメントは個々の社員のデータを参照できるため、得意分野やスキル不足の分析が可能です。
社員一人ひとりの課題を浮き彫りにすることで的確なアプローチができ、さらなるスキルアップが期待できるでしょう。
社員のスキル向上はチームや組織全体の能力向上につながり、企業全体の活性化も期待できます。また、タレントマネジメントによって、社員一人ひとりに合わせた、的確な人材育成ができるようになります。
育成データを蓄積することで、今後の社員育成を効率的に進められるようになるでしょう。
自社に合った採用基準を確立できる
タレントマネジメントによって、自社に合った採用基準を確立できます。人材の新陳代謝によって自社に適した人材を明確にすることが、従来の採用基準を見直すきっかけになるでしょう。
また、自社に適していない人材についても特徴を明確にすることで、よりいっそう採用におけるミスマッチを防止できるようになります。
社員のエンゲージメントが向上し、離職率が低下する
タレントマネジメントによって社員の適材適所が明確になり、エンゲージメント向上が期待できます。社員は自分に適した環境で働けるため、業務に対する満足度や企業に対する信頼度が上昇します。
そのことが離職率の低下にもつながり、ワークライフバランスの向上も期待できるでしょう。
離職率について詳しく知りたい方は、別記事「【必見】離職率の平均値は13.9%!2つの計算方法と高いことによるデメリットを紹介」をあわせてご確認ください。
人的資源管理の具体的な戦略
人的資源管理の運用に際しては、従来の制度の改善や最適化が必要です。ここでは、評価制度・育成制度・人材配置・雇用制度について解説します。
適正な評価制度を構築する
終身雇用が主流だった時代には、勤続年数に応じて待遇が決められていました。しかし終身雇用制度は崩壊し、企業の多くが成果を重視する評価制度を取り入れています。
成果による評価制度で重要なのは、公平性や透明性です。社員の信頼と納得を得られるように、目標設定や評価基準の明確化を図りましょう。
人材の育成制度を充実させる
人的資源は、企業の目標達成において不可欠な存在です。目標の達成だけに留まらず、企業が成長していくためには、社員の成長が欠かせません。
社員の能力や知識、スキルを高めるような人材育成戦略を立てましょう。人材の育成方法としては、OJTやOff-JT、ジョブローテーション、メンター制度などが挙げられます。
人材を適切に配置する
人的資源管理の運用においては、社員の経歴や実績、スキル、知識などに合った「適材適所の人材配置」が重要です。能力を活かせる環境に社員を置くことが、モチベーションや生産性の向上につながります。
配置を決める際には、社員の能力を正確に把握しなければなりません。本人の希望や興味・関心、キャリアプランなども考慮しましょう。
雇用制度を最適化する
終身雇用制度の崩壊や人材の流動化に伴い、企業の労働力は正社員だけではなくなりました。契約社員や派遣社員、アルバイトなど、多岐にわたります。
企業は、社員向けの雇用制度を、多種多様な労働形態に対応したものへと最適化する必要があります。社員についても、新卒者だけではなく、中途採用者に対応しているかを確認しましょう。
人的資源管理による3つの勤務制度
近年は働き方が多様化し、長時間労働の是正が企業にとって重要な課題となっています。社員一人ひとりがやりがいをもち、ワークライフバランスを保ちながら働ける職場環境の整備が求められています。
ここでは、企業が取り組むべき3つの人事制度について紹介します。
- 在宅ワーク(テレワーク)制度
- フレックスタイム制
- 短時間勤務制度
柔軟な働き方を取り入れることで社員のエンゲージメントが高まり、個人だけでなく組織全体の生産性向上にもつながるでしょう。
また、タレントマネジメントと組み合わせることで、パフォーマンスの最大化も図れます。
在宅勤務(テレワーク)制度
近年、新しい働き方としてテレワークが推奨されています。今後も働き方のひとつとして導入を検討・継続する企業が増えると予想されます。
テレワークには、仕事の進捗状況が分かりにくかったり、仕事の割り振りが難しかったりといった課題もあります。
タレントマネジメントを活用すると、社員のスキルを可視化できるため、テレワークの不安が解消されやすくなるでしょう。
また、少子高齢化による人手不足が深刻化している現代において、テレワークの導入は新たな人材を引きつけるきっかけになると予想されています。
フレックスタイム制
フレックスタイム制は、社員の就業開始時間や終業時間を固定せず、フレキシブルに働ける仕組みです。
フレックスタイム制には、コアタイムとフレキシブルタイムがあります。コアタイムとは、勤務しなければならない時間帯を指します。例えば日々の会議や打ち合わせのために、10時から14時をコアタイムに設定するといった働き方が考えられます。
一方、フレキシブルタイムはコアタイム以外の時間帯を指し、この時間帯に出勤するかどうかは自由です。フレックスタイム制の導入で、個々の社員が働きやすい時間帯を選択できて、ワークライフバランスや生産性向上が期待できます。
短時間勤務制度
育児や介護をする人をサポートするための制度が、短時間勤務制度です。短時間勤務制度は育児・介護休業法によって定められています。
育児・介護休業法では、3歳未満の子を養育している従業員の希望により、短期間勤務制度を設けるよう義務付けられています。
具体的には、1日の所定労働時間を原則6時間とするといった措置を含む必要があります。
短時間勤務制度等の利用によって、仕事と家庭の両立を図れるのが大きなメリットです。
家族の介護が必要な場合
育児・介護休業法では、要介護状態にある対象家族の介護が必要な社員が希望すれば、短時間勤務制度その他の措置を講じなければならないと定めています。
その他の措置には以下のものが含まれています。
- 短時間勤務制度
- フレックスタイム制度
- 時差出勤制度
- 家族が介護サービスを利用した場合に、従業員の負担軽減を目的として費用を助成する制度またはこれに準ずる制度
これらの制度により、要介護状態にある対象家族1人に対して、介護休業を取得した日と合わせて、少なくとも93日間は利用できるようにしなければなりません。
人的資源管理に効果的な4つの評価制度
ここでは、人的資源管理に効果的な評価制度を4つ紹介します。
- 360度評価
- コンピテンシー評価
- 目標管理制度(MBO)
- ノーレイティング
それぞれ、特徴が異なる手法ですが、社員だけではなく企業にとってもメリットを受けやすい評価制度です。1つずつみていきましょう。
360度評価
360度評価は、一人の社員に対して、上司だけではなく同僚や部下なども含めた複数人が、評価をする仕組みです。
従来のように上司のみによる評価には、属人的かつ主観的になりやすく、納得感を得られないという課題がありました。
360度評価によって、複数の目線で多角的にみられることで、客観的な評価が実現し、本人も納得感を持って受け入れやすいのがメリットです。そのため、仕事に対するモチベーションアップやエンゲージメントの向上が期待できます。
コンピテンシー評価
コンピテンシー評価とは、仕事で成果を出している人の行動特性を分析して共通点を洗い出し、それを基準にして人事評価をすることをいいます。
従来のような、勤続年数や年齢によって評価される職能資格制度とは異なり、成果主義的な公平性のある人事評価制度です。
コンピテンシー評価では、評価基準が明確になるため、社員が身につけるべきスキルや改善点が把握しやすくなります。努力をした社員は評価されやすくなり、モチベーション向上につながるという特徴があります。
目標管理制度(MBO)
目標管理制度とはMBO(Management Buy-Out)とも呼ばれ、ピーター・ドラッカーによって提唱されたマネジメント手法です。MBOでは、社員自らが目標を設定するのが大きな特徴です。
会社に対して貢献できる目標を設定し、その達成度合いに応じて評価を受けます。上司の命令ではなく、自主的に目標設定をするため、社員の自主性が育まれるのはもちろん生産性の向上やモチベーションアップなどの効果も期待できます。
ノーレイティング
ノーレイティングとは、社員をアルファべットなどの記号によってランクづけしない評価手法です。
評価の仕方として、上司が部下に対して1on1面談を行い、フィードバックする形式をとるのが特徴です。1on1面談とは、部下が上司と1対1で月に数回行うコミュニケーションで、自然体で話をするなかで、上司から部下に対するフィードバックやアドバイスなどをします。
信頼関係が築かれると、部下から上司に対して相談をするようになります。また、上司からのフィードバックに対する納得感も高まり、受け入れやすくなるでしょう。
人的資源管理の導入事例4選
人的資源管理にタレントマネジメントシステムを導入し た4つの企業の事例を、以下で紹介します。
- 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
- 株式会社インターネットイニシアティブ
- 株式会社PILLAR
- 株式会社LIXIL Advanced Showroom
自社に当てはまる点はもちろん、当てはまらない点についても問題へのアプローチの仕方などを、ぜひ参考にしてみてください。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社では、コンサルティング未経験者の早期立ち上げが課題でした。人的資源管理・評価管理・職場管理の3つの領域で、自社の課題と取り組み方を明確にできるため、タレントマネジメントシステムの導入を現場主体で進めました。
その結果、社員の中長期的なキャリアの方向性を踏まえた人材育成が可能になりました。

株式会社インターネットイニシアティブ
インターネットイニシアティブは、タレントマネジメントシステムにより社員を見える化することで、戦略的な人事育成を実現しました。
社員は会社全体のなかで自分がどの位置にいるのかを、上司からの評価などをもとにしたレーダーチャートで確認できます。
一方で人事担当者は、人事制度により評価された結果の等級や、労働時間から時間帯別のパフォーマンスを割り出し、評価に活用しています。

株式会社PILLAR
日本ピラー工業は採用・育成を連動させ、それぞれの課題をまとめて解決することに成功しています。タレントマネジメントシステムを導入したことで、人材の配置・育成の精度が高まり、社員のモチベーション向上につながりました。
また、人事情報を一括管理し、採用管理の視点で離職防止に活用しています。

株式会社LIXIL Advanced Showroom
LIXIL Advanced Showroomは、研修管理の一元化によって社員の育成を促進しています。タレントマネジメントシステムに研修関連のデータを統合したことで、人事領域における課題が明確になりました。
研修内容を400以上のeラーニングコンテンツに集約したため、人材育成部門の業務の効率化を実現しました。

人的資源管理のまとめ
人的資源管理は、社員を労働力としてではなく、貴重な資源としてみるものです。社員一人ひとりには個性があり、それぞれが喜怒哀楽の感情を持った生身の人間である以上、管理するための絶対的な方法は存在しません。
さまざまな管理手法が確立されていますが、大切なのは社員一人ひとりに寄り添うことです。そのためには、個々の社員について正確な理解が必要です。
効率的な人的資源管理のツールとして、タレントパレットがおすすめです。タレントパレットのサービスには、以下のようなメリットがあります。
- 社員についての情報を可視化できる
- 社員のバックグラウンドや得意分野などを把握しやすい
- 直感的に社員データの分析・比較ができる
- 社員の人材育成や適切な配置、採用活動などにも幅広く活用ができる
社員の定着率を図り会社全体を活性化させるためにも、ぜひタレントパレットの導入をご検討ください。