こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
「日報に何を書かせたらいいかわからない」「日報を書いてもらうメリットが知りたい」「意味のある日報にするにはどうするべきか」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。
実際、毎日日報を社員に書かせているけれど、うまく活用できていなかったり意味のない日報になっていたりします。しかし、有効活用できれば社員が成長し、生産性の向上や業務効率化につながります。そこで本記事では、日報の意味や書き方について解説しています。社員の日報を確認する際の注意点や便利なツールも紹介するので、ぜひ最後までお読みください。
日報とは1日の業務内容を報告する書類
日報とは、社員に1日の業務に関することを報告してもらうものです。その日の業務内容を報告・記録するものとして、多くの企業が活用しています。
社員の報告に対して、確認する立場の方がコメントでフィードバックする流れが一般的です。各社員の業務の進捗状況を把握するだけでなく、目標達成のサポートができます。進捗の遅れや、ミスにつながりそうなことが分かれば、事前に対策を講じることが可能です。
日報に書くべき項目
日報に書くべき項目は、以下の5つです。
- 当日行う業務内容や目標
- 業務中の気づきや発見
- 業務内容の成果
- 反省と改善策
- 翌日の目標や業務予定
日報に数値やデータが記載されていると、社員の仕事を実際に見ていない方でも、詳しい状況を把握できます。目標の達成度や課題もわかるため、社員にフィードバックできるでしょう。日報は、社員の業務進捗だけでなく、モチベーションや目標意識を確認するのに有効なツールです。
ただし、実際に日報に書くことがなくて悩む方も多いため、作成に慣れるまでは積極的にサポートしましょう。社員が日報に書くことがないと悩んでいるなら、別記事「日報書くことない」をあわせてご確認ください。
日報を書いてもらう5つのメリット
ここでは、日報を書いてもらうメリットを紹介します。
- 信頼関係を構築できる
- 社員の成長を促せる
- 情報共有や管理ができる
- 社員をサポートできる
- ノウハウを蓄積できる
日報を有効活用したい方は、必読の内容です。社員の成長を促したり、良い関係を構築したりするためにも、メリットを把握しておきましょう。
信頼関係を構築できる
日報を活用することで、社員との信頼関係を構築できます。普段直接言えないことでも、日報を介すれば伝えられることもあるでしょう。日報から社員の考えや行動を把握し、フィードバックを行うと、社員が業務に活かせるようになります。
頑張っていると認めたり褒めたりすると、社員のモチベーションが向上します。フィードバックによって社員が成長を実感できれば、信頼してもらえるでしょう。仕事がやりやすくなったり、社員との認識の齟齬をなくせたりと、良い関係を構築するメリットを享受できます。
社員の成長を促せる
日報を書くと、社員はPDCAサイクルを回せるようになります。日報に必須の項目を記載するだけで、自然とPDCAが考えられます。
- Plan(計画):当日の業務予定や目標
- Do(実行):業務遂行
- Check(評価):業務の振り返り
- Action(改善):改善策や翌日の業務予定
前日の業務の振り返りを基に、翌日の目標や業務予定を設定させましょう。学んだことを活かせるようになるため、ミスが減ったり業務の効率が上がったりします。また、社員の目標や改善策をチームで共有すると、相乗効果が期待できます。他の社員の意見を取り入れられるだけでなく、チームのために情報提供や業務効率化を目指す意欲が湧くことも。
社員の成長は会社の利益にも関わるため、日報を通してPDCAサイクルを活用できるようにサポートしましょう。慣れるまでは、PDCAサイクルを意識できるように、テンプレートを用意するのがおすすめです。
情報共有や管理ができる
日報は、情報の共有や管理に活用できます。例えば、日報には以下のような情報が記載されることが多いです。
- 業務中に得たノウハウや改善点
- 競合他社に関する情報
- プロジェクトの進捗
日報を部署内で共有すると、他の社員の学びや新たな発見につながります。社員同士で課題の解決策を考えたり、アドバイスし合ったりできるので、できる限り積極的に日報を共有しましょう。
ただし、個人の悩みの内容によっては共有しない方が良いケースもあります。日報を読む際は、共有しない方が良い情報がないか十分に確認しましょう。
社員をサポートできる
日々の日報から社員が困っていることを把握したり、課題を見出したりできます。社員自身が課題に気づいていないこともあるため、日報を確認する方はアドバイスすべきことがないか考えることが重要です。社員をサポートできれば、トラブルの発生を未然に防げるため、日報の内容を細かくチェックしましょう。
また、適切な助言をしたり悩みを聞いたりすれば、社員との信頼関係の構築にもつながります。社員の課題を考え、日報を可能な限り活かしましょう。
ノウハウを蓄積できる
日報を確認すれば、社員のノウハウを会社に蓄積できる可能性があります。ノウハウは、会社にとって貴重な財産です。他の社員が業務にあたる際に活用できます。
例えば研修を行うときは、以前の担当者や参加者の日報が参考になるでしょう。日報を読むことで、以下のような発見があることも。
- ワークを積極的に取り入れたほうが良い
- 研修の必要性を理解してもらうために目的をしっかり伝えるべきだった
日報を通じてさまざまなノウハウを蓄積し、有効活用すると、業務効率化を図れます。会社の成長につながるように、積極的に活用していきましょう。
意味のある日報にするための5つのポイント
意味のある日報にするために、以下の5つのポイントを意識しましょう。
- 日報を書く目的を社員に共有しておく
- 簡潔で分かりやすい文章を社員に書いてもらう
- 必要な情報だけ書いてもらう
- 社員との信頼関係を築いておく
- 毎日日報を書く時間をとること
「今日はこんな業務をしました」「このように思いました」など、抽象的な業務報告や感想しか記載されていないと、日報をうまく活用できません。日報を活用したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
日報を書く目的を社員に共有しておく
管理職だけでなく、日報を書く社員にも目的を共有することが重要です。社員自身が理解していないと、内容が薄い日報になって有効活用できない可能性があります。「書く意味がわからない」「とりあえず提出すれば適当でも良いだろう」と思っている社員も一定数存在します。
管理職の方は社員に目的を説明し、日報を書く重要性を理解してもらいましょう。会社だけでなく、社員にとっても利益があるということを理解してもらえれば、日報を書くモチベーションが高まるでしょう。
簡潔で分かりやすい文章を社員に書いてもらう
日報を作成する際に、社員が簡潔で分かりやすい文章を書けるようにサポートしましょう。日報の文章が簡潔でないと、読むのに時間がかかってしまいます。また、重要な情報を把握しにくくなるデメリットもあります。例えば、以下のような方法を取り入れると、分かりやすい日報を作成可能です。
- 結論から書く
- 箇条書きを使う
- 具体的に書く
提出前には、言葉遣いや誤字脱字にも気をつけるように伝えておきましょう。基本的には管理職の方が読みますが、同じ部署やチームの社員にも共有することを伝えると、日報を書く意識を高められます。
必要な情報だけ書いてもらう
日報を書く時は、社員に必要なことだけ書いてもらいましょう。不要な情報が入っていると、日報を読むのに時間を要します。5W2Hを意識させると、社員が必要な情報を漏れなく記載できます。5W2Hとは、以下の7項目です。
- What(何を)
- When(いつ)
- Who(誰)
- Where(どこで)
- Why(なぜ)
- How(どのように)
- How much/How many(どれくらい)
ビジネスシーンでは、具体的な数値やデータを用いることが多くあります。重要な数値やデータを日報に記載することで、詳細な情報を確認できます。5W2Hを活用させ、必要な情報がわかる日報を作成してもらいましょう。
社員との信頼関係を構築しておく
質の高い日報を書いてもらうには、社員との信頼関係を構築しておくことも大切です。信頼関係が構築できていないと、日報を書くことを拒否されたり、適当に書かれたりする可能性があります。
日報を読んで、適切にフィードバックするには、必要な項目をきちんと書いてもらう必要があります。忙しい業務中でも、社員が仕事で悩んでいないか気にかけたり、声をかけたりして良い関係を構築していきましょう。
日報を書く時間を設ける
日報を社員に書く時間を設けないと、どうしても内容が薄くなってしまいます。時間がなくて日報作成が後回しになると、書く内容を忘れたり面倒になったりしてしまいます。後で数日分まとめて提出することになると、社員は具体的な内容を記載できずに悩んでしまうでしょう。
1日ごとに振り返る習慣をつけることで、社員の生産性や業務効率の向上が見込めます。まとまった時間を与えられないなら、業務中に考えたことをメモにとらせることがおすすめです。社員が日報を作成できるように、管理職の方はサポートしましょう。
日報を確認する際の3つの注意点
社員に提出してもらった日報を読む際は、以下の3点に注意しましょう。
- 他の社員の前で叱らない
- フィードバックをする
- 日報の管理を徹底する
ただ読んで終わりにしたり適当にコメントしたりすると、社員のモチベーションが下がってしまいます。業務で忙しくても、日報をしっかり読んで社員の業務をサポートすることが重要です。社員のためになる行動につなげるためにも、注意点を理解しておきましょう。
叱らない
日報を読んだときに、社員に対する不満や怒りが生じることもあるでしょう。しかし、叱らないようにすることが重要です。日報のコメント欄で批判したり、他の社員の前で叱責したりすると、恥ずかしさやストレスを感じて素直に受けとめられない可能性があります。
伝えたいことがあるなら、個別のチャットツールやメールを利用したり、他の社員がいないところで直接話したりしましょう。怒鳴りつけたりせずに、今までの経験や事例などを基に、社員の課題を伝えるようにしてみてください。アドバイスや改善策を伝えると、良好な関係を保てるでしょう。
フィードバックする
社員に日報を提出してもらったら、フィードバックをします。日報をただ読むだけでフィードバックしないと、まじめに書く必要がないと判断し、社員が日報を書かなくなってしまう恐れがあります。
日報に記載されている業務内容や課題の考察に対して、適切に評価することを心がけましょう。社員が成果を上げたなら褒め、失敗したなら励ましたりサポートをしたりするのがおすすめです。社員のモチベーションが高まり、前向きに業務に取り組めるようになるでしょう。
日報は、コミュニケーションのツールとしても活用可能です。社員を思いやったフィードバックを心がけ、信頼関係を構築しましょう。ただし、適切に対策しているつもりでも、社員が日報を書いてくれないケースもあります。日報を書かない社員の心理やモチベーションの高め方について詳しく知りたい方は、別記事「日報書かない人」をあわせてご確認ください。
管理を徹底すること
日報を受け取ったら管理を徹底し、紛失しないように注意しましょう。日報には、会社や機密情報が記載されていることがあるため、流出を防ぐ必要があります。
紙で管理しているなら、社内に専用の保管場所を設置します。社内で保管し、情報の持ち出しを禁止すれば、情報漏洩を防ぎやすいでしょう。日毎に日報の量が増えるため、十分なスペースを用意してください。
日報ツールなどを使っているなら、閲覧権限を付与する範囲を決定しましょう。また、セキュリティソフトを導入するなど、ウイルス感染を防止するのもおすすめです。
日報を書ける4つのツール
日報を書くツールとして、以下の4つが挙げられます。
- 紙・ノート
- Excel・Word
- メール
- 日報管理ツール
それぞれの特徴を解説するので、日報ツールを検討する際の参考にしてみてください。
紙・ノート
紙やノートを使って日報を書く方法は、かつては主流でした。しかし、パソコンの普及に伴い、紙やノートで日報を作成する企業は減ってきています。手書きで日報を作成するので、パソコンを使い慣れていない方でも悩む心配がありません。
しかし、人によっては文字が読みづらく、日報チェックに時間を要することもあるでしょう。日に日に量が増えるので、十分な保管スペースを確保する必要があります。また、検索性がないので、情報を業務に活かしにくいというデメリットもあります。電子的な方法に移行した方が、業務の効率化が図れるでしょう。
Excel・Word
ExcelやWordを使って日報作成・管理をしている会社も多いです。無料で使えるテンプレートがあり、ExcelやWordを業務で使っているなら活用しやすいでしょう。手書きのような読みづらさもなく、保存場所も不要です。
メールなどで、簡単に共有できるのもメリットです。ただし、十分にセキュリティ対策する必要があります。パスワードを設定したり印刷できる権限を与えないようにしたりして、できる限り対策しましょう。
メール
メールは社員のほとんどが日常的に使っているため、日報ツールとして活用しやすいです。無料で利用できるだけでなく、スマートフォンでも日報を作成可能です。しかし、検索性が低いだけでなく、大量のメールに埋もれて見落とすリスクがあります。
管理職の方は見落とさないように、日報メールを専用のフォルダに格納するなど、対策してみてください。また、日報メールを誤って削除したり、フィードバックを誤送信したりしないように注意しましょう。
日報管理ツール
日報管理ツールもメールと同様に、時間や場所を選ばず利用できます。メールより優れているのは、誰が提出したか把握しやすく、気軽にコメントができる点です。
メールでは文章を書かないといけませんが、日報管理ツールは選択式やチェックボックスなどを利用でき、日報作成を効率化できます。日報作成以外にも、以下のような機能が備わっていることもあります。
- コミュニケーション
- 情報共有
- スケジュール管理
日報を蓄積・共有できるため、業務改善に役立ちます。
日報とはのまとめ
多くの企業が活用している日報ですが、1日の業務報告にとどめるのはもったいないです。活用するために、社員に対して日報の重要性や書き方を共有することが重要です。日報を上手に活用すれば、社員の成長を促せます。会社の発展にも関わるので、日報に記載されている情報を活かすことを心がけましょう。
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