評価制度にはどんなものがある? よく使われる評価制度の種類4個


評価制度にはどんなものがある? よく使われる評価制度の種類4個

人材を最大限に活用するために欠かせないのが「自社にマッチした評価制度」です。現代的な評価制度にはどのようなものがあり、どのような特徴を持っているのでしょうか。多くの企業に導入されている代表的な評価制度と、評価制度導入の際に押さえておきたい注意点について解説します。

評価制度とは

評価制度とは、従業員の能力やパフォーマンスを評価する人事制度の一種です。多くの場合、評価制度は等級制度や報酬制度と連動した仕組みが作られています。以下、評価制度の目的とトレンドについて説明します。
 

評価制度の目的

評価制度を設ける目的は複数あります。
第1に従業員の能力や業績に応じて給与・賞与・昇進・昇格などの処遇を決めるためです。とくに実力主義で給与などを決定するという体質の企業にとってはこの点が最も大きな目的となります。
第2に個々の能力と適性にマッチした人員配置や異動、プロジェクトメンバーの選出などを行うためです。
第3に不足した能力や経験などを把握し、人材育成に役立てるためです。
第4に正当な評価をし、それに応じた上記3つの対応をすることで従業員満足度を向上させ、離職を防ぐためです。
 

自社や時代に合った評価制度の種類を選ばないといけない

評価制度はもともと、旧来の年功序列制度から脱却するための制度という側面を持っています。年齢や在籍年数を基準とするのではなく、実力に応じて処遇を決めるほうが合理的であるとの考えをベースにして評価制度が導入されてきた経緯があるためです。
しかし、現在では評価制度そのものも多様化してきています。時代が進むにつれ、いくつかの評価制度が登場し、その中から自社に合ったものを選べるようになってきています。自社の課題を解決し、ニーズに適合した評価制度はどれなのかを見きわめて選ぶことが求められています。

よく使われる評価制度の種類

現在、多くの企業で導入されている代表的な評価制度を4種類取り上げて紹介します。
 

目標管理制度(MBO)

著名な経営学者であるピーター・ドラッカーが提唱した評価制度です。従業員それぞれが個人目標を設定し、その進捗や達成度によって評価を実施する制度です。
 
従業員が個々の目標に向かって努力し、その結果、社内が活性化し、成果が積み上げられて、企業全体の売上向上や成長につなげることができるという考え方に基づいています。また、自分で目標を建てるため従業員自身が納得感を得られやすいともいわれます。

コンピテンシー評価

職務ごとに定義された業務遂行能力が高い人の行動特性(コンピテンシーモデル)をもとに、評価基準や評価項目を設定して評価を実施する方式です。コンピテンシーとはハイパフォーマー人材の行動特性のことで、ハーバード大学のマクレランド教授が提唱した人事管理の概念がベースとなっています。
 
仕事で高い成果を上げる人には行動に共通した傾向があるとされ、その傾向を行動観察やインタビュー、アセスメントテストなどを通じて明確化して評価基準・評価項目とします。そのことにより、上司との相性などによる評価のブレを抑えることができ、また優秀な人材の行動特性を参考にすることで周囲の従業員の能力も向上する効果があるとされています。
 

360°評価

人事や上司による評価だけではなく、先輩・後輩を含む同僚などの複数の人の評価も取り入れる方式です。上司だけではわからない部分、判断できない部分を周囲の人間からの意見も聞くことで補完することができます。

OKR

OKRはObjectives and Key Results(目標と主要な成果)の略です。高い目標を達成するための目標管理方法の一種で、評価制度としても応用可能です。
まず、Objectives(目標)として、定性的でチャレンジング、かつシンプルで、四半期で達成できる目標を定めます。目標は企業全体のものと、それに合わせたチームや個人のものとを用意します。
その目標に対し、Key Results(主要な成果)として、定量的な指標を2~5程度設定します。もともとチャレンジングで難易度の高い目標なので、100%の成果を出す必要はなく、60~70%の達成度で成功とみなすこととします。
こうした仕組みにより、企業の目標を達成するために個人がそれぞれどれくらい努力し、結果を出したかを評価します。もちろん、個人同士が一致団結して目標達成に取り組み、企業全体として好結果を出すことが最終的なゴールとなります。

OKRでは、目標の設定で企業全体を視野にいれることになる。

評価制度導入の際の注意点

 
評価制度を導入する際は、自社に合った評価制度はどれなのかを十分に検討する必要があります。会社によって業務内容もカルチャーも異なるので、既存のフレームワークを参考に自社の条件にマッチするようアレンジして独自の評価制度を構築するのが最も理に適ったやり方となるでしょう。
 
また、どのような評価制度を導入するにしろ必須となるのが、社内の人材に関する情報を収集して管理するという作業です。少人数の会社であればそれほど難しいことではありませんが、会社の規模が大きくなるほど人材情報管理の効率化は大きな課題となってきます。この人材情報管理に有用で、従業員の能力の把握や目標達成度などの進捗確認などにも役立つのがタレントマネジメントシステムと呼ばれるツールです。評価制度を導入し運用する際は、こうしたツールを有効に活用することも必要になってきます。

現状の評価制度を改善したい、再構築したいと考えているのなら、自社にとってどのような評価制度が最も合っているのかを改めてゼロベースで検討してみる必要があるのではないでしょうか。
 

まとめ

タレントマネジメントシステムとして多くの導入例がある「タレントパレット」は、柔軟な設定と豊富な機能により、人事評価をシステム化することのできるクラウドサービスです。
さらに、社員の能力・経験・資質などの人材情報を一元管理する基本機能に加えて、人材情報をさまざまな形で活用するための柔軟なカスタマイズ性能を備えています。貴社に最適な評価制度を導入し運用するための主力ツールとしてお役立てください。