人材育成に必要なスキルって何? どうやって身につける?


人材育成に必要なスキルって何? どうやって身につける?

社員のスキルを上げ、どうしたら業績アップに貢献できる人材を育てられるか悩んでいる企業は多いのではないでしょうか。実は、有用な人材を育成するためには、単なる経験値だけではなく、一定のスキルが必要なのです。今回は、人材育成に必要なスキルや知識について説明します。

人材育成とは

 
まずは、人材育成の目的や手順について詳しくご説明します。
 

人材育成の目的

企業における人材育成の目的は、社員ひとりひとりの能力を高めることで、短期的には、生産性を上げて業績アップにつなげること、さらに社員のやる気を引き出し、社員満足度も上げることにあります。そして中長期的には、企業や組織の将来を担うリーダーを育てることまでが、人材育成の目的に含まれます。
 

人材育成の手順

人材育成には時間や手間を要しますが、論理立った手順を踏んで進めることで、効率よく効果を上げることが期待できます。
 

1.現状分析・課題の把握

まずは現状の分析からスタートします。社員の業務内容、労働時間の配分、それぞれのポジションに必要なスキルの持ち主が配置されているかなどを調査します。そこから、事業の生産性や効率、社員満足度との関連を分析し、現状における人材育成の課題を把握します。
 

2.人事戦略の策定

人事戦略は、事業戦略や経営ビジョンを達成するために必要な人材を確保・育成・配属するための戦略です。つまり、人材育成は、人事戦略の一部でもあるのです。従って、人材育成は、人事戦略における人材の確保と配属とセットで考える必要があります。
 

3.スキルマップの作成

スキルマップとは、社員が、その経験年数や役職に応じて必要とされるスキルを可視化した一覧表です。社員個々の習熟度や未熟な部分を客観的に把握でき、公平な評価と、必要とされる人材育成プランの策定に寄与します。

関連記事:スキルマップで社員の能力を可視化する|メリットや作成する際の注意点、導入例など

4.育成手法の決定

人材育成にはいくつかの手法がありますが、大きくは、OJT(On the Job Training)とOff-JT(Off the Job Training)に分けられます。
OJTは実際の業務の中で、先輩や上司から教わりながら知識や経験を積み重ねていく方法です。実務の習得に効果的な方法で、多くの企業・組織が取り入れています。中堅やベテラン社員が若手を1対1で指導するメンター制度もOJTのひとつです。一方で、教える側の負荷が増えて現場の生産性が一時的に落ちる可能性があるのと、指導者によって内容の質にばらつきが生じがちであることには注意しなければなりません。
 
Off-JTは、業務外における教育の総称で、社内外の集団研修、自己啓発、eラーニングなどがあります。現場に負担をかけずに必要なスキルを体系的に学べるのと同時に、社外のOff-JTならば、様々な属性の人との交流を通じて視野を広げられるメリットもあります。一方で、Off-JTで学んだことは、必ずしも担当業務に直結するとは限りません。
OJTとOFF-JTのメリット、デメリットを理解した上で組み合わせると、高い効果が期待できます。
 

5.人材育成の実施

作成したスキルマップに沿って、社員個々の目標を設定します。目標は、社員ひとりひとりにとって適切で、内容が具体的で、かつ定量的な評価(売上、コスト削減など)が可能なものでなければなりません。
 

6.効果の測定

設定した目標に対して、定期的に効果の測定をします。人材育成における効果測定では、企業側と社員側の2つの視点が必要です。
企業側は、人材育成がどの程度企業の利益に貢献したかに着目します。人材育成にかけたコストの費用対効果を測定することで把握するのが一般的です。
社員側は、知識やスキルの習熟度、定量的な数値目標の達成度合いに加え、業務に対する満足度や意欲の向上などの項目も測定します。
 

7.スキルマップ、人材育成手法の見直し

効果の進捗度合によっては、スキルマップや人材育成の手法の見直しも必要です。

関連記事:人材育成とは?人材育成の方法やポイント、成功事例を詳しく紹介

人材育成に必要なスキルと身につけ方

 
人材育成においては、育成する側である現場のリーダーに一定の自覚とスキルがなければ十分な効果が期待できません。では、人材を育成する側には、どのようなスキルが必要なのでしょうか。
 

課題発見に関するスキル

人材を育成する側には、まずは職場の現状を的確に把握し、課題を発見するスキルが必要です。業務の実態と現場からのヒアリングにより、社員の満足度の把握や、必要とされる人材・スキルの洗い出しを行い、現状と照らし合わせた課題を抽出します。
 

目標設定と計画に関するスキル

正しく目標を設定するには、その社員の特性を良く見極めなければなりません。社員の長所を伸ばし、短所を克服すること、そしてチームや企業が掲げる計画とのバランスを考慮した目標を設定することが重要です。スキルマップを活用すれば、長所・短所が可視化できて分かりやすいでしょう。

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指導に関するスキル

人材育成を行う指導者にとっては、何よりコミュニケーションスキルが重要です。社員のやる気や能力を最大限に引き出すには、一方的な指示やアドバイスをするだけではなく、相手の意見を尊重できなければなりません。教え導く「ティーチング」だけではなく、対話を通じて、相手に自発的な考えや行動を促す「コーチング」の要素も併せて取り入れると良いでしょう。
 

人材の抜擢に関するスキル

年齢や過去の功績、学歴などにとらわれず、優秀な人材を高いポストに抜擢するスキルもリーダーには必要です。社員の適性や能力を見極める力はもちろんのこと、選考のプロセスを開示して社内に不公平感を残さず、さらに抜擢から外れた人のケアまで気を配ることも、人材を抜擢するスキルのうちに含まれます。

まとめ

育成する側もされる側も、ともに成長できることが望ましい人材育成の在り方と言えます。人材育成に必要なスキルについてお悩みの際は上記を参考にしてみてください。タレントパレットは科学的人事をワンストップで提供するタレントマネジメントシステムです。人材育成で結果を出すためにぜひご活用をご検討ください。


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