1on1は評価面談と何が違う?話す内容や目的の違い、1on1の導入効果について


1on1は評価面談と何が違う?話す内容や目的の違い、1on1の導入効果について

近年、多くの企業が注目している1on1ですが、これまでの評価面談と何が違うのかわからず戸惑っている担当者も少なくないでしょう。どちらも1対1での対面式の面談ですが、目的や話すテーマ、期待できる効果が異なります。

この記事では1on1とは何か、その効果や評価面談との違い、話す内容などを解説します。1on1は近年日本でも注目されている人材育成手法なので、ぜひ役立ててください。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

近年、多くの企業が注目している1on1ですが、これまでの評価面談と何が違うのかわからず戸惑っている担当者も少なくないでしょう。どちらも1対1での対面式の面談ですが、目的や話すテーマ、期待できる効果が異なります。

この記事では1on1とは何か、その効果や評価面談との違い、話す内容などを解説します。1on1は近年日本でも注目されている人材育成手法なので、ぜひ役立ててください。

1on1は部下のパフォーマンス向上を目指す面談

1on1は、部下のパフォーマンスやモチベーション向上を目指すために実施する1対1の面談のことです。対話しながら個別のフィードバックができます。海外では定着しているマネジメント手法で、日本国内でも大手IT企業が取り入れたことで注目され、導入する企業が増えています。


部下の成長を促すために、自主性や本音を引き出せることが重要です。そのためには1on1の目的や意図などについて担当する上司に理解してもらう必要があります。また、長期的に実施していくことで効果が期待できます。


1on1と評価面談の5つの違い

1on1は、これまで多くの企業が実施していた評価面談とは、目的や主体、話すテーマなどに大きな違いがあります。


以下では、1on1と評価面談の5つの違いについて、それぞれ解説します。


1.目的が異なる

従来実施されてきた評価面談では、上司が部下に対して人事評価や現在の目標とその進捗の共有などが目的となっていました。一方、1on1では部下のパフォーマンス向上のサポートが主な目的となります。


社内の情報共有や上司が部下を把握するための面談ではなく、部下と対話することで、部下が抱えている課題や悩みを解決に導くための面談です。部下のスキルやモチベーションを引き出せるように、担当上司にはマネジメントスキルなどが求められます。


2.主体が異なる

評価面談は、人事評価や最新情報、進捗確認が目的となるため、上司が主体となりますが、1on1では部下を主体として対話します。上司の一方的なコミュニケーションになりがちな評価面談では、部下の抱える悩みや課題の把握や解決が容易ではないため、1on1での対話や個人の状況に合わせたフィードバックによるサポートが必要とされています。


また、主体が部下になることで自主性を引き出せるため、部下の自己マネジメント能力を引き出す効果も期待することが可能です。


3.話すテーマが異なる

評価面談では、前回設定した目標に対する進捗や評価、その間の部下のパフォーマンスに対する評価が主なテーマとなります。一方1on1では、プライベートのことや今後のキャリアについて、部下の悩みや課題など、広い範囲のテーマを話題に対話するのが特徴です。1on1で話すテーマについて詳しくは後述するため、あわせて確認してください。


必要なことだけを話す評価面談に対して、1on1は自由度が高く、上司の傾聴する姿勢が必要となります。


4.頻度が異なる

評価面談は、基本的に四半期に1回または半期に1回程度実施されます。それに対して1on1は、週1~月1回程度と短い間隔で実施されます。間隔が長い評価面談では、部下の状況を逐一把握できず、十分なサポートができません。


実施頻度が多い1on1は、部下の様子をタイムリーに把握でき、パフォーマンスの低下を抑えられます。部下の抱える悩みや問題にいち早く気づけるため、離職防止の効果も期待できるでしょう。


5.上司に必要なスキルが異なる

必要な情報を準備して伝えるだけの評価面談とは異なり、1on1では部下の成長を促すためのコーチングスキルやマネジメント力が求められます。


部下の主体性を引き出すために、部下の話をしっかり傾聴する姿勢や自己開示もすることも大事です。また、本音を言ってもらえるような的確な質問や課題解決につながる的確なアドバイスができる上司であれば、部下からの信頼も得られます。1on1に必要なスキルを上司に学んでもらうためには、管理職向けの1on1研修が効果的です。


1on1の面談で期待できる効果

多くの企業が1on1の実施により、人材育成に役立つ効果を期待して取り組んでいます。ここからは、1on1で期待できる効果について解説します。


部下のパフォーマンス・モチベーションの向上

主体を部下として対話を進める1on1は、悩みや抱えている課題を相談しやすい人間関係や職場環境の構築に役立ちます。上司のフィードバックやアドバイスにより悩みや課題を解消できれば、部下のパフォーマンスやモチベーション向上も期待できます。また、部下は自分で考えて相談や提案ができるようになるため、社内コミュニケーションの活性化が可能です。


上司と部下の信頼関係の構築

1on1の実施で、頻繁にコミュニケーションをとるようになれば、信頼関係の構築につながります。上司と部下の距離感が縮まれば、お互いに親しみが生まれるため、何でも話しやすい関係性が生まれるでしょう。信頼できる相手がいることは、仕事に対するモチベーション向上や離職防止にもなります。


1on1の面談中に話すテーマ

1on1は評価面談のように一歩的に話を進めるのではなく、対話形式で行われるため、話す内容もさまざまです。ここからは、部下のサポートに必要な情報を引き出すために役立つ、1on1で取り上げられる主なテーマについて解説します。


部下のプライベートについて

1on1では、仕事に関することだけでなく、お互いの趣味や休日の過ごし方など、プライベートに関することをテーマに話す場面もあります。最初から仕事の話では、リラックスしにくいため、1on1の入りやアイスブレイクなどに丁度よいテーマです。


1on1では、部下のメンタルヘルスなど体調を把握するのも重要となるため、就業後や休日にしっかり休めているかもチェックします。ただし、プライベートな話で盛り上がりすぎると肝心の業務に関する話ができなくなるため、適度に切り上げることも大事です。


仕事に対するやりがいやモチベーションについて

部下の仕事への不満やモチベーションが下がる出来事について把握するのも大事です。仕事に感じているマイナス面について話し合うことで、信頼関係の構築にもつながります。


また、部下がやりがいやモチベーションを感じていることは何かを把握し、伸ばしてあげることも大事です。1on1では、モチベーションを下げている要因とモチベーション向上につながる要因を特定し、部下の仕事に対する姿勢をいい方向に導くことも重要視されます。


仕事で抱える課題について

1on1では、業務上で抱えている課題や悩み、上司への要望などについて話し合うことも必要です。職場での人間関係については、社内の人間にはなかなか言い出せないことも多く、ストレスの要因となりやすい問題です。


1on1は対面式であるため、普段言いにくい課題や悩みを聞く機会にもなるので、しっかり話してもらえるような環境や関係性作りが重要です。部下が抱える課題が把握できれば、業務やチームワークの改善につなげられます。


今後の目標やキャリアについて

部下を育成するためには、部下がイメージする将来像やなりたい目標などを把握しておくのも大事です。将来像や目標を共有してもらうことで、どんなサポートができるのか考えられます。


成長するためにクリアすべきことや部下自身が身に付けたいと思っているスキルについて話し合い、何に取り組めばいいのかわかれば、部下のモチベーションアップにつながります。明確な将来像や目標がない部下の場合は、その人の強みや価値観を活かした目標設定のサポートが必要です。


企業の戦略について

部下のパフォーマンス向上を図るには、企業やチームの戦略を理解してもらうことも大事です。そのため、1on1では、企業や所属しているチームの戦略について話す機会も設けます。


企業やチームの戦略を共有することで、部下の理解を促し、今後必要な行動を話し合います。上司から提案するだけでなく、部下にも何が必要なのか考えてもらうことで、企業の戦略に参加している自覚を持ってもらい、モチベーションやパフォーマンス向上を図ります。


まとめ

1on1は、今多くの企業に注目される人材育成手法です。部下のモチベーションやパフォーマンス向上、社内の信頼関係構築に役立ちます。部下の成長や良好な人間関係の構築は、企業の利益向上にもつながる大きなメリットです。


1on1は、これまで多くの企業で実施されていた評価面談とは違い、部下の主体性を引き出すことや成長につながるサポートが目的です。評価面談よりも人材育成の面で効果が期待できるため、ぜひ活用してください。


1on1など人材育成の強化につながる方法を探している企業には、タレントパレットの人材育成の始め方ガイドがおすすめです。人材育成におけるデータ活用の最新トレンドを解説しており、時代に合った人材育成方法の導入に役立ちます。


ぜひ、以下のページから資料請求してご活用ください。


失敗しない人材育成の始め方ガイドの請求はこちら