ウィンセッションとは?
ウィンセッションとは英語で「Win-session」と表記します。日本語に訳すと「勝者のセッション」という意味です。ウィンセッションは、社員それぞれが週に行った活動や成果を社内やチーム内で1人ずつ発表する場を表します。
ウィンセッションは、平日の終わりである金曜日の夕方に開催されることが一般的です。OKRの効果を高める方法として活用されています。
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そもそもOKRとは?
OKRとは「O=objectives:目標」と「KR=key results:主要な結果」を設定することで、企業と個人の目標をリンクさせて生産性を上げる目標管理方法です。OKRを達成させるためには定期的な振り返りや共有が欠かせません。
ウィンセッションを行うことでOKRを定期的に振り返り、OKRを達成させるために必要なモチベーションを保ちます。OKRを有効に実施できるため、多くの企業が注目している取り組みです。
ウィンセッションとチェックインミーティングの違い
ウィンセッションと似た言葉に「チェックインミーティング」という用語があります。チェックインミーティングもOKRを達成させるのに有効な取り組みです。
ウィンセッションは週の終わりに行います。しかし、チェックインミーティングの開催は一般的に週の初めです。チェックインミーティングは足りないことに注目し、進捗確認を行うミーティングであり、今週のやるべきこと、OKRの自信度・理由、今後の予定などを共有し合います。
ウィンセッションの目的
OKRでは、モチベーションを維持しながら目標達成を目指すことが重要です。ウィンセッションでは、短いサイクルで目標の進捗を把握して達成を称賛し合います。また、ウィンセッションの場では、基本的にダメ出しや進捗確認は行いません。結果にかかわらず、目標に挑んだことを称賛しましょう。
ウィンセッションを行えば、メンバーそれぞれが「今週も頑張れた」「来週も頑張ろう」など前向きな気持ちで週末を迎えられるでしょう。ポジティブな気持ちで週末を迎えると社員がオン・オフをしっかり切りかえることができるため、モチベーションの維持も期待できます。
OKRの1週間の運用スケジュールと流れ
チェックインミーティングやウィンセッションを活用したOKRの運用スケジュールのモデルケースは以下のとおりです。
・週の初めである月曜日にチェックインミーティングを行う
・火曜日から木曜日までは月曜日に立てた計画に基づいて動く
・金曜日の夕方にウィンセッションを行う
企業によってはウィンセッションの際に、お酒や甘いものなどの飲食物を提供することもあります。
ウィンセッションのメリット
ウィンセッションは以下のように、企業や社員に多くのメリットをもたらします。
OKRの進捗がわかる
ウィンセッションでは、チームメンバーが各自の進捗を1人ずつ発表します。メンバーの発表を聞くことで、それぞれのOKRの進み具合や何をしたかを把握することが可能です。個人OKRの進み具合を参考に、チームや組織全体のOKRの進捗がわかるようになります。
OKRが習慣化できるようになる
OKRを設定しても、振り返りを行わなければ効果は得られません。ウィンセッションは週に1回は行われるため、OKRについて自然と振り返ったり考えたりすることになるでしょう。ウィンセッションを毎週開催することで、OKRの習慣化につながります。
モチベーションを維持できる
そもそもOKRの目標達成度は60~70%です。日々の進捗において「できなかったこと」が多くてもさほど問題ではありません。ウィンセッションでは「できたこと」に注目して褒め合う場です。ウィンセッションがなければ、自らが「できなかったこと」を気にするあまり、モチベーションを継続できないケースもあるでしょう。
ウィンセッションは基本的に褒められることが多いため、肯定感が高められてモチベーションも維持できるようになります。
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問題点が解決することもある
ウィンセッションでは、日常の悩みや疑問をタイムリーに共有できます。自分では行き詰まっていると思っていたとしても、他の人にとって難しいとは限りません。自分以外の誰かが良い事例やアイデアを提案してくれることもあるでしょう。抱えている問題がメンバーの力やチームの力で解決できることもあります。
進捗更新への楽しみが生まれる
問題解決をできた喜びやチームメンバーへの興味度合いが上がり、次のウィンセッションが楽しみになる社員もいます。良い進捗があれば、発表すること自体が楽しみになり、自ずとモチベーションも上がるかもしれません。また、メンバーの進捗が楽しみになったり、参考になる意見を聞く機会が得られたりして、週末が楽しみになる効果もあります。
メンバー同士でコミュニケーションが取りやすくなる
ウィンセッションで毎週顔をつき合わせることになるため、メンバーの仕事への取り組み方や人柄などがわかりやすくなります。ウィンセッションでコミュニケーションを取ることで、ウィンセッション以外でも話しかけやすくなるでしょう。役職に関係なく互いを認めて褒め合えるため、上司やメンバーの人柄など、普段の業務では見えにくい部分もわかるようになります。
メンバーに感謝する機会ができる
業務中に小さな感謝をたたえたり、拍手したりする機会は多くありません。しかし、ウィンセッションを行うことで、ちょっとしたことでも日頃の感謝を伝えることができるようになるでしょう。企業側もウィンセッションの場で社員に感謝の意を伝えられます。認められる、褒められることが続けば、社員それぞれの自己肯定感も向上するでしょう。
エンゲージメント向上につながる
エンゲージメントとは、社員が自発的に「会社に貢献したい」と思う意欲です。褒められることで意欲が向上し、エンゲージメント向上にもつながります。ウィンセッションによって「自分の仕事を他の人が見てくれている」と自覚できるようになり、仕事への責任感も持てるようになるでしょう。
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ウィンセッションのやり方
ウィンセッションは基本的に細かなルールなどがなく、企業やチームによってやり方や流れは異なります。こちらで解説するのは、一般的なやり方や流れを簡単にまとめたものです。
1.目的や意義などを共有する
2.直近の進捗を1人ずつ発表する(発表者以外は拍手などでリアクションをする)
3.発表者以外のメンバーが感謝の気持ちやポジティブなフィードバックを行う
4.「よい週末を」という挨拶で締めくくる
ウィンセッションを効果的にする方法
ウィンセッションは、以下のようなことを心がけたり実践したりすることで、さらに効果を発揮します。
・小さな進捗でも発表してメンバーは褒める
・小さなことでも自身の意見や感想を述べる
・静かな場所で実施する
・ホワイトボードなどを用意して意見を可視化する
・必要であれば飲食物を準備して、リラックスできる雰囲気を作る
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ウィンセッションを行う際の注意点
ウィンセッションは週1回など、一定の頻度で実施することが重要です。残業にならないように業務時間内に組み込みましょう。開催したりしなかったりなどのリズムを崩さないようにすることも大切です。
チーム全員が参加できる環境を整え、誰かが参加したりしなかったりすることがないようにしましょう。また、OKRの目標達成度は60~70%のため、完璧を求めないことをメンバーに周知しておくことも重要です。
まとめ
ウィンセッションはOKRを効果的にするために、欠かせない取り組みです。OKRがスムーズに進むようになるだけではなく、社員自身のモチベーションが向上したり問題が解決したりすることもあります。メンバー同士のコミュニケーションが活発になり、エンゲージメント向上につながることも期待できます。
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