こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
企業活動で意思決定を行う際や経営戦略を練る際に、自社のビジョンを最優先にする考え方をビジョンドリブンといいます。企業の方針がぶれなくなるため、ビジョンドリブンの導入は企業の強みになるでしょう。本記事では、ビジョンドリブンの意味や重要性、注意点などについて解説します。
ビジョンドリブンとは
経営戦略を立てる際や企業活動の意思決定などを行うにあたって、「ビジョン」の実現を最優先する取り組み方がビジョンドリブンです。ビジョンドリブンを採用すると、スピード感のある意思決定が可能になります。
ミッションドリブンとの違いや、ビジョンとの関係性について見ていきましょう。
ミッションドリブンとの違い
ビジョンドリブンと似た言葉に、ミッションドリブンがあります。こちらは、企業で何らかの決定を下す際に「ミッション」を最優先する手法です。
ミッションは「企業の存在意義」、ビジョンは「企業の将来像」を指します。企業は、ミッションを実現するために、ビジョンとして「理想の会社像」を目指さなければなりません。
ビジョンドリブンは、「企業が何を目指しているのか」という将来像に重きを置いた考え方です。一方、ミッションドリブンは「なぜそれをするのか」という、目的や使命に重きを置いた考え方といえます。
ビジョンとの関係性
ビジネスにおけるビジョンとは、会社が目指す将来像やあるべき姿を明文化したものです。社内外に企業のビジョンを打ち出すことで、会社の信頼性向上につながります。ビジョンを定めると、従業員が同じ方向を目指して自主的に活動することが可能になるため、生産性や利益の向上が期待できるでしょう。
このビジョンを意思決定の基準にするのが、「ビジョンドリブン」という考え方です。従業員の考え方や方向性をそろえ、大きな変化や困難の中でもビジョンを達成するためには、ビジョンドリブンが不可欠であるといえるでしょう。
ビジョンドリブンを採用する場合に欠かせない「ビジョン」とは、企業の目指す未来像を明確化し、あらゆる経営戦略や企業活動の基準となるものです。ビジョンの概要や策定方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
「ビジョン」については、こちらの記事をご確認ください。
ビジョンドリブンが注目される3つの理由
ビジョンドリブンが注目されている理由は3つあります。市場変動の変化が激しくなったこと、テレワークが推進されたこと、そして従業員の自主性を向上させるためです。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
市場変動の激化
市場や社会情勢の変化が激しい現代では、将来の予測が非常に困難です。そのため、意思決定時に基準を決めていないと、意思決定を速やかに下せなくなることがあります。ビジョンドリブンを採用すると基準が明確になり、意思決定のスピードが速くなるため、市場の激しい変化に対応しやすくなります。
テレワークの推進
新型コロナウイルスへの対策として、テレワークが推進されました。オフラインで会う機会が減ると、社員間のコミュニケーション不足が生じます。各個人が孤立して仕事を行う中で、業務の意味や目的を見失うこともあるでしょう。
ビジョンドリブンを採用すると、業務の目的や会社の方向性、仕事で目指すべきことなどをいつも意識することが可能になります。従業員同士の交流が減っても、向かうべき方向を見失うことがありません。
従業員の自主性の向上
ビジョンドリブンを採用すると、細かい指示を出さなくても、それぞれの社員が自分で判断できるようになります。そのため、ビジョンドリブンの採用は従業員の自主性向上につながるといえるでしょう。また、誰が意思決定を下しても、大きなずれが生じません。
ビジネスにおけるビジョンドリブンの重要性
ビジョンドリブンを採用すると、どのような良い影響があるでしょうか。ここでは、ビジョンドリブンの重要性について見ていきましょう。
業務目的の明確化
プロジェクトメンバーが同じ目的を持たないと、行動指針がバラバラになるためマネジメントが困難になります。ビジョンドリブンを採用すると、業務の目的が明確化されます。行動指針が明確になれば、会社が一丸となって同じ方向に進んで行けるでしょう。
企業に合った人材の確保
策定したビジョンは、社内外に広く伝えられることになります。採用時にもビジョンを伝えることで、ビジョンに共感した人材を多く採用できるでしょう。
ビジョンに共感した人材が増えると、共通の目標に向けて互いに協力しやすくなります。あらかじめ目指すべき方向性を把握できるため、個々の価値観が違っても意見が衝突しづらくなる点もメリットです。
ビジョンが明確で魅力的であれば、社員自身の役割が明確になり、仕事に対するやりがいや意欲の向上が期待できるでしょう。その結果、社員のモチベーションアップや従業員同士の衝突の軽減、企業の業績向上につながります。
ブランディング
モノがあふれている時代といわれて久しい昨今、「社会にどう貢献するか」というビジョンを掲げる企業が提供する商品・サービスを選ぶ消費者は少なくありません。
ビジョンドリブンを採用すると、ビジョンが明確になるため企業のブランディングにつながり、企業活動の活性化が期待できます。
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ビジョンドリブンな組織をつくる方法
ビジョンドリブンな企業になるには、どうすれば良いのでしょうか。ここでは、ビジョンドリブンな企業になるための取り組み方について解説します。
ビジョンの目的を周知させる
ビジョンドリブンになるためには、従業員にビジョンの目的を周知させなければなりません。そのためには、定期的にビジョンについて発信し、認知と再確認を行いましょう。ビジョンの周知には社内報や社内SNS、社員研修などが有効です。
ビジョン実現に積極的な従業員を評価する
ビジョンを実現するためには、人事制度をビジョンドリブンなものに変更する必要があります。また、ビジョンの実現に積極的な従業員を評価することも欠かせません。具体的には、自社のビジョンに沿って行動している従業員を、社内表彰制度や社報などでピックアップするとよいでしょう。業務にビジョンをどのようにあてはめればよいかわからない従業員のモデルケースとなります。
定期的に1on1ミーティングを行う
定期的に1on1ミーティングを行うと、ビジョンドリブンの定着につながります。ミーティングではビジョンやミッションを話し、それらを業務に取り入れる意義や必要性を認識させましょう。次回のミーティングでは、どのように取り入れたのか確認することも大切です。人事評価に直結する制度を導入すると、ビジョンドリブンの実施が従業員のモチベーションアップにもつながります。
ビジョンドリブンな組織を目指す際の注意点
ビジョンドリブンな組織を目指す際には、以下の3点に注意しましょう。
ビジョンはわかりやすく設定する
ビジョンドリブンな組織を目指すには、わかりやすく具体的なビジョンを設定しなければなりません。
伝わりづらいビジョンでは、説明に時間がかかります。また、概念としては理解できても具体的な行動に落とし込めないと、いざ実践しようとした時にどうすればよいかわかりません。
さまざまな解釈ができるビジョンにすると、それぞれが異なる解釈で動いてしまう可能性があるため、注意が必要です。なるべく具体的でわかりやすく、解釈の違いを生まないようなビジョンを設定しましょう。
経営方針・戦略をビジョンに結びつける
会社の方針や戦略が、組織の使命・価値観・戦略的目標と一致していることを常に確認しなければなりません。
ビジョンドリブンを採用すると、従業員は普段の業務の意思決定をビジョンに基づいて決めるようになります。そのため、経営方針や戦略がビジョンとずれていると、何に沿って意思決定すれば良いか、わからなくなってしまうでしょう。
誰でも同じような判断が下せるよう、経営方針や戦略とビジョンは一致させておくことが大切です。
短期間での浸透は難しい
ビジョンドリブンを短期間で組織に浸透させることは困難です。ビジョンの理解や共有、具体的な行動への落とし込みなどが必要になるため、ビジョンドリブンの浸透には時間がかかります。
自社の目的を見失わないように注意しながら時間をかけて浸透させ、従業員の行動につながるように働きかけていきましょう。
まとめ
ビジョンドリブンは、企業が意思決定を行う際にビジョンを最優先するという考え方です。ビジョンドリブンを採用すると、意思決定のスピードアップにつながります。従業員が同じ方向を向いて仕事ができる点や、意思決定のブレがなくなる点もメリットです。
ビジョンドリブンを採用する際は、人によって解釈が異なることのないような、わかりやすいビジョンを設定すると良いでしょう。従業員に定着させるためには、定期的な1on1ミーティングの実施が有効です。
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