最高の研修カリキュラム作成手順7ステップ!作り方や具体例、教育手法まで解説


最高の研修カリキュラム作成手順7ステップ!作り方や具体例、教育手法まで解説

「研修カリキュラムの作成方法や手順を知りたい」「具体例を知りたい」という方は多いのではないでしょうか。カリキュラム作成の際は、社員のスキルやレベルを考え、段階的に研修を実施することが大切です。本記事では、研修の種類・教育手法や、研修カリキュラムの作り方と作成ポイントを解説します。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。


「研修カリキュラムの作成方法や手順を知りたい」「カリキュラムの具体例を知りたい」という方は多いのではないでしょうか。自社で活躍できる人材を育成するには、社員のスキルやレベルに合ったカリキュラムが必須です。


そこで本記事では、研修の種類や教育手法、研修カリキュラムの詳しい作成方法を解説します。社員のレベルに合わせ、効果的な研修カリキュラムの作成方法や例を理解でき、自社の売上向上につながりますので、ぜひ最後までお読みください。


研修カリキュラムと作成する目的


研修カリキュラムとは、社員のスキルや能力に応じて、いつまでにどのような教育を行うのか明記したものです。企業は、社員の主体的なキャリア形成を手助けすることが求められています。


研修の目的は、社員の向上心や意欲を高めながら、組織ニーズに沿って能力を最大限に開発することにあります。より良い人材を育成して組織力が高まれば、結果として企業の成長・業績向上につながるでしょう。


研修プログラムとの違いは、スケジュールの粒度です。研修プログラムは、進行させる順番を示したものです。一方、研修カリキュラムはどのような教育内容にどのくらいの時間を費やすか、細かく計画します。


研修目的について詳しく知りたい方は、別記事「研修目的」をあわせてご確認ください。

研修プログラムについて詳しく知りたい方は、別記事「研修プログラム」をあわせてご確認ください。


研修の種類


研修の種類は、階層別研修・目的別研修に分けられます。カリキュラムを作成する前に、どのような目的で研修を実施するのか明確にしましょう。


階層別研修


階層別研修は、社員の経験年数やスキルに沿って研修対象者を分類し、必要な考え方・知識・技術を身につける目的で行われます。階層別研修の種類は、主に以下4つです。


  • 新入社員研修
  • 若年層社員研修
  • 中堅社員研修
  • 管理職研修


ひとつずつ解説します。


新入社員研修

新人社員研修の対象は、学生から社会人になったばかりの社員や中途社員です。基本的な研修として、以下3つの研修が取り入れられています。

研修の種類

研修の目的・主な内容

ビジネスマインド研修

学生から社会人への意識を切り替える

社会人としての自覚・意識を保つ

職場についての理解を深める

仕事への向き合い方を学ぶ

マナー研修

社会人としてのマナーを学ぶ

組織の一員としてのふるまいを学ぶ

コミュニケーション研修

社内の円滑な仕事の進め方を学ぶ

(報告・連絡・相談など)

コミュニケーションスキルを習得する

新人社員研修の場合、ビジネスマナーやコミュニケーションスキルなど、社会人として必要なスキル習得が主な目的です。研修室のような広い場所に集合して学ぶケースがほとんどでしょう。

具体的な業務スキルを習得する際は、OJT研修などを取り入れ、実際の業務を行いながら学びます。


若年層社員研修

若年層社員研修の対象は、社会人2〜3年目の若手社員です。まだ仕事を覚えて間もない社員が、自身の仕事を全うするための基礎や、戦力となるための応用力を身につけることを目的に行われます。
主に、以下のような研修が挙げられます。

研修の種類

研修の目的・内容

セルフマネジメント研修

自己管理能力の向上

人間関係構築力の向上

モチベーション管理

タスク管理など

キャリア研修

仕事を通して実現したいのか

働く上での指標を見出す

問題解決能力研修

問題解決能力の向上

課題抽出力と解決策構築力

企業の規模・事業内容によって、若手社員に求められる役割は異なります。例えば、従業員が20人ほどのベンチャー企業などでは、チームで成果を出すための能力を向上させなければなりません。


中堅社員研修


中堅社員研修は、社会人4年目以降の社員を対象として行われます。中堅社員は、プロジェクトリーダーなどチームの中心となる役割を任せられることが多く、新人育成や管理職との架け橋となる立場です。


組織のリーダー補佐的な研修、例えばフォロワーシップ研修やOJTトレーナー研修などが挙げられます。


管理職研修


管理職研修の対象は、現場で社員の指揮をとり、組織運営する社員です。例として、以下のような研修が行われます。

研修の種類

研修の目的・内容

リーダーシップ研修

責任感・当事者意識の養成

コーチング研修

部下を達成に導くコミュニケーションスキル習得

管理職のスキルに応じ、基礎的スキルを習得する「新任管理職研修」や、組織全体のマネジメントを学ぶ「上級者管理職研修」などがあります。


目的別研修


目的別研修は、企業の課題や経営目標によって異なり、業務に必要な専門スキルや知識習得のために行われます。例えば、都庁では都市政策研修・体験型グローバル研修など、新たな課題をテーマとした専門研修を取り入れています。


以下は、目的別研修の例です。

研修の種類

研修の目的・内容

コミュニケーション研修

社内の人間関係の活性化

コミュニケーション力向上

チームビルディング研修

目標達成のためのチーム作り

組織力向上や団結力の向上

成功体験作り


研修について詳しく知りたい方は、別記事「研修」をあわせてご確認ください。

リスキング研修について詳しく知りたい方は、別記事「リスキング研修」をあわせてご確認ください。

チームビルディング研修について詳しく知りたい方は、別記事「チームビルディング研修」をあわせてご確認ください。


研修カリキュラムに取り入れる教育手法


研修カリキュラムに取り入れる教育手法として、以下7つが挙げられます。社員のスキルや能力、企業の目的に合わせて面白い研修なども組み込めば、研修効果を高められるでしょう。


教育手法

内容・目的

OJT

実務を通じて行う研修

研修内容をアウトプットする場

OffーJT

通常業務から離れて行う研修

ビジネスマナーや必要とするスキル習得

ロールプレイ

役割に応じた演技を通じ、実践的に学ぶ

電話応対や名刺交換などのスキル習得

ケーススタディ

実務で想定されるトラブルなどの対処法を考える

グループワーク

グループ単位で課題に取り組む

チームワークやロジカルシンキングの習得

フォローアップ研修

研修の定着率を高める

eラーニング

インターネットを利用して学ぶ

場所を選ばず知識を習得

研修グループワークについて詳しく知りたい方は、別記事「研修グループワーク」をあわせてご確認ください。

研修ワークについて詳しく知りたい方は、別記事「研修ワーク」をあわせてご確認ください。

研修ゲームについて詳しく知りたい方は、別記事「研修ゲーム」をあわせてご確認ください。


研修カリキュラムの作成手順7ステップ


研修カリキュラムの作成手順について、以下7つのステップに沿って解説します。


  1. 経営理念・目標の明確にする
  2. 研修内容とレベルを設定する
  3. 対象社員を選定する
  4. 教育手法と時間を設定する
  5. 予算を計画する
  6. 予想される効果を明確にする
  7. 実施後の評価方法を決める


経営理念・目標を明確にする


まずは、自社の経営理念・目標を明確にしましょう。事業の成長や継続のためには、自社で活躍し、組織力を高めてくれる人材が必要不可欠です。経営理念や目標を明確にすることで、求める人材像が把握しやすくなるでしょう。

例えば、以下3つは(株)資生堂の新・企業理念THE SHISEIDO PHILOSOPHYです。

  • BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD:ビューティイノベーションでよりよい世界を
  • OUR DNA:1872年の創業以来受け継いできた遺伝子
  • OUR PRINCIPLES:大切にしている8つの心構え


時代と環境の変化に対応するべく、多様化する美の価値観やニーズをとらえた商品・サービスを提供し、社会に貢献するといった経営理念を策定しています。

参照元:(株)資生堂


研修の種類と内容を設定する


次に、研修の目的・レベルや時間などを考慮し、種類と内容を設定します。例えば、新入社員のための研修であれば、階層別研修のうちビジネスマナー・コミュニケーションスキルの研修を選択します。


ロールプレイやグループワーク研修を取り入れ、新入社員が面白く研修に参加できるような工夫を取り入れるのも効果的でしょう。社員一人ひとりのレベルを考え、ステップを踏むことが大切です。


対象社員の選定と動機づけ


研修の種類と内容が設定できたら、研修の対象社員の選定と動機づけを行います。目的・課題別の研修の場合、階層・年齢にこだわらず「テーマ」に最適な社員を選定すると良いでしょう。

研修を受講する社員の選定にあたって、本人の意思確認も重要です。例えば、あらかじめ「どんな研修を受けたいか」を確認すると良いでしょう。能力向上の意欲がない場合、研修の受講は逆効果となる可能性が考えられます。

ただ伝えるだけでなく「何のために」「なぜ」「どのような効果を得られるのか」などを説明することが重要です。

教育手法と時間を設定する


研修の内容とレベル・対象社員が決まったら、教育手法と時間を設定します。教育手法は、前述したロールプレイ・ケーススタディなどが挙げられます。OJTやOffーJTの場合、講義や実習形式にするかよく検討しましょう。

研修のテーマや時間によって、1つあるいはいくつかの手法を組み合わせると、効果的な学びにつながります。時間や期間は、研修全体にかける時間、もしくは研修内容・レベルのどちらに重点を置くか、よく検討して設定すると良いでしょう。

予算を計画する


手法と時間を設定したら、研修にかかる予算を計画します。研修予算として、次のものがあげられます。


  • 講師料
  • 受講料
  • 教材費
  • その他の経費など


産労総合研究所の調査によると、社員1人あたりの研修平均費用は以下の通りです。

2021年度

2020年度

実績額

29,904円

24,841円

参照元:産労総合研究所

上記の費用を目安とし、研修内容と費用が見合っているか、よく検討すると良いでしょう。交通費や会場費など、コスト削減のために自社内で実施したり、オンラインでの研修にしたりするのも有効です。


予想される効果を明確にする


研修を実施したあと、どういった効果が期待できるか明確にしましょう。具体的には、直接的な効果だけでなく、間接的にもたらされる結果についても考慮することが大切です。

例えば、技術・専門能力の高まりによる直接的な効果は、以下の通りです。


  • 経費削減
  • 生産性向上
  • 付加価値向上
  • 品質レベル向上


研修を受講することで、問題意識・役割認識・指導力や判断力などが高まり、間接的に業績全体の向上が期待できます。さらに、社員の仕事に対するモチベーションが変化し、職場風土の変容が期待できるでしょう。


実施後の評価方法を決める


研修実施後の効果を評価するため、どのような方法で評価するかを決めておきます。例として、実務・課題などを与え、結果やプロセスを評価したり、レポートを提出したりする方法があります。また、資格取得や検定受験などで評価するのもひとつの手です。

最高の研修カリキュラムを作成する際の5つのポイント


研修カリキュラムは、以下5つのポイントに沿って作成することが大切です。


アウトプットする場を用意する


研修で習得したスキルや知識は、アウトプットする場が必要です。アウトプットすると理解が深まり、身につきやすくなるためです。

座学だけでなく、グループワークやロールプレイなど、アウトプットの場がある研修を取り入れると良いでしょう。


また、忙しい社員が手軽にアウトプットする方法として、社内のSNSを活用するのも一つの方法です。研修参加者と上司を交えたグループを作成し、研修内容の振り返りやアドバイスを行います。他にも、研修の理解度を確認するために、Googleフォームを活用すれば、テスト作成から集計まで簡単に行えるでしょう。


研修内容を必要なものに絞る


研修を行う目的は、自社にとって必要な人材を育成するためでもあります。そのため、自社の方針に沿った研修や、社員の能力向上に必要なものに絞りましょう

例えば、オンラインやリモートワークなど在宅ワークがメインなら、リモートワークに特化したOJT研修が効果的です。テレワークでの仕事の進め方や、オンライン上でのコミュニケーションの注意点や業務管理・後輩指導などを学べます。

自社の業務に特化した研修内容であれば、受講する社員は活用シーンをイメージしやすくなるでしょう。

現場の意見を取り入れる


階層別研修では、各社員のスキルや能力に合わせて研修を行います。そのため、現場の上司の意見を取り入れるのもひとつの手です。


研修には個人の能力向上意欲に応じる必要があるため、柔軟な対応で人材育成に当たると良いでしょう。


社外研修を活用する


研修は社内だけでなく、社外研修を活用すると効果的です。社外研修は、目的に合わせてさまざまな内容があるため、社内研修だけでは学べない知識やスキルの習得につながります。


例えば、中小企業基盤整備機構が開催している研修は、カテゴリ・対象者別にさまざまな研修が設けられています。階層別研修のほか、組織マネジメント・財務管理など分野別にさまざまな研修があるため、効率よく学びにつながるでしょう。


参照元:分野別研修体系図


PDCAを回す


研修カリキュラムは一度作成して完了ではなく、実施内容を評価し、改善を繰り返すことが大切です。何年も同じ内容ではマンネリ化してしまいます。


時代の流れに沿って企業の経営方針を改善する際、研修カリキュラムの見直しを行うと良いでしょう。


研修カリキュラムのまとめ


時代の変化に沿った経営目標を達成するためには、効果的な研修カリキュラムを作成し、人材を育成していく必要があります。社員のスキルや能力にあわせて研修を行い、PDCAを回していくことが大切です。


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