ソーシャルリクルーティングの概要
ソーシャルリクルーティングとは、その名の通り「ソーシャルメディア」を用いたリクルートの手法です。ここでは、ソーシャルリクルーティングの基礎知識と種類について解説します。
ソーシャルリクルーティングの基礎知識
「ソーシャルリクルーティング」とは、FacebookやTwitterなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を利用した採用方法のことです。従来の採用方法と異なり、求職者と直接・気軽にコミュニケーションをとることで、堅苦しくない採用活動を実現できます。
平成29年度の総務省の発表によると、就職活動が活発な日本の20代のSNS利用率はほぼ100%に近いとされています。20代の若手を採用したい企業にとって、SNSはターゲットにアプローチしやすいツールとして認知されています。
※参考:平成29年版 情報通信白書|総務省
用いられるSNSの種類
ソーシャルリクルーティングをはじめるには、まず運用するSNSの特徴を知ることが必要です。
日本で知名度の高いSNS
・Twitter
・Facebook
・LINE
・Instagram
加えて、自分たちが実現したい採用にSNSがマッチしているかどうかを見極めることも必要でしょう。
ソーシャルリクルーティング導入のメリット
ソーシャルリクルーティングを導入した場合、従来の採用活動では補いきれなかった点をカバーすることができます。ここでは、ソーシャルリクルーティング導入のメリットを解説します。
ミスマッチ予防
SNSでは、求職者が企業の投稿に対して、自由にコメントやリアクションが可能です。企業に興味を持っている求職者同士のコミュニケーションが可能です。
一方向的な面接とは違い、双方向のやりとりができるソーシャルリクルーティングは、ミスマッチが起こりにくくなります。
採用候補者を増やせる
SNSの高い情報発信力と拡散力を活用すれば、採用候補者の母数を増やせます。また、普段使用するSNSでアプローチすることで、単純接触効果による好感度や印象の向上も期待できるでしょう。
加えて、企業がSNSに投稿した内容をシェアしてもらえた場合は、さらに広く情報が拡散されます。自社を知らない求職者へのアプローチにもつながるため、採用広報者はさらに増加するでしょう。
人柄・スキル把握がしやすい
SNSでは、採用面接だけでは推し量ることのできない人柄や情報リテラシーを把握できるメリットがあります。また、採用候補者を含む一般のユーザーは日常の様子や自身の意見などを発信しているため、緊張感ある選考の場とはまた違った一面を知ることもできるでしょう。
また、ユーザーの何気ない投稿から、情報リテラシーの低い人をふるいにかけることもできます。面接だけで不安材料を見抜くことは至難の業です。しかし、日頃の生活と結び付いているSNSでは、社会人として問題があるケースを前もって発見できます。
ソーシャルリクルーティング導入のデメリット
採用候補者の事前情報を容易に知ることができるソーシャルリクルーティングですが、SNSを利用することからデメリットも同時に考えられます。ここでは、ソーシャルリクルーティング導入におけるデメリットを解説します。
炎上する可能性もある
SNSで募集活動を行う場合、アカウントが求職者や閲覧者からクレームや批判を受けてしまい拡散されてしまうこともあるでしょう。
また、SNSに軽率な発信や配慮のない表現を投稿して炎上してしまうケースも少なくありません。加えて、配慮のない発信をしてしまうと批判の対象になってしまいます。
運用方法にしっかりとルールを定めれば問題がない場合も多いですが、ルールが明確化されていない場合は炎上のリスクは高くなるでしょう。
定期的な更新が必要になる
更新をほとんどしていないSNSアカウントは、求職者に見つけてもらうことができません。仮に見つけてもらえたとしても、今後新しい情報は更新されないだろうとみなされてしまいます。
加えて、SNS運用では企業の本音が見えるような投稿や業界の情報発信、ユーザーとのコミュニケーションを含めた長期的な運用が不可欠です。メインの採用活動に支障をきたさないよう、あくまで採用活動の一手段として計画的に運用することが求められます。
ソーシャルリクルーティング導入までの流れ
ソーシャルリクルーティングを最大限活用させるためには、正しいステップを踏んだうえでの導入が必要です。ここでは、ソーシャルリクルーティング導入までの適切な流れを解説します。
各SNSを分析する
ソーシャルリクルーティングを始める際には、まず各SNSの特徴を掴んだうえ自社の採用活動に合っているかどうかを見極める必要があります。
ソーシャルリクルーティングに用いられる主なSNS
・Twitter
・Facebook
・LINE
・Instagram
Twitterは、「いいね」「フォロー」や、気に入ったツイートを自分のアカウントに流せる「リツイート」などの機能があり、情報の拡散力が強いことが特徴です。情報発信だけでなく情報収集ツールとして活用する人も多く見られます。
・特徴:・情報の拡散力が高い、時系列で投稿が表示されるため投稿の「量」が重要
・年代:20〜40代がメイン
・アクティブユーザー:約4,500万人
Facebookは、面識のある友人や知人間、あるいはビジネス上の情報発信や連絡手段として利用されています。30~50代の利用者が多いため、中途採用に利用したいSNSです。
・特徴:友達や仕事関係の繋がり(面識がある)、結婚や転職など報告で使われることが多く投稿の「質」が重要
・年代:30〜50代がメイン
・アクティブユーザー:約2,600万人
LINE
LINEは、家族や身近な友人などリアルな対人関係における連絡手段として日常的に利用されています。チャット機能はメールや電話と比較すると気軽に返信ができることから、日程調整などの連絡手段や問い合わせ対応に向いています。
・特徴:アクティブ率が高い、日常的に利用されているため配信頻度と時間帯が重要
・年代:20〜50代と幅広い層が利用
・アクティブユーザー:約8,200万人
Instagramは、写真や動画で構成されるSNSです。10代~30代あたりの利用者が多く、以前は女性が主流でしたが、最近では男性の利用者も増えています。
・特徴:オシャレな写真や動画で世界観が作られている、画像やハッシュタグから情報収集している
・年代:10〜20代の女性が多い
・アクティブユーザー:約3,300万人
運用ルール策定
各SNSの特長を理解した後は、運用上のルールを策定します。
一般的なSNS運用ルール
・更新頻度:1週間に1~3回の頻度で、無理なく続けていくことが大切
・投稿内容:問題のない内容か社内で確認してからの投稿が大切
・返信のタイミング:できるだけ早めかつ時間帯を意識した返信を心がけたい
運用は、担当者を数名決めて行うと良いでしょう。
コンテンツ作成
運用ルールまで策定した後は、実際に各SNSで発信するコンテンツを作成します。
コンテンツは、各SNSの特徴に応じたものを発信すると良いでしょう。例として、企業の公式HPには載っていないカジュアルな投稿は求職者に親近感を持ってもらいやすいです。社員のリアルな声であったり、社内イベントの様子など、身近な投稿を心がけましょう。
半面、経営理念や経営者の想いなどのコンテンツはユーザーが避ける傾向にあります。運用するSNSによって、発信するコンテンツや投稿内容のトーンは都度変えていくと良いでしょう。
まとめ
人材不足が顕在化している現代において、「ソーシャルリクルーティング」は有効な採用手段として期待されています。ソーシャルリクルーティングを上手く活用することで、採用認知度の向上や採用コストの削減など、さまざまな場面で採用活動が有意義なものになるでしょう。
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