SMARTの法則を活用した目標の立て方とは?活用する際のポイントについても解説


SMARTの法則を活用した目標の立て方とは?活用する際のポイントについても解説

今回は、SMARTの法則の概要や活用の仕方、活用する際のポイントについてわかりやすく解説しています。また、具体的な活用例についても紹介しているため、SMARTの法則を活用した目標の設定を行いたい人は参考にしてください。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

仕事をするうえで目標を設定することは重要です。目標を設定する方法はいくつかありますが、そのなかの一つとして「SMARTの法則」という方法があります。SMARTの法則を活用して効果的な目標を設定するにはどうすればよいのでしょう。

今回は、目標設定の重要性や目標設定に役立つ手法であるSMARTの法則をご紹介します。また、SMARTの法則とFASTの法則との違い、SMARTの法則の有効的な活用方法、SMARTの法則の具体例まで詳しく解説しているため、参考にしてください。

目標の設定が重要な理由


目標設定をすることで、目標達成のための道のりが可視化できます。目標達成までの道のりが見えることで、パフォーマンス向上につながるでしょう。

目標設定をせずにダラダラと業務に取り組んでいても効率をあげようという意識は生まれません。目標がないため自発的に業務に取り組めずに指示を待つことに消極的になってしまいます。

しかし、目標設定をすることでこうした状況を変えることが可能です。目標を達成するための方法を自発的に考え、目標達成に向けて自分で動けるようになります。

ほかにも、業務効率の向上に自分で取り組めるようになるといった、従業員のパフォーマンス向上につながるため目標を設定することは大切です。

SMARTの法則とは

企業活動の目標を立てるうえで有効な方法として「SMARTの法則」があります。1981年ジョージ・T・ドラン博士によって提唱された法則で、目標を設定する際に利用されてきました。SMARTの法則を利用することで適切な目標を立てやすくなり、従業員の仕事に対してのモチベーション向上や業務効率の改善が期待されます。

目標の設定に必要な要素

SMARTとは目標の設定に必要な以下の5つの要素の頭文字のことです。

・Specific(具体的な、明確な)
・Mesasurable(測定可能な、計量可能な)
・Assingable(実現可能な)
・Relevant(関連のある)
・Time-bound(期限が明確な)

こうした5つの要素に合致した目標が設定されることで、従業員のモチベーション維持、成功確率の向上が期待されます。また、SMARTの法則を正しく活用すれば、成長が加速するといわれています。企業や従業員のそれぞれの目標を設定して計画を検証、改善することで成長につながるでしょう。

SMARTの法則とFASTの法則の違い

目標設定の方法には、SMARTの法則のほかに「FASTの法則」があります。FASTの法則は、2018年にマネジメントの専門家ドナルド・サルとチャールズ・サルによって提唱され、以下の4つの要素の頭文字から構成されています。

・Frequent(頻繁な)
・Ambitious(野心的な)
・Specific(具体的な)
・Transparent(透明な)

SMARTの法則とFASTの法則との大きな違いは、「野心的な」という言葉に現れています。SMARTの法則は、堅実で実現可能な目標を立てるのに対し、FASTの法則はより挑戦的な目標を立てるのに活用するのが一般的です。

SMARTの法則を活用した目標の立て方


次に、SMARTの法則を実際に活用するために、5つの要素を一つずつ解説していきます。

明確性(specific)

目標は、明確かつ具体的に設定する必要があります。誰から見ても達成できたことがわかるような目標を設定するのが大切です。

例えば、営業担当者の目標を「商談数を増やす」「成約率を高める」と設定した場合、何から増やし、どこからどこまで高めるのか明確でないため、第三者から見ると達成できたのかがわかりません。

一方で、「前年比で商談数を20%増やし、成約率を5%高める」といった明確な目標を設定することで第三者からも達成できたのかの判断ができます。

数値化可能(measurable)

目標は、数値化することが重要です。例えば「社内でコミュニケーションをとる」という目標では、どの程度の頻度で、どのような方法でコミュニケーションをとるのかわかりません。また、あとから達成できたのかの判断も難しいでしょう。

「一週間に一度面談する」という数値化された目標設定にすると、どういった頻度で、どのようにコミュニケーションをとるかが明確です。数値化されることで進捗管理やリソースの配分、そのあとの評価にも生かすことができます。

さらに第三者であっても目標達成の可否が判断できるため、人事評価に活用しやすいでしょう。

達成可能性(achievable)

目標は、達成可能なものにすることが大切です。到底達成できないような目標を設定しても意味がありません。

例えば、根拠もなく「前年比売り上げ200%達成」といった目標を設定した場合、達成が不可能であるため、従業員のモチベーションを保てないでしょう。達成不可能だとわかった時点でモチベーションを下げてしまったり、仕事の質を下げてしまったりする恐れがあります。

しかし、確実に達成できる目標を設定してしまうと従業員の挑戦意欲や改善意欲、成長につながりません。「ギリギリで達成できそう」な目標を設定することで従業員は達成に向けて努力し、達成できた際には達成感や、やりがいを感じられるようになるでしょう。

関連性(relevant)

従業員が設定した目標と企業の目標が関連していること大切です。また、目標が従業員の将来の利益と関連するようにします。

例えば、人事部の従業員が「10人以上の採用」を目標設定する場合や、マーケティング部門の従業員が「ブログ記事で1万PVを稼ぐ」といった目標設定は妥当といえるでしょう。さらに、その目標が従業員自身の利益と関連するのが理想的です。

また、設定した目標を達成した場合にインセンティブが支給されたり、昇給、昇格に影響したりすれば、従業員のモチベーションアップに貢献します。給与だけでなく、残業時間の削減目標といったワークライフバランスを改善するような目標設定も、会社と従業員の双方の利益に関連するといえるでしょう。

明確な期限(time-bound)

目標には、明確な期限を設けることが大切です。目標達成の期限がなかったり、期限が長すぎたりしてしまうと従業員は目標に本気で取り組みません。

また、長期間にわたる目標を設定する場合には、一定期間ごとの短期目標をあわせて設定することが大切です。明確な期限があることで、従業員は集中して業務に取り組むことが期待できます。

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SMARTの法則の具体例

次に、SMARTの法則を活用した具体例をいくつかご紹介します。

人事全般の目標設定

従業員の考課・異動・配属といった人事全般の目標設定を考えてみます。

まず、考課については、公平な判断、評価ができる数値化された目標設定が大切です。セクション別の離職率・有給休暇取得率・残業時間数・KPI達成率といった数値設定がよいでしょう。

異動・配属に関しては、異動希望者数、配属先での従業員の満足度、配属先の上司に対する満足度、配属先の部下に対する満足度といった指標が挙げられます。

人事採用の目標設定

中途・新卒どちらの場合でも、優秀な人材を確保するため、人事採用にもSMARTの法則を用いましょう。

数値化できる具体的な人事採用の計画目標としては、採用活動期間、応募者人数、採用人数などが挙げられます。採用する段階ではカジュアル面談数、面接(入社試験)回数、内定数、内定承諾数(内定辞退数)、内定承諾率などの数値での設定が可能です。

入社後の目標では、採用者の在職期間、満足度、人事評価などで設定できるでしょう。

従業員育成の目標設定

従業員育成のためのプログラムの策定、実行をする際にもSMARTの法則を活用できます。

OJT研修の実施が多い職場環境の場合、OJT計画を策定したうえで進捗度合い、満足度などを目標設定にすることが可能です。

例えば、研修の参加人数・参加時間・参加率・満足度などを数値化することで、育成を数値で評価、管理することができるためおすすめです。

ほかにもTOEICスコアや保有資格、新規取得資格などを指標に活用することもできます。

SMARTの法則を活用する際のポイント

これまでSMARTの法則について詳細に解説してきました。ここからは、SMARTの法則をより効果的に活用するために気をつけるべき二つのポイントを解説します。

成果目標と行動目標の二つを設定する

目標を設定する際は、成果目標と行動目標の二つの目標を設定することが重要です。成果目標の具体例として、「毎月10件の新規顧客獲得数」といったものが考えられます。

この成果目標に対する行動目標としては、「新規営業を1日5件以上かける」といった内容です。成果目標、行動目標の明確な二つの目標設定がされることで業務に効率的に取り組むことができます。

PDCAサイクルを活用する

SMARTの法則を使って目標を設定したあとは、業務改善のフレームワーク「PDCAサイクル」を活用するとより効果的です。

PDCAとは「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の頭文字のことで、この4項目を実施することで目標達成に向けた動きが取りやすくなります。そのため、目標を達成する確率を上げることにつながるでしょう。

PDCAサイクルを実行する過程で注意する点として、市場や環境に応じて目標、行動を臨機応変に変更してもよいということです。技術革新やコロナ禍、競合他社の動向など予期せぬ要因で、外部環境は急速に変化していきます。目標は、「一度決めたことは最後までやり抜く」と固執するのではなく、最新の環境に柔軟に適応させていきましょう。

まとめ


SMARTの法則を活用して適切な目標を設定することは、従業員のモチベーション向上や業務効率の改善などの重要な役割を果たします。SMARTの法則を効果的に運用するためには、目標を成果目標と行動目標の二つに分けることやPDCAサイクルを併用することが大切です。

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