自責思考とは?特徴やうまく付き合うポイントも解説


自責思考とは?特徴やうまく付き合うポイントも解説

自責思考がある従業員は自己分析がうまく、当事者意識もあるため、解決策を見出すことが得意です。本記事では、自責思考が注目される理由や自責思考を持つ人の特徴、うまく付き合っていくポイントなどについてご紹介します。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

自責思考とは、何らかの物事が発生した際にその原因が自分にあると捉える考え方を言います。従業員に自責思考があると自己分析や当事者意識を持つことにつながり、次への解決策を見出すことも可能です。

そこで本記事では、自責思考が注目される理由や自責思考を持つ人の特徴、うまく付き合っていくポイントなどについてご紹介します。

自責思考とは?

企業において自責思考を持つ人材がいれば成長すると言われています。しかし、自責思考にはデメリットもあるため、従業員一人ひとりが健全な自責思考を持てるように育成しなければなりません。そこで、まずは自責思考の意味や他責思考との違いについて解説していきます。

自責思考の意味

自責思考とは、何らか問題が発生した時にその発生原因が自分にあると考える思考方法です。例えば、チームメンバーで新規顧客を獲得するという目的を持って取り組んで、結果的に達成できなかったとします。結果を達成できなかったのには様々な原因があると考えられますが、自責思考を持つ人は「自分の経験が浅く未熟だった」と責任を感じてしまうのです。

そもそも、自責とは自分自身の過ちを責めたり、無意識に自分に責任を求めたりするという意味があります。ストレスを抱えがちで自己肯定感が低くなる傾向もありますが、責任感が強いため周囲から信頼される人も多いです。

他責思考との違い

他責思考とは、発生した問題の原因が自分以外の他人にあると考える思考方法です。他人のことをよく見ているので、問題点があればすぐに気付き指摘したり、改善点を提案したりするケースも多いでしょう。

しかし、自分以外の他人に責任があると判断してしまうため、当事者意識が低く他人任せにする傾向にあります。自分が責任を逃れるために、誰かに責任を押し付けたりする場合もあり、ビジネス社会では避けなければならない思考でもあるのです。

これでは周囲とのトラブルにつながる恐れもあるほか、問題解決能力が育たず、成長の機会を逃してしまうかもしれません。また自責思考が高い従業員とは、成長に大きな差が出る可能性があるでしょう。

ビジネスにおける自責思考の必要性


ビジネスでは自責思考を持つことが必要とされるケースも多いです。なぜ自責思考の考え方が必要となってくるのでしょうか?、ビジネスにおいて自責思考がなぜ必要になるのか解説します。

当事者意識が強くなる

仕事に取り組んでいると、様々な壁が立ちふさがることもあります。当事者意識とは、発生した問題点や課題に対して自分が取り組む姿勢・考え方です。「誰かがやるだろう」「無関係だから」という考え方は他責思考で見られるものですが、自責思考を持っていると当事者意識が強くなるため、「自分がやらないといけない」という責任感を持てるようになります。

仕事で問題が発生した場合、「誰かがやるだろう」という考えではいつまで経っても問題は解決されません。また、自分だけで解決することは難しくても問題や課題に対して向き合い、責任を持って取り組む姿勢は上司やクライアントなどからの評価につながり、信頼関係も構築されやすくなるでしょう。

自己分析ができる

発生した問題が自分にあるという考えから、何が原因でそうなってしまったのかを考えるのが自責思考です。例えば営業をかけていた企業の担当者から断られてしまった場合、断られた原因を探るのが自責思考による考え方と言えます。

原因を探るためには、これまでの行動などを洗い出す必要があるでしょう。自己分析を行えば、徐々にどのような営業をすれば成功しやすくなるのかも理解できるかもしれません。こうした理由から、自己分析ができる自責思考はビジネスに必要とされています。

自己学習ができる

自責思考が強いと、自分に責任があると感じることから自己分析を始めます。自責思考が強い人は分析するだけに留まらず、問題が発生した原因を自己学習することも可能です。そのため、次回以降同じ問題を繰り返さないようになります。

最初は失敗ばかりしていても、同じ原因でミスを起こさないことから失敗も少なくなり、成功体験が増えていくかもしれません。成功体験は自信につながり、モチベーションの向上も期待できます。また、失敗が少なくなれば上司やクライアントからの信頼も厚くなるでしょう。

チームとの協調性を意識できる

自責思考が強い人はチームとの協調性も意識できると考えられます。例えばプロジェクトに参加する中で、思うように進展しない状況が続いたとしましょう。

自責思考が強い人になると「もっと他の人のためにできたことがあったはず」「効率的な方法があったかもしれない」と原因を探ります。こうした考えは、他の人から「優しい」「協調性がある」というイメージにつながるでしょう。

企業では協調性を持つことが大切です。「あの人のせいでうまくいかなかった」と他責思考を持っていれば、いつまでも問題は解決せず、むしろ悪化するリスクもあるでしょう。

自責思考な人の特徴

自責思考を持つ人には、いくつか共通点がみられる場合もあります。主な特徴は以下の4つです。それぞれの特徴を詳しく解説します。

几帳面でまじめな人

自責思考を持つ人にはまじめな人が多く、率直に取り組むことで自身の責任を果たそうとするのが特徴です。定められた規則・ルールをきちんと守りながら取り組むまじめさは、周囲の人から見ても評価される部分と言えるでしょう。

また、まじめであることからメールや書類作成、人付き合いの中で几帳面さが出てくることも多いです。几帳面さもビジネスにおいて評価される部分ではありますが、こだわりすぎてしまうと、かえって周りに迷惑をかけてしまう可能性もあるでしょう。

完璧主義な人

まじめかつ几帳面さを持つ自責思考な人は、常に高い目標を自身で定めており完璧を求める傾向にもあります。例えば1つの仕事に対して100点の結果を目指しており、達成できなかった場合には自分自身を責めてしまうのです。

完璧主義は細かい部分までこだわるため、仕事のクオリティも高く維持できるでしょう。しかし、完璧主義が強すぎてしまうと万が一のトラブルが発生した場合、臨機応変に対応できない可能性もあります。また譲歩できないことで、他の人からは“一緒に仕事がしにくい”と思われてしまうかもしれません。

責任感が強い人

自責思考を持つ人は、他の人と比べて責任感が強い傾向にあります。自分に責任があると捉えられることから、与えられた仕事に対して最後までやり遂げる意志も強く、ビジネスにおいては大切な要素です。周囲の人からも信用されやすく、「この人に任せれば大丈夫」と思ってもらいやすいでしょう。

ただし、責任感が強すぎるあまり、自己完結してしまう人が多いです。誰かに相談することもできず、自分だけで役割を担おうとするため、場合によっては協調性が失われたり精神的に疲弊したりする場合もあります。

ネガティブ思考な人

自責思考の人の中には、ネガティブに考えてしまう人も多いです。問題や課題にぶつかってしまった時、これまでの言動を振り返って反省します。この振り返りでネガティブな考えが浮かんでしまい、不安になってしまうこともあるでしょう。

そもそも自責思考な人はあまり自信を持っていないことから、自己肯定感も低い傾向にあります。そのため、仕事に限らず些細な出来事に関しても後悔につなげてしまうケースも多いです。

社員のメンタル管理だけで終わらない、あらゆる人事データを統合して分析

自責思考を持つ人はどんな仕事でも責任を持って取り組めることから、企業にとっては貴重な人材です。しかし、自責思考が強すぎてしまうと精神的な疲弊につながることも懸念されます。

従業員のメンタル管理は昨今特に重視されている部分であり、きちんと管理が行われていないと生産性の低下や事故の発生リスク、離職者の発生にも影響してしまうでしょう。メンタル管理を行う際にはストレスチェックやヘルスチェックなど、健康データを一元化できるシステムの導入をおすすめします。その中でもあらゆる人事データの統合・分析も可能なタレントマネジメントシステム『タレントパレット』の利用が便利です。

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自責思考が行き過ぎるとうつ病の危険あり


自責思考は従業員の成長や信頼関係の構築など、ビジネスにおいて様々なメリットを発揮してくれる考え方です。しかし、あまりに行き過ぎた自責思考に陥ってしまうとうつ病を発症する危険性があります。

例えば自身が担当していた仕事でトラブルが発生した場合、自責思考が強い人は「自分が至らないからトラブルが発生してしまった」と自分を追い込んでしまうこともあるでしょう。また、「自分がいなければこんなことは起きなかった」とネガティブな考えに至る可能性もあるのです。こうした思考が常に付きまとってしまうと過度なストレスがかかり、うつ病を発症するリスクがあります。

ネガティブな考えに支配されてしまうのは、うつ病による思考障害の1つです。ちょっとした出来事でも悲観的に捉えてしまいます。悲観的に捉えることが増えてしまうと「退職するしかない」と思い詰めてしまうことも多いです。

自責思考とうまく付き合うポイント

自責思考は過度なストレスによって精神的な負担が大きいといった部分はありますが、うまく付き合っていけば実力以上のパフォーマンスにつながる場合もあります。自責思考とうまく付き合い、ビジネスに活用していくためにはどのようなことに注意すべきなのでしょうか?自責思考とうまく付き合うポイントを3つご紹介します。

自分自身を責めず行動を振り返る

自責思考は原因を探るために、これまでの出来事や自身の行動を振り返るのが基本です。「自分のせいだ」と考えてしまう人もいますが、ネガティブな思考に陥らないためには必要以上に自分を責めないようにしましょう。どんな行動をとったことが原因になったのかを見つけることが大切です。

また、そもそも問題の原因が自分ではない場合もあるでしょう。設計やマニュアルなどが間違っている可能性もあるため、見直してみるのもおすすめです。自分の存在を責めずに原因を見つけ出せるようにしましょう。

コントロールできない事象に責任を感じない

ビジネスで起こり得る問題の中には、自分の力ではどうにも解決できない原因によるものもあるでしょう。例えば、販売店において売上が前月比10%アップすることを目標に設定していたとします。

しかし途中で台風が発生し、客足が遠のいてしまいました。客足が天気によって左右されてしまうのは自分の力ではどうすることもできません。

こうしたコントロールできない事象に関しては、目標を達成できなかったとしても責任を感じないようにしましょう。自分のせいだと考えるよりも、コントロールできる範囲内で対策を講じる方が効果的です。

ビジネス研修会やセミナーに参加する

自責思考の定義や模範となる行動を理解するために、研修やセミナーに参加することがおすすめです。

自責思考に関する研修やセミナーに参加すれば、自身がどれほどの自責思考の強さなのかがわかり、上手な付き合い方なども学べます。自責思考の理解を深めるためにも、ぜひ研修やセミナーへ積極的に参加してみてください。

まとめ

今回はビジネスにおける自責思考の必要性や自責思考な人の特徴、うまく付き合うためのポイントなどをご紹介しました。自責思考は問題や課題が発生した際に原因を分析し、今後の改善策を見出せます。最後までやり遂げる意志が強く、チームとの協調性も意識できることから、企業側にとっても貴重な人材だと言えるでしょう。

ただし、ネガティブな考えを抱きやすく自分自身を否定し続けることで、うつ病を発症する危険性もあります。うまく付き合うためにも自分を責めずに行動だけを反省したり、コントロールできないことには責任を感じなかったりすることが大切です。

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