こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
近年はセカンドキャリア人材を積極的に採用する企業が増加しています。人生100年時代においてまだまだ活躍できる人々をサポーターやノウハウ伝承のために採用すると企業成長に直結します。セカンドキャリア人材を採用するメリットや注意点を知り、企業と従業員の成長に役立てましょう。
セカンドキャリアが注目される理由とは?
近年、少子高齢化や平均寿命の伸び、働き方改革の影響からセカンドキャリアに注目する企業が増加しています。労働人口が減少し働き手が減少したいま、60歳でキャリアを終えるのではなく、生涯にわたり働ける職場探しやスキル獲得に向けて動き出す人が増えています。
「セカンドキャリア」の意味は変化してきた
セカンドキャリアの意味合いは、時代の流れで変化しています。 本来、セカンドキャリアは、プロアスリートが現役引退後の過ごし方を考える上で使われる用語でした。しかし、近年は企業において管理職や役員がいまのポジションを退いた後のことや、若手が転職や将来を見据えたキャリアアップを指すニュアンスで使われています。
セカンドキャリアはなぜ注目されている?
終身雇用が定着していた時代では、所属する会社で40年以上勤め上げる人が多く、転職はネガティブなイメージがつきまといました。しかし、終身雇用制度が終わり、会社が個人の将来を約束できないいま、自分自身でキャリアを切り開く傾向が高まっています。会社に守られない状態の中、社会でどう生きるかを考えると、現状に満足せずスキルアップや別のキャリア構築が必要だとわかります。
また、個人がセカンドキャリアの構築を目指す場合、所属企業もサポートを求められます。所属する従業員が社内でスキルアップを行うと同時に、自分の在り方を考えるサポートを行います。
セカンドキャリアの年代別の具体例
セカンドキャリアは、それぞれ年代によって状況設定が違ってきます。年齢別に具体例を確認することで、よりセカンドキャリアの意味を深く理解できます。
【30代】確かなスキルを身につけ、経験を積み重ねる
30代の多くは企業に属し、社会経験をある程度積んでいます。企業の中で「自分は何をすべきか」「組織とはどのようなものか」を理解し始め、自分の立ち位置や現在の能力に疑問を持ったり挑戦を検討したりします。
自分のポジションや役割を俯瞰できるようになると、いまのスキルを他で活かしたり、新しい道を考えたりするようになります。30代はいまあるスキルをより高め、活かせるフィールドを探し求める意味でセカンドキャリアの言葉を用います。
【40代】将来を見据え、スキルをさらに深める
40代の多くはすでに企業で積み重ねてきた実績や経験値が豊富です。部下を持ち人材育成に携わる人も増え、企業の中で自分の強みを発揮する時期に差し掛かります。そのため、会社にとどまってスペシャリストを目指そうと考える人と独立して自分のスキルを試そうと考える人に分かれます。
40代は30代に比べると失敗が許されず、独立する場合は家庭や退職する会社の穴も大きくなります。そのため、セカンドキャリアは人生そのものを変化させる重みを持ちます。
【50代】セカンドキャリアに向けて動き出す
50代以降はスキルと経験が熟成され、指導者としてセカンドキャリアを検討します。たとえば、小売店で長くマーケティングに従事していた場合は、同業種から企業の立て直しのために役員として声がかかったり、培った経験を活かして講師の仕事に入ったりします。
50代で用いるセカンドキャリアはまさしくビジネスにおける人生の集大成です。数十年間培った経験を次世代につなぐ役割をセカンドキャリアにおいて担います。
【女性】セカンドキャリアの考え方
女性のセカンドキャリアは育児が関係しています。新卒で入社し、ある程度働いた後に結婚・出産を経験し一度職場を離れるケースが多くありますが、近年は労働人口の減少や女性進出の流れを受けて、一度リタイアした女性が社会復帰したり、新天地に踏み出したりするケースが増えています。
【スポーツ選手】セカンドキャリアの考え方
本来、セカンドキャリアはプロアスリートに用いられた用語でした。華々しい功績を残したプロのスポーツ選手は多くが20~40代で引退の時期を迎えます。スポーツ選手を辞めてからの方が圧倒的に時間が長いため、コーチや協会の役員などセカンドキャリアの構築が必要不可欠です。
セカンドキャリアの支援制度
年齢問わず求められるセカンドキャリアの構築ですが、近年は支援体制が整い始めています。下記は主なセカンドキャリアの支援制度一覧です。
助成金のタイプ | 中途採用等支援助成金 (雇用創出措置助成分) | 65歳超雇用推進助成金 |
---|---|---|
対象年齢 | 40歳以上 | 65歳以上 |
内容 | 中高年齢者が起業し、 40歳or60歳以上の従業員を 雇用することで、 雇用にかかる費用の一部を 助成 | 定年廃止・引き上げ・ 66歳以上の継続雇用制度の どれかを整備した事業主に支払われる。 |
金額 | 150~200万円 | 最大160万円。 被保険者数・年齢によって 変わる。 |
その他、企業や転職サイトが推進しているセカンドキャリア支援制度も様々です。人事や労務に携わる場合は、厚生労働省の資料や転職にまつわるニュースを積極的に取り入れて情報収集を行いましょう。
セカンドキャリア人材の受け入れだけで終わらない、あらゆる人事データを統合して分析
タレントパレットでは人材要件に対してのマッチ度を従業員ごとに算出し、不足しているスキルを補う学習コンテンツをレコメンドすることが可能です。セカンドキャリア人材の受け入れだけではなく、様々な人事データを統合し分析します。
今後もタレントパレットでは、様々な企業にタレントパレットの人材の見える化テクノロジーを提供することで、スピーディーな新しいビジネスの立ち上げを支援します。
時代は人材情報「管理」から人材情報「活用」へ!
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セカンドキャリアに役立つ資格
セカンドキャリア構築には現在持つスキルだけでなく、説得力を持たせるための資格取得がおすすめです。参考までに、セカンドキャリア構築のために役立つ資格を下記に一覧します。
- 簿記
- 社会保険労務士
- 中小企業診断士
- 宅地建物取引士
- 建築士
- 1級ファイナンシャル・プランニング技能士(CFP)
業界に特化したものはもちろん、コンサルタントや経営サポートに活かせる資格が人気です。
セカンドキャリアに求められるスキル
企業がセカンドキャリア人材の採用を目指す場合は、どの業務にどの立場で参画してもらうかを明確にします。一般的にセカンドキャリア人材に求められるスキルは下記のとおりです。
- 高い専門性
- 幅広い領域への知見
- 実務経験
セカンドキャリア人材は、高い専門性を武器に企業に入ります。しかし、専門性は知識だけでなく実務経験が伴っていなければ説得力を持たせられません。また、専門分野だけでなくビジネス全般への知見も必要です。経営陣と対等に議論し、部門や会社を成長に持ちびくためには幅広い知識も求められます。
セカンドキャリア人材の採用メリット
本章では企業がセカンドキャリア人材を採用するメリットを3つ紹介します。セカンドキャリア人材特有のスキルの高さは企業成長に寄与するでしょう。
高いスキルや豊富な経験を持つ人材を受け入れられる
自社で高いスキルを持った人材を育成する場合、数年〜数十年の月日を要します。しかし経費の削減や急速な変化への対応が求められる時代において、人材育成への投資は減少しています。そのため、すでに専門性が高い人材を採用することでコストを削減したり、優秀な人材を効率的に確保できたりするでしょう。
人手不足や経験値不足を解消できる
セカンドキャリア人材の登用は、企業の人手不足やスキル不足を解決します。部門や企業にプロフェッショナルが加わると、生産性が高い作業フローを構築したり高いスキルを元に技術の伝承が可能です。
従業員や職場の士気が高まり一体感が生まれる
セカンドキャリア人材の登用は、社内のモチベーション向上にも寄与します。これまで停滞傾向にあった部署にプロフェッショナルを配置すると、従業員が抱える不明点や不安な点を解消でき、安心して業務に取り組めたり積極性が高まったりします。
セカンドキャリア人材の受け入れ企業に求められるもの
セカンドキャリア人材を受け入れる場合、即戦力や育成担当として迎えられる反面、人材の意見を尊重する機会も必要です。
たとえば、人材育成に特化したセカンドキャリア人材を採用した場合、企業理念や経営目標に準じた育成プランを組み、業務を遂行してもらいますが「企業のやり方は私の考えと異なるため同意しかねる」とのトラブルが発生する可能性があります。企業として目指す姿とセカンドキャリア人材がこれまで培ってきた経験が衝突し、時には仲違いするでしょう。
セカンドキャリア人材は企業に大きなメリットをもたらしますが、受け入れ体制が整っていない場合は双方ともに不利益を被ります。セカンドキャリア人材を採用する際は、企業が人材に求めることを言語化し、対象者に納得してもらった上で採用に踏み切りましょう。
まとめ
「人生100年時代」の到来で、様々な年代においてセカンドキャリアが求められています。しかし、セカンドキャリアの構築には本人の努力だけでなく所属企業側の受け入れ体制や教育体制の整備も欠かせません。自社の人材をさらに伸ばしたい場合や、従業員個人の豊かさをサポートすると、従業員のエンゲージメント向上につながります。
タレントパレットの人材データ分析機能を活用すると各従業員のスキルを多角的に把握し、適切な配属だけでなく、的確な育成も可能です。従業員のスキル管理やセカンドキャリア支援の基盤づくりはタレントパレットの活用がおすすめです。