リファラル採用はトラブルが多い?回避するための5つのポイントを徹底解説


リファラル採用はトラブルが多い?回避するための5つのポイントを徹底解説

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。


「リファラル採用は、コストを抑えられそうだけど他にメリットはある?」

「トラブルもあるって聞いたけど、成功させるための秘訣を知りたい」

「リファラル採用について、人事部以外の社員にも共有したほうがいいんだろうか?」

という方は多いのではないでしょうか?


リファラル採用を行うと、コストをかけずに優秀な人材を集められます。また入社後のミスマッチも低減できるでしょう。しかし、リファラル採用は成功事例が注目されがちですが、実際にトラブルも発生しています。あらかじめ、どのようなトラブルが起きやすいかを知っているか知らないかで、リファラル採用後の社員の定着率などに大きく関わってくるでしょう。


そこで本記事では

・リファラル採用とは何か

・リファラル採用のメリット・デメリット

・リファラル採用で起こりうるトラブルと回避する方法

について解説します。


「リファラル採用を成功させて、優秀な社員の多い母集団にしたい」という方のお悩みを解決できる内容になっているので、ぜひ最後までお読みください。


リファラル採用は在籍社員が間に入る採用方法

リファラル採用とは、企業の採用活動において社員に間に入ってもらい、友人や知人の紹介によって人材採用を行う方法です。リファラル(referral)とは「紹介・推薦」を意味し、アメリカにおいてメジャーな採用方法として知られています。


日本でも、リファラル採用は費用対効果が高い採用方法として近年注目されています。リファラル採用と似たものにコネ採用(縁故採用)がありますが、コネ採用とリファラル採用の違いは以下の通りです。

リファラル採用 縁故採用
対象者 社員の知人・友人など 役職者の親類や知人など
適正やスキル 求められる 求められないことが多い
選考プロセス 選考試験などが実施される ない場合が多い

実際に企業内で働く社員がリクルーターとなって、採用活動に関与するリファラル採用は、コネ採用とは大きく異なります。リファラル採用には、以下のようなメリットがあります。


  • 転職潜在層へアプローチできる
  • 採用コストを削減できる
  • ミスマッチを低減できる


一方でデメリットも存在し、トラブルに発展することもあります。起こりうるトラブルや、未然にトラブルを防ぐ方法について、詳しく見ていきましょう。


リファラル採用で起こりやすいつ8のトラブル

ここでは、リファラル採用で起こりうる8つのトラブルについて解説します。


  • 不採用になった場合に紹介者との人間関係が悪化する
  • 既存社員と似たような人材ばかりが入社してくる
  • 既存の社員の協力を得られない
  • 社員や各部署の抱えている問題を把握せずにリファラル採用を進めてしまう
  • 既存の社員から良い印象を持たれない
  • 採用しても早期に退職してしまう
  • 紹介した社員よりも好待遇で採用され信用を失う
  • 社員への報酬支払いが違法になることがある


起こりうるトラブルの内容と、その原因についてそれぞれ詳しく見ていきましょう。


不採用になった場合に紹介者との人間関係が悪化する

応募者が不採用になった場合に、紹介者との人間関係が悪化する場合があります。リファラル採用はコネ採用と違って、採用が約束されたものではありません。また、選考基準も一般の採用基準と同じであるため、不採用になることもあります。


リファラル採用は一般の選考より合格しやすいという誤った認識を持っていると、不採用になった際に納得がいかず、紹介してくれた社員との人間関係が悪化する恐れがあるのです。


既存社員と似たような人材ばかりが入社してくる

リファラル採用では、社員の知人や友人が対象となるため、同じ価値観を持った者同士であることが多く、似たような社員が集まってしまう可能性があります。


その結果、人材の同質化が起こり、他の採用方法に比べて人材の多様性が損なわれるリスクがあります。人材の同質化が進むと、企業内の思考がマンネリ化したり、イノベーションが起きにくくなったりするといったデメリットも生じうるでしょう。


既存の社員の協力を得られない

既存社員にリファラル採用への協力を呼びかけても、誰も快く応じてくれない場合があります。日常業務が忙しくて手が回らなかったり、採用活動は人事がすべきものと思っていたりする社員が多いのが主な原因です。


また、社員にリファラル採用についての周知が、十分に行き届いていないことも考えられます。リファラル採用では、どの部署でどのような人材を募集しているかなどについての周知はもちろん、協力してくれた社員に対する、報酬などのインセンティブを提示することも重要です。


リファラル採用の報酬について詳しく知りたい方は、別記事「リファラル採用報酬」をあわせてご確認ください。


社員や各部署の抱えている問題が置き去りになる

社員や各部署の抱えている問題が置き去りになるリスクもあります。企業内の各部署や各社員の問題や課題を把握できないと、円滑なリファラル採用を行うことはできません。たとえ採用したとしても、新しい人材を適材適所に配置するのは難しいでしょう。


社内の問題や課題発見のために、社員の声を拾い上げ、モチベーションやエンゲージメントを分析できるよう情報の可視化が求められます。また、公平な評価システムがないと社員のモチベーション低下につながる恐れもあります。


既存の社員から良い印象を持たれない

リファラル採用で入社すると、既存の社員から良い印象を持たれない可能性もあります。企業内の社員の中には、リファラル採用とコネ採用の区別がついていない人がいる場合があります。


そのため、リファラル採用で入社した人に対してネガティブな印象を持つこともあるでしょう。リファラル採用にかかわる者だけでなく、全社員にリファラル採用について理解してもらうための周知が必要です。


採用しても早期に退職してしまう

リファラル採用で入社しても、早期に退職してしまう人もいます。リファラル採用は、ミスマッチをなくすために有効ですが、実際に入社してみて「こんなこと聞いていない」などと不満を感じる人も少なからずいるものです。


早期に退職してしまうと、紹介した社員は会社に対して申し訳ない気持ちになり、肩身の狭い思いをするかもしれません。


紹介した社員よりも好待遇で採用され信用を失う

リファラル採用で内定を出す場合、応募者のスキルや資格等によっては、好待遇で採用することがあります。場合によっては、紹介者よりも良い条件で雇用契約を結ぶこともあるでしょう。

応募者と紹介者は、知人・友人の間柄であるため、お互いの待遇について話をする可能性もあります。そのときにリファラル採用において好待遇で入社したことを知ると、紹介者である社員は知人・友人に対して劣等感を抱いたり、会社に対して不信感を抱いたりする可能性があります。

社員への報酬支払いが違法になることがある 

リファラル採用において、紹介を行った社員への報酬支払いが違法になる可能性があります。職業安定法第48条では「労働者の募集に際して、被用者等が従事する場合に賃金、給与等を与える場合を除いて報酬を与えてはならない」という旨の規定があります。


また、紹介に対する報酬金額があまりに高い場合にも、違法と判断される場合があるので注意が必要です。


参照元:e-GOV 職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)


リファラル採用でのトラブルを防ぐためのポイント5選

ここからは、これまで見てきたリファラル採用で起こりうるトラブルを防止するための施策を5つ紹介します。


  • 不採用の場合も見越して紹介者と応募者に配慮する
  • 募集する人材のペルソナを明確にする
  • 選考前に説明会などを通して企業を知ってもらう
  • 選考の基準等を明確にしておく
  • 報酬に関して就業規則に賃金規定を設けておく


これらの施策を意識して実施することで、トラブルを回避しやすくなるでしょう。


不採用の場合も見越して紹介者と応募者に配慮する

応募者が不採用になった場合に、紹介社員との関係が悪くならないよう、企業側としても配慮が必要

です。リファラル採用を行う際には、応募者に過度な期待を持たせないよう、不採用になる場合もあることをあらかじめ伝えておきましょう。


そして、実際に不採用になった場合には、その理由を明確に本人に伝えて納得してもらうことが大切です。


募集する人材のペルソナを明確にする

リファラル採用で募集をかける際には、紹介して欲しい人物像を明確にしましょう。企業側が欲しい人材について、以下のようなペルソナを明確にすることで、企業の母集団の質を高められます。


  • スキル
  • 資格
  • 学歴
  • 前職での経験
  • 人柄
  • ライフスタイル


企業が求める人材を明確にし、それを企業内でも共有すれば、ペルソナに見合った人物を紹介しようという社員の意欲が高まる可能性があります。


選考前に説明会などを通して企業を知ってもらう

リファラル採用では、いきなり選考に入るのではなく、説明会などを通して企業のことをよく知ってもらいましょう。ミートアップや面談などで企業のことを理解し、選考を受ける前の動機づけにすることが大切です。


リファラル採用では、紹介者である社員の知人・友人であることが多いため、最初は気軽な気持ちで応募してくることもあり、入社に対して真剣でない可能性もあります。


企業のことを理解しないままの生半可な気持ちで選考を受けて入社しても、早期退職につながる恐れがあるため、採用前のミートアップや面談は大変重要な意味を持ちます。


面接と面談は明確に違うものです。両者の違いについて詳しく知りたい方は、別記事「面談面接違い」をあわせてご確認ください。


選考の基準等を明確にしておく

応募者に対して、選考の基準を明確にしておくことも大切です。リファラル採用であっても、一般の選考と基準は同じであることを、最初に伝えておきましょう。

また、リファラル採用は比較的新しい制度であるため、内容について知らない社員も多くいます。リファラル採用を行う前に、社内においてリファラル採用の制度や基準を説明するだけでなく、採用予定人数や紹介可能人数なども周知しておく必要があります。

報酬に関して就業規則に賃金規定を設けておく

職業安定法に反しないように、報酬に関しては就業規則の賃金規定に記しておく必要があります。リファラル採用は、社員が報酬を得ることを目的とはしていませんが、社員が受け取るのは「賃金、給料その他これに準ずるもの」である必要があると定められています。


リファラル採用で紹介をした対価としてではなく、業務の一つとして求職者を紹介し、給与・賃金の一部として支払われる必要があるのです。


参照元:厚生労働省|募集・求人業務取扱要領


リファラル採用の成功事例3選

リファラル採用に成功した企業の事例を3つ紹介します。


  • 富士通株式会社
  • 株式会社メルカリ
  • 株式会社KDDIエボルバ


リファラル採用に対する、企業のさまざまな取り組みを知ることで、自社にも活かせるポイントが見えてくるでしょう。


富士通株式会社

富士通株式会社は、全社員にリファラル採用について関心を持ってもらい自分ごととして捉えてもらうために、さまざまな施策を行ってきました。SNSを活用するなど、友人紹介のハードルを下げることを意識して取り組んできた企業の一つです。


また、紹介者と応募者について管理をしたり、求人情報を一元化したりするなどリファラル採用に関するデータの可視化にも力を入れてきました。


社内外に向けてリファラル採用を行っていることをアピールしています。既存社員が一人紹介を行うと1万円のギフト券をプレゼントするというキャンペーンを行うなど、社内の関心を高めることにも成功しました。


リファラル採用で入社した人からは「あらかじめ社風や仕事への取り組み方、上司や部下との人間関係などについて話が聞けたので、入社後に大きなギャップはなかった」という声が出ています。


株式会社メルカリ

株式会社メルカリでは、既存社員にリファラル採用について「いい人いない?いたら紹介して」というように分かりやすい言葉で伝え、社内周知を行なってきました。


担当者は既存社員にリファラル採用の制度について、いかに分かりやすく伝え、いかに利用しやすくするかが大事であると話しています。


また、リファラル採用は人の紹介なので「紹介する方も紹介された側も裏切らない」と担当者は実感しているといいます。


メルカリは20人規模のミートアップを開催するなど、候補者の選定だけでなく多くの人が集う場の提供を行っている点も特徴的です。


ミートアップを通じて、企業についてよく知ってもらうことはもちろん、既存社員にとっても友人・知人を気軽に紹介できる雰囲気作りに成功していると言えるでしょう。


株式会社KDDIエボルバ

株式会社KDDIエボルバは、エンジニアの採用が激化している採用市場で差別化を図るために、リファラル採用を取り入れた企業の一つです。


リファラル採用では、既存社員が社風や仕事のやりがいなど魅力的な部分を伝えるだけでなく、悪い面も知った上で入社をしてほしいと担当者は語っています。


2021年度のKDDIエボルバのリファラル採用を通したエンジニアの採用決定率は、70%にも上っています。また、紹介者と応募者、紹介者と採用担当の信頼関係が良いため、マッチングが成功した好事例と言えるでしょう。


リファラル採用を導入している企業についてもっと詳しく知りたい方は、別記事「リファラル採用 大手」をあわせてご確認ください。


人事業務の効率化、データ活用をするならタレントマネジメントシステムの導入が必須


人事業務をDX化することで、社員データの一元化・人材検索・人事評価・配置検討などの幅広い業務を効率化できるようになります。また、人材育成・最適配置・社員パフォーマンスの最大化など、組織力向上を目的とした一歩先のタレントマネジメントまで実現が可能です。

また、タレントマネジメントシステムを導入すれば、社員データを集約し人事評価のペーパーレス化や異動シミュレーション、ハイパフォーマー分析など、高度な施策が実施できます。タレントマネジメントを取り入れて、自社のリソースを最大限に活用しましょう。

社員のエンゲージメントを高めてリファラル採用で優秀な人材を集めよう

社員のエンゲージメントが高いと「この会社にもっと貢献したい」という想いが芽生え、リファラル採用に協力してくれる社員が増えてくるでしょう。


エンゲージメントを高めるためには、普段から社員一人ひとりについて仕事に対する思いや、モチベーションを把握する必要があります。


社員のエンゲージメントを高めるのにおすすめのサービスが、タレントパレットです。タレントパレットのサービスを利用すると、以下のことが実現可能です。


  • 社員のエンゲージメントやモチベーションの分析
  • テキストマイニング技術による社員の声の見える化
  • 設問を社内向けに自由にアレンジできる社員向けアンケートの作成


社員も巻き込んでリファラル採用を行うことで、企業全体が優良人材の多い母集団になるでしょう。

ぜひタレントパレットのサービスをご検討ください。


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