こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
ビジネスにおいては、正社員のことをプロパー社員と呼ぶことがあります。しかし、プロパーが何を意味するのかよく 把握していないというケースもあるのではないでしょうか。
この記事では、プロパーという言葉の意味やプロパー社員のメリット、注意しておきたいポイントなどを解説していきます。
プロパーとは
ここでは、プロパーという言葉にどんな意味があるかをみていきましょう。
プロパーの意味は「固有」
英語における「プロパー(proper)」は、「固有の」「正確な」「本来の」「適切な」「本来の」といった意味です。ビジネスの現場では正規雇用者のことを「プロパー社員」と呼ぶことがあります。
その他の分野でもプロパーという言葉が使われることがあり、分野によって、何が「本来の」「適切な」という意味にあたるか異なる点には注意が必要です。
たとえば、学問の分野では、特定の学問における専門家を指して「○○学プロパー」と呼ぶこともあれば、正規の商品であることを指して「プロパー商品」、金融機関が独自に行う投資を「プロパー投資」と呼ぶこともあります。「プロパー」は、幅広い場面で使われる言葉だといえるでしょう。
プロパー社員とは
ビジネスの現場で使われる「プロパー社員」という言葉は、一般的に自社の社員を意味して使われます。
たとえば、次のような使い方が想定されるでしょう。
- 中途採用者の社員と新卒採用の社員を区分して呼称したいときに、新卒採用の社員のことを「プロパー社員」と呼ぶ
- 契約社員や派遣社員に対して、正社員をプロパー社員と呼ぶ
- 出向してきた社員に対して、自社に所属している社員をプロパー社員と呼ぶ
プロパー社員が持つ長所
ここでは、プロパー社員の長所についてみていきましょう。
高いエンゲージメント
プロパー社員は、新卒採用されてから、その会社に所属している社員を差すケースが多く、会社に対するエンゲージメントが高い場合が多い状況です。
スポーツでも、長くそのチームでプレイしている選手は存在感が大きく、中心的な戦力となる場合が多く見られます。ビジネスの現場においては、派遣社員や契約社員、中途採用者と比較して、愛社精神が育っていると評価されやすいといえるでしょう。
市場や自社についての理解が深い
プロパー社員は、長く現場で働いてきた経験から、自分の仕事や社内での立場、市場における自社の立場についても深い理解があります。トラブルに見舞われた場合も対処方法や優先すべきことをすばやく判断でき、長く働いているほど一般社員や管理者としても頼れる存在になっている場合が多いでしょう。
モチベーションが高い
プロパー社員は、会社にとって大きな戦力であり、手放したくない存在です。そのため、プロパー社員は待遇面や契約面、給与面で優遇されているケースも多く、仕事も高く評価される傾向にあります。
プロパー社員としても給与面や待遇面で高く評価されていると感じられれば、モチベーションアップにつながります。さらに、よい仕事ができる動機づけになるでしょう。
実力の伴ったプロパー社員の存在は、会社にもメリットになります。プロパー社員をどう育て、どんな仕事をまかせるかによって、会社の業績が左右されるといっても過言ではありません。
プロパー社員の短所
プロパー社員に関して注意したい言動のポイント
ここからは、プロパー社員が会社のデメリットとならないために注意しておきたいポイントを解説します。
意見の押し付けや目標とのズレなどは、マネジメント側であっても意識しなければなりません。
自分の意見を押し付けていないか
プロパー社員は、経験やスキルを積んでおり、信頼できる貴重な人材といえるでしょう。
しかし、中長期的な会社のメリットを考えて、部下を育てたり、社員一人ひとりが自分で考えて仕事を行ったりすることも大切です。プロパー社員が自分の意見を部下に押し付ける、新しいアイデアを拒否するなどの動きを行っていないか、コミュニケーションを通して管理しなければなりません。
部下やプロパー社員以外の声にも耳を傾け、全員で仕事をこなしていく姿勢を示せば、プロパー社員がよい刺激を与える存在となるでしょう。また、全員のモチベーションアップも期待できます。
目標や目的がズレていないか
プロパー社員は、長らく同じ会社・職場で勤めているため、人によっては視野が狭くなることもあります。会社全体としての目標やチームやプロジェクトごとの課題があった場合、個人的なこだわりを優先していないかをマネジメント層が確認しましょう。
目的がズレていれば、優先順位が変わり、チームやプロジェクトとしてはよい成果が得られないかもしれません。
契約社員や派遣社員も含め、意見が言いやすい関係を築いて自由な意見交換ができる場を設け、全員の意識を調整・修正していくことも大切です。
連絡ミスが多発していないか
プロパー社員が非プロパー社員に対して、コミュニケーション不足の状態になっていると、連絡ミスが増える可能性が高くなります。長年勤めているプロパー社員にとっては、当然に思えることも勤め始めて間もない社員には把握できていないことがある場合もあるでしょう。
プロパー社員が「これくらいわかって当然だろう」と考えていると、チームワークが乱れたり、不満が蓄積したりする可能性も否定できません。
円滑な信頼関係が構築できれば、細かな配慮がしやすくなり、連絡ミスの防止も期待できます。そのため、コミュニケーションとして、仕事の経験を伝え、お互いを知り合う機会を設けることも大切です。
社内チームワークを高める取り組み
プロパー社員を含めた全員がよい仕事をするため、会社としてできる取り組みをみていきましょう。
人事評価制度を見直す
仕事ができるプロパー社員は会社にとって貴重な戦力になるため、給与面や待遇面で優遇したくなるものです。しかし、その評価や待遇が他と比較して、不公平であれば他の社員のモチベーションダウンにつながります。
人事評価制度を見直し、給与面や待遇面の不公平さや同一労働同一賃金の違反がないかなどを再チェックしてみましょう。
加えて、360℃評価制度を活用して、プロパー社員である上司を周りの社員も評価できるようなシステムを取り入れる方法も効果的です。
意見交換の機会を増やす
業務中は達成すべき目標やこなすべき仕事があるため、プロパー社員に不満や意見があっても伝えにくい環境となることも多いといえるでしょう。定期的な意見交換の場を設け、チームワークの乱れが見られる場合は、話し合いの時間を別に設けなければなりません。
また、当事者同士のみでの話し合いは、自由な意見が出にくいといえます。公平な目線で見る第三者的な立場の人間が同席すれば、視野を広げる機会になるため、違う部署の人間を交え、和やかな雰囲気で話し合える場を作ることも大切です。
給与制度を細分化する
給与面では、プロパー社員の立場が強調されやすい仕組みとなっている可能性があります。しかし、非プロパー社員を公正に評価するためにも技能給や資格手当など、個人の能力に応じた賞与を設定し、細分化された給与制度を設けてみましょう。
立場に左右されない評価制度と給与制度があれば、非プロパー社員のモチベーションアップにもつながります。
研修を充実させる
業種にもよるものの、プロパー社員と非プロパー社員では、経験やスキルの差が生まれやすく、チームワークの乱れの原因になることもあります。
そうしたスキルや経験の差を埋める取り組みとして、契約社員や派遣社員、中途社員向けのセミナーや研修を開く方法も検討してみましょう。
プロパー社員にとっても、非プロパー社員の能力がアップすれば、スムーズに仕事ができるメリットが生まれます。目的に合わせて、開催される研修やセミナーの内容を共有しておくとよいでしょう。
まとめ
プロパー社員は重要な戦力です。しかし、上手くマネジメントしなければ、職場でのチームワークを乱す原因になることもあります。プロパー社員以外の従業員と軋轢が生まれないよう、会社としてできる取り組みを積極的に実行していきましょう。
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