これからの時代に求められる人材とは
企業運営では、チームワーク、課題解決能力、正確性やスピードなど、さまざまな資質が求められますが、これからの時代に必要とされる人材のひとつとして挙げられるのが「自律型人材」です。自律とは「自分が構築した規範や信条に基づいて行動すること」をいいます。
つまり、上司や先輩から指示されたことだけをこなすのではなく、自分に与えられた仕事の意味、企業として目指すところを自分なりに考え、成果を出すための行動に移せる人材が「自律型人材」です。
変化の激しい時代ですから、会社としての事業がうまくいかず大きな壁にぶつかることもあるでしょう。そのようなときも自律型人材であれば、くじけることなく壁を突破する方策を考え抜き、行動し、道を切り開いていきます。
そのほか、組織にとけこみ、なおかつ組織を動かしていくためには、行動力があり、リーダーシップを発揮して周囲を巻き込んでいける人材も欠かすことができません。行動力と統率力のあるリーダーは、部下にやる気を起こさせ、必ずいい結果につなげていきます。結果的に、組織全体の業績アップにもつながるということです。
さらに、IT時代、ビッグデータの時代といわれる昨今、最新分野の事情に明るく、深い専門性を持つ人材も必要不可欠といえます。データを読み取って正確に分析する力、新しいシステムを開発して構築する力は、成長をサポートする礎となるからです。
T型人材とは
これからの時代に必要とされる人材は、自律型人材だけではありません。冒頭で簡単に触れた「T型人材」も、これからの時代に求められる人材のひとつです。
ジェネラリストでありながら専門分野を持った人材
T型人材とは、ジェネラリストであり、なおかつ専門分野の知識も豊富な人材のことです。
これまでは、ジェネラリストと専門職で、役割がはっきりと別れている傾向にありました。
前者を「-(マイナス)人材」、専門知識を持つスペシャリストを「I型人材」と呼んでいましたが、これからの時代は、その両方を兼ね備えた人が求められています。それを「-」と「I」を組み合わせた「T」という文字で表現したのが「T型人材」です。
もう少しかみ砕いてみましょう。
ジェネラリストとは、広範囲に渡る知識や技術を持つ人のことです。もとになっているのは「全体的な」を意味する「ジェネラル」という英単語で、全体の方向性を指揮するプロデューサー、企業においては管理職をイメージするとわかりやすいかもしれません。先ほどの「-人材」に該当しますが、これは「マイナス」という意味ではなく、横に広がる文字に幅広さのイメージを重ねたものです。
同様に「I」は、ひとつのことに特化しているイメージで使われています。垂直にスキルを伸ばし、その分野のことであれば他と一線を画す専門家であるということです。
これからの時代は、全体に目配りできる「-」の資質を持ちながら、スペシャリストとしての知識「I」も備えている人材が必要となってきます。こうした社員をいかに確保できるかが企業にとっては重要であり、課題でもあるのです。
T型人材の育成方法
T型人材を育成する際のポイントとなるのが、まずは専門的な知識をしっかりと確立することです。社内研修や外部研修、資格試験の支援など、スケジュール面からも費用面からもサポートする体制を整えておきましょう。
さらに、幅広い視野が養えるよう、ジョブローテーションの中に組み込んだり、出向して社外に出たりという人事も必要です。
この両者を組み合わせての育成を実現するためには、長期スパンで計画的に進めていくことがポイントといえます。いつどんな経験をして、どんな成長をしているのか、きちんとモニタリングできるような体制を作りましょう。
H型人材とは
T型人材とともに、これからの時代に求められる「H型人材」についても理解を深めておきましょう。
専門家でありながら他の専門家とつながりを持つ人材
H型人材は、自分の専門を持ちながら、ほかのジャンルの専門家とつながりのある人材、つながりを持てる人材のことをいいます。
先ほどのT型人材との違いは、「人と人をつなげる」という点です。「H」の文字の縦線2本が専門性を持ったふたりを表し、横棒が両者のつながりを表しています。T型人材は個人的なスキルに注目する考え方ですが、H型人材の場合は、自分の専門性を生かしつつ、いかにほかの分野の専門家とつながれるかがポイントです。
H型人材の育成方法
すでに専門性を持っている人材をほかのジャンルの専門家とつなぐために必要なのが、組織の壁を越えることです。
例えば、部をまたいだプロジェクトに参加させる、関連会社に出向させる、ほかの企業に研修に送り込むといったことが考えられます。本人の適正や能力、会社の方向性を見極めることで、実情に合った育成方法が見えてくるのではないでしょうか。
また、社内でサンクスポイントといった社員同士で「ありがとう」を伝え合う制度を作成することも有効です。組織の壁を超えたコミュニケーションが手軽にできるようになり、思わぬ人脈や交流が広がることを期待できます。
まとめ
これからの時代の求められる人材「自律型人材」「T型人材」「H型人材」に該当する人、これから育成できそうな人に、ぜひとも入社してもらいましょう。そのためにも、お伝えした内容を採用活動の参考にしてください。なお、タレントパレットでは、社員のスキルや成長モニタリング、社員同士のリレーション、活躍人材の性格特性など様々な角度から人材を分析できる タレントマネジメントシステムです。あわせてご活用ください。