こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
「中堅管理職が育たなくて困っている」「具体的な育成方法がわからない」「モチベーションを上げる方法を知りたい」とお悩みではないでしょうか。
中堅管理職は管理職としての役割に慣れてくる一方、業務の範囲や責任が増え、多くの悩みを抱えることが少なくありません。中堅管理職がうまく育たないと一般社員も育たず、企業の成長に大きな影響を与えます。
そこで本記事では、中堅管理職の悩みや課題を明らかにし、必要なサポートについて詳しく解説していきます。
効率良く中堅管理職を育てられるようになり、業務の効率化にもつながりますので、ぜひ最後までお読みください。
中堅管理職とは
中堅管理職とは、新任管理職になって数年が経過し、業務に余裕が出てきた管理職のことです。ベテラン管理職として多くの業務を担う一方、モチベーションの低下など問題を抱えていることも多く、適切な育成が求められるポジションです。
中堅管理職は自身の業務以外にも、組織全体のパフォーマンス向上のために尽力することが求められます。後輩の育成や、部下と上級管理職との橋渡しなどの役割も担っているため、業務の円滑化・企業の発展のために欠かせません。
中堅管理職が育たない3つの理由
中堅管理職が育たない・定着しないのは、企業自体に問題があることが多いです。具体的な理由を、順に見ていきましょう。
人材育成がうまくいっていない
中堅管理職がうまく育たないのは、企業全体の人材育成がうまくいっていないのが原因です。具体的には、中堅管理職を育てる上級管理職の育成がうまくいっていないことと考えられます。
よい部下(中堅管理職)が育つためには、良い上司(上級管理職)の存在が不可欠です。企業全体の人材育成の方法を見直し、自社に合った方法で効率良く育成を進めていく必要があります。
人材育成について詳しく知りたい方は、別記事「人材育成」をあわせてご確認ください。
中堅管理職に必要な研修を受けていない
管理者としての研修不足も原因として挙げられます。業務を回していくために必要なスキル・知識が不足していては、自信を持って勤務できません。
具体的には、以下のようなケースが考えられます。
- 新任管理職研修しか受けていない
- 新任管理職研修後のフォローアップができていない
- 業務が忙しくて研修を受ける時間がない
根本的な原因は、コスト削減や研修時間が取れていないことです。人材育成には中長期的な目線が必要で、スキルアップのための研修が欠かせないことを経営者が理解し、実施していかなければなりません。
人材不足や配置ミス
慢性的な人材不足は、企業が抱える大きな問題です。例えば、組織全体の人材不足による適任者の欠如、無理な人材配置などが理由に挙げられます。マネジメントが得意でない、調整役が苦手など、管理職に向いていない社員も少なくありません。
中堅管理職を育てるためには、管理職になってからではなく、一般社員から育て上げるという視点を持つことが重要です。採用時からの一貫した人材育成が行えれば、人材不足や配置ミスに悩むことはなくなるでしょう。
タレントパレットなら採用から人材育成まで一元化でき、データで管理できます。スキルや経歴、適正なども管理できるため、効率良く中堅管理職が育成できるようになり、人材不足や配置ミスも少なくなります。興味のある方はぜひ資料請求してみてください。
中堅管理職が抱える3つの悩み
中堅管理職がうまく育たないのは、経営者側が管理職の悩みに注目できていないのも原因です。現場がどのような悩みを抱えているのか、具体的に見ていきましょう。
部下とのコミュニケーションがうまくいかない
部下とのコミュニケーションに悩む中堅管理職は実に多く、立場や年代の違いからスムーズなコミュニケーションが取れず、業務に影響を与えてしまっています。部下とのコミュニケーションでよくある悩みは、以下の通りです。
- 指導方法や声かけの方法がわからない
- 報連相がない
- モチベーションの引き出し方がわからない
- 指示や指導しても聞いてくれない
コミュニケーションがうまく取れないと、チーム全体もうまく回りません。チーム内で、中堅管理職が孤立し、業務に影響を与えてしまうケースもあります。
上級管理職と板挟みになってストレスを感じている
中堅管理職になると、上級管理職と部下との間をつなぐ役目が加わります。板挟みになることをストレスに感じ、萎縮してしまうことも少なくありません。
例えば、部下を立てると上級管理職から叱責され、自分のミスにされてしまいます。しかし、上級管理職の言う通りに進めると部下から批判され、仕事がうまく回りません。部下と上級管理職や経営陣との間で双方の意見をうまく汲み取り、調整することができていない、といったケースがあります。
結果的に仕事量が増え、さらにストレスや負担になっていることも散見されます。
自分に与えられた役割がよくわからない
上級管理職との間で板挟みになり、自らの役割を見失ってしまう中堅管理職も多く見られます。例えば、新任当初はやる気にあふれていた中堅管理職が、年々求められている役割ややるべきことがわからなくなってしまうというケースです。
自分の悩みを相談できる相手がおらず、社内で孤立し、現状から抜け出す方法がわからないことに悩むこともあります。上から言われるがままに部下に指示を出し、部下からの信頼を失ってしまったケースもあります。
自らを立て直すことができず、与えられた役割をうまくこなせなくなった結果、上司や部下から役に立たないと思われてしまうケースも少なくありません。
中堅管理職の育成で重視したい5つのスキル
中堅管理職は、管理職として部下の指導に当たるだけでなく、経営陣など上級管理職との調整役を担っています。中堅管理職に必要なスキルを見ていきましょう。
部下への指導・育成力
中堅管理職の仕事の1つは、部下の指導・育成です。初任管理職の時とは異なり、より大きなチームで多数の部下の指導・育成を担っています。
具体的には、以下のような業務を行っています。
- 部下の適性や不足しているスキルを見抜く
- 目標設定やモチベーションの維持
- 進捗管理
- 成果への評価やフィードバック
- 失敗したときの対応
若手社員の適正やスキルに応じて仕事を任せながら、良い部下、また責任感のある中堅社員を育てることが求められています。
マネジメントスキル
中堅管理職には、業務を円滑に遂行するための各種マネジメントスキルが求められます。例えば、以下のようなスキルが挙げられます。
- 業務マネジメント
- コンプライアンス・リスクマネジメント
- 人材マネジメント
- メンタルヘルスマネジメント
- 組織マネジメント
中堅管理職は複数のマネジメントを同時進行させていかなければならないため、大きな負担がかかります。また、必要な知識も多岐にわたり、部署によっては専門業務の知識が必要な場合もあるため、最新知識の習得も必要です。
コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルは、部下への適切な指導・育成や、上級管理職との調整に欠かせないものです。具体的には、以下のような力が求められます。
- 経営陣や上級管理職の指示を的確に伝える力
- 部下の意見を聞く・くみ取る力
- クライアントや上層部と折衝する力
- 関係部署などと調整・情報収集する力
中堅管理職の役目は、部下と上級管理職の両方から信頼され、両者の間に立って調整することです。両者が対立しないよう、細やかな調整力が必要です。
問題解決力
中堅管理職は、業務を遂行していく上で、さまざまな判断を行います。そのため、コンセプチュアル・スキル(概念化力)と言われる、物事を本質的に見極める力も求められます。
また、チームにある顕在的な問題だけでなく、以下のような潜在的な問題にも対処していかなくてはなりません。
- まだ見えていない問題やリスクの発見
- リスク回避や軽減のための措置
- 問題が発生したときの具体的な対処
- 再発防止のための措置
業務改善には、関係各所との調整も必要になります。問題が起きた時に、迅速な対応ができるかどうかもポイントです。
自己研鑽力
中堅管理職は、次期上級管理職としての自覚やマインドを持つことが求められます。そのため自己研鑽に努めスキルアップしなければなりません。自チームだけを見るのではなく、広い視野を持って企業全体を見つめ、人を動かし業務を遂行する力が求められるためです。
そのため自らの能力を磨き、自律的に成長する力が欠かせません。自らをマネジメントできなくては、他人をマネジメントするのは難しいからです。
中堅管理職には、以下のようなマネジメントが必要でしょう。
- アンガーマネジメント
- 健康管理
- ストレスマネジメント
- タイムマネジメント
意欲的な中堅管理職を育てるためには、自己研鑽や個人のスキルアップを積極的に支援することが大切です。
中堅管理職を効率良く育てる3つのポイント
中堅管理職を効率良く育てていくためには、必要なスキルや知識を習得させるだけではなく、企業の経営戦略や現状に応じて進めていくことが重要です。具体的なポイントを見ていきましょう。
理想の中堅管理職像を明確にする
中堅管理職を育てていくためには、経営陣が理想とする中堅管理職像を明確にすることが欠かせません。そのためには、中堅管理職の育成に力を入れること、また目標とする中堅管理職像を共有することも大切です。
中堅管理職の育成には数年かかることを念頭に置き、目標や計画を具体的に立てていきましょう。中堅管理職だけでなく、一般職員も含め組織全体としての育成に取り組むと良いでしょう。
人材育成に必要なコストを惜しまない
人材育成には時間と費用がかかるため、重要性は理解していても後回しになることがほとんどです。しかし、手間やコストを惜しんでいては中堅管理職はおろか一般社員も育たず、企業の成長も見込めません。
人材育成の必要性を経営陣が重視することや、必要な研修を受けさせフォローアップを行うなど、育成に時間や費用をかけていくことが大切です。人材育成は、中〜長期的目線を持ち、計画を立てて行っていきましょう。
経験を積ませる
意欲的な中堅管理職を育てていくためには、新たな仕事や少し難易度の高い業務など、さまざまな経験や挑戦をさせることが大切です。既存の業務だけでは刺激が足りず、モチベーションや意欲が低下してしまうためです。
中堅管理職に新たな挑戦をさせるときは、失敗を許容する環境やフォロー体制を整えておきましょう。失敗を恐れては良い経験が積めず、逆にストレスになって萎縮してしまうからです。
新たな経験を積ませることで自信がつき、解決力や実行力を育てられます。将来良い上級管理職となるためにも、新たな経験をどんどん積ませていきましょう。
中堅管理職におすすめの3つの研修
中堅管理職は、不足している経験やスキルを見ながら、複数回にわたって研修等を受講させることで効率良く育成できます。中堅管理職の育成におすすめの研修を見ていきましょう。
スキルアップ研修
中堅管理職に必要な知識やスキルを補完する、スキルアップ研修がおすすめです。特に組織・人材・業務の3つのマネジメント力の強化や、ブラッシュアップができるような内容が良いでしょう。
中堅管理職におすすめの内容は以下の3つです。
- 業務マネジメント
- ティーチングやコーチング
- リスクマネジメント
業務内容に応じた知識・スキルアップを目的に、実務的な内容を補完しましょう。最新情報を学べる、具体的な業務力が向上するなど、業務を円滑に回すための研修が必要です。
リーダーシップ研修
中堅管理職としての役割を再認識させ、行動や意識の変革を促し、主体的に動けるようになるリーダーシップ研修もおすすめです。モチベーションの低い中堅管理職や、伸び悩んでいる時には、次のような内容が良いでしょう。
- リーダーシップ
- ファシリテーション
- チームビルディング
- セルフマネジメント
中堅管理職として自信を持ち、チームの先頭に立って導いていけるような内容が効果的です。
フォローアップ研修
フォローアップ研修は、業務の振り返りや、研修で学んだことを実務に活かせているかを確認させたいときにおすすめです。目標の達成度や業務の改善点を見つけることに繋がり、中堅管理職自身のスキルアップもできるでしょう。
おすすめは次の3つです。
- リフレクションスキル
- ロジカルシンキング
- PDCA
第三者からの客観的なフィードバックやディスカッションを通して、自己分析もできるようになります。孤立しがちな中堅管理職が、相談できる仲間やネットワーク作りができる集合研修で行うと良いでしょう。
人事業務の効率化、データ活用をするならタレントマネジメントシステムの導入が必須
人事業務をDX化することで、社員データの一元化・人材検索・人事評価・配置検討などの幅広い業務を効率化できるようになります。また、人材育成・最適配置・社員パフォーマンスの最大化など、組織力向上を目的とした一歩先のタレントマネジメントまで実現が可能です。
また、タレントマネジメントシステムを導入すれば、社員データを集約し人事評価のペーパーレス化や異動シミュレーション、ハイパフォーマー分析など、高度な施策が実施できます。タレントマネジメントを取り入れて、自社のリソースを最大限に活用しましょう。
中堅管理職は企業の成長に不可欠!長期的な目線を持って育成しよう
中堅管理職は企業の成長に不可欠と言え、必要な人材が育っていないのには相応の理由があります。また長期的な目線を持って育成していくことが重要です。
中堅管理職の育成には、コストや時間がかかりますが、企業の成長のために、一般社員を含め企業全体の人材育成に注力していくと良いでしょう。
タレントパレットなら、中堅管理職の育成状況が一元管理でき、研修履歴や不足しているスキルも把握しやすくなります。またモチベーション管理もできるため、中堅管理職の離職防止にも役立ち、企業全体の人材育成が効率良く進められるので、ぜひ導入を検討してみてください。