「こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。」
「自社のパルスサーベイがうまく運用できているか不安」
「パルスサーベイを実施したいけど、意味がないの?」
という方は多いのではないでしょうか。
株式会社Boulderの調査によると、「サーベイによる改善・効果への実感ができない」と回答している社員が7割いるという結果が出ており、意味がないと感じている人も少なくありません。
出典:約7割が従業員・組織サーベイは「無駄」「疲れる」「改善を実感できない」。Wellが「従業員・組織サーベイへの意識と改善状況」を独自調査
しかし、パルスサーベイを適切に運用すれば、業務改善や組織のエンゲージメント向上につながり、組織に良い影響を与えることができるのです。
そこで本記事ではパルスサーベイの必要性について紹介します。
パルスサーベイを実施するメリットや、効果的な運用方法について紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
パルスサーベイが意味ないと言われる理由
パルスサーベイは、週1回や月1回など短いスパンで社員に対して意識調査をすることです。会社に対しての満足度調査やストレスチェックなどをして、人材の心境や状態を確認します。
パルスサーベイで社員にアンケートに答えてもらい、結果を分析すれば、社員のニーズに合った改善策が明確になり、優秀な社員の離職防止や組織の活性化に効果があります。
ただし、パルスサーベイを意味がないと思っている人も少なくありません。この章では意味がないと言われる理由について紹介します。
- マンネリ化により正確な情報を収集できない
- スパンが短くて十分な対策を行えない
- 社員への作業負担がかかる
- 効果的な質問ができているとは限らない
- 運用する側の業務負担も大きい
さまざまな部署から不満の声が上がる可能性があるため、パルスサーベイを導入する際は細心の注意が必要です。
マンネリ化により正確な情報を収集できない
パルスサーベイは毎回同じような質問に回答しなければならないため、マンネリ化しやすく意味がないと思っている人がいます。
特に仕事が忙しい社員は、面倒であると感じてしまい、適当に回答する可能性があるため正確な情報を収集できません。たとえば、4つの選択肢の中から回答するアンケートの場合、全ての質問に対して同じ回答をしてしまう人もいるでしょう。
何のためにパルスサーベイを実施しているかを知らないと、回答する気にならないため、アンケートをないがしろにしてしまいます。効果的なパルスサーベイを行うには、マンネリ化を防ぐ必要があります。
スパンが短くて十分な対策を行えない
パルスサーベイは調査だけでなく、データの分析や改善策の提案・実行することが大切ですが、スパンが短すぎて十分な対策を行えない場合があります。
他の業務がある中でパルスサーベイを実施しなければならないので、結果を精査できずに次の調査を開始してしまうケースも少なくありません。
対策できないままパルスサーベイを行い続けると、ただアンケートを取るだけの状態になってしまい、実施してもムダになります。
時間を割いて調査に協力したのに何も改善がないと、周りの社員から不満の声が上がるため、意味がないと思われてしまいます。
社員への作業負担がかかる
効果的な調査をしたいと思った結果、質問数を多くしてしまい、社員への作業負担が大きくなるおそれがあります。
回答に時間を取られることにより、他の仕事に影響が出てしまい、パフォーマンスが落ちる可能性もあります。質問数が多いほど工数が膨れ上がるため、社員のモチベーションが低下する原因にもなりかねません。
また、質問数が多すぎるあまり、パルスサーベイ自体がストレスに感じてしまい、調査結果に影響が出て有効な回答が得られない場合もあります。
効果的な質問ができているとは限らない
パルスサーベイは質問数が少ないことが望ましいですが、社内環境や業務の改善に効果的な質問を決めるのが難しい問題もあります。
適切な質問を選ばないと効果的な調査結果が出ないため、解決策の提案がうまくできません。
効果的な質問を作成するには、パルスサーベイに関する知見やノウハウを持っている人材が必要です。もし自社にパルスサーベイの経験がある社員がいない場合は、長期的にPDCAサイクルを回しながらアンケートを作成し、ノウハウを蓄積していくことが求められます。
運用する側の業務負担も大きい
人事担当者は人材育成や採用活動など、さまざまな業務を遂行しなければならない中でパルスサーベイを実施する必要があり、人事担当者にとって大きな負担になります。
パルスサーベイでは、以下の作業を実施する必要があります。
- 調査依頼
- 調査結果の収集・分析
- 部門ごとによる課題抽出
- 各部門へのフィードバック
上記のようにパルスサーベイは多くの作業を高頻度で実施する必要があり、一定の工数を費やさなければなりません。パルスサーベイを効率良く運用するためには、データ収集や分析などの事務的な作業をシステムで自動化することも検討する必要があります。
人事データの分析方法について詳しく知りたい方は、別記事「人事データ分析」をあわせてご確認ください。
パルスサーベイを実施する4つのメリット
パルスサーベイは意味がないと言う人も少なくありませんが、その原因はうまく運用できないことが挙げられます。適切に運用すれば、パルスサーベイは会社環境や業務の改善に有効なものになるため、実施することをおすすめします。
この章では、パルスサーベイを適切に実施すると得られるメリットについて紹介します。
- リアルタイムで社員の満足度を把握できる
- 組織のエンゲージメントが向上する
- 他の調査よりも低コストで実施できる
- 社員が内省する機会を作れる
パルスサーベイが自社に必要な取り組みかを判断できますので、ぜひ以下をお読みください。
リアルタイムで社員の満足度を把握できる
パルスサーベイは高頻度でアンケートを行うため、社員の状態をリアルタイムで把握できます。会社の満足度や精神的な健康状態のちょっとした変化も可視化でき、トラブルが起きる前に対応できるようになります。
たとえば、社員の満足度が先月よりも急に落ちたことがアンケートでわかったとしましょう。その際、モチベーションが低下している可能性や転職の志望度が高まっている可能性が予測されるので、事前に離職防止策を実行して社員のエンゲージメントを向上させられます。
組織のエンゲージメントが向上する
調査で得られた結果や改善案を各部門にフィードバックすることで、組織のエンゲージメントを向上できます。部門に調査結果をフィードバックするもので、個人の回答が部門内に出回るリスクがないため、特定の社員を攻撃せずに組織の改善活動に取り組めます。
調査結果から得られた社員の声に対して適切に処置すれば、社員の会社に対する満足度を向上でき、組織の活性化も期待できます。
他の調査よりも低コストで実施できる
パルスサーベイは年に1、2回程度しか行わない調査「センサス」と比べると、低コストで実施できます。センサスの場合、質問量が多く分析に手間がかかるため外注する必要がありますが、パルスサーベイは自社でも運用できるので、外注費を抑えられます。
アンケートについても、メールやチャットなど自社で活用しているツールで運用でき、工数負担も少ないことから、予算が少なくても実施しやすいです。
社員が内省する機会を作れる
パルスサーベイが自身の仕事ぶりや今の気持ちを振り返る機会になるのがメリットです。内省は社員が成長するために欠かせません。自分の状況を把握して、どのような行動すればよいか考える力が身につけられれば、社員が自身で考えて動ける人材へと成長できます。
パルスサーベイは質問内容が自分の問いかけとなり、社員が内省できる機会を強制的に作ることが可能です。上司との面談とパルスサーベイを掛け合わせれば、自発的に内省して自分の考えを伝えて行動できるようになるため、成長スピードを高められる効果があります。
効果的なパルスサーベイを行う5つの方法
ここでは、効果的なパルスサーベイを行う方法を5つ紹介します。
- 目的を明確にし、質問内容を精査する
- 社員が回答しやすい方法を考慮する
- 調査内容や目的を社員全員に共有する
- パルスサーベイに特化したチームを作る
- データの収集・分析業務を自動化する
周りの社員が納得できる運用をするために、上記の方法を実行してみましょう。
目的を明確にし、質問内容を精査する
パルスサーベイでアンケートを作成する前に、目的を明確にしましょう。目的によってアンケートで聞くべき質問が変わるため、自社にどのような問題があり、解決したい課題は何かを考えてから質問内容の方向性を決めてみてください。
また、パルスサーベイを行うこと自体が目的にならないようにしましょう。パルスサーベイはあくまでも社内の現状を把握する目的で活用されるツールです。課題発見と改善策の提案の手段にすぎないので、ただパルスサーベイをやったとしても、その後のアクションがなければ何も効果が得られません。
社員が回答しやすい方法を考慮する
パルスサーベイは高頻度で社員にアンケートを依頼するため、できるだけ工数を奪わないように配慮しましょう。
スムーズに回答できるアンケートの作成ポイントとして、以下のようなものがあります。
- 回答を記入式にせず、選択式にする
- 設問の数を少なくする
- 読んですぐ理解できる質問文を作成する
- メールやチャットで回答できるようにする
社員がストレスなく回答できるアンケートづくりを意識して、パルスサーベイを実施しましょう。
調査内容や目的を社員全員に共有する
アンケートを依頼する前に、社員に調査に協力してもらえるよう目的や調査内容について共有しましょう。とくにアンケートに率直に回答してもらうには、個人が特定されない仕組みや調査内容の共有範囲について事前に説明することが大切です。
パルスサーベイについて納得してもらえない場合、適当に回答をする社員や本音を記載しない社員が出てくる可能性があるため、必ず周囲の理解を得てから実施しましょう。
パルスサーベイに特化したチームを作る
パルスサーベイについて知見のあるスタッフが主導となってチームを結成することも、成功するためのひとつの手段としておすすめです。
プロジェクトチームを作って試行錯誤しながらパルスサーベイの運用に取り組めば、効果の出るアンケートを作成でき、組織のエンゲージメントを向上につながる取り組みを行えます。
また、パルスサーベイのチームができたことが社内に伝われば、それだけ重要な調査だと知らせられるので、積極的に協力する社員も増えるでしょう。
成果を出すには、できるだけ他の業務で負荷がかからないよう、チームメンバーの工数の軽減も検討してみてください。
データの収集・分析業務を自動化する
パルスサーベイは頻度が多いため、できるだけ事務的な作業を減らすことが望まれます。データの収集や分析業務などを手作業でした場合、多くの工数が発生するので、できるかぎり自動化できるようにしましょう。
パルスサーベイの実施や結果の収集にかかる工数負担を軽減する方法として、弊社のタレントマネジメントシステム「タレントパレット」があります。
タレントパレットでは、アンケート機能によって簡単に調査依頼や回答の収集をでき、すぐに結果を見られます。また、テキストマイニングという技術を用いており、アンケートの記載されたテキストの文脈から、社員のモチベーションを数値化することも可能です。
結果に基づいて社員のモチベーションの変化を確認し、問題があればすぐに対策に取り組めます。
もしタレントパレットについて導入を考えている方は、下記リンクからより詳しい情報を把握できますので、ぜひ参考にしてみてください。
パルスサーベイの具体的な質問内容
パルスサーベイに活用できる具体的な質問内容について紹介します。パルスサーベイはできるだけ質問数が少ない方がよく、5個〜15個程度が望ましいと言われています。
この章では、以下の3つのジャンルに分けてパルスサーベイの質問内容を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
- 社員の満足度に関する質問
- 企業理念に関する質問
- 業務に関する質問
以下で紹介する質問内容を参考にして、アンケートを作成してみましょう。
社員の満足度に関する質問
社員の満足度に関する質問は、主に仕事に対してのやりがいや、楽しく働けているかを確認します。
具体的な質問として以下のようなものがあります。
- 今の業務で自分の知識やスキルを発揮できていますか?
- やりがいを感じていますか?
- 最近仕事でうれしかったことはありますか?
- 業務中に自分の成長を感じられますか?
- 自分のポジションに満足できますか?
質問の回答が急に変わった社員がいたら、フォローすることを検討しましょう。
企業理念に関する質問
企業理念に関する質問では、社員が自社や経営陣に対してどのように思っているかを確認します。
具体的な質問項目は以下のとおりです。
- 企業目標や経営戦略を理解していますか?
- 経営陣の方針に納得できますか?
- 今の経営陣を信頼できますか?
- 上司は信頼に値しますか?
- 家族や友人に自社で働くことを勧められますか?
社員がマイナスな回答をした場合、経営層に対して不信感があると考えられます。不信感を拭うためにも、社員に企業理念への理解を促進させたり、経営陣に不満の声を伝えたりしましょう。
業務に関する質問
業務に関する質問は、主に現在の部署や業務内容に対して不満がないかを確認できます。具体的な質問として、以下のようなものがありますので、見てみましょう。
- 業務量や業務の難易度は自分に合っていますか?
- 悩みを打ち明けられる上司や同僚はいますか?
- 今の業務内容に不満はありますか?
- 自分の意見は組織内で受け入れられていますか?
- ワークライフバランスは実現できますか?
社員が不満を持っていると回答した場合、社員のモチベーションが低下している可能性があります。モチベーション低下を防ぐためにも、部署内の問題点を調査して改善をサポートする必要があります。
人事業務の効率化、データ活用をするならタレントマネジメントシステムの導入が必須
人事業務をDX化することで、社員データの一元化・人材検索・人事評価・配置検討などの幅広い業務を効率化できるようになります。また、人材育成・最適配置・社員パフォーマンスの最大化など、組織力向上を目的とした一歩先のタレントマネジメントまで実現が可能です。
また、タレントマネジメントシステムを導入すれば、社員データを集約し人事評価のペーパーレス化や異動シミュレーション、ハイパフォーマー分析など、高度な施策が実施できます。タレントマネジメントを取り入れて、自社のリソースを最大限に活用しましょう。
パルスサーベイを適切に実施して、組織の活性化を図ろう
パルスサーベイは適切に運用することで、組織のエンゲージメント向上や社員が内省する機会を作れるなどのメリットがあります。パルスサーベイの運用に成功するためにも、目的に合わせて質問項目を作成し、社員の負担を軽減して実施しましょう。
また、運用するスタッフの作業負担を減らせるよう、タレントマネジメントシステムの活用も検討してみてはいかがでしょうか。
弊社のタレントパレットでもパルスサーベイを実施でき、テキストマイニング機能によって、社員一人ひとりの満足度をすぐに把握できます。アンケートの収集や分析にかかる工数を減らせるため、フィードバックに注力でき、効果的なパルスサーベイを行えるでしょう。
もしタレントパレットの導入を検討している方は、下記ページでより詳しく機能について知ることができますので、ぜひ参考にしてみてください。