こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
「人材育成マネジメントって難しそう」
「会社や社員にとってメリットはあるの?」
「成功するためのポイントやツールがあれば知りたい」
と考えている方は多いのではないでしょうか?
人材育成マネジメントは、社員の能力開発を目的とした人材管理のことをいいます。人には感情があるため、上司の思い通りに動いてくれないこともあるでしょう。そのため、管理する側には一定の能力やスキルが求められます。
そこで本記事では
- 人材育成マネジメントとは何か
- 人材育成マネジメントで得られるメリット
- 人材育成マネジメントを行うためのステップ
- 人材育成マネジメントを行うために必要なスキル
- 人材育成マネジメントを成功に導くポイント
- 企業における成功事例
などについて解説します。
「社員一人ひとりの得意分野をちゃんと理解して伸ばしてあげたい」という方のお悩みを解決できる内容になっているので、ぜひ最後までお読みください。
人材育成マネジメントは社員のスキル向上のための人材管理
人材育成マネジメントは、社員の能力開発を目的とした人材管理です。育成とマネジメントには以下のような違いがあります。
育成 | 上司が部下に気づきを与えながら長期的に能力開発を行うこと |
マネジメント | 組織内でヒト・モノ・カネなどを効率よく活用し、計画を立てて目標達成を目指すこと |
人材育成はすぐに達成できるものではないため、中長期に渡る計画が必要です。その計画を遂行するために、マネジメントが必要となります。
人材育成マネジメントで得られる4つの効果
人材育成マネジメントでどのような効果が得られるのかを解説します。
- 社員のモチベーションが上がる
- 優秀な人材の確保につながりやすい
- 組織全体の生産性が上がる
- 働きやすい職場環境が整いやすくなる
既存社員にとって働きやすい職場になるだけでなく、求職者にとっても「この会社で働きたい」と思ってもらえる職場環境の構築につながるでしょう。4つの効果について、1つずつ詳しくみていきます。
社員のモチベーションが上がる
人材育成マネジメントによって、社員を育成しモチベーションアップにつなげることが期待できます。適切な人材育成マネジメントができると、社員一人ひとりが自分で考え、状況を判断して行動ができるようになります。
仕事に対して自律的に行動することで、周りからの評価も高くなり、よりいっそう会社に対するエンゲージメントの向上が期待できるでしょう。
このことで周りの社員も刺激を受けて、社内全体の活性化も期待できます。また、離職率の低下にもつながります。
離職率について詳しく知りたい方は、別記事「離職率を下げるにはエンゲージメント向上が重要!理由と具体的な方法7選」をあわせてご確認ください。
優秀な人材の確保につながりやすい
人材育成マネジメントによって、優秀な人材確保にもつながりやすくなります。社員のモチベーションが上がり仕事に対する満足度が上がると、企業の採用ページで社員の満足度が求職者に伝わりやすくなるでしょう。
その結果「ここで自分も働きたい」という気持ちになり、優秀な人材が集まりやすくなります。
組織全体の生産性が上がる
人材育成マネジメントによって、組織全体の生産性にも良い影響が現れます。社員それぞれの持つ能力が向上することで、組織全体に活気が生まれ生産性が上がります。
新たな目標も達成しやすくなり、好循環が生まれるでしょう。
働きやすい職場環境が整いやすくなる
人材育成マネジメントを進めると、社員にとって働きやすい職場環境が整います。人材育成によって、社員おのおのが法令を遵守したり、企業理念をしっかりと理解したりするようになります。
社員自身もコンプライアンスを遵守することによって、企業価値が守られるだけでなく社会的責任も果たせるでしょう。
また、SDGsに則ることで、よりいっそう企業価値を高められる可能性があります。社員にとっても居心地の良い職場になるでしょう。
管理者にはマネジメント力と育成力の両方が必要
部下を指導していく立場の管理者は、マネジメントと育成どちらの力も必要です。マネジメントと育成ができているかどうか、自問自答してみましょう。
また、スキルは自然と養えるものではありません。そのため、管理者としての力を養いスキルを身に付けるためには、管理職研修などの受講が必要になるケースもあります。
人材マネジメントが必要な理由と目的
従来の人事制度は、年功序列・終身雇用制度が基本となっていました。そのため、昇進までに長い年月が必要になり、採用自体にも時間がかかっていました。
しかし、少子高齢化が進み、趣向の変化などから国内市場も変化しています。世の中の変化に対応するために、企業も変化していかなければいけません。
また、企業が他社との差別化を図り、競争の優位性を高めるためにも、オリジナリティのある人事マネジメントを行うことが必要だといわれています。
人材育成マネジメントを進めるための5ステップ
ここでは、人材育成マネジメントを行う手順をご紹介します。
- 現在抱えている課題を明確にする
- 目標を設定する
- 計画を立てる
- 計画を実行する
- フィードバックを行う
これらのステップに沿って行うことで、効率的に人材育成を行えるでしょう。各ステップを詳しく解説します。
現在抱えている課題を明確にする
まず現在抱えている問題を洗い出し、課題を明確にしましょう。社員個人とチーム全体の能力や仕事内容、量などの課題を可視化することで取るべき戦略が見えてきます。
このときには、主観的に判断をせず事実に基づく客観的データを分析することが大切です。そして、既存社員の情報を整理して課題解決のための人材をどう育成するかを決定します。
目標を設定する
次に目標を設定します。目標は社内の各部署によって業務内容が異なるため、それぞれの業務に即した目標にしましょう。
営業部であれば売上を増やしたり、商談数を増やしたりといったことが挙げられます。事務職であれば、残業時間を毎日15分減らすといった目標の設定でもよいでしょう。具体的な目標数値を掲げることで、計画も立てやすくなります。
計画を立てる
目標達成のために計画を立てます。そして目標と現状のギャップを可視化し、何が足りていないのかを明確にしましょう。
そして、ギャップを埋めるためにできることは何かを考えます。例えば、ギャップを埋めるためには社員に新たな資格取得を促したり、研修を受けてもらったりといった施策があります。また、経験者採用を行い、即戦力を補うという方法もあります。
計画を実行する
計画を実行に移す段階までくると、計画の内容や目的について社内で共有し、目標と現実のギャップを埋めるための施策を行います。
社内で目的を共有することで、連帯感を高めて社員の士気を高めるという狙いもあります。目標達成のためには、小さなゴールを複数用意することが重要です。
目標を細分化し、小さなゴールを設定し成功体験を積み重ねることで、最終的な目標を達成しやすくなるでしょう。
フィードバックを行う
計画を実行した後も定期的にフィードバックを行うことが大切です。第三者からの俯瞰的な視点で見ることで、当事者が気づかなかったことが明らかになる場合があります。
フィードバックによって新たな気づきを得ることで、次の課題発見にもつながりやすいです。計画を実行して終わりではなく、常にアップデートしていくことが重要です。
人材育成マネジメントのために必要な4つのスキル
ここでは、人材育成マネジメントを行う者が備えておきたいスキルをご紹介します。
- コミュニケーションスキル
- 目標設定力
- 現状把握力
- リーダーシップ
どれも部下を育成する際には重要なスキルです。混同されやすいものもあるので、1つ1つのスキルを区別しながら確認していきましょう。
ミュニケーションスキル
人材育成マネジメントを行うにあたって、コミュニケーションスキルはとても重要です。コミュニケーション能力次第で、人材育成が左右されることもあります。
チーム内の日々のやり取りだけでなく、現場で働く部下と経営陣の架け橋となり情報を共有することなども必要です。
目標設定力
人材育成マネジメントにおいては、目標が適切でないと社員の仕事に対するモチベーションが下がってしまう恐れがあります。そのため、社員それぞれの現状をしっかり理解した上で、目標を設定することが大切です。
また、部下が無理なく目標を達成できるように導くことも大切な役目です。
現状把握力
現状をしっかり把握する能力も、人材育成マネジメントには必要です。当初立てた計画が思い通りに行かなかったり、トラブルが発生したりといったこともあるでしょう。
その時々の状況を常に確認しながら、柔軟な対応を迅速に行うことが求められます。また、部下に過度な負担がかかっていないかといった配慮も必要です。
リーダーシップ
人材育成マネジメントにおいては、リーダーシップを発揮できるかどうかも目標達成を左右します。
部下のモチベーションを高めてチーム全体を活気づけるためには、統率力が求められます。
「この人の元で働きたい」と思ってもらえるような、部下からの信頼や人望を集められるようサポートすることが大切です。
人材育成マネジメントを成功させる7つのポイント
人材育成マネジメントを成功に導く7つのポイントをご紹介します。
- 社員と企業の目標を共有する
- 社員が自分自身で目標を決める
- 目的に合った適切な方法を選ぶ
- スキルマップを有効に活用する
- メリットとデメリットを把握する
- 現場のニーズを把握する
- 効果的な育成方法を検討する
人材育成は、本人がその気にならなければ効果を発揮しません。そのため、本人が課題を認識したうえでどのような目標を立てるべきかを、自らが判断することが大切です。7つのポイントについて詳しくみていきましょう。
社員と企業の目標を共有する
企業の目標を社員と共有することが大切です。企業が事業戦略や経営戦略を達成するためには、社員一人ひとりの成長が欠かせません。
社員にも企業の将来的なビジョンを共有して、経営者と社員が共に同じ方向を向く必要があります。
目標を共有することで、組織として向かうべき方向から外れるのを防止したり、早期に軌道修正がしやすかったりといったリスク予防にもなるでしょう。
方向性を統一することで、業務を効率的に進められ生産性の向上も期待できます。
社員が自分自身で目標を決める
目標設定は、社員自身が決めることが大切です。チームのリーダーなどの第三者が目標を定めるよりも、社員一人ひとりが目標を設定し達成を目指すことで、モチベーションの維持・向上につながりやすいです。
また、社員の設定した目標の達成度合いに応じて、会社としてはインセンティブを用意することも有効です。
インセンティブがあることで、社員のさらなるやる気を引き出したり、他の社員との競争意識が芽生えたりしてさらなる相乗効果が期待できるでしょう。
目的に合った適切な方法を選ぶ
適切な人材育成マネジメントを行うためには、社内リソースだけでなく計画や目的に見合った方法を選ぶことが大切です。
例えば社員の人材育成を行う場合、社員にどのようなスキルが必要であるかを明確にし育成方法を検討しましょう。社員の人材育成方法には以下のようなものがあります。
- OJT
- OFF-JT
- eラーニング
- 公開講座
- 通信教育
どの方法を選択するかは、得たい効果や研修にかかる費用、現場に負担がかからないかといったことを考慮して選ぶ必要があります。
また、社員の意見もしっかりと取り入れることで、反発を招くことなくスムーズな人材育成ができるでしょう。
研修費用について詳しく知りたい方は、別記事「研修費用を抑える方法6つのポイント!一人当たりの相場やおすすめの助成金も合わせて解説」をあわせてご確認ください。
スキルマップを有効に活用する
スキルマップをうまく活用することも大切です。スキルマップは、社員が保有しているスキルの一覧表のことです。
社員自身が、自らの保有スキルだけでなく不足しているスキルについて可視化することで、今後どのような知識やスキルを磨けば良いかを意識しやすくなります。
上司が部下の保有スキルについて把握することで、日常業務ではみえてこない社員の得意分野や苦手分野が分かるようになるでしょう。
その結果、社員一人ひとりにとって最適な目標設定が可能となり、効率的な人材育成が可能となります。
メリットとデメリットを把握する
人材育成には、メリットとデメリットがあることも理解する必要があります。例えば、OJTでは実際の現場における実務が学べるため、職務に直結しやすいといったメリットがあります。
しかし、基本的なことが身に付かなかったり、教える人の能力に左右されたりするといったデメリットが存在する点も無視できません。
どの手法を取り入れるにせよ、メリットとデメリットが存在することを意識した上で、自社の方針や目的に即した方法を選択することが大切です。
現場のニーズを把握する
現場のニーズをしっかり把握することを忘れてはいけません。経営者目線では、どうしても理想像を追い求めがちです。
経営者の理想だけで人材育成計画を立てると、現場のニーズを汲み取れずに反発を招く可能性があります。経営者と現場の認識のギャップを埋めるために、経営者自身も現場に足を運んで、現場の状況を共有することが大切です。
そうすることで、現場の課題やニーズについて自分事として捉えられるようになります。また、現場の社員にヒアリングを行い、どのような課題を抱えているかについても理解し解決策を検討する必要があります。
効果的な育成方法を検討する
効果的な育成方法を検討することも重要です。人材育成のための研修を例に挙げると、ただやみくもカリキュラムだけをこなしていては、効果を実感しにくいです。
そのため、社員のスキルが上がったかや会社の利益になっているかを定量的に把握する必要があります。成果を定量的に把握する手段には、社内試験の結果や顧客の獲得件数、売上目標の達成率などがあります。
通常、人材育成は長期に渡るため定期的にフィードバックを行う機会を設けるとよいでしょう。予定通りにいっていない場合には、上司からのフォローも必要です。
人材育成マネジメントの導入例
ここでは、人材育成マネジメントを取り入れた企業の取り組みをご紹介します。
- インターネットイニシアティブ
- ニトリホールディングス
- キヤノン
企業によって抱えている問題は異なりますが、社員の定着や育成のためのどのような取り組みを行っているかをぜひ参考にしてみてください。
インターネットイニシアティブ
株式会社インターネットイニシアティブでは、社員の自己成長と会社全体の成長につながる構造の構築のために、タレントマネジメント施策の強化を行いました。タレントマネジメント強化の方策として、豊富な分析機能と新機能の開発スピードが決め手となり、タレントパレットを導入しています。
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ニトリホールディングス
ニトリホールディングスでは、社員一人一人に対して「解決したい社会課題は何か」を設定し、その解決のための十分なスキルを習得することを重視しています。
また、多数精鋭の組織づくりのために、3年に一度の頻度で所属部署の配置換えを行なっているのも同社の特徴です。配置換えを高頻度で行い、異なる経験を積ませるなかで社員一人ひとりの成長の促進を図っています。
キヤノン
キヤノンでは、自ら成長する意欲のある社員を積極的に多数の研修に参加させ、OJTとOFF-JTの両面から社員育成を行なっているのが特徴です。新入社員に対しては全体研修に加えて生産現場、専門技術研修、レポートレクチャーなどを受けてもらいスキルアップを図っています。
また、グローバル人材としても活躍できるよう、若年社員を中心にトレーニー制度を設け、人材育成の強化に取り組んでいます。
人材育成マネジメントのまとめ
人材育成マネジメントを行うことで、社員のモチベーションを高めたり、組織の生産性を上げたりと得られるメリットは大きいです。
時間はかかりますが、適切な順番を踏んで人材育成マネジメントを行うことで目に見えた結果が出てくるでしょう。
企業によって抱えている課題は異なるため、やり方に正解はありませんが、ツールを使用することでより効率よく人材育成マネジメントを行えるようになります。
人材育成マネジメントを効率よく行うためのツールとして、タレントパレットがおすすめです。タレントパレットのサービス利用で得られるメリットは、以下のとおりです。
- 社員データの蓄積で社員の能力やスキルを見える化できる
- 社員の年次や役職ごとでのスキル分析も可能
- 社員の成長をモニタリングして、伸びている社員とそうでない社員を分類できる
- 社員のスキルと保有資格に応じた異動先を提案
人材育成マネジメントを効率よく成功させたいとお考えの方は、ぜひタレントパレットの導入をご検討ください。
社員のスキルと成長を見える化し、一人ひとりに最適な育成計画を実現