こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
リーダー育成とは、企業の経営者や幹部候補を選抜し、育てることを指します。
企業の発展に関わる重要な取り組みであるものの、「リーダー育成に割く時間がない」「リーダー候補の判断基準がわからない」などの理由で十分に取り組めていない企業も多いでしょう。
リーダー育成は困難と言われますが、正しい育成ステップを踏めば社内で優秀な人材を育てられます。
本記事ではリーダー育成に必要な研修や育成ステップについて、詳しく解説します。
「リーダー人材の育成にどう取り組めば良いかわからない」「どのような研修をすれば良いか悩んでいる」という方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
次世代リーダー育成の必要性
次世代リーダーの育成は、企業が必ず取り組まなくてはいけない事項です。次世代リーダーの育成が必要な理由は、以下の2つです。
- 少子高齢化により人材が足りなくなるため
- グローバル競争に打ち勝つため
日本では少子高齢化が進み、優秀な若手人材の確保が年々難しくなっています。10年後、20年後にリーダー人材を採用しようとしても、今よりもさらに難しくなるでしょう。
そのため、早いうちからリーダー人材を育成する必要があるのです。
また、グローバル競争に打ち勝つためにも、リーダー人材の育成は欠かせません。ビジネスの世界は日々変化しており、時代に合った事業を展開し、競争に打ち勝つには、優秀な若手人材を育てることが重要です。
しかし、リーダーに必要なスキルは、一朝一夕では身に付きません。リーダー候補には、十分に学びの時間を与え、経験を積ませましょう。
リーダー育成が困難だと言われる理由
企業の発展にリーダー育成は必要不可欠ですが、多くの企業は取り組めていないのが実情です。
経済産業省の調査では、リーダー人材を順調に確保・育成できていると回答した企業は、全体の37.6%でした。多くの企業がリーダー育成に十分に取り組めていないことがわかります。
(引用:経済産業省 企業価値向上に向けた経営リーダー人材の戦略的育成についてのガイドライン)
企業がリーダー育成に取り組めていない主な理由は、下記の3点です。
- リーダー育成の優先順位が低い
- 組織内のリーダー候補選定が困難
- リーダー育成環境が企業内に整っていない
それぞれの理由について、解説します。
リーダー育成の優先順位が低い
多くの企業では、リーダー育成の優先順位が低いことが課題になっています。
リーダーには、マネジメントスキルや経営知識など、幅広い知識が必要です。知識を身に付けるまでには、多くの時間を要するでしょう。
リーダー候補は優秀な人材であるため、勉強のために現場から離れると、他の従業員の負担が増す可能性があります。
従業員の負担の増加や業績ダウンを避けるため、リーダー育成が後回しにされてしまうケースも少なくありません。
組織内のリーダー候補選定が困難
リーダー候補の選定基準が明確になっていない場合、リーダー育成が進みません。リーダー候補は、経営層や役職者の推薦により選抜されるケースが一般的です。
しかし「実績を残している人」「ポテンシャルが高い人」など選定理由がバラバラだと、育成方法を決めるのが困難になり、育成がスムーズに進みません。リーダー候補の選定前に、人材要件を明確にしておく必要があるでしょう。
リーダー育成の環境が企業内に整っていない
リーダー育成の環境が整っていない場合も、当然ながらリーダーは育ちません。リーダー育成のためには、育成に関わる人材や研修制度、評価方法などを決めておく必要があります。
しかし、資金やリソースが足りていない場合は、リーダー育成に最適な環境が用意できません。
十分な環境が整えられない場合は、経営層にリーダー人材育成の必要性を伝えることから始めると良いでしょう。
リーダーの育成ステップ
リーダー育成には、多くの時間を要します。必要な育成ステップを踏み、長期的な目線で教育していく必要があるでしょう。
リーダー育成に必要なのは、下記の6つのステップです。
- リーダー育成の目標設定
- リーダー人材の条件・要件の明確化
- 候補者の選抜
- 研修・育成計画の検討
- リーダー育成計画の実施
- 結果の評価と見直し
リーダー育成のステップについて、詳しく解説します。
リーダー育成の目標設定
リーダー育成の目標を設定しましょう。
リーダー育成は優秀な人材を現場から離して勉強させるため、他の従業員に負担がかかります。従業員の協力を得るためには、周りの従業員にリーダー人材育成の必要性と目標を、あらかじめ伝えておく必要があるでしょう。
リーダー育成の必要性と目標を明確にし、従業員の同意を得ましょう。従業員の協力を得ることで、企業一丸となってリーダー育成に取り組めるようになります。
リーダー人材の条件・要件の明確化
リーダー人材に求める条件や要件を明確化しましょう。求める能力や知識を明確化することで、候補者の選抜や評価がしやすくなります。
リーダーに求められるスキルには、次のようなものがあります。
- リーダーシップ
- マネジメント力
- 経営管理の知識
- コミュニケーション力
- 問題発見力
どのようなリーダーになることを期待しているのか、どのようなスキルが必要なのかを、リーダー育成候補者に伝えるようにしてください。リーダーに必要な知識やスキルをあらかじめ共有することで、リーダー候補者の学ぶモチベーションを上げられるでしょう。
候補者の選抜
リーダー人材の要件が決まったら、候補者を選抜しましょう。
選抜人数や選抜方法を検討し、現在の能力や評価などから総合的に考えて、候補者を選定します。
一般的には経営者や役職者が候補となる人物を推薦しますが、自薦も含めて候補者を広く募り、徐々に絞り込む方法をとることもあります。
詳しい候補者の選抜方法については、後ほど解説します。
研修・育成計画の検討
リーダー候補が決まったら、候補者の強みや弱み、足りない能力などを洗い出し、育成計画を立てましょう。
経営戦略・マネジメント・財務などを勉強するほか、子会社の社長や社内の重要なポジションに就かせるなどして、経験を積ませるのもおすすめです。とはいえ、社内のみで幅広い育成プログラムを実行するのは、少々無理があります。おすすめなのは、外部研修に派遣したり講師を招いたりといった方法です。
社内の負担と時間のロスを抑えられ、効率的な人材育成ができます。
リーダー育成計画の実施
育成計画に基づいて、プログラムを実践していきましょう。
リーダー育成には時間がかかります。すぐに結果を求めずに、根気よく続けていくことが大切です。
結果の評価と見直し
プログラムが進んだら、リーダー候補の成長度合いを評価し、教育方法を見直すことが大切です。自身で振り返ってもらうだけでなく、周りからの評価も確認し、リーダー人材に必要な条件・要件を取得できているかを判断しましょう。
思うような結果が得られていない場合には、研修方法や制度自体を再検討する必要があります。随時PDCAを回しながら、より良い教育方法を作っていきましょう。
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次世代リーダーを選抜するために
次世代リーダーは、主任や課長など、ある程度実績を積んだ役職者が選ばれるケースが多いでしょう。人材の育成には時間がかかるため、できるだけ早いタイミングでの候補者選定が推奨されます。
リーダー育成にアサインするタイミングや選抜方法について解説します。
次世代リーダー育成にアサインするタイミング
次世代リーダー育成にアサインするタイミングは、20代後半から30代を推奨します。
課長以上の従業員に対して実施することの多いリーダー育成ですが、人材不足が懸念される現代においては、少々遅いと言えるでしょう。10~20年後に訪れるバブル世代の大量退職後は、リーダー不足に陥る企業が多発する可能性があります。リーダー人材を確保するためにも、早い世代から育成することを考えてみてください。
リーダー候補の選抜方法
リーダー候補は、部門長の推薦のほか社内から広く募るのがおすすめです。部門長からの推薦の場合、現在の成績や能力のみで判断されることが多く、潜在的な能力や将来性が加味されない可能性があります。
リーダー候補を広く募り、徐々に絞っていく「ロングリスト・ショートリスト」方式や、自薦も視野に入れておくと良いでしょう。
リーダー育成のための研修
リーダー育成には、経営学やマネジメントなどの座学研修と、現場で実際に業務を行う実習の2種類があります。
すでにリーダー職に就いている方とこれからリーダー職に就く方とでは研修内容が違うため、それぞれに適した研修を用意しましょう。
リーダー研修の目的や実施内容について詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。
「リーダー研修」については、こちらの記事をご確認ください。
リーダー研修
リーダー研修は、すでにリーダーを務めている人はもちろん、リーダーを目指す従業員のトレーニングに有効な研修です。リーダーの役割を認識し、チームを導いていくコミュニケーションスキルや目標設定力、業務遂行力など幅広いスキルが身に付きます。
受講方法は、社内に講師を招く社内研修や、研修サービス業者が行っている外部研修、パソコンやスマートフォンで受講するe-learningなどから選べます。「自社専用のプログラムを実施したい」「他社の優秀な人材と交流させたい」などの要望に合わせて選ぶと良いでしょう。
次世代リーダー研修
次世代リーダー研修の目的は、リーダー候補を育成することです。経営についてのマインドセットや、ノウハウを学んだうえで、自社の経営課題の解決を目指す実践の場を用意するのが理想的な研修の流れです。
経営陣の講話を聞くことで、モチベーションのアップが期待できます。また、経営課題を解決するための実践を通し、リーダーシップや実行力を身に付けられるでしょう。
ストレッチアサインメント
ストレッチアサインメントとは、意図的に難しい役職を与え、短期間での成長を促すマネジメント手法です。現時点での実力では任務の遂行が難しいポジションに就かせることで、逆境への立ち向かい方を学びます。
ストレッチアサインメントは、若手人材に苦労させることが目的ではありません。本人が必要以上にストレスを感じて苦しまないよう、適切なフィードバックを行うことも大切です。
研修で得られるスキル
リーダー研修で得られる主なスキルは、下記の5つです。
- 経営者視点
- 判断力
- ロジカルシンキング
- リーダーシップ
- コミュニケーションスキル
上記以外にも、リーダーには多種多様なスキルが必要です。研修や実戦を通して、日々スキルアップしていく必要があります。
「リーダースキル」については、こちらの記事をご確認ください。
経営者視点
リーダー研修では、経営者視点が身に付き、経営に必要な知識や事業分析を行うことにより、ビジネス構想の訓練ができます。自社の事例を扱うことによって、事業に対する当事者意識を高めることもできるでしょう。
判断力
リーダーには、最善の結果を出すための意志を持ち、どのような状況でも最善の意思決定を下す正しい判断力が求められます。正しい判断力を磨くためには、幅広い知識や経験、判断を誤った際のリスク管理など、あらゆる場面を想定した訓練が必要です。
問題解決のための論理的思考を学ぶことにより、問題を正しく判断、解決する方法を身に付けられます。
ロジカルシンキング
ロジカルシンキングとは、課題解決のために情報を整理し、矛盾がないように解決策を導き出すスキルのことです。直感や感覚で物事を判断せずに、論理的に結論を出せるようになります。
リーダーとして正確な判断を下すために、ロジカルシンキングは必要なスキルです。研修ではフレームワークを通じて現場で使える考え方を身に付けられるようになります。
リーダーシップ
リーダー人材には、部下を引っ張るリーダーシップも必要です。ロールプレイングやケーススタディを通じて、リーダーとしての振る舞いや言動を学び実践することで、事業を統率する力を得られるでしょう。
コミュニケーションスキル
部下に信頼されるためには、コミュニケーションスキルが欠かせません。
部下への期待の伝え方や、結果が出ていない部下へのアドバイスの仕方などを学べます。メンバーや部下と適切なコミュニケーションをとりながら、目標実現へ迎えるスキルを身に付けられるでしょう。
まとめ
リーダー育成のためには、育成する目的や要件を定義し、適切な人材を選抜する必要があります。候補者には研修を受けさせるだけでなく、実践の場を通して様々な経験を積ませ、ロジカルシンキングやリーダーシップなど、幅広い知識を取得させましょう。
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