こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
後輩育成は、後輩を育てあげるために上司が手本を示し、自主的に行動できるよう見守りながらアドバイスを行うことです。日々の業務における知識やスキル、仕事に対する姿勢・行動・考え方などを伝えていくと、個々の能力を高められるなど多くのメリットがあります。
そこで本記事では、後輩育成のポイントや方法、必要なスキルなどについてご紹介します。人材育成でお困りの方は、最後まで目を通してください。
後輩育成の目的
後輩育成の目的は、従業員一人ひとりの能力を高め、企業で活躍できる人材へ育てる点にあります。業務に関する知識やスキルをはじめ、仕事に対する姿勢や行動、考え方などを習得すれば、従業員はさらに自分の能力を高められるでしょう。
後輩育成で組織全体のパフォーマンス力がアップすれば、企業の成長にもつながっていきます。つまり、後輩育成は個人だけでなく企業にとっても大事なことなのです。
後輩育成と後輩指導の違い
後輩育成と後輩指導が混同されがちですので、それぞれの違いを解説します。後輩育成とは、従業員を見守りながら育てていくことです。本人が気付けるように方向付けやアドバイスを行って、長期にわたって能力を高めていきます。
一方後輩指導とは、従業員が抱える課題を短期間で確実に解決できるように指導することです。人材育成の面では共通していますが、方法に大きな違いがあるのです。
後輩育成に必要なスキル
人材育成に携わる担当者が、後輩育成をする上で身に付けておかなければならないスキルとして、目標設定・管理スキル、コミュニケーションスキル、ロジカルシンキングなどが挙げられます。この3つのスキルについて詳しく解説します。
目標設定・管理スキル
目標設定・管理スキルは、後輩育成の目標や計画などを設定し、期限までに達成できるよう実行する能力です。目標を設定するには現状把握能力が重要であり、適切な判断で設定しなければなりません。
スキルマップを作成して必要なスキルを洗い出しましょう。従業員の強みや弱みなどを把握した上で強みを伸ばし、苦手を克服していくことができるような目標設定が必要です。また進捗はどうか、達成できているかなどの人事評価にも役立つスキルでもあります。
コミュニケーションスキル
上司が部下との信頼関係を築くためには、単純に指示・アドバイスするだけでなく、部下の意思や意欲を尊重しながら進めることが大切です。指摘や指導が必要とされる場合もありますが、その際は客観的な視点から伝えてください。
業務の知識やノウハウなどを伝えるためのティーチングスキルも、手本を提示して成長を促せる能力です。また、コミュニケーションを通じて相手の能力を理解し、成長や自発的な行動を促せる能力であるコーチングスキルも身につけましょう。
ロジカルシンキング
ロジカルシンキングは、論理的な思考を意味します。後輩育成では、自分の思考を理解して相手にわかりやすく伝えるスキルが必要です。
自分では理解できていることでも、相手が理解できるとは限りません。だからこそ、自分が考えている内容を整理して、相手にわかりやすく論理的に伝える必要があります。伝え方次第で、自分の持つ知識や経験が伝わりやすくなり、部下も目標を定めやすくなるでしょう。
後輩育成の方法
後輩育成は、上司が部下に手本を見せることによって、本人が自分で考えて行動できるようにするために行います。具体的な方法は、メンター制度やフォロー研修、マネージャー座談会、目標設定・管理などがありますので、詳しく解説します。。
メンター制度
メンター制度は、上司よりも年齢や社歴などが近い先輩から業務に関わる支援やアドバイスを行う制度です。支援やアドバイスを行う先輩をメンターと呼び、後輩をメンティーと呼びます。
上司よりも相談しやすい立場のメンターならば、後輩の悩みに共感しやすく、良好な関係を築きやすい点がメリットです。上司からすれば、後輩育成の指導や支援、メンタル面へのサポートが受けられる他、短期間で育成できるといった利点もあります。
フォロー研修
フォロー研修とは、新人が入社してから何ができるようになったのか、逆にできなかったことは何なのかをフィードバックして、今後どう行動していくかを考えるための研修です。入社後6ヶ月ほどで実施するケースが多く、同じ時期に入社した同期と共有しながらそれぞれの行動目標を設定します。
自分の仕事ぶりをフィードバックすることは、次の目標を設定し取り組みやすいというメリットがあり、従業員のモチベーション向上や離職率低下なども期待できるでしょう。
マネージャー座談会
マネージャー座談会は、その名の通り従業員がマネージャーとの座談会を行い、業務に対する正しい知識やノウハウを身に付けてもらう方法です。対象となるのは会社や仕事に慣れてきた入社3年目程度の従業員であり、中だるみが出たり転職を考えたりする時期を目安に行います。
マネージャーと話す機会を設けることで、自分の業務がどう貢献しているのかを考えるきっかけになるでしょう。また、自分の業務が会社にとってどれだけ重要かを再認識できます。
目標設定・管理
目標設定・管理では、目標管理制度を活用した方法を活用します。この制度では、従業員が個々で目標を設定し、進捗や成果を評価します。
個人で設定した目標が企業全体の目標とつながっているか、本人自身が設定しているかなどが重要です。企業は、働き手である従業員の仕事を通じて発展します。目標を計画する上では、最終目標が企業全体の目標につながっているよう設定しなければなりません。
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後輩育成は、企業やチームが成長していくために必要不可欠であり、正しく行えば従業員全体のパフォーマンス力がアップします。成長し続けるためにも、従業員の力が最大限発揮できるよう取り組みましょう。後輩育成を正しく行うには、タレントマネジメントを効率化するタレントパレットの利用が便利です。
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後輩育成における目標設定
後輩育成は、ただ指導や研修するだけでは従業員の能力を十分に引き出せません。企業が存続・発展していくためには、明確な目標を立てて後輩指導を実施する必要があります。そこで、後輩育成における目標設定についてご紹介しましょう。
目標設定の必要性
従業員一人ひとりが自分自身で考えて行動し業務に取り組むようになれば、企業は成長し続けていく可能性が高いです。後輩育成では、企業理念・経営戦略を従業員に理解してもらうために重要であり、そのために目標を設定する必要があります。
一方的に目標を設定して従業員を受け身のままにさせるのではなく、やるべきことを言語化しながらも従業員の意思を引き出しながら設定しましょう。キャリアプランを作成し、自分の成長を企業理念や目標につなげていくためには、目標設定が非常に重要です。目標設定を明確なものにすれば、それだけ企業全体で目指すべき目標に近付けられるでしょう。
目標設定の注意点
目標は、具体的な数値で示し、根拠のあるものに設定しなければなりません。理想と現実が乖離し過ぎると、初めから達成しにくい目標となり、モチベーションも下がってしまいます。
根拠のある目標にするためにも、上司が後輩に対して数値やデータなどを示し、共有することが大切です。企業や業種などによって、従業員の成長は異なります。
新人や若手であっても、1つの大きなプロジェクトに携われば、成長スピードも早いでしょう。成長段階よりも少し上のレベルで、お互いが納得できる目標を設定できるよう準備してみてください。
目標は明確なものにする|例文
従業員が成長していけるよう、明確な目標設定を立てましょう。例えば、「自発的な行動をとる」「周りとコミュニケーションをとって協力する」というような目標では、明確なものとは言えません。
「新規顧客獲得のため、毎日アポイントを取ってくる」「作業効率アップのため、管理ツールの作成・運用をする」のように、具体的な行動や数値など明確な指標にすれば、誰から見てもわかりやすくなるため達成しやすくなるでしょう。
できるだけ曖昧な部分をなくし、具体的に何を行うか考えて設定することがポイントです。
後輩育成のポイント
企業で後輩育成をする際には、以下の5つのポイントを理解した上で行いましょう。
- 期待していることを伝える
- 褒める・叱るはバランス良く
- 責任ある仕事を任せる
- 価値観を押し付けない
- 尊重して誠実に接する
それぞれのポイントについて、詳しくご紹介します。
期待していることを伝える
仕事をしている人は、ほとんどが会社の期待に応えようと努力しているはずです。そのため、まずは後輩に対して期待していることを明確に伝え、何を達成して欲しいかイメージを持ってもらいましょう。
具体的な課題や目標設定を示して、そのためのスキルを身に付けて欲しいと伝えるのもおすすめです。会社から期待されているとわかれば、従業員のモチベーションが向上し、パフォーマンス力も上がっていくメリットもあります。
褒める・叱るはバランス良く
褒めて伸ばすという言葉もありますが、時には叱ることも大切です。もちろん感情的になったり失敗したそのものを叱ったりするのではなく、「意思決定が遅いから改善した方が良い」というように条件を含めた指導を行います。
相手の言動を指摘して修正・成長させるための重要なコミュニケーションですが、理想は褒める・叱るは3:1の比率で行うのが効果的です。バランス良く指導していけば、従業員と信頼関係が維持でき、モチベーションも高まります。
責任ある仕事を任せる
責任のある仕事を任せるという行動は、信頼関係があるからこそ、見守る意識を持てるということです。重要な仕事を任せれば、失敗する可能性もあるでしょう。しかし、だからといって限定した仕事ばかりを任せるだけでは成長につながりません。
後輩を成長させるチャンスであると考え見守り、適度なアドバイスでサポートしましょう。ミスは後輩の成長を進める第一歩であり、育成成功につながるメリットもあります。
価値観を押し付けない
同じ会社に長く勤めて育成する機会に多く関わっていれば、後輩よりも自分の価値観の方が正しいと考えてしまう人が多いでしょう。しかし、先輩の価値観が正しいとは限りません。
先輩・後輩がお互いに納得のいく目標を持っていたとしても、価値観が違えば仕事の取り組み方や捉え方も変わってしまいます。まずは価値観の違いがあることを理解し、どう活かしていくかを考えることが必要です。
尊重して誠実に接する
後輩育成では、先輩と後輩という上下関係があっても相手の立場を尊重し、誠実に接することが大切です。決して上から目線で高圧的な態度をとってはいけません。
指導する際には、時には厳しさが必要になることもあるでしょう。しかし、厳しくするのと高圧的にぞんざいに扱うのとでは意味が異なります。信頼関係を保つためにも、冷静になって誠実に接するという意識が大切です。
まとめ
今回は、後輩育成の方法をはじめ、理解しておくべきポイントや必要なスキルなどについて解説してきました。後輩育成は、企業を存続させ、成長し続けるためになくてはならない従業員の能力を向上させるための重要な仕事です。
後輩を育成するためには、明確な目標設定やメンター研修、フォロー研修など様々な方法があります。今回紹介した注意点やポイントを踏まえ、正しく行えるよう準備しましょう。
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