社内エンゲージメントとは?重視される理由や向上させるメリットを解説!


社内エンゲージメントとは?重視される理由や向上させるメリットを解説!

社内エンゲージメントとは、所属している組織や業務への熱意、自発性、意欲などを表す言葉です。労働人口の減少や社会の変化などを背景とし、近年注目を集めるようになりました。本記事では、社内エンゲージメントについて解説します。社内エンゲージメントを高めるメリット、向上させる具体的な方法、調査方法などもまとめているため、ぜひ参考にしてください。


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社内エンゲージメントとは

エンゲージメントとは、契約や雇用を意味する言葉です。ビジネスにおいて社内エンゲージメントという場合、所属する社員の自社に対する熱意や業務への意欲などを指します。社内エンゲージメントを高めるには、社員と企業の間に信頼関係を構築し、深いつながりを作ることが大切です。


企業を取り巻く環境が変化しているため、今後ビジネスに取り組むうえでは、社内エンゲージメントの向上も重要なポイントになります。


社内エンゲージメントが重視される理由

社内エンゲージメントは、なぜ多くの企業で重視されているのでしょうか。ここでは、その理由について解説します。


社会の変化に対応するため

近年は価値観の多様化が進んでいるうえに、働き方改革も推進されています。社会全体が変化しており、ビジネスシーンにおいては各社員の主体的な行動が特に重要になりました。自ら行動を起こす社員を増やすには、所属先や仕事に対する各自の意欲を高める必要があります。そのため、社内エンゲージメントの向上が注目されるようになりました。


人材不足に対応するため

労働人口が減少し、終身雇用制が当たり前ではなくなった現在では、企業が人材を確保するハードルも上がっています。そのため、社内エンゲージメントは、人材不足を解消する方法の1つとしても捉えられるようになりました。既存の人材の流出を防ぐには社内エンゲージメントを向上させ、自社への貢献意欲が高い社員を増やす必要があります。


顧客満足度を向上させるため

社内エンゲージメントを高めれば、自社に対する信頼度も向上します。また、社員が企業へ貢献したいという意欲も高まるため、業務の生産性やモチベーションの向上も期待できるでしょう。よりよいサービスや商品を顧客に提供したいと考える社員が増加すると、顧客満足度の向上にもつながります。


社内エンゲージメントを向上させるメリット

社内エンゲージメントを向上させるメリットはさまざまです。ここでは、具体的にどのようなメリットがあるか解説します。


人材流出の防止につながる

社内エンゲージメントが高まると、社員は自社に対して愛着を持つようになります。各社員の企業に対する貢献度も向上する可能性が高く、全体の雰囲気もよくなるでしょう。その結果、離職を検討する人が少なくなり、人材の流出を防止できます。優秀な人材の雇用を維持し、長く自社に貢献してもらうことも可能です。


採用コストを削減できる

社内エンゲージメントが向上して社員のパフォーマンスも上がれば、少ない人数でも業務をこなせるようになります。そのため、新しい人材を確保する必要がなくなり、採用コストの削減が可能です。また、社内エンゲージメントが高まるとリファラル採用がしやすくなるため、人材を確保する際の採用コストを抑えられます。


売上や顧客満足度が向上する

社内エンゲージメントの高まりにより、売上や顧客満足度の向上も期待できます。社内エンゲージメントが向上すると、主体的に行動する社員が増えるからです。主体性のある社員は課題の発見や解決に向けて自ら動けるため、高い成果を生み出す可能性があります。


職場の人間関係が良好になる

社内エンゲージメントが高い企業では、職場における社員の心理的安全性を確保しやすくなります。そのため、社員同士の摩擦も少なくなり、良好な関係を維持できるでしょう。職場の人間関係が良好であれば離職率が下がりやすく、業績の向上も目指せます。


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モチベーションや生産性が向上する

社内エンゲージメントの向上は、仕事に対するモチベーションや生産性を高める効果も期待できます。社員の企業に対する信頼度が高まり、業務に対してやりがいを感じやすくなるためです。すでに触れたとおり主体的に行動する社員も多くなるため、課題の解決やアイデアの発見なども促せます。


社内エンゲージメントを向上させるための手順

社内エンゲージメントを向上させるには、具体的にどうすればよいのでしょうか。ここでは、手順を追って解説します。


1.現状や目的を把握する

社内エンゲージメントを向上させるには、現状を把握するところから始める必要があるため、まずは調査を実施しましょう。調査を始める前に、自社のどのような状況を明らかにすべきか具体的に検討する必要があります。また、調査結果が出たら、社内エンゲージメントの向上により何を実現したいか明確にしてください。


2.課題を抽出する

調査で分かった事実をもとにし、具体的な課題を抽出しましょう。調査結果を分析する際は測定した数値そのものだけでなく、過去の結果と比較して、どのような変化があるかについても確認する必要があります。課題を発見できれば、自社の目標を達成するために必要なことが明らかになるでしょう。


3.課題を解決する施策を実施する

解決すべき課題を把握したら、それを解決するために必要な施策を検討します。ここでは、調査結果に即した施策を考えることが大切です。調査結果に無関係な施策を実施した場合、調査に協力した社員からの印象が悪くなる恐れがあります。調査に協力しても意味がないと社員が判断すればモチベーションが低下し、施策やその後の調査にも悪影響が生じる可能性があるでしょう。


4.施策の評価や改善をする

施策を実施したら結果を測定し、評価しましょう。思うような結果が出なかった場合、原因を究明して新たな施策を考える必要があります。なお、施策を考える際は、調査結果に加えて、売上や生産性に関するデータなども適宜活用すると効果的です。実際の状況を参考にし、成果につながる施策を検討してください。


社内エンゲージメントを高める方法

ここでは、社内エンゲージメントを高める方法について詳しく解説します。


企業理念や目的を示す

社員に企業理念や目的などを示すと、自社に貢献したいという思いが強くなるきっかけになります。企業の方向性について改めて理解する機会があれば、仕事を通して顧客や社会に提供できる価値についても意識できるでしょう。その結果、社内エンゲージメントが向上する可能性があります。


スキルアップやステップアップを推進する

社内エンゲージメントを向上させるには、スキルアップやステップアップできる環境を提供することも重要です。成長を実感しやすい職場では、企業へ貢献したいという社員の意欲も高くなります。社員の成長を支援する取り組みとしては、たとえばキャリアデザイン研修の実施も有効です。管理職研修や中堅社員向け研修といった階層別の研修を実施もよいでしょう。


キャリア開発支援を充実させれば、社員は企業から期待されていると感じられます。自社に対する帰属意識が高まり、社内エンゲージメントの向上にもつながるでしょう。


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マネジメント層を強化する

社内エンゲージメントには、中間管理職をはじめとするマネジメント層の質が大きく影響します。マネジメント層が社員から信頼されていれば、社員の企業に対する信頼度や愛着心も高まりやすいからです。そのため、社内エンゲージメントを高めるには、マネジメント層の教育に特に力を入れる必要があります。


社員が納得する評価制度を設ける

社員が納得しにくい評価制度になっている場合、社員は企業に貢献しようと思えません。当然、仕事に対するモチベーションも下がり、売上や顧客満足度の向上につながる行動を起こせなくなります。


社内エンゲージメントを高めるには、社員が納得する評価制度を設けることが大切です。たとえば、表彰会の開催や部門ごとのMVPの選定などを実施すると、社員の評価に対する満足度を高められます。


社員が交流できるイベントを実施する

職場の人間関係も、社内エンゲージメントに影響を与えます。そのため、社員が交流できるイベントを実施し、人間関係の維持向上を促す施策も重要です。社員が気軽に参加して楽しめるイベントを開催すると、同僚や上司などと良好な関係を築くための貴重な機会になるでしょう。


社員それぞれに合う仕事や働き方をしてもらう

仕事に取り組む理由は社員によって異なるため、それぞれに適した仕事を割り振る必要があります。また、労働環境を改善し、働き方の選択肢を増やすことも大切です。それらの取り組みにより各社員のワークライフバランスが改善されると、社内エンゲージメントも向上しやすくなります。


承認や称賛の文化を作る

社内エンゲージメントを向上させるには、社員の働きぶりを認める機会を設けることも大切です。社員が個人として尊重されていると感じられる環境があれば、企業に対して貢献したいという意欲も高まります。たとえば、サンクスカードやポイント制度などを導入し、社員同士で承認や称賛をし合う文化を根付かせると効果的です。


社内エンゲージメント調査の種類

社内エンゲージメント調査には種類があるため、以下で詳しく解説します。


パルスサーベイ

パルスサーベイとは、短い期間でこまめに調査する方法です。パルスは脈拍を表しており、脈拍を確認するように短いスパンで実施するという意味合いがあります。具体的には、週1回や月1回の頻度で調査を実施しましょう。


約5~15問の簡単なアンケートを用意して回答してもらうと、スピーディに調査を実施できます。何らかの問題が発生していても、パルスサーベイを実施すれば早期発見が可能です。


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センサスサーベイ

センサスサーベイとは、ある程度期間を空けて調査を実施する方法です。具体的には、半年や1年ごとに調査を実施します。設問数は約50~150問程度です。回答にはまとまった時間がかかります。


調査を実施する頻度が少ない分、担当者の負担も小さく抑えることが可能です。半年や1年という長期的な視点で効果検証を実施できるため、組織の変化や成長について把握できます。


社内エンゲージメントの調査方法

社内エンゲージメントの調査は、自社で実施する方法と外部に依頼する方法の2種類です。それぞれについて解説します。


自社で行う

社内エンゲージメントの調査は自社でも対応できます。調査にかかるコストを可能な限り抑えたり、調査の自由度を上げたりしたい場合は、自社での対応がおすすめです。


ただし、調査に必要なすべての作業に自社の社員が対応する必要があるため、負担も大きくなります。また、調査に関するノウハウがなければ、専門性の高い調査を実施できません。適切にデータを集めたり分析したりできない恐れもあります。


外部に依頼する

外部の専門業者に委託し、社内エンゲージメントの調査を実施する方法もあります。自社の社員の負担を減らしたい場合や、専門性の高い調査を実施したい場合は、外部への依頼がおすすめです。


外部に調査を任せると、自社で対応するよりもコストは高くなります。また、依頼する業者によっても調査できる項目やサービスの内容には違いがあるため、複数の業者を比較したうえで見極めが必要です。


社内エンゲージメントを調査する際の注意点

社内エンゲージメントの調査においては注意も必要です。ここでは、具体的な注意点を解説します。


社員の負担を大きくしない

社内エンゲージメントの調査を実施する場合、社員は通常の業務の合間に回答しなければなりません。そのため、社員にとって負担が大きいと、回答するハードルは高くなります。忙しい社員は回答が雑になる恐れがあるため、要注意です。社員に回答を求める際は負担にならない程度の設問数に抑えたり、調査対象の社員を絞ったりする必要があります。


結果を社員に共有する

調査を実施して結果を集計したら、回答に協力した社員にも共有しましょう。共有する際は、できるだけ分かりやすい形式で共有することが大切です。結果が分からなければ、社員は回答する意義を見出せず回答率が低下する可能性があります。調査結果を取りまとめる度に社員へ共有すべきです。


社内エンゲージメントと似た言葉

社内エンゲージメントと似た言葉もあるため、ここではそれぞれの意味の違いを解説します。


従業員満足度

従業員満足度とは、職場環境に対する社員の満足度のことです。具体的には、給与、休暇日数、福利厚生など、企業から社員に与えるものが該当します。従業員満足度は、社員の目線で企業を評価した数値です。それに対して社内エンゲージメントは、企業と社員それぞれの評価を含んでいます。


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ロイヤルティ

ロイヤルティとは忠誠や忠実などを意味します。ビジネスシーンでロイヤルティという場合、愛社精神や帰属意識などのことです。従業員満足度と同様、ロイヤルティは社員から企業に対する一方的な指標を表しています。また、社内エンゲージメントとは異なり、企業と社員の主従関係が前提です。


まとめ

社内エンゲージメントは、さまざまな理由から注目を集めるようになりました。社内エンゲージメントを向上させれば、人材の流出防止や顧客満足度の向上などさまざまなメリットを得られます。社内エンゲージメントを高めるには自社の現状を洗い出したうえで、課題を解決するための具体的な施策に取り組みましょう。


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