人材マネジメントにおすすめの資格まとめ|必要なスキルや注意点を解説


人材マネジメントにおすすめの資格まとめ|必要なスキルや注意点を解説

人材マネジメントとは、ビジネスの成功のために戦略的な人材配置やフォローを行うことです。人材マネジメントに関する資格もあり、取得すれば新しい知見が得られる可能性があります。この記事では、人材マネジメントに関するおすすめの資格について解説するため、ぜひ参考にしてください。


人材マネジメントが必要とされる3つの理由!成功させる5つのポイントや手順を解説


人材マネジメントの資格とは

人材マネジメントの資格とは、人材のマネジメントに必要な能力を高めるたに、必要な知識やスキルを網羅している資格です。たとえば、ビジネスマネージャー検定やPMPなどが該当します。


人材マネジメントに必要なスキルまとめ

人材マネジメントには、さまざまなスキルが必要です。ここでは、具体的にどのようなスキルが必要か解説します。


1.リーダーシップ

人材マネジメントに取り組むうえでは、リーダーシップが不可欠です。リーダーシップとは、チームの目標を達成するためにメンバーを牽引する能力を表しています。同じ目標に向かっているつもりでも、なかには途中で誤った方向へ進むメンバーが生じる可能性もあるでしょう。その場合はリーダーシップを発揮し、正しい方向へ導かなければなりません。


なお、メンバーを引っ張らなければならないものの、メンバーを支配しないサーバントリーダーになる必要があります。サーバントリーダーとは、メンバーに寄り添いながら導く存在です。


2.現状分析能力

現状分析能力とは、そのときの状況を客観的に分析する能力を意味しています。リーダーは自分の状況だけでなく、チームのメンバーの状況も含めて把握することが大切です。また、目標達成までの過程のなかで、どの地点にいるか明示する力も不可欠となっています。


3.目標設定能力

目標設定能力とは、チームで達成すべき目標を適切に設定する力です。具体的にイメージできない曖昧な目標では、メンバーが何に取り組めばよいかわかりません。リーダーはメンバーが理解できるよう、目標として具体的なビジョンを示す必要があります。明確な目標を定め、全員が同じ認識で業務に取り組めるようにしましょう。


4.問題解決能力

問題解決能力とは、何らかのトラブルや課題が生じた際に対処する力を表しています。勘や経験に頼らず、論理的に考えて解決策を導き出さなければなりません。そのためには、どのような状況においても冷静さを保ち、状況を客観的に把握することが重要です。


5.コミュニケーション能力

人材マネジメントにおけるコミュニケーション能力とは、チームのメンバーと円滑に正確なやり取りができる力を示しています。メンバー同士の会話のやり取りが多いチームではアイデアが生まれやすく、日々の業務もスムーズに進みやすいです。リーダーは自ら積極的にメンバーとコミュニケーションをとり、チーム内の発言を増やす必要があります。


6.スケジュール管理能力

スケジュール管理能力とは、無理のないスケジュールを組んで管理する力のことです。自分のスケジュールだけでなく、チームのメンバーのスケジュールについても把握しなければなりません。個別の事情も考慮しながら、状況に応じて適切なスケジュールになるよう、調整する必要があります。


7.経営知識

経営に関する知識は、人材マネジメントにおいても重要です。経営に関する知識があると、チームのリーダーとして意思決定する際に役立つ可能性があります。経営知識を身に付けるには、普段から経営に対して興味をもちましょう。また、時間を作って基礎知識を学ぶことも大切です。


8.チームビルディング能力

チームビルディング能力とは、目的達成のためにチームを効果的に運営する力を意味しています。そのためには適切なメンバーを選抜し、それぞれの特性を考慮して役割を分担しましょう。また、信頼関係の構築も重要です。チームビルディング能力は、業務を効率よく進めるうえで重要な力だといえます。


9.部下の特性やスキルを把握する力

人材マネジメントにおいては、部下の特性やスキルを把握する力も必要です。メンバーと単にコミュニケーションをとるだけでなく、そのなかで個人の特性やスキルを把握しなければなりません。そして適材適所の人材配置を行い、業務に生かすことが大切です。スキルの把握や適材適所への人材配置のためには、タレントマネジメントやスキルマップが役立つでしょう。


人材マネジメントに関連する資格を取得するメリット

人材マネジメントに関連する資格を取ると、どのようなメリットがあるのでしょうか。以下で解説します。


スキルアップできる

人材マネジメントの資格を取得するためには、それぞれの試験で出題される専門知識について勉強が必要です。資格取得に向けて勉強に力を入れれば、スキルアップできます。それぞれの資格では、人材マネジメントに必要なスキルが体系的に扱われているため、勉強により深い知識を得られるでしょう。


そのようにして身につけた知識を現場で生かせると、人材マネジメントの質も向上させられます。結果として、人事評価において評価される可能性が高いです。


マネジメントに関する悩みを解消できる

人材マネジメントに携わるようになり、それまでとは異なる悩みをもつ人もいます。チームのメンバーをまとめながら成果を出し続けなければならず、戸惑いや迷いを感じる人も少なくありません。資格を取得するために勉強して知識を身につければ、そのような悩みを解消できるヒントになります。


人材マネジメントの考え方は時代によっても変化するため、時代に即した知識を確認するうえでも資格取得は役に立つでしょう。


ポータブルスキルを身に付けられる

ポータブルスキルとは、特定の業務に必要なスキル以外を意味しています。性格やコミュニケーションなどに関するスキルであり、他の業種や職種に携わる場合にも生かすことが可能です。人材マネジメントは業種や職種を問わず行われているため、資格取得のために勉強すれば、さまざまなところで役立つスキルを身に付けられます。


たとえば、異動や転職などでまったく違う業務に携わるとしても、人材マネジメントの資格があれば有利に働くでしょう。


人材マネジメントに関する資格まとめ

人材マネジメントに関する資格としては、どのようなものがあるのでしょうか。具体的な資格について解説します。


1.PMP

PMPとは、「Project Management Professional」の略であり、米国プロジェクトマネジメント協会が認定している資格です。プロジェクトマネジメントの国際資格であり、世界中で認知されています。資格取得のために勉強すれば汎用性が高いスキルを身に付けられ、さまざまな現場で役立つ可能性が高いです。どのような業種や職種においても活躍できる人材を目指せます。


2.メンタルヘルス・マネジメント検定

メンタルヘルス・マネジメント検定は、大阪商工会議所が主催している資格です。メンタル面の不調を抱えないようにするために必要なスキルを学べます。仕事についてストレスや悩みをもつ人が増えている状況を考慮し、メンタル面の不調を未然に防止する目的で始まりました。


コースが分かれており、立場に合わせて必要なスキルの習得が可能です。コースの種類は、人事労務管理スタッフ・経営幹部、管理監督者(管理職)、一般社員となっています。


3.MBA

MBAとは「Master of Business Administration」の略であり、経営学修士のことです。短期間で経営のプロフェッショナルを育成する目的があります。MBAを取得するには、MBAプログラムがある大学院で経営学の修士課程に通わなければなりません。ただし、通信や夜間などさまざまな大学院があるため、働きながらで修士課程の修了を目指す人も多くいます。


ビジネス系でおすすめの資格まとめ

ビジネス系の資格の中にも、おすすめのものは多いです。以下で解説します。


1.ビジネスマネージャー検定

ビジネスマネージャー検定は、東京商工会議所が主催している資格です。ビジネスマネージャーは中間管理職を表しており、部下を取りまとめるために必要な知識を網羅しています。具体的に扱っている内容は、人と組織のマネジメント、業務のマネジメント、リスクのマネジメントです。


特に近年はリスクマネジメントが重視されているため、ビジネスマネージャー検定の取得に向けて勉強すれば幅広い知識を得られます。


2.PMC

PMCは、プロジェクトマネジメント・コーディネーターを意味しています。特定非営利活動法人日本プロジェクトマネジメント協会が、認定している資格です。プロジェクトマネジメント、プロジェクト組織マネジメント、情報マネジメントと情報インフラストラクチャー、人材能力基盤について出題されます。試験に合格した後の認定期間は5年間で、その後は更新が必要です。


3.キャリアコンサルタント

キャリアコンサルタントは、職業選択や能力開発について相談を受け、アドバイスを行うための国家資格です。資格を取得すれば、働き方や人事に関する知識に加え、実践的なカウンセリングのスキルも身につけられます。資格がなくてもキャリアに関する助言は可能ですが、資格があれば信頼度がより高まるでしょう。各企業の人事担当、人材紹介会社、ハローワークなどで働く場合に役に立つ資格です。


4.ロジカルシンキングマスター

ロジカルシンキングマスターは、日本生活環境支援協会(JLESA)が認定しています。メンバーが納得できる指示を出したり、経営層へ明確な説明をしたりするには、物事を論理的に捉えて考える力が必要です。ロジカルシンキングマスターでは、論理的な思考の基礎である演繹法と帰納法について学べます。論理的思考力を強化したい人や、物事を多角的に考えられるようになりたい人におすすめです。


5.公認モチベーション・マネジャー資格

公認モチベーション・マネジャー資格は、東京未来大学と株式会社リンクアンドモチベーションが、共同開発した資格です。メンバーのモチベーションを管理するために必要な、対人スキルについて学べます。また、自分自身が仕事に取り組むうえで重要となる考え方についても、学ぶことが可能です。


公認モチベーション・マネジャー資格は2つに分かれており、Basic資格では自分自身のモチベーションアップの理論を扱っています。Advanced資格では、メンバーやチームのモチベーションアップの理論やスキルに関する内容です。


6.論理的思考士

論理的思考士は、日本インストラクター技術協会が認定している資格です。論理的な思考方法や多角的な視点を身に付け、問題を解決するために必要なアドバイスをするためのスキルを扱っています。


ロジカルシンキングマスターよりもさらに、マネジメント層を意識した資格です。論理的思考士の試験では、ロジカルシンキングに関する実践的な内容とともに、プレゼンを実施する前に確認すべき内容や、ロジカルシンキングにおいて必要な数字術に関して出題されます。


7.情報処理技術者試験

情報処理技術者試験は、情報処理推進機構が運営している国家資格です。レベル1~4のうちレベル4が最も高いレベルとなっています。レベル1~4のなかでさらに試験が細分化されており、全部で13種類です。


レベル1はITパスポート、レベル2は情報セキュリティマネジメント試験と基本情報技術者試験、レベル3は応用情報技術者試験となっています。レベル4の試験は、さらに高度な9種類です。


8.ビジネス・キャリア検定

ビジネス・キャリア検定は、特定の職種に必要となる専門的な知識や、スキルのレベルについて評価する資格です。人事、営業、経理などの職種の試験が中心となっており、4種類の等級があります。最も初歩的な等級はBASICで、さらに、3級、2級、1級の順で難易度が上がる仕組みです。


BASICでは社会人としての基礎となるスキルが扱われているため、新人研修の一環で導入している企業も少なくありません。経験が増えれば、さらにレベルの高い等級にも挑戦できるようになります。


経営・会計に関するおすすめの資格まとめ

経営や会計に関する資格も取得すると、人材マネジメントに役立つでしょう。具体的にどのような資格があるか解説します。


1.中小企業診断士

中小企業診断士は、中小企業が抱えている経営の課題解決を目指し、診断や具体的な助言をするための国家資格です。その企業が成長するために必要な要素を見極め、何をすればよいかアドバイスを行います。企業の成長戦略やその実行をサポートする役割です。


資格を取得できれば、企業において重要な知識やスキルを得られます。そのため、キャリアアップや転職にも役立つ可能性が高いです。


2.社会保険労務士

社会保険労務士は、人事に関する手続きの代行やアドバイスなどができる国家資格です。「社労士」という略称でもよく知られています。行政機関に提出する書類の作成や、労働に関する紛争を解決するための手続きなども代理で対応可能です。


専門的な知識が必要であり、難易度は高めになっています。資格を取得できると、たとえばHR部門でも活躍できるでしょう。


3.日商簿記検定

日商簿記検定は、経理業務で必要となる会計の実務に関する知識や、財務諸表を読み解くスキルなどを身に付けられる資格です。簿記初級や3級などもありますが、ビジネスで役立つ知識を得るには2級から挑戦すると効率がよいでしょう。


日商簿記検定は多くの人が知っている知名度が高い資格で、多くの人が受検しています。資格取得により、キャリアアップや転職にも役立つ可能性が高いです。


4.ビジネス会計検定

ビジネス会計検定は、財務諸表についての知識と分析力を身に付けていると証明するための資格です。財務諸表に示されている数値について正しく理解し、ビジネスに役立てることを重視しています。1〜3級があり、1級の難易度が最も高いです。ただし、1級の試験に落ちても120点以上の得点を獲得できれば、準1級として認定されます。


5.IPO実務検定

IPO実務検定は、上場の準備についての専門知識を証明できる資格です。上場の準備を社内でサポートできる人材の育成を目的としています。上場の準備においては、膨大な資料の作成や証券会社との細かなやり取りが必要です。それに対応するには、上場について深い知識を持たなければなりません。IPO実務検定で資格を取得すると、そのような知識を身に付けられます。上場準備に取り組む企業、監査法人、証券会社などで働く場合に役立つ資格です。


6.公認会計士

公認会計士は、企業の会計や監査などを専門に扱う国家資格です。公認会計士は国家資格のなかでも、特に難易度が高い資格として知られており、2回の試験に合格しなければなりません。公認会計士の主な業務内容は、税務、コンサルティング、監査などです。


企業の運営の根幹にも関わるため、専門的な知識やスキルが求められます。公認会計士の資格を取得できれば、専門性の高い人材としての活躍を期待できるでしょう。


職種別におすすめの資格

職種によっても特に取得すべき資格は異なるため、個別の検討が必要です。ここでは、職種ごとにおすすめの資格について解説します。


人事職におすすめの資格とは

企業の人事職の場合、人事、人材開発、労務管理に関する知識やスキルを学べる資格がおすすめです。たとえば、メンタルヘルス・マネジメント検定試験や、キャリアコンサルタントなどを取得すると、スピーディに業務に役立てられます。


また、人事職は社内のさまざまな職種に関わるため、他の職種に関する知識やスキルを身に付けられる資格の取得を、目指してもよいでしょう。たとえば、経営全般について学べるMBAや、仕事に対するモチベーションについて、理解を深められる公認モチベーション・マネジャー資格などが候補となります。


財務・経理職におすすめの資格とは

財務・経理職におすすめの資格は、日商簿記検定、ビジネス会計検定、中小企業診断士などです。財務や経理職として働くうえでは、日常的な帳簿業務に関する知識の理解は必須となります。


また、それだけでなく、資金を効率的に運用するために必要な知識も身に付けられると、業務において役に立つ可能性が高いです。企業全体に関わる知識を身に付け、自社が具体的にどのような状況になっているかを、把握できるようにする必要があります。


営業職におすすめの資格とは

営業職は幅が広く、具体的な業務内容によって必要な知識やスキルには違いがあります。よって、さまざまな分野で役立つ必要な知識や、スキルを身に付けられる資格の取得がおすすめです。たとえば、情報処理技術者試験のレベル1に該当するITパスポートの資格を取得すれば、情報処理に関する基礎的な知識やスキルを得られます。


営業職はチームで業務を進めるケースも多いため、資格を通してメンバーの営業成績を上げるために、必要な知識も身に付けられるとよいでしょう。


技術職におすすめの資格とは

技術職の場合、前提として専門とする技術に関する知識やスキルが必須となるため、まずはそれに関連する資格の取得を目指すべきです。


そのうえで、さらに知識やスキルを増やすためには、PMPやMBAなどの資格取得も視野に入れるとよいでしょう。PMPはプロジェクトマネジメントの国家資格であり、チームの業務をスムーズに進めるために必要な知識やスキルを得られます。また、経営学修士のMBAを取得できれば、経営に関する知識により、さらに多角的な考え方ができるようになる可能性が高いです。


資格取得における注意点とは

資格取得には価値があるものの、資格取得そのものを目的にしないよう注意しましょう。単に資格を取得するだけでは意味がないため、なぜ取得する必要があるかよく考えることが大切です。資格を取得し、具体的に何に生かすかイメージする必要があります。そのようにして自分にとって役立つ資格を見極め、計画的に勉強に取り組んでください。


人材マネジメントにおけるポイント

人材マネジメントにおいては、もともと部下が持っているスキルや特性を最大限に引き出す必要があります。そのためには、部下が働きやすい環境を整え、仕事に対するモチベーションも高めることが大切です。社員エンゲージメントの向上を目指せば、業績の改善にもつながっていくと考えられます。


まとめ

人材マネジメントにはさまざまな知識やスキルが必要です。人材マネジメントに関する資格は多数あるため、実際の業務内容も考慮しながら資格取得を目指す必要があります。資格取得のために勉強すれば、人材マネジメントに関する深い知識やスキルを身に付けられるでしょう。


タレントパレットは、社員の個人情報やスキルなどを管理するためのシステムです。人事データの一元管理と分析が可能で、企業の力の最大化を目指せます。大手企業をはじめとする多くの企業に導入された実績があり、コンサルティングの知見も豊富です。人材に関するあらゆる悩みの解決に対応できます。人材マネジメントに関する資料も配布しているため、ぜひ活用してください。


人的資本経営時代の人材マネジメント戦略

eラーニングや研修、人材育成に役立つシステムの詳しい情報はこちら