こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
「社内で人事制度改革をしたいけどタイミングがわからない」
「どのような手順で行えばいいだろうか?」
「人事制度改革をスムーズに行えるサービスはないかな」
という方は多いのではないでしょうか?
人事制度改革はタイミングの良い時期に行えば、業績アップにつながりやすいです。しかし、企業ごとに風土や社員数などが異なるため、人事制度の再構築は容易ではありません。
そこで本記事では
- そもそも人事制度とはなにか
- 人事制度改革をするタイミング
- 人事制度改革をするメリット
- 人事制度改革をする手順
- 人事制度改革をする際のポイント
について解説します。
「人事制度改革を適切に行って、業績アップを目指し社員にとって居心地が良い企業にしたい」という方のお悩みを解決できる内容になっているので、ぜひ最後までお読みください。
人事制度とは
人事制度とは、企業運営における人の管理に関する制度のことです。社員を採用してから企業内での活躍、評価、教育など人材に関するさまざまな場面で重要な役割をもちます。
企業の経営資源には「ヒト・モノ・カネ」があります。そのなかでも、「ヒト」は、モノやカネに大きな影響を与える要素です。人を管理し、育成することによって、企業の業績が変わります。
人事制度の役目は、社員のモチベーションを上げたり、能力の向上を図ったりしながら企業の成長を目指すことです。人事制度によって、企業全体の売上や資源は大きく左右されるため、一貫性をもった人事管理ができる運営基準や仕組みの構築が欠かせません。
近年の労働環境の変化によって、人事制度を見直すケースが増えています。人事制度によって社員の処遇が決まりますが、処遇決定の主な要素は以下の3つです。
- 等級制度
- 評価制度
- 報酬制度
等級制度は、社員の給与や社内配置を決めるために、個人のスキルや職務内容に応じた等級を定める制度です。評価制度は、社員の仕事ぶりや成果を評価する仕組みを整備するための制度です。そして、報酬制度は等級や評価に基づいて報酬(基本給、賞与、退職金など)を決める制度といえます。
ベストなタイミングで人事制度改革をしよう
人事制度改革は、ベストなタイミングで実施するようにしましょう。人事制度を見直すタイミングは、以下の2つの時期です。
- 企業の事業規模が大きくなるとき
- 社会全体が変化しているとき
事業が拡大し、社員数が増えると、これまで通りの人事制度では十分な人事評価ができません。人事評価が十分に行えないと社員の不満が高まり、離職してしまうおそれもあるため、より効率的で大人数に対応できる制度を取り入れる必要があります。
また、社会全体が大きく変化しているときこそ、企業もそれに合わせて働き方や職場環境を柔軟に変化させることが大切です。
採用した人材がうまく育たない、早期に退職してしまうといったときにも、人事制度改革を行うことは企業にとってプラスに働きます。人材の採用方法や、採用後の配置などは人事制度に問題があることが多いためです。
人材のミスマッチがなくなると、社員の仕事に対するモチベーションも上がるでしょう。
人事制度改革をするメリット3選
ここでは、人事制度改革をする3つのメリットについて解説します。
- 社員のモチベーションが高まる
- 企業のビジョンを社員と共有できる
- 社内の活発なコミュニケーションにつながる
人事制度改革によって、仕事に対する社員一人ひとりの士気が高まるだけでなく、社内全体の活性化にもつながるでしょう。
社員のモチベーションが高まる
人事制度改革をすると、社員のモチベーションが高まります。人事制度改革によって社員の評価を適切に行えるようになると、社員の満足度は向上し「もっと会社に貢献したい」という気持ちが高まる
からです。
誰でも自分の仕事ぶりを評価されると嬉しいものです。正当に評価してもらっているという実感をもつことで、社員の企業定着率は上がり、生産性の向上や業績アップにもつながります。
企業のビジョンを社員と共有できる
人事制度改革によって、企業のビジョンを社員と共有できるようになります。企業理念や具体的な目標を伴う人事制度改革を行うことで、ビジョンを社内全体に浸透させられます。このことが、業績を大きく伸ばすきっかけになるでしょう。
社員自身にも目指すべき方向性が定まり、仕事の効率を上げることにもつながります。また、社内だけでなく社外に対してもビジョンを積極的に発信することで、社員自身が自覚を持った行動ができるようになるでしょう。
社内の活発なコミュニケーションにつながる
人事制度改革によって、社員の評価が適切にできるようになると、上司と部下のコミュニケーションが活発になります。また、社員に対して以下のように接するだけでも社員のモチベーションは大きく変わるでしょう。
- 日常的に「期待しているよ」と言った言葉を伝える(ピグマリオン効果)
- 普段の仕事に対する感謝や労いの言葉をかける(サンクス効果)
- 成果を上げた社員一人ひとりの名前を挙げて褒める(スポットライト効果)
さらに、上司から部下に対する評価の際にフィードバックがあれば、部下は上司を信頼するようになり、社内全体の活性化にもつながるでしょう。
人事制度改革をする4つの手順
ここでは、人事制度改革を行う手順を4ステップで解説します。
- 現状を把握し方針を決める
- 各制度を再設計する
- 人事制度改革後のシミュレーションを行う
- 新しい人事制度の運用を開始する
適切な人事制度改革を行うためには、どの手順も大切です。一つずつ詳しくみていきましょう。
現状を把握し方針を決める
まずは、現状を把握し方針を決めましょう。企業の理念やビジョンを再確認し、現状に問題点がないか確認する必要があります。問題点があれば、その点を洗い出して制度改革の内容を決めます。
問題点を探る際には、以下のことを行い客観的なデータを収集することが大切です。
- 評価する側・される側に対してヒアリングを行う
- 費用・賃金相場についての調査を行う
例えば、賃金についてならば、現状の人件費は企業の業績と相関関係があるかなどを調査します。
各制度を再設計する
次に社内の各制度を再設計します。人事制度の3要素(等級制度、評価制度、報酬制度)の中で、等級制度は人事制度の中心となります。まず、等級制度を再設計してから評価制度と報酬制度についても見直しを行いましょう。等級制度は、さらに以下の3つに分けられます。
- スキルを基準に評価する職能資格制度
- 職務で報酬を決める職務等級制度
- 役割に応じた序列を定める役割等級制度
この中のどれが自社に合っているか再検討が必要です。
評価制度では、社員を正しく評価できているかや、評価基準・項目に改善は必要かについて見直します。そして、報酬制度については社員の満足は上がっているか、報酬に格差は生まれていないかなどの観点で、他社の賃金水準とも比較しながら見直す必要があります。
人事制度改革後のシミュレーションを行う
実際に人事制度改革を行い、新制度に移行したときを想定してシミュレーションを行います。人事制度のかなめは、社員の等級や報酬です。そのため、新制度では実際の人件費がどれくらいになるかを検証し、大きく増減していないか確認しましょう。
新しい人事制度の運用を開始する
シミュレーションで問題がなければ、新しい人事制度改革の運用を開始します。新制度運用に際しては、社員に十分説明を行う必要があります。人事制度改革を行った背景や内容、目的などについて理解してもらうことも重要です。
実際の運用の中でも課題が出てくることがあるため、社員とも連携して改善を行い、より良い制度にしていきましょう。
人事制度改革をする際のポイント5選
ここからは、人事制度改革のポイントを解説します。
- 人事制度には正解がないことを認識する
- 社会環境の変化を常に注視する
- 全社員の公平性を保つ
- フィードバックを行う
- 情報の一元化で見える化を行う
人事制度改革は、一度行えば良いというわけではありません。必要に応じて、修正などができるようポイントを意識することが大切です。
人事制度には正解がないことを認識する
人事制度には「これが正解」というものは存在しません。企業風土や採用する人材によって、人事制度は多種多様です。ある企業で導入して運営がうまくいった人事制度を、他の企業に導入すればうまくいくかといえばそうでもありません。
人事制度の仕組みが企業に合わなければ、むしろマイナスに働くこともあるので、企業それぞれに合った人事制度の構築が不可欠です。
社会環境の変化を常に注視する
めまぐるしく変化する社会環境を、常に注視する必要があります。人事制度改革を行ったからといって、そこで安心してはいけません。日々変化する社会環境に対応して、人事制度もアップデートが必要です。
例えば、テレワーク導入が進んでいる企業では「評価制度」に関して社員の仕事の成果は数値で把握できますが、そこに至るまでの仕事ぶり(プロセス)は見えにくいです。そのような、社会の変化や働き方の多様化に対応できる人事制度改革が必要です。
全社員の公平性を保つ
人事評価にあたっては、社員全員の公平性を保つことが大切です。そのためには、評価基準を明確にして、主観は排除する必要があります。
評価基準が曖昧だと、社員が自分の評価に納得がいかず「周りと比べて自分はなぜ評価されないのか」といった不満をもち、離職につながるリスクもあります。評価基準を明確にし提示することは、社員の仕事へのモチベーションアップにもつながるでしょう。
フィードバックを行う
一方的に社員を評価するのではなく、フィードバックを行うことが大切です。フィードバックをすることで、社員の抱えている課題に対して今後の行動の検討ができ、パフォーマンスよく仕事ができるようになります。
また、フィードバックを行う中で社員との対話が生まれ、より信頼感を得られるようになります。フィードバックを行う際は、一度にたくさんの情報を詰め込まず、ポイントを絞って行うと良いでしょう。その方が、受け手の理解の負担が減り行動に移しやすくなります。
情報の一元化で見える化を行う
情報の一元化を行うことが大切です。人事制度改革にあたっては、適切に人材を評価したり配置したりするために、必要なデータは一元化しましょう。
社員に関する人事データにはさまざまなものがありますが、一元管理をすることで人材の見える化につながります。情報を一元化することで、業務効率も上がり残業時間の削減にもつながるでしょう。また、人事データの分析もしやすくなります。
人事データ分析について詳しく知りたい方は、別記事「人事データ分析」をあわせてご確認ください。
まとめ
人事制度改革をすることで、社員のモチベーションアップや社内全体の活気につながり、風通しの良い職場環境につながるでしょう。人事制度改革では情報の一元化が重要ですが、システムを取り入れることでスムーズに導入を進められます。
タレントパレットのサービスは、社員データを一元化できるため、必要とする情報がすぐに閲覧可能です。例えば、社員のモチベーション調査に基づく分析によって社員の声を見える化できます。その結果、離職しそうな社員を発見しやすくなるため、早い段階でフォローが可能です。
タレントパレットのサービスを利用することで、人事制度改革をスムーズに行えるようになるでしょう。ぜひ、タレントパレットのサービス利用をご検討ください。