人材リソースの活用に必須の4つのマネジメント!フレームワークや見直したい人事制度も紹介


人材リソースの活用に必須の4つのマネジメント!フレームワークや見直したい人事制度も紹介

人手不足の中、既存社員で業績アップを目指したいという方も多いのではないでしょうか。本記事では、人材リソースのマネジメントについて解説します。人材を適切に管理して会社を成長させたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。


「自社の人材リソースを有効に活用できていないから改善したい」「人材リソースを有効活用し、事業発展へつなげたい」という方は多いのではないでしょうか。


少子高齢化の影響を受け、優秀な人材を確保するのが困難となっており、既存社員のポテンシャルに期待する状態が続いています。人材を採用できたとしても、早期離職してしまう可能性があり、自社の発展につながらないことも課題の一つです。経営目標の達成には、既存社員をマネジメントし、パフォーマンスアップを目指すことが重要です。

 

そこで本記事では、人材リソースの活用方法を紹介します。既存社員を適切にマネジメントし、事業を発展させたい方は、ぜひ最後までお読みください。


人材リソースが最も重要と言われる理由


人材リソースは、最も重要な経営資源です。ビジネスにおける経営資源とは、以下の6つを指します。


  • ヒト
  • カネ
  • モノ
  • 情報
  • 時間
  • 知的財産


ヒトは人的資本と呼ばれ、人材リソースと同様の意味を持っています。人的資本は、唯一自ら行動を起こせるのが特徴です。自社に適性のある人材を採用するだけでなく、成長を促すことで、業績の向上が目指せます。人材の育成に注力することが、今後の企業発展に大きく関わるでしょう。


人材育成について詳しく知りたい方は、別記事「人材育成の考え方」をあわせてご確認ください。


人材リソースの有効活用に必須の4つのマネジメント


人的リソースを有効活用するには、社員をマネジメントする必要があります。ここでは、4種類のマネジメント方法を紹介します。


  • タレントマネジメント
  • ストレスマネジメント
  • パフォーマンスマネジメント
  • スキルマネジメント


適切にマネジメントすれば、社員のモチベーションアップだけでなく生産性向上も期待できるので、ぜひ参考にしてみてください。


タレントマネジメント


タレントマネジメントは、社員の適性に合った役割を振り分け、才能を最大限に引き出すのが目的です。成功させるには、社員のスキルや得意分野を分析することが重要です。社員の適性を把握することで、適切に人材配置できるようになります。結果として、社員の満足度が高まるだけでなく、生産性向上も期待できるでしょう。


また、タレントマネジメントは採用活動にも活かせます。求職者の人柄や保有スキルを分析した上で採用すれば、自社に適した人材を確保できます。入社後のミスマッチ防止にも関わるので、採用・教育コストの削減にもなるでしょう。


現在は、タレントマネジメントのシステム普及により、システム上で社員情報を一括で管理できます。弊社では、社員情報を管理するだけでなく分析も可能な「タレントパレット」を提供しています。人事業務の効率化が図れるので、ぜひお気軽にお問合せください。


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ストレスマネジメント


ストレスマネジメントでは、社員が抱えている仕事や人間関係の不満へ適切にアプローチし、ストレスの軽減・解消を図ります。ストレスは社員によって、耐性の強さや感じるタイミングが異なります。また、客観的にストレスがどの程度蓄積されているか把握するのは難しいです。しかし、ストレスを解消できずにいると、社員のパフォーマンスは低下してしまいます。


社員の不満を解消するだけでなく、業務品質を向上させるためにも、ストレスマネジメントを行いましょう。ストレスマネジメントとして、社員が自身の気持ちを伝える機会を設けるのがおすすめです。たとえば、不満などを匿名で報告できる窓口を社内に設置すると、社員が安心して相談できます。


ただし、問題を根本的に解決するには、経営者や人事担当者は、ストレスを感じている社員を早く把握することが大切です。業務内容や部署内の人間関係が原因の場合、社員を異動させることでストレスが解消する可能性があります。システムを導入し、関係者に知られないように相談できる体制を整えるなど、社員がストレスを抱えにくい環境を構築しましょう。


パフォーマンスマネジメント


パフォーマンスマネジメントでは、社員の業務品質や効率の向上を目指します。取り組むことで、社員の生産性が高まり、業績アップにもつながります。パフォーマンスの向上を目指すためには、精度の高いフィードバックを提供できる体制を整えるのがおすすめです。


社員は、上司から評価される機会が多いでしょう。上司が的外れなフィードバックをすると、社員のパフォーマンスは向上しません。また、不満が蓄積して信頼関係が築けないリスクもあります。そのため、社員を評価する立場の方は、フィードバックの精度を高める必要があります。


経験や勘に頼るのではなく、社員の保有スキルや性格などを考慮した上で、納得してもらえる評価を行うことが重要です。社員の業務品質を客観的に判断し、改善された点があるなら良い評価を与え、今後の課題も共有しましょう。適切な難易度の課題を与えれば、それが目標となり、社員のパフォーマンス向上が期待できます。


スキルマネジメント


スキルマネジメントとは、教育や研修により社員の能力を高める取り組みです。実行する際は、各社員の得意分野だけでなく、苦手分野も明確にしましょう。なぜなら、苦手分野の業務にあたっていると、スキルの習得に時間がかかるためです。社員に適性のある部署があるなら、スキルの習得を促すよりも異動させる方がパフォーマンスを発揮できる可能性があります。


社員の得意・不得意を把握するには、スキルの種類を知っておきましょう。スキルは、以下の2つに分類できます。


  • ハードスキル
  • ソフトスキル


ハードスキルとは、語学やプログラミングのような、測定しやすいスキルのことです。一方で、ソフトスキルはコミュニケーション能力や問題解決力などが該当し、客観的な評価が難しいのが特徴です。スキルマネジメントを行う際はスキルを細分化し、社員の適性を判断しましょう。


弊社が提供しているタレントパレットなら、チェックシートに回答してもらうだけで、社員全員のスキルを可視化できます。スキルに関するデータを蓄積できるので、研修制度の構築にも役立ちます。ぜひ、お気軽にお問い合せください。


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人材リソースを有効活用するための5つのフレームワーク


ここでは、人材リソースの有効活用に役立つフレームワークを5つ紹介します。


  • ミシガン・モデル
  • ハーバード・モデル
  • ワーウィック・モデル
  • ウルリッヒ・モデル
  • ゲスト・モデル


これらのフレームワークは、日本では1990年代以降から着目され、すでに採用している企業があります。フレームワークを導入して社員の生産性アップを図り、経営目標の達成を目指しましょう。


ミシガン・モデル


ミシガン・モデルは、1980年代にミシガン大学が中心に行った研究が基になってできたフレームワークです。人材マネジメントの基本機能として、以下の4つが挙げられています。

  • 採用・選抜
  • 人材評価
  • 報酬
  • 人材開発


会社全体のパフォーマンスに焦点を置いているのが、ミシガン・モデルの特徴です。経営戦略に沿って社員を採用・選抜し、評価を報酬や人材開発と連動させ、個人の生産性を向上させることが目的です。社員は、会社に貢献しただけの報酬が得られます。一方で、知識や能力が乏しいと評価された分野については、人材開発を行ってフォローする仕組みになっています。個人の生産性を高めた結果として、組織全体のパフォーマンス向上が期待できるでしょう。

ハーバード・モデル


ハーバード・モデルは、ハーバード大学によって行われた研究を基にして、1980年代に構築されました。社員の帰属意識が重要視されているのが特徴です。ハーバード・モデルは、以下の4つの要素で構成されています。

  • 社員の影響
  • 人的資本のフロー
  • 報酬システム
  • 職務システム


社員の積極的な関与やスキルアップを促すことで、企業は費用対効果の最大化を実現可能です。企業の利益が増大するだけでなく、社員には成果に見合う報酬や役職が与えられる仕組みなので、結果として双方の目標が合致します。関係者の利害に焦点が当てられているからこそ、組織全体の成長が期待できます。

ワーウィック・モデル


ワーウィック・モデルは、1990年にハーバード・モデルを基に作られたフレームワークです。ハーバード・モデルとは異なり、以下5つの要素が重視されています。

外部コンテキスト

(外部要因)

・政治的要因

・技術的要因

・競争的要因

内部コンテキスト

(内部要因)

・組織の構造

・社内風土

・社内政治

・タスクテクノロジー

ビジネス戦略の内容

・事業の目的

・製品市場

・事業戦略

HRMコンテキスト

(人材マネジメント要因)

・役割

・組織

・役割

・ルール

HRMコンテンツ

(人材マネジメントシステム)

・人事管理

・報酬システム

・社員同士の関係

外部要因と内部要因のバランスが、組織の発展に関与すると考えられているのが特徴です。外部要因の状況に合わせて、適切に社内の環境を変化させることで、事業の発展が実現します。社内だけでなく社外にも目を向け、情報をいち早く察知することが重要です。

ウルリッヒ・モデル


ウルリッヒ・モデルは、David Ulrich(デイビッド・ウルリッヒ)によって、1995年に提唱されました。ウルリッヒ・モデルは、人材を機能別に以下の4つに分類し、それぞれに所属する人の役割に着目しています。

  • 戦略的パートナー:経営戦略に合わせた組織設計を行う
  • 管理のエキスパート:社員を取りまとめて業務効率化を目指す
  • 社員チャンピオン:事業部長と社員の間を取り持って整合性を図る
  • 変革の実行者:社員のパフォーマンスを高めて組織の変革を行う


プロセスや機能ではなく、社員の役割に焦点を当てているのが特徴です。社員が自身の役割を把握した上で業務にあたることで、組織全体のパフォーマンスが向上するでしょう。経営者は、社員の適性に合わせて役割を振り分け、一人ひとりがパフォーマンスを発揮できる環境を構築することが重要です。

ゲスト・モデル


ゲスト・モデルは、1997年に組織心理学者であるDavid Guest(デイビッド・ゲスト)によって考案されたフレームワークです。以下の6つの要素に焦点が当てられています。

  • 人事戦略
  • 人事慣行
  • 人事結果
  • 行動結果
  • パフォーマンス結果
  • 財務結果


ゲスト・モデルでは、人事戦略から財務結果までの整合性が取れているかが重要視されているのが特徴です。人事マネージャーの戦略を基に雇用慣行の定着を促し、結果につなげます。結果には、以下の3つの要素が該当します。

  • 行動結果
  • パフォーマンス結果
  • 財務結果


社員が行動し、高いパフォーマンスを発揮することで、財務結果として利益の増大が実現します。他のフレームワークと比べてシンプルな構造なので、多くの企業が取り入れやすいでしょう。

人材リソースの活用のために見直したい人事制度2選


人材は、機械のように常に、一定のパフォーマンスを出せるわけではありません。パフォーマンスの維持・向上のために、以下の2つの制度を見直すのがおすすめです。


  • 教育制度
  • 評価制度


社員の生産性を高めたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。


教育制度 


社員が携わるプロジェクトに必要なスキルを習得するために、教育制度を見直しましょう。人材育成の目的は、自社の業績を上げて経営目標を達成することです。経営目標の達成には、社員一人ひとりのパフォーマンスを高める必要があります


社員によって役割が異なり、それぞれが機能しないと経営目標を達成できないので、業務に活かせるスキルの習得を促すことが重要です。コンプライアンスなどの一般的な知識の共有だけでなく、部署や役職ごとに特化した内容の研修を実施するのがおすすめです。業務に活かせるスキルが身につけば、社員の生産性が高まり、経営目標の達成が現実的になるでしょう。


評価制度


評価基準が明確になっていない場合は、制度の見直しが必要です。評価制度は、社員のモチベーションに関わります。例えば、管理職の経験や勘に頼ると公平に評価できず、社員に納得してもらえないこともあるでしょう。


納得してもらえる評価でなければ、社員のモチベーションが下がり、生産性が低下するリスクがあります。適正に評価するには、明確な基準を設定して社員に共有するのが効果的です。社員に評価だけでなく、項目ごとの達成度を共有すれば納得してもらえるでしょう。


また、達成できなかった項目も確認できるので、社員が業務を遂行する際の目標を設定しやすくなります。目標がはっきりしていると、モチベーションを保ちやすいのがメリットです。また、目標達成を目指して生産性の向上も見込めるので、組織力の強化も期待できるでしょう。


まとめ


人材リソースは、最も利益の増大が見込める経営資本です。現在は、少子高齢化の影響を受け、人材の獲得が難しくなっています。経営目標を達成するには、既存社員のパフォーマンス向上を促す取り組みが必要です。教育や評価の制度を見直すことで、社員のスキル習得やモチベーションの向上が期待できます。結果として社員の生産性が高まり、経営目標を達成しやすくなるでしょう。


教育や評価を最適化するには、社員の特性や保有スキルなどを把握することが重要です。社員情報の可視化には、人材管理システムを導入するのがおすすめです。システム上に社員情報を登録すれば、短時間で必要な情報を取得できます。


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