こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
「早期退職者の割合が高くなってきているから改善したい」「人材マッチングに取り組んで定着率を高めたい」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
2021年に厚生労働省が実施した調査によると、2018年に新卒採用で入社して3年以内に離職した社員の割合が3割を超えていることがわかりました。企業にとって優秀な人材を採用し、長年勤務してもらうのは難しくなってきています。定着率を高めるには、積極的に人材マッチングに取り組み、社員を適切な部署に配置するのが必須です。
そこで本記事では、人材マッチングを成功させるために、重要な項目や注意点を解説します。社員の定着率を高めたいという方は、ぜひ最後までお読みください。
人材マッチングの重要性
適切に人材マッチングを行えば、優秀な社員の離職を防げたり、採用・教育コストを削減できたりといったメリットが得られます。自社は求めている人材を確保でき、求職者は適性に合った仕事ができるからです。反対に人材マッチングに取り組まないと、業務品質や社員のモチベーションが低下したりする可能性が高まります。
現代の就職活動は少子高齢化に伴い、求人数に対して求職者の人数が足りていません。今後も売り手市場が続くと考えられており、優秀な人材を発掘するのが難しくなっているのが現状です。たとえ新しい人材を採用できたとしても、そのうちの3割が3年以内に退職してしまうという結果が出ています。つまり50人採用した場合、16人は3年以内に退職してしまうということです。
早期退職の原因として、採用ミスマッチが挙げられます。人材マッチングによって自社に合った人材を獲得できると、早期退職者を減らせる可能性があります。社員の定着率が高まれば、生産性向上やコスト削減につながるので、人材マッチングに積極的に取り組むのがおすすめです。
社員の離職率を下げる方法について詳しく知りたい方は、別記事「定着率計算方法」をあわせてご確認ください。
人材マッチングで重視すべき4項目
人材マッチングを成功させるには、複数の項目に優先順位をつけて求職者を判断する必要があります。企業だけでなく、求職者のニーズも満たせていないと、採用ミスマッチが生じてしまうので要注意です。ここでは、人材マッチングで重視すべき4項目を紹介します。
- 希望条件
- スキル
- 人柄
- 属性
採用業務で求職者と顔を合わせる時間は少ないので、事前にどのような条件を満たす人材獲得を目指すか決めておきましょう。採用だけでなく人材配置にも活かせるので、参考にしてみてください。
希望条件
希望条件とは、求職者が望んでいる以下のような項目です。
- 職種
- 業務内容
- 勤務時間
- 福利厚生
- 休日日数
企業は、求人者に採用後の働き方を伝える必要があります。求職者に伝えることで、望んでいる働き方が実現するか考えてもらえます。面接時は、自社の希望を伝えるだけでなく、求職者が求めていることを聞いてみても良いでしょう。求職者の価値観を理解することは、入社後の不満やギャップを減らすことにつながります。適切な部署への配置やプロジェクトへのアサインを行うことで、長期間勤務する社員を増やせるでしょう。
スキル
人材のスキルを把握することで、社員を適切な部署に配置できます。部署やプロジェクトによって、求められるスキルは異なります。たとえば、営業部で最も求められるのは、主にコミュニケーション能力です。人事部では、情報収集スキルや課題解決力などが必要になります。
部署に合った人材配置を行うには、求職者や社員の能力を把握する必要があります。適切に人材を配置したいなら、部署ごとに必要なスキルを洗い出しておきましょう。求職者や社員によって、保有しているスキルの種類やレベルが異なります。スキルを確認してから採用したり人材配置を行ったりすると、自社の課題解決につながるでしょう。
人柄
人柄を見抜くことで、入社後のミスマッチを防げます。企業ごとに求めている人物像が異なるだけでなく、人材によって希望する働き方が分かれるでしょう。1人で黙々と作業に集中したい人もいれば、グループで同じ目標に向かって仕事をしたい人もいます。どれだけ能力が高い人材でも、自社の社風や働き方に合わなければ、最大限の力を発揮できなくなってしまいます。
特に中途採用で入社した社員は、前職の社風や人間関係を基準にすることが多いです。基準を上回らないと、再度転職を考えてしまう場合があるので注意しましょう。人の性格は変わりにくいからこそ、十分にヒアリングすることが重要です。人柄は、自社にマッチしているか判断する重要な要素なので、十分に確認しましょう。
属性
属性とは、求職者の個人情報のことで、以下のような項目が該当します。
- 性別
- 年齢
- 住所
- 学歴
- 職務経歴
採用を考える際は、特に学歴や職務経歴をチェックしましょう。求職者の専門分野や経験のある仕事が把握できるので、自社の業務に活かせる知識を有しているか判断できます。ただし、属性はプライベートな情報なので、面接で私的な質問をしないようにしましょう。私的な質問が就職差別につながるとして、厚生労働省は以下のような案内を公表しています。
“公正な採用選考を行うことは、家族状況や生活環境といった、応募者の適性・能力とは関係ない事柄で採否を決定しないということです。
そのため、応募者の適性・能力に関係のない事柄について、応募用紙に記入させたり、面接で質問することなどによって把握しないようにすることが重要です。これらの事項は採用基準としないつもりでも、把握すれば結果としてどうしても採否決定に影響を与えることになってしまい、就職差別につながるおそれがあります。
(公正な採用選考の基本 https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/topics/saiyo/saiyo1.htm)”
適性と能力に関係ない事項とは、以下のような項目です。
- 本籍・出生地
- 家族・家庭環境
- 宗教
- 支持政党
面接など求職者と接するときは、私的な質問をしないように気をつけましょう。注意を払って対応しないと、就職差別につながるだけでなく、求職者に悪い印象を与えて辞退されるリスクが高まります。
人材マッチングに取り組む4つのメリット
人材マッチングの効果を感じられるのは、社員が入社した後です。ここでは、人材マッチングに取り組むことで得られるメリットを4つ紹介します。
- 業務品質向上
- 優秀な社員の離脱防止
- モチベーション向上
- 採用・教育コスト削減
人材マッチングに取り組み、組織力の向上を目指したい方は、参考にしてみてください。
業務品質向上
人材マッチングに取り組むことは、業務品質の向上につながります。なぜなら、特定の業務に適した技術や能力を保有している人材を採用できるためです。どの業務にも、向き不向きがあります。適切な技能を持った人材が相性の良い業務に取り組むことで、精度や生産性が向上します。
たとえば、プロジェクトを立ち上げる際は、担当業務の知識を持っている社員に参加してもらえば即戦力になるでしょう。人材マッチングに取り組むと、人材の適性が把握できるので、結果として業務の効率化や生産性の向上が実現できます。
優秀な社員の離脱防止
人材マッチングは、優秀な社員の離脱防止に有用な手段です。社員が離職してしまう理由として、以下の3つが挙げられます。
- 労働条件が良くない
- 人間関係でストレスを感じる
- 会社の将来に対する不安がある
1つ目と2つ目の理由である「労働条件が良くない」「人間関係でストレスを感じる」は、採用ミスマッチに関わります。優秀な人材でも不満やストレスが大きいと、離職しやすくなってしまうでしょう。
人材マッチングに取り組むことで、採用時点で求職者が求めている働き方が把握可能です。人材に適した部署に配属することで、労働環境に対する不満や部署内での温度差を改善可能です。適性を把握した上で採用するので、社風や働き方に共感してもらえる社員を集められます。結果として、社員の離脱防止につながるでしょう。
モチベーション向上
人材マッチングは、社員のモチベーション向上につながります。なぜなら、適性のある部署に配属することで、業務にやりがいを感じてもらえるようになるからです。
反対に、適性のない部署に配属すると、担当者のモチベーションは下がってしまうでしょう。たとえ会社の待遇や人間関係が良くても、業務内容が合っていないと、社員のやる気低下につながってしまいます。特に、以下のような状況下で仕事をしていると、会社に対して不満を抱いてしまう可能性が高いです。
- 能力以上の作業を任される
- 適性に沿わない業務を担当する
- 上司に言われたことだけをしている
人材マッチングを行うことで、社員が望む働き方を把握可能です。適切に人材配置できるようになるので、社員のモチベーションの向上が期待できます。
採用・教育コスト削減
人材マッチングの取り組みは、採用と教育コスト削減につながります。なぜなら、入社後に起きやすいミスマッチを防げるからです。近年は新卒や中途に関わらず、入社後3年以内に全体の約3割が退職するという状況が続いています。実際に社員1人が3年以内に退職すると、企業の損失額は数百万円に及ぶと言われています。
損失を回避したいなら、人材マッチングに取り組みましょう。自社が求める社員の理想像を定めた上で、適性のある人材を採用できるようになります。適性を把握した上で採用すれば、離職率の低下が実現し、結果として採用・教育コストを削減できるでしょう。
人材マッチングを行う際の3つの注意点
人材マッチングは、業務品質の向上やコスト削減に関わります。ただし、注意点を押さえておかないと十分な効果が期待できません。ここでは、人材マッチングを行う際の3つの注意点を紹介します。
- 事前に自社の課題を洗い出す
- 既存社員に配慮する
- 人材要件に優先順位をつける
事前に注意点を把握しておくと、トラブルの防止にも役立つので、参考にしてみてください。
事前に自社の課題を洗い出す
人材マッチングを円滑に行うためには、事前に自社の課題を洗い出す必要があります。自社の課題を把握しておくと、解決に必要なスキルや適性のある人材を採用できるからです。たとえば、IT化への適応が課題自社の課題を明確にすると、プログラミングなどのスキルを有した人材が必要と判断できます。
自社が抱えている課題を洗い出し、求めるスキルを明確にしておきましょう。特定のスキルや能力を有する人材を採用することで、自社の課題解決が早まります。
既存社員に配慮する
新しい人材を採用する際は、既存社員への配慮を忘れないようにしましょう。既存社員にも、働く上での希望条件があります。プロジェクトを立ち上げる際に、新入社員だけでなく既存社員の人柄や働き方などを把握しておくと、人材配置が円滑に行えます。
新入社員だけの要望に沿って、働き方や環境を変えると、既存の人材の満足度が下がるリスクがあるので要注意です。既存社員の希望も叶えてあげられるような環境づくりを心がけましょう。新入社員と既存社員の希望が拮抗する場合、経営者や人事担当者は適切な折衷案を提案する必要があります。
人材要件に優先順位をつける
人材要件に優先順位をつけると、客観的に人材を評価して採用できるようになります。人事担当者の主観に頼ってしまうと、採用ミスマッチが起きやすくなるので要注意です。人材マッチングを実現するには、以下の項目に優先順位をつけるのがおすすめです。
- 希望条件
- スキル
- 人柄
- 属性
優先順位をつけた上で人材を選定すると、自社の希望を満たしやすくなります。自社で長く働いてもらえる人材獲得に関わるので、ぜひ実施してみてください。
人材マッチングのまとめ
人材マッチングに注力することで、自社が求めている人材を効率的に確保できます。採用ミスマッチを防げるため、入社後に社員が不満を抱えるリスクが低減され、早期退職率の低下にもつながります。効果的に人材マッチングを行うには、自社の現状把握が必要不可欠です。自社の課題を把握しやすくするには、タレントマネジメントシステムを取り入れるのがおすすめです。
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