人事情報システムの機能や導入のメリットは?自社に合うシステムの選び方も解説


人事情報システムの機能や導入のメリットは?自社に合うシステムの選び方も解説

人事情報システムは、企業の人事業務を効率化する便利なシステムです。データ管理や各種手続きを簡素化できると、業務負担を大幅に軽減できるでしょう。この記事では、システムの主要機能や導入メリット、自社に合うシステムの選び方などを詳しく解説します。人事部門の生産性向上のために、ぜひ参考にしてください。

人事情報システムとは

人事情報システムは、人事に関連するデータを一元管理し、企業活動に役立てるシステムです。システムを導入すると、データ入力や更新の手間が大幅に削減され、業務効率が向上します。さらに、システムに蓄積されたデータを分析すれば、人材配置の最適化や戦略的な採用計画の立案に役立つ気づきを得られます。


人事管理の課題を解決する人事情報システム

近年の人事部門は、以下の課題を抱えています。


・業務量が多く負担が大きい

・精度の高い人材配置ができていない

・経営方針に沿う人材を育成できる環境が整っていない

・働き方の多様化で業務が煩雑化している

・人材の流出が進行している


従来の手作業によるデータ管理では、肥大し複雑化する人事業務に対応しきれません。データが部門ごとに散らばっている状況も、データの戦略的な活用を妨げています。


人事情報システムの4つの機能

人事情報システム導入による人事情報の一元管理は、前述の人事管理の課題を解決する鍵といえるでしょう。システムに搭載されている4つの機能を紹介します。


1.人事情報・組織情報のデータベース機能

人事情報システムにおける、主な人事情報・組織情報のデータベース機能を以下に示します。


・社員情報を収集・管理する機能

・社員のスキルや人事評価、異動履歴などをデータベース化する機能

・組織分析に役立つ機能

・検索機能

・リストビュー機能


人事情報システムを導入した人事部門は、正確かつ最新の情報を一元管理できます。特に多くの社員を抱える大規模企業では、検索機能やリストビュー機能が役立つでしょう。必要な情報を迅速に抽出できると、効率的な人材管理が可能になります。


2.人事評価・タレントマネジメント機能

タレントマネジメントとは、社員のスキルや個性を生かした人事戦略を実行することです。人事情報システムに搭載された、人事評価・タレントマネジメントに役立つ機能は、主に以下のとおりです。


・評価シートのテンプレート作成・運用機能

・評価フローのカスタマイズ機能

・目標・進捗管理機能

・人事異動のシミュレーション機能

・アンケート機能


システムにより、目標設定から評価、フィードバックまでの一連のプロセスを一元管理すると、社員の成長が促進され、組織のパフォーマンスを効率よく高められるでしょう。


また、人事異動のシミュレーション機能は、タレントマネジメントの質を高めます。アンケート機能も活用して社員の意見を収集・分析し、より効果の高い人事戦略を立案しましょう。


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3.労務管理・手続きの機能

労務管理とは、社員の働き方や職場環境を管理することです。人事情報システムにおける労務管理・手続き関連の機能は、主に以下のとおりです。


・入社や退職関連の手続きをする機能

・勤怠管理機能

・給与計算・給与明細発行に関する機能

・年末調整に関する機能

・マイナンバー管理の機能


人事情報システムにより社員を適切に管理すると、法令を遵守しつつ、働きやすい職場環境を整備できます。


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4.採用活動に関する機能

人事情報システムの採用活動に関する主な機能は、以下のとおりです。


・求人情報の作成・変更に関する機能

・メールなどで応募者とコミュニケーションを取る機能

・採用データを一元管理し分析する機能


データを統合管理する人事情報システムを活用すると、応募者が多い場合でも、ミスを防ぎつつ効率的に採用活動を進めることが可能です。求人媒体との連携によりデータを自動取得するシステムを導入すると、さらなる効率化が見込めます。


加えて、データ分析機能を活用すると、採用担当者の主観や経験に頼らない、客観的な視点での採用活動を実現できるでしょう。


人事情報システムで得られる5つのメリット

人事情報システムを導入した企業が得られるメリットを具体的に解説します。


1.個人・組織データ管理の効率化

人事情報システムの活用により、入退社や異動などに伴う社員情報の更新手続きの効率化が可能です。手作業による更新で時間と労力を要していた作業が、システムの導入によって迅速かつ正確に行えるようになります。特に、社員が自ら情報を変更できるシステムを導入すれば、更新手続きの効率が大幅に向上するでしょう。


さらに、紙ベースで膨大な量のファイルを保有している企業は、情報のデータ化により必要な情報の検索が容易になり、保存・管理の負担も軽減できます。


2.人材評価の効率化・高精度化

社員のスキルや実績は、人事情報システム上で可視化できます。可視化を通じて、公正な人事評価、適材適所の人材配置、社員のモチベーション向上などにつなげましょう。


人事評価の効率化も見込めます。システムを導入すると、目標設定から評価結果の入力、フィードバックまでの一連のプロセスを単独のシステム上で完結できるためです。また、人事評価の進捗状況をリアルタイムで把握可能となり、遅延がある場合は迅速に対応できます。


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3.労務管理・手続きの効率化

正社員や契約社員のようなさまざまな雇用形態の人が働く企業では、労務管理が煩雑化しているケースが珍しくありません。そのような環境に人事情報システムを導入すると、労務管理の自動化により大幅な効率化が期待できます。


また、法改正を受け自動でアップデートされるクラウド型のシステムを選べば、担当者の知識不足や作業負担をカバー可能です。クラウド型のシステムの特徴については、後ほど詳しく解説します。


4.採用活動の効率化・高精度化

1つのシステムで進捗管理や評価結果を管理できると、採用活動の煩雑さが緩和されます。関係者間でリアルタイムに情報を共有できるようになると、迅速な意思決定が可能となり、優秀な人材を確保しやすくなるでしょう。加えて、情報の伝達ミスや共有漏れのリスクも、システムの導入により大幅に減らせると考えられます。


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5.ペーパーレス化

人事情報システムでデータを閲覧できるようになると、情報共有のために資料を印刷する必要がなくなり、ペーパーレス化が進行します。たとえば、人事評価資料の印刷・配布が不要となり、給与明細も各自の端末で確認可能です。ペーパーレス化を進行させ、業務効率化と費用削減を図りましょう。


人事情報システムの2つのタイプ

人事情報システムにはクラウド型とオンプレミス型があります。2つの特徴を見ていきましょう。


素早く導入できるクラウド型

クラウド型は、インターネットを介してシステムを利用するタイプです。場所を問わずに利用でき、テレワークにも適応します。迅速に導入でき、法改正に自動対応できる点も魅力です。一方、カスタマイズの制限や継続的に発生する維持費、サーバートラブル時の一時停止リスクがある点は、クラウド型のデメリットといえます。


セキュリティに強いオンプレミス型

オンプレミス型は、自社のサーバー内にシステムの環境を構築するタイプです。強固なセキュリティ体制の構築とカスタマイズの柔軟性が、オンプレミス型の主なメリットです。一方で、高額な初期費用、専門知識を要する保守・管理、長い導入期間が、オンプレミス型のデメリットとして挙げられます。


人事情報システムの料金相場

クラウド型とオンプレミス型の人事情報システムについて、初期費用と維持費の料金相場を解説します。


クラウド型の費用相場

クラウド型には初期費用が不要なものもありますが、10万円程度の初期費用が必要なケースもあります。オプション機能を追加する場合は、さらに費用がかかるでしょう。また、維持費として、通常、ユーザー数に応じた月額料金が発生します。


オンプレミス型の費用相場

オンプレミス型は自社でシステムを構築するため、初期費用が高額です。場合によっては100万円以上の費用が必要になるケースもあります。一方、導入後は基本的に月額料金が発生しませんが、サーバーをレンタルしている場合は維持費としてレンタル料が必要です。


人事情報システムの導入手順

人事情報システムを円滑に導入するためには、計画的なアプローチが不可欠です。システムの導入手順を解説します。


1.自社の課題と目的の整理

前述のとおり、人事情報システムの機能は大きく分けると4種類です。それぞれのシステムには、強みがあります。データベースとして使いたいか、人事評価やタレントマネジメントに使いたいかなど、自社の課題に合わせてシステム導入の目的を明確化しましょう。


2.システムの情報を調べる

ベンダーの公式サイトを閲覧したうえで、製品カタログなどの資料を取り寄せる、見積もりを取るなどして、人事情報システムについて情報収集してください。


情報が出そろったら、実際に運用する管理職や一般社員、人事担当者などに対してヒアリングを実施し、意見を広く集めましょう。組織のニーズに合うシステムをピックアップしてください。


3.無料体験で使ってみる

無料体験会や無料トライアル期間を活用して、人事情報システムの実際の使い勝手を確認しましょう。実際に操作してみると、システムが自社の課題を解決できる見込みがあるかを的確に判断できます。複数のシステムを試してみて、操作感を比較してください。


4.サポート体制や予算との折り合いを確認する

導入する人事情報システムを選定したら、選択するプランとオプションを含めた総費用を詳細に確認します。予算に対して、費用対効果があるかどうかを判断しましょう。


なお、システムの導入過程に不安がある場合は、社員向け説明会や研修プログラムを提供してくれるベンダーも検討すべきです。スムーズにシステムが定着すると、導入による効果を高められます。


5.導入する

人事情報システムを本格的に導入した後は、システムが有効に活用され続けるよう、継続的なフォローが不可欠です。導入後も適切なサポートを提供してくれるベンダーを選択しておくと、運用上のトラブルリスクを抑えられます。


自社に合う人事情報システムの選び方

適切な人事情報システムを選択して、自社の課題を解決しましょう。自社に合う人事情報システムの選び方を解説します。


自社の課題を解決できるか

特定した課題を効果的に解決できる可能性が高い人事情報システムを選択してください。たとえば、労務管理機能を備えたシステムというカテゴリーのなかでも、各システムの対応範囲や特徴は大きく異なります。各システムの詳細な機能を精査し、自社に適合するシステムを選定することが重要です。


サポートが充実しているか

人事情報システムに不具合が発生した場合、迅速な対応ができないと業務の停滞を招く可能性があります。システム選定時には各ベンダーのサポート体制を詳細に確認し、問題発生時に迅速かつ効果的に復旧できるシステムを選択しましょう。


サポート時間に制限がある場合や、特定のサポートに対して追加料金が発生する場合もあります。自社のニーズと費用のバランスを考慮し、費用対効果が高いシステムを選定してください。


セキュリティ体制に不安はないか

人事情報は機密情報を多く含んでいます。そのため、人事情報システムには、強固なセキュリティ体制が不可欠です。


機能に応じて柔軟にアクセス権限を設けられると、セキュリティ体制を損なわずに利便性を高められます。他にも、以下のような点にも着目して、システムのセキュリティ体制をチェックしましょう。


・人事側でアカウントを停止できるか

・データの暗号化が可能か

・アクセスログの記録や監視が可能か


既存システムと連携しやすいか

人事情報システムにデータを移行できるか、既存システムと連携して活用できるかも、選定の際に確認しておきましょう。連携できるシステムが多いほど、業務効率化の効果が高まるためです。


人事情報システムに連携すると便利なシステムには、給与計算ソフトや勤怠管理システム、採用管理システムなどが挙げられます。


社員が無理なく使えるか

人事担当者だけではなく、管理職や一般社員にとっての使い勝手も考慮して、人事情報システムを選んでください。現場で使いにくいものは定着せず、反発を受ける可能性もあります。無料トライアル期間などを利用して、多角的な視点で使い勝手を確認しておきましょう。


提供形態は自社に合っているか

人事情報システムの提供形態は、主にクラウド型とオンプレミス型です。前述のとおり、人事情報システムの提供形態が変われば、導入までの期間や、初期費用や維持費、セキュリティ体制の具合などが変わります。自社に合う提供形態を慎重に選びましょう。


予算との兼ね合いは問題ないか

一般的に、機能が充実したシステムほど高額な費用が必要となります。自社にとって必要な機能を洗い出し、予算との整合性を確認することが重要です。


クラウド型のシステムは、利用者数によって月額料金が変わるため、詳細な見積もりを取得しましょう。また、将来的に利用する可能性がある機能についても、追加時の費用を調べておいてください。


タレントマネジメントに強いタレントパレットの強み

タレントマネジメントに役立つ機能が搭載された人事情報システム、タレントパレットの強みを解説します。


1.分析機能が充実

タレントパレットは分析機能が充実しており、さまざまな視点から人材データを見える化可能です。また、テキストマイニングやAIといった、高性能な分析ツールが搭載されています。分析結果を人材育成や社員のモチベーション向上、離職率低下などの人事戦略に活用しましょう。


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2.採用活動にも貢献

タレントパレットには、無料適性検査や入社後活躍予測などのように、採用のミスマッチを防ぐ機能が充実しています。採用活動全般に必要な情報を一元管理する機能やエントリーフォーム作成機能、イベント管理機能のように、採用活動を効率化する機能も活用しましょう。


3.コンサルタントによるサポート体制

タレントパレットは、導入時だけではなく運用時まで、専門性の高いコンサルタントによるサポートを提供しています。科学的人事のノウハウを持つコンサルタントが、課題解決に向けた活動をサポートします。


また、タレントパレットの活用方法に関する勉強会や個別相談会も随時開催しています。必要に応じてサポートを活用して、タレントパレットの導入効果を高めてください。


企業における人事情報システムの導入事例

人事情報システムであるタレントパレットについて、企業における導入事例を解説します。


株式会社オリエントコーポレーション

株式会社オリエントコーポレーションは、社員のキャリアプランを考慮した適材適所の人材配置を目指して、タレントパレットを導入しました。システムにより、人材データを適切に管理できるようになった結果、データにもとづく異動や登用が実現しています。


同社は今後、同システムを活用した360度評価の実施を検討中です。成功すると、さらに効果的な人材管理と育成につながるでしょう。


クラフト株式会社

クラフト株式会社は、複数店舗にわたる社員情報を効果的に活用した人事戦略の立案を目的に、タレントパレットを導入しました。システム導入の結果、人事評価関連の業務負担が大幅に軽減されています。また、システムに搭載されたスキル検索機能を活用することで、高精度かつ迅速な人事戦略の立案も可能となりました。


まとめ

人事情報システムでは、さまざまな人事情報を一元管理することが可能です。人事情報システムを導入して、業務の効率化や高精度化を実現させましょう。自社の課題を解決できるかどうかや、使い勝手やサポート体制の手厚さなどもチェックしつつ、導入するシステムを選定してください。


HRテック企業が提供するタレントパレットは、大手をはじめ数多くの企業に導入されています。導入後も、コンサルティングの知見を活かしたサポートを受けることが可能です。人事情報システムを検討中の人は、ぜひタレントパレットの導入をご検討ください。


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