こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
「人事コンサルタントに資格は必要なのか」「人事コンサルタントに依頼する際に確認すべき資格を知りたい」「自社で育成する際はどんな資格を取得するよう促せば良いのだろう」と悩んでいる方が多いのではないでしょうか。
結論から言うと、人事コンサルタントになるのに必要な資格はありません。人事領域の知識と制度構築の経験があれば、人事コンサルタントになれます。しかし、資格を持たない方が担当だと、少し不安になるでしょう。人事コンサルタントへの依頼を検討する際は、資格の有無が指標になるのも事実です。
そこでこの記事では、人事コンサルタントへ依頼するときに確認すべき資格や必要なスキルを解説します。社内の人事課題を解決し、体制を強化したいと考えている方は、ぜひ最後までお読みください。
人事コンサルタントに必須な資格はない
人事コンサルタントが、必ず保有しておくべき資格はありません。人事領域でコンサルティングをする方を、人事コンサルタントと呼んでいます。必要なのは、資格よりも経験と実績です。ただし、人事コンサルタントの専門性を判断できる資格があります。どのような資格を保有しているか確認することで、依頼したい分野に知見があるかを判断可能です。
また、人事コンサルタントには、資格とは別に必要なスキルがあります。コミュニケーションや分析などのスキルは、コンサルティングを行う際に必須です。人事コンサルタントを選ぶときは、資格とあわせて実績やスキルも確認するのがおすすめです。
人事コンサルタントの専門性を判断する際は国家資格と民間資格をチェックしよう
人事コンサルタントが取得する資格には、国家資格と民間資格があります。国家資格は法律に基づき試験が実施されており、取得すると特定の業務に関する能力が優れていることが証明できます。国が認める資格のため、一定の社会的地位が保証され、信頼性が高いのが特徴です。一方で、民間資格は国家資格以外の全てを指し、企業や団体が認定したものです。
わかりやすく説明すると、国家資格は国が、民間資格は企業や団体が認定します。ただし、必ずしも国家資格だから格上で、民間資格は格下というわけではありません。人事コンサルタントの資格で専門性や信頼性などを判断する場合は、国家資格か民間資格かではなく、どのような分野の知見があるかを確認しましょう。
人事コンサルタントに依頼する際に確認すべき6つの国家資格
人事コンサルタントが必ず保有すべき資格はありません。しかし、資格を保有して専門性を高めている人事コンサルタントがいます。知見のある方に依頼するには、人事コンサルタントが保有している資格を知ることが大切です。ここでは、人事コンサルタントが持っていると役立つ国家資格を6つ紹介します。
- キャリアコンサルタント
- 社会保険労務士
- 中小企業診断士
- 衛生管理者
- 労働安全コンサルタント
- 労働衛生コンサルタント
専門知識を有した人事コンサルタントに依頼したいと考えている方は、参考にしてみてください。
キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントは、社員の適性などからキャリアアドバイスを行うために必要な国家資格です。資格を保有していないと、キャリアコンサルタントを名乗れません。キャリアコンサルタントは、労働経験などからキャリアプランを設計するのが仕事です。
人事業務の中でも、人材育成に特化したコンサルタントが資格を保有していると、社員のキャリアプランを明確にできます。キャリアプランに基づき、育成カリキュラムの作成もできるでしょう。人材育成に力を入れたいと考えている方は、キャリアコンサルタント資格を保有している方に依頼するのがおすすめです。
人材育成コンサルタントについて詳しく知りたい方は、別記事「人事コンサルタント」をあわせてご確認ください。
社会保険労務士
社会保険労務士は、労務指導や保険加入手続きなどを行うために必要な国家資格です。合格率は毎年一桁台なので、難易度の高い資格と言えます。社会保険労務士の資格を保有している方は、人事労務管理の専門家として国から認められているので、安心して依頼できるでしょう。
運用しやすい人事制度を構築するには、経営者に寄り添ったサポートが受けられるかを見極める必要があります。深い知見のあるコンサルタントなら、会社に寄り添うだけでなく、経営者と社員の意識のズレを埋めてくれるような提案をしてもらえます。社会保険労務士の資格を持った人事コンサルタントは、人事の領域に関して知見があると推察できるので、依頼先を選定する際の参考になるでしょう。
中小企業診断士
中小企業診断士は、中小企業支援法に基づいた国家資格です。経営コンサルタントが取得することが多いですが、人事コンサルタントも資格を保有している場合があります。なぜなら、人事コンサルタントも経営コンサルタントと同様に、会社の経営を支援するからです。合格率は毎年20%前後と難易度が高いので、経営戦略について知見のある人事コンサルタントとして評価できます。
衛生管理者
衛生管理者は、社員の安全管理や健康管理を行うために必要な国家資格です。従業員が50人以上の職場や事業所には、1人以上の配置が義務づけられています。資格を保有している人事コンサルタントなら、自社の衛生管理者と協力して社員の安全や健康に関する施策を検討できる可能性があります。
事業を発展させるには、経営戦略の構築だけでなく、社員への配慮も必要です。衛生管理者の資格を保有する人事コンサルタントは、安全管理や健康管理の知識が身についている可能性が高いです。依頼すれば、社員の安全や健康に配慮した組織づくりができるでしょう。
労働安全コンサルタント
労働安全コンサルタントは、社員の安全確保を目的とした事業所の診断や指導を行うのに必要な国家資格です。労働安全コンサルタントの資格を保有している方には、社員の安全状況の最適化や改善のための計画策定などを依頼可能です。人事コンサルタントが資格を保有していると、業務の安全管理を徹底できます。
建築・土木などの危険が伴う業種だけでなく、社員の過労を未然に防ぎたい企業の力になってもらえます。安全面に配慮し、社員が働く環境を最適化したい方は、労働安全コンサルタントの資格保有者への依頼を検討してみましょう。
労働衛生コンサルタント
労働衛生コンサルタントは、社員の衛生水準の向上のために、事業所の診断や指導ができる国家資格です。試験の難易度は、労働安全コンサルタントよりやや難しいと言われています。社員の衛生状況の把握や解決策の提案を依頼できます。企業は、社員の衛生管理を行う必要があります。労働衛生コンサルタントの資格を持った方に依頼すれば、衛生面や健康面などの問題を未然に防げるようになるでしょう。
人事コンサルタントに役立つ民間資格4選
ここでは、人事コンサルタントに役立つ認定資格を3つ紹介します。
- メンタルヘルス・マネジメント検定I種・II種
- 産業カウンセラー
- 人事総務検定1級・2級
人事コンサルタントが保有する資格で、信頼度が高いのは国家資格です。しかし、国家資格の種類が限られており、知見があることを証明できない分野があります。たとえば、メンタルヘルスケアやストレスケアに特化した分野の知見があることを証明するには、民間資格を取得する必要があります。
人事コンサルタントに依頼する際は、保有資格を基にしてどのような提案をしてもらえるか確認しましょう。民間資格を紹介するので、人事コンサルタントの専門性を判断する際の参考にしてみてください。
メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅰ種・Ⅱ種
メンタルヘルス・マネジメント検定は、職場の役割に応じて必要なメンタルヘルスケアの知識や対処法を習得するための検定試験です。3種類のコースがあり、Ⅲ種は一般社員向けなのでⅠ種やⅡ種の資格を保有している方に依頼するのがおすすめです。
重要な経営資本である社員の健康を維持するには、メンタルヘルスケアの知識が不可欠です。人事戦略を立てる上でも重要で、メンタルヘルスに関する対策ができていないと、社員満足度は上がりません。メンタルヘルスケアを行うことで個人の士気が上がり、結果として企業の成長も期待できるでしょう。
産業カウンセラー
産業カウンセラーは、社員が抱える問題を自身で解決するように支援できる資格です。ストレスケアだけでなく、キャリア開発や人間関係の改善などの支援も依頼でき、幅広い範囲に対応してもらえます。産業カウンセラーの資格を有している人事コンサルタントにお願いすれば、以下の業務のサポートが依頼できます。
- 人材育成
- 人材配置
- 離職防止
- キャリア設計の構築
- 能力開発
社員一人ひとりの悩みに寄り添った人事政策を提案してもらえるでしょう。
人事総務検定1級・2級
人事総務検定は、人事総務部で求められる知識や実務能力があることを証明できる資格です。資格保有者は、以下のような知見があると判断できます。
- 就業規則
- 労災保険の手続き
- 社会保険料の算定処理
- 従業員の入退社処理
3級から1級まであり、レベルの高い資格を保有している人事コンサルタントなら安心して依頼できるでしょう。3級は、人事総務・担当者レベルなので、1級あるいは2級を取得している人事コンサルタントがおすすめです。2級が人事総務の知識に精通している証明になるのに対して、1級は戦略的な人事制度改革の構築ができるので、より高度な提案をしてもらえます。
人事コンサルタントに必須の資格ではありませんが、保有していると人事コンサルティングに必要な知識があると判断可能です。人事業務の知見のある方を判断する指標のひとつになるので、依頼する際に資格の有無を確認しましょう。
人材測定コンサルタント
人材測定コンサルタントの資格は、採用業務や人事評価に関わるプロを育成できる証明になります。資格は、採用分野と評価分野の2つがあります。採用分野の人材測定コンサルタントを取得している方は、社員を雇用する際に役立つ専門知識や技能が備わっていると判断可能です。一方で、評価分野の資格を保有していると、人事評価に関わる専門知識や技能を有していることがわかります。
2つの分野の資格を保有すると、上級人材測定コンサルタントに認定される仕組みです。保有していると、採用業務と人事評価に知見のある人事コンサルタントであると判断できます。採用や人事評価は、全ての企業の人事部が担当する重要な業務なので、依頼するなら上級人材測定コンサルタントを保有している方がおすすめです。
人事コンサルタントに必要な3つのスキル
人事コンサルタントの仕事をするために、必要なスキルが3つあります。
- コミュニケーションスキル
- 情報収集スキル
- 論理的思考力
自社の考え方や経営理念を反映してもらうためには、人事コンサルタントと話し合いが必要です。スキルが備わっていれば、自社で運用しやすい人事制度を提案してもらえるでしょう。人事コンサルタントと連携して自社の課題を解決したいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
コミュニケーションスキル
人事コンサルタントと連携し、自社に最適な施策を検討するには、お互い信頼関係を築くことが大切です。人事コンサルタントと何度も話し合ってブラッシュアップしていけると、満足度の高い成果が得られます。自社の考え方を尊重しつつ、コンサルタントとしてはっきり意見を言ってもらえるのが理想でしょう。
人事コンサルタントは経営者と話すだけでなく、さまざまな立場の社員からヒアリングする必要があります。相手を不快にさせずに話を聞く能力や、的確な回答を得るための質問力が大切です。その上で、分析し経営者に人事戦略を提案する力も必要です。
コミュニケーションスキルが乏しいコンサルタントと仕事をすると、話を聞くだけで疲れてしまいます。依頼する際に担当者の話し方や提案の仕方を確認して、コミュニケーションスキルを見極めるのが大切です。
情報収集スキル
情報収集スキルは、コンサルティングを行う上でとても大切です。なぜなら、人事コンサルタントの仕事は、経営者に現状を聴取して人事課題の解決案を提案するためです。聴取した情報を元に分析して、改善点を模索していきます。現状聴取で、どれだけ必要な情報が収集できるかが重要です。
依頼する人事コンサルタントを選ぶときは、過去にどのような情報を集めて、何が改善できたのか確認するのがおすすめです。情報収集から提案までのプロセスを確認すると、信頼できる人事コンサルタントか判断しやすいでしょう。
論理的思考力
論理的思考力は、情報収集して会社に合ったコンサルティングを行うために、必須のスキルです。論理的に考えられる人事コンサルタントなら、物事の本質を見抜いた上で最適解を提案してもらえます。単に問題に対処するだけでなく、根本的な解決につながる提案が期待できます。
人事コンサルタントの論理的思考力を測るには、過去の事例を共有してもらいましょう。過去の取り組みで、どのように考えて課題を解決したか聞いてみてください。課題の根本的な解決に向けた施策を提案してもらえると判断できれば、安心して依頼できるでしょう。
人事コンサルタントに頼るだけでなく人事担当者に資格取得を勧めよう
人事コンサルタントに依頼する際は、資格の有無を確認するのがおすすめです。資格は、人事制度の構築や人材育成などの知見がある証明になります。資格によって分野が異なるので、どのような知識を有している人事コンサルタントか判断する際の参考になるでしょう。
また、将来的に自社の人事担当者だけでの課題解決を目指すなら、資格取得を勧めるのがおすすめです。知識不足が懸念される分野を洗い出し、取得する資格を選択すると良いでしょう。人事業務に知見のある社員を増やすことで、より高度な施策を検討できるようになります。結果として、業績の向上も期待できるでしょう。
人事コンサルタント資格のまとめ
専門性の高い人事コンサルタントに依頼したいなら、保有資格の有無を確認しましょう。人事コンサルタントに資格は必須ではありませんが、知見のある分野を把握するのに役立ちます。強化したい分野の資格を保有している人事コンサルタントにお願いすれば、自社の課題解決が早まります。
専門性の高い人事コンサルタントに依頼するなら、タレントパレットがおすすめです。人事にマーケティング思考を取り入れて、施策の検討だけでなく運用支援も実施しています。ヘルスケアにも力を入れており、離職率が低く社員満足度が高い組織を構築可能です。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。