こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
「社員の悩みを解決するために、よくある相談内容を知っておきたい」「適切に対処し、社員の離職率を改善したい」「社員に気軽に頼ってもらえるような人事になりたい」という方も多いのではないでしょうか。
人事相談は、社員の不安や悩みの解決に一定の効果があります。ただし、人事相談でどのように解決策を導き出せば良いのか分からなければ、効果は見込めないでしょう。そこで本記事では、職場で特に多い相談内容を紹介します。
相談を受けた際の対処法だけでなく、離職を防止するポイントがわかる内容になっています。人事問題を解決したい方は、ぜひ最後までお読みください。
人事相談は社員の不安や悩みの解決に役立つ
人事相談は、通常業務以外で社員の話や意見を聞くことです。適切にアドバイスすれば、社員の不安や悩みの解決が期待できます。内容によっては、該当社員の上司や経営陣が対応する場合もあるでしょう。ただ、相談窓口が人事部に設置されているケースが多いため「人事相談」と呼ばれています。人事相談は、以下のような悩みを抱えた社員が利用します。
- ハラスメント
- 異動
- 職場環境
- 人間関係
特に新入社員はわからないことが多く、不安になりやすい傾向にあります。しかし、なかなか上司に相談できないケースもあるでしょう。人事相談で新入社員を適切にフォローすると、働く上での不安を軽減できます。
一般社員が相談を申し出た場合も状況に応じてフォローすると、不安や悩みが和らぎ、業務に集中できるようになります。結果的に、生産性のアップや業務効率化につながるでしょう。
人事相談でよくある内容5選
人事相談でよくある相談内容は、以下の5つです。
- ハラスメント・職場秩序の乱れ
- 労働時間・休暇
- 待遇
- メンタルヘルス
- 労働災害・保険
それぞれ対処法が異なるため、相談の特徴を理解して適切にフォローできるようにしましょう。
ハラスメント・職場秩序の乱れ
近年は、ハラスメントや職場秩序の乱れが注目されています。企業はハラスメントや職場秩序の乱れによって、社員の心身に負担がかからないように配慮しなければなりません。企業は「職場環境配慮義務」を負っています。企業は、社員が快適に働ける職場環境を整えないと、罰則を受けるリスクがあります。
ハラスメントや職場秩序の乱れに関する相談があったら、企業は大きな問題に発展しないように迅速に対応することが重要です。相談を受けた方は、上層部へ速やかに報告しましょう。人間関係の問題は、被害者と加害者で言い分が違うケースもあるため、人事担当者には中立な立場で話を聞く姿勢が求められます。
労働時間・休暇
労働時間や休暇に関する相談で多いのは、以下の内容です。
- 残業代の支払いがない
- 勤怠打刻に不正がある
- 有給を取らせてくれない
労働時間・休暇に対する相談は、状況によって対処方法が異なります。例えば、相談者の労働時間だけが誤っていたなら、人為的ミスと考えられます。相談者が複数いる場合は、システムエラーや上司が意図的に行っている可能性を視野に入れて、原因を追求しなければなりません。
人為的ミスではない場合は人事部で解決することが難しいため、ハラスメント・職場秩序の乱れと同様、企業としての対応になる可能性があります。相談を受けたら、上層部へ速やかに報告しましょう。対応が遅れると、相談した社員が労働基準監督署に相談する可能性があります。
労働基準監督署への相談は、社員にとっても負担がかかります。社員の不安を軽減するためにも、人事は相談を受けたら「自分には何ができるのか」「どうしたら社員が安心して働けるのか」を考えて行動することが大切です。
待遇
待遇に関する相談内容は、以下のとおりです。
- 異動
- 昇給・減給
- 昇格・降格
- 解雇
企業は、人事評価などに基づいて社員の待遇を決定します。降格や減給をする場合も相当な理由があるなら、法令違反にはなりません。しかし、待遇に不安や不満を持った社員が、相談に来るケースが多いです。法令違反ではないからといって対応を怠ると、社員の離職につながる可能性があります。
離職されると新たな人材を補充しなければならず、採用コストがかかります。人事相談で、早急に問題を解決するのは難しいでしょう。しかし、社員の話を聞くだけでも、不満や不安を解消できる可能性があります。それでも離職されるケースもあるので、反省点を今後の業務に活かしましょう。
メンタルヘルス
メンタルヘルス問題は近年注目されており、企業は環境整備などの対処法を考える必要があります。相談内容は、ハラスメントや長時間労働などさまざまです。内容は社員によって異なりますが、相談者はメンタルに何らかの不調を感じているため、早急に対処する必要があります。具体的には、以下の対策が考えられます。
- 産業カウンセラーを紹介する
- 有給休暇の取得を促す
- 休職させる
きちんと対応しなければ、離職率の増加につながる可能性があります。また、相談内容によっては企業体制の抜本的な改善が必要な場合もあるため、上層部への報告も必要です。
労働災害・保険
事故で怪我をした社員が、労働災害に該当するかの確認で相談にくるケースが多いです。しかし、事故による労働災害は、企業ではなく労働基準監督署が判断します。そのため、企業が労働災害ではないと判断しても、社員が認定を求めているのであれば、申請の手伝いを行いましょう。
労働基準監督署が労働災害認定を下した場合、企業側の隠ぺいを疑われる可能性があるからです。リスク回避のためにも、社員から相談を受けた場合は、労働基準監督署に確認するのがおすすめです。なお、社員の不注意による怪我などで企業側に責任がない場合でも、業務中や通勤途中の事故は労働災害として扱われます。
相談しやすい人事担当者の3つの特徴
社員が相談しやすい人事担当者の特徴は、以下の3つです。
- 予兆を察知して声をかける
- 親身になって話を聞く
- 相談しやすい環境を作る
人事担当者は、日頃から悩みを抱えていそうな社員がいないかチェックしたり、しっかり話を聞いたりして、協力することが重要です。相談しやすい環境を設定すれば、社員は安心して悩みや不安を打ち明けられるでしょう。社員が何でも相談できる人事になるために、ぜひ参考にしてみてください。
予兆を察知して声をかける
日頃から声をかけていると、社員は「自分のことを気にかけてくれている」と感じ、悩みを抱えたときに相談する可能性があります。事後報告で「労働基準監督署に相談した」「転職先が決まった」と言われると、人事としては打つ手がありません。
悩みや不安の予兆を察知して声をかけ、大事になる前に対策を打つことが大切です。悩みや不安を抱えている社員の特徴として、主に以下が挙げられます。
- 最近元気がない
- 残業や欠勤が多い
- 業務日報にネガティブな内容が記載されていた
予兆を察知するのは難しいですが、日頃から社員の様子に目を配っていると、気づきやすいでしょう。
親身になって話を聞く
親身になって話を聞いてくれる方には、些細なことも相談したくなるものです。家族や友人ではなく、勤め先の人事に相談する際に緊張する社員もいます。勇気を出して相談してくれた社員の力になれるように、親身に話を聞くことが大切です。
実は「なんとなく話を聞いてほしい」というだけの場合もあるため、親身になって話を聞くだけで解決する可能性があります。日頃から親身になって話を聞いていると、社員が退職を考えているなど、本当に悩んでいるときも相談してくれるでしょう。
相談しやすい環境を作る
人事相談は「話しにくい」「堅苦しい」などの理由から、ハードルが高い傾向にあります。そのため、少しでも社員が相談しやすい場を用意することが大切です。具体的には、以下の方法を取り入れて、フランクに話せるような環境を提供しましょう。
- ランチミーティング
- オンラインミーティング
- メール・電話
相談を受ける際は、事前に相手の現状を把握しておくのが大切です。相手の状態を理解していると、適切にフォローできます。しかし、一人ひとりの状況を把握するのは難しいでしょう。
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人事が日頃から注意すべき7項
社員から気軽に相談される人事担当者になるには、日頃から以下の項目に注意しましょう。
- 秘密を守る
- 労働基準法を守る
- 就業規則や雇用契約書を整備する
- 労働災害を防止する
- 相手目線で物事を考える
- 情に流されずに判断する
- 隠ぺい・改ざんをしない
日頃から注意していれば、社員から相談されやすい頼れる人事になれます。さらに、異変や違和感に気づきやすくなり、トラブルを未然に防げる可能性も高くなります。ここで説明する内容を参考にしてみてください。
秘密を守る
人事担当者は、会社の重要事項や社員の個人情報を扱う機会が多いです。会社の情報が漏洩すると、企業に大きな損害を与えるリスクがあります。世間に発表していない重大事項や社員の個人情報などが流出した場合、企業の利益や社会的信用の損失につながります。
知人への口外だけでなく、SNSでの発信にも注意が必要です。自身の行動が原因で会社の情報が流出したら、社員から信頼してもらえなくなってしまいます。社員は、信頼できない人材に安心して相談できません。社員との良好な関係を維持するためにも、普段から情報の管理を徹底しましょう。
労働基準法を守る
人事は、労働基準法などの法令を熟知しておく必要があります。労働基準法違反や疑いの相談を受けた際に真相を追求し、社員に状況を説明しなければならないからです。正しい知識を持っていれば、企業と社員のどちらが正しいのか判断できます。
また、企業に疑いがなかった際、正当な根拠や理由を社員に伝えることが可能です。人事は、企業と社員の間という難しい立場です。しかし、基本的には企業を守ることが前提のため、労働基準法を厳守して、自社が不利益を被らないような対応をする必要があります。ただし、企業が違反していた場合は、社員の証言と自身の調査結果を基に、上司や経営層に報告しましょう。
就業規則や雇用契約書を整備する
就業規則や雇用契約書は、こまめに確認して整備しましょう。万が一トラブルが起こった際に、慌てずに適切に対処できるからです。例えば、就業規則に残業代を明記しておけば、社員が不服を申し立ててきたとしても、ルールとして厳正に対処できます。
就業規則や雇用契約書の整備は、必要に応じて行いましょう。例えば、社員から賃金を上げてほしいとの要求が合ったとします。状況を精査し、賃上げが必要な場合は整備・実行すれば、社員のモチベーションが上がり、生産性につながる可能性があります。
就業規則や雇用契約書は、採用時以外で確認する機会は少ないでしょう。しかし、こまめに整備を進めておけば、問題が発生した際に役立ちます。
労働災害を防止する
日頃から社内や社員の業務で危険なものはないか、確認しておきましょう。業務中に発生した事故は労働災害と認定されますが、安全配慮義務を果たしていた場合は、企業責任は問われません。しかし、労働災害が発生すると、該当社員だけでなく企業にも負担がかかります。
怪我により該当社員が長期休養すれば、人材の補充が必要です。さらに、社会的信用も損なう可能性があります。人事は他の部署に比べて、社員の様子を把握しやすいです。勤怠管理を行うことも多いため、欠勤が目立つ・長時間労働が続いている社員がいないか定期的に調べてみてください。
企業にとって大切な資本である人材を傷つけるリスクを回避するためにも、日頃から社内や社員に危険な状況がないか、確認しましょう。
相手目線で物事を考える
相手目線で物事を考える姿勢を見せると、相談してもらいやすいです。人事担当者は、相手目線で物事を考える癖をつけましょう。相手目線で物事を考えられるようになれば、不安や悩みを推察できるようになります。
相手は、自分のことを真剣に考えてくれていると感じるため、さらに相談しやすくなるでしょう。悩みや不安をきちんと話してもらえれば、適切なサポートや対応が可能です。忙しい中でも、相手に寄り添う姿勢でいることが大切です。
情に流されずに判断する
人事には、情に流されずに判断する姿勢が求められます。セクハラの相談を受けた際は、被害者側に感情移入してしまう方も多いでしょう。
しかし、人事はあくまでも中立な立場です。企業にとって最善な対処法を考えるとともに、全社員に対して公平に接する必要があります。そのため、情に流されずに、中立的な立場で判断する姿勢が大切です。
隠ぺい・改ざんをしない
ハラスメントや労働災害などの隠ぺい・改ざんを行ってはいけません。例えば、労働時間の過少申告のために、社員には定時に打刻をするように指示を出し、サービス残業をさせるなどです。近年、労働基準法違反が厳しくなっているため、守っていない企業に対しては厳しい処分が下されます。
違反の内容によって異なりますが、罰金刑や懲役などの可能性があります。人事担当者は、上層部が隠ぺい・改ざんをしていないかどうかもチェックしましょう。他にも日頃から気をつけるべきことについて詳しく知りたい方は、別記事「人事になるには」をあわせてご確認ください。
人事相談のまとめ
人事相談は適切に行うと、社員の不安や悩みを低減でき、結果的に離職率が低くなる可能性があります。人事担当者は、社員の話に耳を傾けながらも、会社を守る立場として適切に対応することが重要です。しかし「日頃の業務が忙しくて、社員の様子を気にする余裕がない」という方もいるでしょう。
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