ハイパフォーマーの特徴とは|社員を分析・育成する方法、離職を防ぐポイントなどを解説


ハイパフォーマーの特徴とは|社員を分析・育成する方法、離職を防ぐポイントなどを解説

企業の生産性向上につながる、「ハイパフォーマー」と呼ばれる人材に注目が集まっています。高いスキルを持つ人材をハイパフォーマーとして活用するためには、適切な分析や育成をする必要があります。この記事では、ハイパフォーマーの特徴・特性や育成方法などについて解説します。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。


高い成果を上げ、業績を向上する「ハイパフォーマー」は、企業に一人でも多くほしい人材です。しかし、どんな人を育てたらハイパフォーマーになるのか、具体的にどう育成するべきかという疑問もあるでしょう。


ハイパフォーマーになりうる特性を見極められないと、優秀な人材を見逃してしまうリスクがあります。また、ハイパフォーマーを大切に扱わないと離職につながることもあり、今より人材不足に陥るかもしれません。


そこで本記事では「ハイパフォーマー」について解説します。


ハイパフォーマーの育成方法や退職を防ぐ方法について把握できる内容になっているので、ぜひ最後までお読みください。


ハイパフォーマーとは

ハイパフォーマーとは、高い成果をあげて自社の業績アップや組織の成長に貢献する人材を指しますが、明確な基準や定義はありません。会社や組織の規模、事業内容などによって、どのような人物がハイパフォーマーに該当するのかは異なります。

共通する特徴は「専門知識やスキルがある」「業務経験に基づいたノウハウを身につけている」などです。


ハイパフォーマーが重要視される理由

ハイパフォーマーは近年になって現れたわけではありません。いつの時代も「有能な人材」や「仕事ができる人」は存在しており、会社や組織に貢献してきました。

近年、パフォーマーが重要視されるようになった理由は人手不足にあります。少子高齢化により労働人口が減り、多くの職場・現場が人手不足に陥っているのが現状です。限られた労働力で業績をあげていくために、生産性を高めるハイパフォーマーが必要とされています。


ハイパフォーマーの特徴・特性6選

ハイパフォーマーは「組織内で成果を出す人」のことを指し、以下のような6つの特徴・特性を持っています。

  • コミュニケーション能力が高い
  • 目標達成の意識が高い
  • 行動力がある
  • ポジティブ思考である
  • 周りから信頼されている
  • 自己研鑽を重ねている


ハイパフォーマーの育成や採用をする前に、どのような人材であるかを詳しく把握しましょう。

コミュニケーション能力が高い 

ハイパフォーマーは誰とでも気兼ねなく話せて、チームの雰囲気を良くできるコミュニケーション能力を持っている点が特徴です。プロジェクトを遂行するための役割決めやスケジュールの設定などを積極的に行い、チームに貢献します。


チーム全体のモチベーションを向上して成果を出すことを考えており、常に周りの社員と常に入念なコミュニケーションをとって行動します。


目標達成の意識が高い

ハイパフォーマーの多くは、目標を達成するために、努力を怠りません。壁にぶつかったとしても、自らどのように乗り越えるかを考え、試行錯誤しながら問題解決をしようとします。プライベートの時間まで仕事について考えている人も少なくありません。


成果に対する意識の高さが原動力となって、自分で決めた目標やチームの課題に取り組もうとします。


行動力がある 

ハイパフォーマーは、失敗を気にせずに挑戦する行動力がある点も特徴的です。何事も行動することを大切にしており「考えたら即行動する」というサイクルを回して、プロジェクトを進めます。


仕事に対して迅速に対応するだけではなく、早く終わらせられるように工夫して作業するため、他の社員よりも優れた成果を出せます。


ポジティブ思考である

理不尽なことがあっても、前向きに考えられるのがハイパフォーマーの特徴です。大きなトラブルに巻き込まれたときや、取り返すのが難しい場合でも、困難を楽しむ姿勢で業務に取り組みます。


マイナスな状況に追い込まれても、最善を尽くそうとする努力がプラスに転じて、成果につながります。


周りから信頼されている

ハイパフォーマーはチーム全体を考えて行動しているため、周りから信頼されています。自分だけではプロジェクトを遂行できないことを理解し、周りとの良好な関係づくりに励んでいるのもハイパフォーマーの特徴です。


チームメンバーから「一緒に働きやすい」と思われており、先輩や後輩、役員からも高い評価を受けています。


自己研鑽を重ねている

ハイパフォーマーは自主的にスキルや知識を身につけており、常に最新の情報を手に入れようとしています。休日も学習時間を作って、新しい知識を習得し、会社で貢献できるように努力している人も少なくありません。新しい情報を手に入れるために、後輩や部下にも積極的に質問して、常にインプットを心がけています。


また、覚えたことを共有することで、組織全体のスキルや能力向上にも貢献しています。


ハイパフォーマーが組織にもたらすメリット4選

ここででは、ハイパフォーマーが組織にもたらす4つのメリットについて解説します。

  • 生産性が向上する
  • 組織のエンゲージメントが向上する
  • 優秀な人材を確保できる
  • 新しいアイデアが生まれる


ハイパフォーマーのメリットを把握することは、人材の育成方針を考える際に役立ちます。


生産性が向上する

ハイパフォーマーは仕事の処理能力が高く、一人いるだけで生産性が向上します。仕事への能力を高めるために常に新しい知識やスキルを習得しており、自分の力を駆使して業務スピードを高めることが可能です。


余った時間で業務改善や効率化に取り組んでいるため、より迅速に業務を遂行できるようになります。さらに、効率化の方法を周りに共有すれば、組織全体の生産性はさらに向上するでしょう。

また、効率良く業務を行えるようにスケジュールを立てて行動しているため、成果が出やすく、組織の業績向上が期待できます。


組織のエンゲージメントが向上する

ハイパフォーマーは業績だけではなく、組織全員の「自社で働き続けたい」という気持ちを高めることが可能です。


ハイパフォーマーの行動や考え方に触れることで、他の社員も「この人みたいに行動しよう」と考えるようになり、成果を出そうと試みます。自然と意識改革が促される環境になるため、周囲の社員のパフォーマンスが向上し、目標を達成するスピードが上がります。

結果として、組織全体のパフォーマンスが改善し、会社への満足度も高くなるため、エンゲージメントの向上が可能です。全員がコミュニケーションを積極的に取るようになり、チームで良好な関係を築ける効果もあります。


優秀な人材を確保できる

ハイパフォーマーのコンピテンシー(行動特性)を抽出することで、社員を育成するために必要なスキルや仕事に対する考え方を把握できます


コンピテンシーを社員と共有すれば「何のスキルが必要か」や「どのように業務に取り組めばいいか」がわかり、社員自らが成長に向けて行動するようになります。


コンピテンシーに沿って行動する社員が増えれば、新たなハイパフォーマーが生まれる可能性が高まり、より組織を活性化できるでしょう。

また、ハイパフォーマーによって売上が増えると、「成長している企業である」と、社外から評価を得られるでしょう。企業が成長すると就活生や求職者が自社に興味を持つため、応募者数が増えて優秀な人材を確保しやすくなります。

新しいアイデアが生まれる

ハイパフォーマーは会社に貢献しようと成果につながるアイデアや業務改善案について常に考えています。最善策があると感じたら組織全体に提案し、積極的に行動して新しい取り組みを推進します。


また、ハイパフォーマーは既存のやり方にこだわらないことも特徴のひとつです。新しいアイデアの実現に挑戦する姿勢が組織内に浸透すれば、風通しの良い組織を作るきっかけにもつながるため、組織の活性化に効果があります。


自社内でハイパフォーマーを見出す方法とは

ハイパフォーマーと呼ばれる人材は、高いスキルを持っているため、外部から採用する場合、時間やコストがかかります。また、それらのスキルや知識は、自社が求めているものでなければなりません。

そのため、ハイパフォーマーは自社内で見つける、または育成するのがよいでしょう。ここでは、ハイパフォーマーを見出すためのポイントを解説します。


自社におけるハイパフォーマーの定義・要件を明確化する

どのような人材が、自社におけるハイパフォーマーであるのかを定義付けする必要があります。専門知識やスキルを持っていたとしても、それが自社事業の生産性や業績向上に役立つものでなければ、自社にとってハイパフォーマーであるとはいえません。

はじめに、会社や組織が求める成果を明確にしましょう。次に、その成果をあげるために、どのようなスキルや経験、知識が必要であるかを考えます。業種や職種、規模によって求める人材は異なるため、自社・組織内で議論を重ねて、定義を決めることが重要です。


定義・要件に該当する人材を選定する

自社におけるハイパフォーマーの定義に該当する人材を選び出しましょう。定義付けした人物像はイメージ上のものですが、実在する人材をハイパフォーマーとすることで、他の社員も定義や要件を理解しやすくなります。

ハイパフォーマーを選ぶ際には、選定者の主観が入らないように配慮しなければなりません。売上や受注件数・目標達成率、残業時間といった客観性の高いデータを含む、複数の要素を組み合わせて該当者を絞り込みましょう。


ハイパフォーマー育成のための3つのステップ

ハイパフォーマーの能力は、先天的ではなく後天的に身につくものであるため、自社でも育成できます。ハイパフォーマーの育成方法として、3つのステップについて解説します。 


  • ハイパフォーマーを分析し、定義する
  • 研修プログラムを作成する
  • 研修後は定期的にフォローを実施する


自社にとって必要な人材を育てられるように、以下を読んで具体的な育成方法を把握しましょう。


また、人材の育成方法について詳しく知りたい方は、別記事「人材育成の考え方」をあわせてご確認ください。


ハイパフォーマーを分析する

ハイパフォーマーの定義は会社ごとに異なるため、どのような人材が自社にとって成果を出すのかを分析することが重要です。社員に向けてアンケート調査や面談を実施し、収集した情報から共通する行動特性を把握します。業績の良い社員と他の社員を比較し、どのような要因がパフォーマンスに影響するのかを洗い出しましょう。


また、ハイパフォーマーに該当する人に対し、どのような行動をしているかを聞き出して、成果と行動特性の関連性を調査します。

研修プログラムを作成する

ハイパフォーマーの定義は、研修プログラムに落とし込みます。研修を受ける社員のレベルに応じてスタートできるように段階を設けると効率的に育成ができて、成長スピードを高められます。


ハイパフォーマーの育成目的や必要なスキル、行動特性などを研修で紹介し、参加者が研修の受講に納得できるようにしましょう。


研修後のフォローを定期的に実施する

研修を実施しただけでは、ハイパフォーマーの行動特性は定着しないため、定期的なフォローを実施します。フォローによって行動特性が身についているかを確認し、フィードバックでその社員の良い点や改善点を伝えます。


上司や先輩社員が部下へのフォローを実施できるように、人事部がフォローアップ体制を整えることが重要です。


また、タレントマネジメントシステムの導入も検討しましょう。人材の能力や特徴に関する情報を一元管理できるため、スムーズなフォローアップが可能です。


弊社のタレントマネジメントシステム「タレントパレット」は、社員のスキルや業績、特性などの情報を管理できます。社員全員のスキルや特徴を一覧で確認できて、効率的にハイパフォーマーの分析をするのが特徴です。

ハイパフォーマーの定義付けに悩んでおり、自社に適した人材の行動特性を把握したいと考えている方は、ぜひタレントパレットの資料を請求してください。


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ハイパフォーマーの離職を防ぐ方法4選

ハイパフォーマーは仕事の意欲が高いだけではなく、能力とスキルも備えていることから、転職市場で重宝されています。ハイパフォーマーはさまざまな企業で優遇されるため、自社でハイパフォーマーを育成しても、自社より待遇のいい企業に離職してしまうかもしれません


ここではハイパフォーマーの離職防止策を4つ紹介します。


  • ハイパフォーマーが納得できる評価をする
  • 定期的に面談をする
  • 適正な業務量に調整をする
  • 裁量を与える


ハイパフォーマーの育成と並行して、離職防止にも取り組みましょう。


ハイパフォーマーが納得できる評価をする

ハイパフォーマーが業績に見合った評価を受けられるように、人事評価制度を設計しましょう。成果を出しても評価が低い場合は、モチベーションが下がるためです。


特に年功序列制の企業は離職のリスクが高いため、成果報酬の制度を儲けたり、上級の役職に昇給できたりするなど、評価制度を見直すことをおすすめします。


また、ハイパフォーマーが納得する人事処遇について詳しく知りたい方は、別記事「人事処遇」もご確認ください。


人事処遇とは社員の賃金や職位を決めること!適切に評価する5つのポイントを解説

定期的に面談をする

ハイパフォーマーの不満やストレスを取り除くためにも、定期的に面談をしましょう。

ハイパフォーマーは、体調や精神状態が悪くてもパフォーマンスが落ちにくく、周囲から体調の変化に気づかれない傾向にあります。一人で悩みを抱えているケースもあり、周りが気づかないうちにストレスや不満を溜めている可能性があります。

一人で抱え込んでしまう前に、定期的に面談をして、上司のフォローにより離職したい気持ちを抑えさせることが重要です。


適正な業務量に調整をする

ハイパフォーマーは仕事が早く正確であることから、仕事が集まるケースがあります。ときには能力を超える膨大な量の仕事が来てしまうため、負荷がかかり、離職への気持ちが高まる可能性があります。

業務負荷がかかりすぎないように、ハイパフォーマーの工数を確認しましょう。ほかの人が替われる業務があれば任せましょう。仕事を割り振りしながら人材を育成することも大切です。


裁量を与える

ハイパフォーマーの士気を向上させるために、自分で自由に決められる業務を与えることをおすすめします。ハイパフォーマーは、作業手順やスケジュールの組み立てが得意であるため、自分自身の能力を発揮できる場所を用意しましょう。

自分の裁量で業務を決められない場合、モチベーションが下がる可能性があるため、注意してください。


ハイパフォーマーを活かすにはローパフォーマーを減らすことも重要

ローパフォーマーとは、その名称のとおり、ハイパフォーマーとは逆の特徴・特性を持つ人材です。知識やスキル、意欲が不十分であるため、会社が求める成果をあげられません。ここでは、ローパフォーマーが会社や組織にもたらす影響、ローパフォーマーの特徴・特性について解説します。

ローパフォーマーの影響とは

業績があげられず、モチベーションも低いローパフォーマーが自社にいると、ハイパフォーマーの足を引っ張る存在になるため、気を付けましょう。ローパフォーマーの存在自体が、ハイパフォーマーの士気が下がる原因になり、離職したい気持ちを高めてしまいます。
対策として、ローパフォーマーの割合を減らす必要があります。しかし、2-6-2の法則のように、組織内の2割は必然的にローパフォーマーになるため、ゼロにするのは不可能です。
ローパフォーマーの質を上げられるように、研修や面談をして育成することが大切です。

ローパフォーマーの特徴・特性

以下のような特徴・特性を持つ人を、ローパフォーマーと呼びます。

  • 業務を遂行するスキルが不十分である
  • 目標を達成できない
  • 仕事への意欲が低い
  • 自主性が低く、指示待ちをしている
  • 積極的にコミュニケーションをとらない


人事業務の効率化、データ活用をするならタレントマネジメントシステムの導入が必須

人事業務をDX化することで、社員データの一元化・人材検索・人事評価・配置検討などの幅広い業務を効率化できるようになります。また、人材育成・最適配置・社員パフォーマンスの最大化など、組織力向上を目的とした一歩先のタレントマネジメントまで実現が可能です。

また、タレントマネジメントシステムを導入すれば、社員データを集約し人事評価のペーパーレス化や異動シミュレーション、ハイパフォーマー分析など、高度な施策が実施できます。タレントマネジメントを取り入れて、自社のリソースを最大限に活用しましょう。

ハイパフォーマーを育成して組織力を向上させよう

ハイパフォーマーが増えることで、組織のエンゲージメントが向上し、業績アップが期待できます。自社でハイパフォーマーになりうる人材の特徴を把握し、研修プログラムを作成して、ハイパフォーマーを育成しましょう。

また、タレントマネジメントシステムを活用すれば、ハイパフォーマーやローパフォーマーの成果を可視化できます。弊社のタレントパレットもデータ収集や分析が可能で、社員のパフォーマンスデータから的確なフィードバックを行えます。社員のスキルや能力、特性なども俯瞰的に把握できるなど、タレントパレットはハイパフォーマーの育成に最適なツールです。

ハイパフォーマーの育成に向けて、タレントパレットの導入を検討している方は、下記から機能や導入メリットを知ることができます。ぜひチェックしてみてください。


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