【必見】女性の離職率が高い仕事5選!4つの理由と5つの改善策を解説


【必見】女性の離職率が高い仕事5選!4つの理由と5つの改善策を解説

女性の離職率は男性より高く、貴重な労働力を失っている可能性があるため対策が必要です。この記事では、女性の離職率が高い仕事と女性特有の離職理由・改善策を解説します。女性の離職率を下げたい方はぜひ参考にしてみてください。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。


女性の離職率の高さに悩んでいる、企業経営者の方や人事部の方は多いのではないでしょうか。女性は結婚・出産など人生の節目で退職する方が多く、実際に離職率は男性よりも高いです。しかし、女性の離職率を高いまま放置すると、企業イメージの悪化や優秀な人材が集まらないリスクがあります。


そこで本記事では、女性の離職率が高い仕事と離職理由・改善策について解説します。女性の離職率を下げる施策が理解できる内容になっているので、ぜひ参考にしてみてください。


女性の離職率は男性の約1.5倍


厚生労働省が発表しているデータによると、全ての年齢において女性の離職率は男性より高いです。令和3年雇用動向調査における、各年齢層での男女の離職率は以下のとおりでした。

年齢

男性

女性

35~39歳

9.0%

12.1%

40~44歳

7.4%

10.6%

45~49歳

6.4%

10.9%

50~54歳

5.6%

10.0%

参照元:厚生労働省|令和3年雇用動向調査結果の概要 3.性、年齢階級別の入職と離職


働き盛りである35〜54歳で男女差が大きく、女性の離職率は男性の1.5倍以上となっています。社会人経験10年以上の貴重な労働力を失っている可能性があり、女性の離職対策が急務です。


女性の離職率が高い仕事5選


女性の離職率が高い仕事には、どのような職種があるのでしょうか。ここでは、離職率が高い仕事を具体的に5つ紹介します


  • 飲食店スタッフ
  • 看護師・介護士
  • 小売店店員
  • 美容師・ブライダルコーディネーター
  • 学習塾講師


どのような共通点があるのか、確認しながら読んでみてください。



飲食店のスタッフ


飲食店スタッフは、バイト店員と変わらない給料しかもらえないケースがあり、不満がたまる原因になっています。厚生労働省が実施した、令和3年賃金構造基本統計調査によると、女性の賃金が最も低い産業は「宿泊業、飲食サービス業」で21万5千円でした。


最も高い「電気・ガス・熱供給・水道業」は32万7,700円となっており、10万円以上の差がついています。給料に対する不満から、別の産業に転職する方もいるでしょう。


参照元:厚生労働省|令和3年賃金構造基本統計調査 産業別


また、深夜の勤務が発生する飲食店もあり、生活が不規則になる傾向があります。さらに、飲食店は、顧客からのクレームが発生しやすい特徴があります。肉体的・精神的なストレスがかかる機会が多いことにより、離職率が高まる傾向があります。


看護師・介護士


看護師や介護士は社会貢献度が高く、経験を積んでスキルを身につければ、長く働ける仕事です。しかし、看護師はシフト制で夜勤があることにより、生活リズムが狂いやすい職種と言えます。また、患者の健康に関わる仕事のためミスが許されない緊張感があり、ストレスが貯まりやすい仕事です


介護士は、移動や食事・入浴サポートが主な業務のため、力仕事が多いです。年齢が上がると体力が続かず、離職する女性が多くなるでしょう。


小売店店員


コンビニやスーパー、ショッピングモールの店舗などで勤務する店員は、、シフト制での勤務が多くまとまった休みがとりにくい傾向にあります。また労働時間が長いことにより、疲れが溜まって離職する社員がいるでしょう


また、キャリアの選択肢が少なく、キャリアアップしにくい環境である点もデメリットです。仕事において成長したいと考える女性は、離職する可能性が高くなります。


美容師・ブライダルコーディネーター


華やかな世界にあこがれて入社する女性が多いですが、実際は長時間の立ち仕事が多くて体力勝負の側面があります。美容師は、サロンに入社しても下積み期間が長く、昇進に時間がかかる事が多いです


ブライダルコーディネーターは、顧客の一生に一度のイベントに関わる仕事のため、少しのミスも許されないプレッシャーがあります。また、契約金額が高く、顧客の期待値が高いことから、クレームが発生しやすい仕事です。精神的ストレスが大きく、長く働き続けるのが難しいケースもあるでしょう


学習塾講師


学習塾講師は労働時間が不規則で、長くなる傾向があります。生徒のためを思うと残業せざるを得ない場合も多く、給与が業務量に見合わないケースが多くあります。また、生徒が思うように学習してくれず、成績が上がらない可能性もあるでしょう。


通塾の効果がみられなければ、保護者からクレームが来る場合があります。生徒に勉強を教える業務のみならず、保護者への対応が必要なため、ストレスが大きい仕事です


女性特有の4つの離職理由


離職率が高い背景には、女性特有の理由があります。ここでは、主な離職理由を4つ紹介します


  • 結婚・出産・育児などライフステージの変化
  • 夫の転勤や親の介護など家庭の事情
  • 女性が活躍できない職場
  • 職場の人間関係の悪化


自社で女性が離職する原因を分析する際に、参考にしてみてください。


結婚・出産・育児などライフステージの変化


結婚を機に退職する女性は少なくなってきましたが、専業主婦になる方もいます。また、出産・育児は女性の負担が大きく、時短勤務やフレックス制度がない企業では、子育てとの両立が難しいでしょう


また、子どもの急な発熱などで仕事を休まざるを得ない場合もあるため、休みがとりにくい会社では勤務を続けるのが困難な場合が多いです。育児に時間がとられることにより、仕事の選択肢が減る女性が多いでしょう。


夫の転勤や親の介護など家庭の事情


厚生労働省が実施した「令和3年版働く女性の実情」の調査によると、女性が最も多い産業は「医療・福祉」次いで「卸売業・小売業」でした。勤務場所が決まっており、在宅勤務ができない職種で多い結果となっています。そのため、夫の転勤について行く場合、退社をよぎなくされるケースが多くなります


参照元:厚生労働省|令和3年の働く女性の状況


また、50歳前後になると、親の介護のため退職せざるを得ない女性も出てきます。厚生労働省が行った、2019年国民生活基礎調査によると、主な介護者は男性が35.0%、女性が65.0%でした。


参照元:厚生労働省|2019年 国民生活基礎調査の概況


女性が介護を担うケースが多く、男性よりも離職が増える原因の1つとなります。


女性が活躍できない職場


世界経済フォーラム(WEF)が2021年に発表した調査によると、男女格差を数値化した「ジェンダーギャップ指数」が、日本は世界156 か国中120 位、主要先進7か国(G7)では最下位でした。


ジェンダーギャップ指数は「経済」「教育」「健康」「政治」の4つの分野のデータから作成され、男女がどのくらい平等かを示す指数です。日本は海外諸国と比較して、女性が男性と対等ではない傾向があります


また、女性人口に占める女性就業者の割合は51.8%と諸外国と同水準でしたが、管理職に占める女性の割合は13.3%と低い水準にとどまりました。


参照元:内閣府|男女共同参画局「共同参画」2021年5月号


女性がキャリアを積める企業が少なく、やりがいを感じられずに離職する方もいるでしょう。


職場の人間関係の悪化


コンプライアンスの意識が向上しているとはいえ、依然として女性はセクハラの対象になりやすいです。とくに男性が多い職場では、被害を受ける可能性があるでしょう。


一方で、職場内のいじめや嫌がらせが発生する場合もあります。一度、人間関係が悪化すると改善が難しく、離職につながるケースが多いでしょう


女性の離職率が高い仕事の改善方法5選


女性の離職率を下げるには、原因を理解して適切に対処する必要があります。ここでは、以下のような改善方法を紹介します。


  • 時短勤務を取り入れる
  • 保育所を設置する
  • 客観的な評価制度を採用する
  • 人間関係の悪化を防ぐ
  • 会社のビジョンを共有する


自社で取り入れられる対策がないか、イメージしながら確認してみてください。


時短勤務を取り入れる


女性には、育児や介護のためフルタイムで勤務できない方が多くいます。短時間であれば、仕事を続けられる方もいるため、時短勤務を取り入れると離職率を改善できるでしょう。


時短勤務は育児・介護休業法により定められた制度です。従業員から要望があれば、1日の勤務時間を6時間とするよう、法律で定められています。育児の場合「子が3歳に達するまで」介護では「利用開始日から連続する3年以上の期間」取得可能です。


法律で定められた制度であることを、知らない社員がいる可能性もあります。社内で周知徹底すれば時短勤務を利用する社員が増え、離職率を抑えられるでしょう。


保育所を設置する


子どもがいる女性は、預ける場所がないことにより、産休・育休から復帰できず退社するケースがあります。女性が多い企業では、独自に保育所を開設しているケースもありますが、多くの企業では同様の対応は難しいでしょう。


しかし、企業主導型保育事業制度を利用する方法があります。2016年に始まった制度で、単体の企業だけでなく複数が協力して、保育所の共同設置・共同利用が可能です。


延長保育・夜間保育にも対応できるので、夜勤がある職種でも活用できる利点があります。子どもを安心して預けられる場所を提供できれば、女性の離職率を減らせるでしょう


客観的な評価制度を採用する


女性が長く働きたいと感じる企業にするためには、正当に評価される体制を整えることが重要です。上司の個人的な判断で評価が行われる企業では「女性なので不当に低く評価されている」と感じる可能性があります。


基準を明確にして客観的な評価ができる体制をつくれば、女性社員の納得感が高まるでしょう。性別に関係なく、公平にキャリアがつめる企業であると示せます。


評価プロセスを改善したい企業には、タレントパレットの人事評価機能がおすすめです。評価傾向診断を利用することで、人事評価の品質を向上できます。正当な評価体制を整えたい企業は、タレントパレットの導入をぜひご検討ください。


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人間関係の悪化を防ぐ


人間関係が悪くなると改善に時間がかかるため、事前に対策することが重要です。ハラスメントやいじめが発生しないよう、研修を実施したり相談窓口を設置したりすると良いでしょう。


また、1人で悩む社員がいなくなるように、上司や人事担当者が一対一で話す機会を設け、困りごとがないか確認すると効果的です。定期的に実施すれば社員と信頼関係が築けるとともに、問題を早期に発見できます。


人間関係が良好に保てれば、業務がスムーズに進むなどのメリットもあるため、積極的に実施するのがおすすめです。


会社のビジョンを共有する


会社のビジョンを共有すれば自分の業務がどのように会社の発展につながるかを理解できるため、社員の所属意識が高まります。女性社員も「会社に必要とされている人材」であると認識でき、やりがいを感じられるでしょう。


また、会社のビジョンに共感すれば、長く勤務したいと感じる社員が増えます。会社に愛着がわき、離職率の改善につながるでしょう。


離職率の下げ方について詳しく知りたい方は、別記事「離職率を下げるには」をあわせてご確認ください。


離職率高い仕事女性のまとめ


女性の離職率を抑えたい方の中には、何から始めれば良いのかわからない方もいるでしょう。すぐに始められる対策には、自社の実態を把握するためのアンケート調査や、正当に評価するための客観的な評価フローの導入などがあります


アンケート調査や評価フローの整備には、人手と時間がかかるケースがあります。「タレントパレット」を活用すれば、アンケート調査の実施・分析に関わる手間を削減できるほか、少ない工数で自社に適した評価フローを構築可能です


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